概 要 |
千丈ヶ嶽は、与謝野町と福知山市の境にある標高832.4mの山で、大江山連峰の中央に位置しています。
山頂からは山並みを見渡せる眺めが広がります。
今回は鬼嶽稲荷神社園地から「酒呑童子の供養碑」を経て山頂へ登り、815m峰を経て鬼嶽稲荷神社園地へ降るルートを歩きます。
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起 点 |
福知山市大江町 北原地区
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終 点 |
福知山市大江町 北原地区
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北原地区…鬼嶽不動尊…鬼嶽稲荷神社園地…登山口…作業道出合…酒呑童子の供養碑…登山道出合…千丈ヶ嶽…815m峰…展望地…登山口…鬼嶽稲荷神社園地…北原地区
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所要時間 |
2時間10分
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歩いて... |
起点から山頂までの標高差が220mほどで、比較的楽で短いコースです。
疲労困憊するような急坂が長く続くことはありませんが、気温が高い日だったので、
噴き出す汗を拭きながらの遅い登りとなりました。
日曜日とあって、山頂は多くのハイカーで賑わっていました。
山頂からの眺めは霞んでいて、遠くの山がはっきりと見えないのが残念でした。
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関連メモ |
千丈ヶ嶽,
大江山連峰,
鬼の洞窟,
千丈ヶ嶽,
鬼嶽稲荷神社園地,
千丈ヶ嶽
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北原地区
宮津市から福知山市へ向かって府道9号を南下していきます。
市境を過ぎて二瀬川バス停まで来るとがあります。
脇には「大江山登山口」のなどが立っています。
「鬼嶽稲荷神社園地」の標識や近畿自然歩道のもあります。
府道9号は左へ曲がっていきますが、赤鬼が指す正面から右へ曲がって登っていく町道二瀬川大江山線を進んでいきます。
坂道を登っていくと程なくしてがあります。
そこの「」に載っている鬼嶽稲荷神社へ向かっていきます。
鍋塚休憩所への分岐を過ぎて登っていくと、青鬼(平家鬼)の立つがあります。
林道新大谷線を左に分けて更に登っていくと記念碑「開通」があります。
傍には赤鬼(稲荷鬼)が立っていて、車2・3台分ほどの駐車スペースがあるので、ここに車を止めました。
酒呑童子の里
酒呑童子の里は、昭和44年に休山した河守鉱山の社宅や寮などの跡地を利用して開発された観光・レクリエーションゾーンです。
酒呑童子の鬼伝説が残る大江山の豊かな自然に囲まれたロケーションに、
「大江山グリーンロッジ」、「童子荘」などの宿泊施設、「バンガロー」、「キャンプ場」、「バーベキューハウス」などのアウトドア施設、
「テニスコート」、「グラウンド」などスポーツ施設が整備されています。
宮津街道
鬼の足跡
「鬼の足跡」は、昔、二瀬川の対岸の見張り場所といわれる「鬼飛岩」から急を知らせるため、
岩から飛び降り着地したところについたものだと伝えられています。
鬼の足跡はマップ上紫色で記した宮津街道で見つけられます。
頼光の腰掛岩
鬼退治をした源頼光が腰をかけたといわれる巨岩です。
強羅
二瀬川渓流周辺の森では、大きな岩の塊がまるで岩の海のように一面に広がっている様子を見ることが出来ます。
森の奥へ進めば、乗用車よりも大きな岩もたくさん見られます。
「強羅(ごうら)」とも「岩海」とも呼ばれるこの岩塊は、天然記念物に指定されているものもあり、
鬼伝説の地にふさわしく荒々しい自然の姿を見せてくれます。
日本の鬼の交流博物館
「日本の鬼の交流博物館」では、大江山の鬼伝説の紹介をはじめ、
全国各地の鬼にまつわる伝統芸能、世界の鬼面などが展示され、「鬼とは何者なのか」について考えることができます。
二瀬川渓流
大江山からの豊かな恵みをたたえ、奇岩と清流が織りなす風景の美しさは有数です。
周囲には遊歩道が整備されており、春はヤマツツジやヒョウガミズキ、
夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々に楽しめます。
環境省、京都府、福知山市
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舗装路を3分ほど登って右への曲がり角まで来ると、があります。
車を何台か止められる広さがあるので駐車スペースのように思えますが、「大型車回転場」のが出ています。
コンクリート補強されたを回り込んでいきます。
路肩が広がった所に駐車している車を眺めながら坂道を登っていくと鬼嶽稲荷神社園地に着きます。
赤鬼が立つ駐車スペースから7分ほどの所になります。
その手前から戻るようにして右の山へ登っていくがあって、
登り口には「鬼嶽不動尊・不動の滝・ぶな林・金時の逆さ杉 100m」の標識が立っています。
以前から気になっていたので、ちょいと歩いてみることにしました。
大型車 マイクロバス以上 回転場
この先、大型車通行困難回転場ありません。
お願い
国定公園内の自然を保護するため、車での進入をご遠慮ください。
福知山千年の森づくり協議会
取ってよいのは写真だけ 持ち帰るのは想い出だけ 置いて帰るのは足跡だけ
福知山市観光協会 大江支部
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鬼嶽不動尊
剥き出した岩の上を過ぎた先にあるをくぐっていきます。
小径にはが埋設されていて「上水」の青頭短杭が点々と続いていますが、園地へ水を引いているようです。
少し登って谷筋に出ると、僅かに水が流れる沢にがあります。
その傍に「鬼嶽不動尊」と刻まれた台座に載った石像がありますが、これが標識にあった鬼嶽不動尊のようです。
登り口から4分ほどの所になります。
標識では「100m」となっていますが、その倍ほどの距離がありました。
背後には小さな滝がありますが、これが不動の滝でしょうか。
小径は左へ戻るようにして続いているので登っていくと、
岩の袂にのようなものがあって、脇に鳥居が置かれています。
以前には小祠があった所のようです。
傍には根元付近だけが残った枯れた大木がありますが、これがでしょうか。
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鬼嶽稲荷神社園地
往復17分ほどで登り口まで引き返してくると、正面に鬼嶽稲荷神社園地があります。
「丹後天橋立大江山国定公園」「鬼嶽稲荷神社園地」の標識や車止めを過ぎて園地に入ると、
左の谷に迫り出すようにしてが建っています。
入口には「」があって、大江山連峰のイラスト図が載っています。
それによると、ここから大江山(千丈ヶ嶽)までは1.1kmとなっています。
建物の中にはの所もあって、景色を眺めながらひと休みするのに良さそうです。
壁には「ここからの眺望」と題した細長い大きな絵図が掲げられています。
手前の樹木が邪魔をしていてその絵図ほどの眺望は得られませんが、を眺めることが出来ます。
建物の外には「鬼嶽稲荷神社」と題した解説板があって、ここから見えるが描かれています。
後日に、東側から 鬼嶽稲荷神社園地へ登る道を歩きました。
(「 鬼嶽稲荷神社園地」を参照)
鬼嶽稲荷神社
ここは大江山(千丈ヶ嶽・標高832.5m)の八合目海抜約640mのところ、頂上まであと約1.2kmです。
ここ鬼嶽稲荷の一帯はブナの原生林で多様な植生がみられ多くの昆虫や鳥獣が生息しており、まさに野性の宝庫です。
昔、神社はもっと頂上近くにあったと伝え、人々は大江山のことを御嶽と呼んでいました。
社伝では、往古、四道将軍として当地へ来た丹波道主命が父、日子坐王の旧蹟に神祠を建立したと伝えています。
又、この一帯に修験の遺跡も多く残っています。
本殿に向かって右手の小祠(はしくらさん)も、その一つです。
大江山は修験の山でもあったのです。
社殿が現在地に移されたのは、弘化年間(19世紀中頃)と思われ、
このとき伏見稲荷大社の分霊を勧請し、鬼嶽稲荷と名を改めました。
以来、当地方の主産業であった養蚕の神、稲作の神として、農民たちの篤い崇敬を受けてきました。
本殿の前の狐の石像をご覧下さい。
狐の尻尾は道祖神を思わせます。
農民達の豊穣への祈りがこめられているのでしょう。
秋の早朝、ここからの雲海の眺めは絶景です。
特に日の出の瞬間「ぎ来光」は神秘的で、美しい紅葉と共に、多くの来山者を迎えています。
福知山十景 大江山連峰・ブナの原生林・雲海
大江山は「酒呑童子」をはじめとする鬼伝説が残る神秘的な山です。
また自然の宝庫で、ハイキングにも最適の地です。
秋に8合目の鬼嶽稲荷神社から見渡す雲海は、乳白の中に山々が島のように浮かんで見えます。
ブナ林は原生林として残る貴重な森です。
平成19年8月3日に国定公園に指定されました。
【福知山十景めぐり】
大原神社と産屋 〜約23km〜
福知山城と福知山通り 〜約1km〜
由良川と音無瀬橋と花火大会 〜約10km〜
天寧寺 〜約25km〜
小倉の玄武岩 〜約23km〜
長安寺 〜約7km〜
三段池公園 〜約1km〜
元伊勢三社(外宮〜約3km〜内宮〜約0.4km〜天岩) 〜約5km〜
二瀬川渓流 〜約6km〜
大江山連峰・ブナの原生林・雲海
福知山市観光振興課
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登山口
「鬼嶽稲荷神社」の扁額が掛かる石造の鳥居と「大江山 鬼嶽稲荷神社」の扁額が掛かる朱塗りの鳥居の奥にがあります。
脇には「鬼嶽神社由緒碑」と題した石碑があります。
旧字体で書かれていて読めない文字もありますが碑文を載せておきます。
神社の左へ進んでいくと「丹後天橋立大江山国定公園」や「」があります。
その前から(*)への道が分かれていて気になりますが、
「十分注意下さい」の貼り紙がしてあるので、訪ねるのは省略しました。
を過ぎた所に千丈ヶ嶽への登山口があって、「大江山登山道 山頂まで1100m」の標柱が立っています。
近畿自然歩道「大江山伝説のみち・鬼の山コース」の標識も立っていて、
この先の道は「千丈ヶ嶽1.1km」、今来た道は「二瀬川バス停5.9km・酒呑童子の里5.3km」となっています。
今回はここから千丈ヶ嶽へ登っていきます。
鬼嶽神社由緒碑
御鎮座ハ遠ク上古ニ係リ社伝ニ依レバ開化天皇之王子日子坐命崇
神天皇之朝青葉山之_賊土蜘蛛ヲ討伐之途北原ヲ経テ与謝大山御
嶽ニ登リ神籬ヲ樹テ天神地祇ヲ祭リ祈誓ヲ罩メラレ神助ヲ得テ遂
ニ妖賊ヲ亡シ皇化ヲ布カレ又其王子但波道主命四道将軍勅ヲ奉ジ
テ山陰地方_撫ノ際父命之御遺跡ナル當社ニ奉幣祈願セラル爾来
御嶽之神籬ト称シ上下之尊崇殊ニ厚シ平安朝ニ降リ丹後之国司在
原棟梁屡々参向社殿ヲ建立シテ御嶽大明神ト崇メタル一絛帝ノ朝
當山ノ一部ニ悪鬼酒顛童子篭窟シ正暦元年三月源頼光勅ヲ奉ジテ
追討ニ向ヒ當社ニ祈願神勅ヲ蒙リ悪鬼ヲ誅戮セラレシヨリ朝野挙
テ崇敬シ鬼嶽大明神ト尊稱スルニ至ル爾後累代国主ノ崇敬篤ク殊
ニ宮津藩主本荘候深ク敬仰アリ神_額ヲ揮毫奉納セラル弘化五年
二月伏見稲荷神社ヨリ正一位鬼嶽稲荷大明神の神号ヲ贈ラレ上下
遠近之崇敬聚マリ昭和十一年五月村社ニ昇格崇敬信徒京阪地方ニ
千五百余ニ及ビ神徳愈々顕著也 塩見愛泉識
大江山連峰地区
大江山連峰地区は丹後半島の南に位置し、標高600m〜800mの稜線が東西に連なっている連山地形です。
連山の山頂からは360度の視界が広がるパノラマ景観や、稜線からの山間景観、鬼嶽稲荷神社から見る雲海など、
さまざまな自然風景を見ることができます。
鬼嶽稲荷神社
昔、神社はもっと頂上近くにあったといわれており、社殿が現在地に移されたのは19世紀中頃の弘化年間とされています。
この時、伏見稲荷大社の分霊を勧請し、名を鬼嶽稲荷に改めました。
神社の周辺はブナの原生林が点在し、雲海の絶景ポイントとしても知られています。
ブナ林
大江山山頂(千丈ヶ嶽)から200m近く標高の低い鬼嶽稲荷神社周辺では、ブナ、トチノキ等の大木も多くみられ、
近畿地方において有数の貴重なブナの自然植生とともに社寺林の威厳のある景観を楽しめます。
雲海
10月下旬の早朝、雲海が広がり見ごろになります。
朝陽があたりを朱色に染めて昇りはじめると、さざ波のように広がる雲間から、
山並みがまるで島々のように白い海に浮かぶ幻想的な光景が見られます。
ヒュウガミズキ
科名:マンサク科 属名:トサミズキ属 花:3月〜4月
大江山山系で発見された植物で、明智日向光秀(みつひで)の所領だった丹波の地(京都府北部)に多く植えられたという説があります。
環境省、京都府
鬼の洞窟
鬼の洞窟に続く下方の山道は、荒れた箇所や細く急な箇所があります。
入られる場合は十分注意下さい。
「京都の自然二百選」 大江山
美しい自然 大切な自然を 永く子孫に伝えよう
平成5年8月31日選定 京都府
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斜面に続くを曲がりながら登っていきます。
になった斜面を、右・左と曲がりながら登っていきます。
傾斜が少し増す所には木の階段が設置されていますが、段差は低くて歩き易くなっています。
よく歩かれている道なのか、小さな解説板が取り付けられた樹木を見かけます。
見落としたものもあろうかと思いますが、気が付いたものを載せておきます。
右へ曲がって尾根の背を登り始める所まで来ると、「千丈ヶ嶽 山頂990m」の標識が立っています。
登山口から8分ほどの所になります。
木の階段は標識が指す右へ続いていますが、
今回は標識の脇から正面の斜面に続くを進んでいきます。
ミズメ | カバノキ科 |
水芽。雌雄同株の落葉高木。果穂は1個ずつ上向きにつきます。
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ブナ | ブナ科 |
ぶな。樹皮は灰色でしばしば地衣が着生。果実は渋くなく生で食べられます。
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クリ | ブナ科 |
栗。最も古い栽培植物のひとつ。果実を包む総苞に棘が密生します。
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作業道出合
の斜面を横切るように続く小径を進んでいきます。
少し右へ曲がっていくとに変わります。
僅かな谷筋を過ぎて斜面を進んでいくと、次第にになります。
少し右へ曲がりながら登っていくと、作業道の曲がり角に出ます。
先ほどの標識から4分ほどの所になります。
右側の道は地形図に実線で載っていて、ここで行き止まりのように描かれていますが、
現地ではヘアピン状に曲がって更に続いています。
左の樹間から僅かにが見えますが、
鬼嶽稲荷神社園地にある解説板に載っている岩戸山(日室ヶ嶽)でしょうか。
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右側の作業道を軽く登っていくとになります。
植林地の傍を進んでいくと軽いになります。
一旦緩やかになって再び降り坂になる道を進んでいくと、を回り込んでいきます。
緩やかになった先を軽く登っていくと、作業道の分岐に出ます。
地形図で実線の道が分岐している所になります。
標識類は見掛けませんが、戻るように続く道を登っていきます。
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酒呑童子の供養碑
少し登っていくと、左側にがあります。
登っていけそうな雰囲気の谷筋ですが見送っていきます。
少し先をヘアピン状に曲がっていきます。
岩が剥き出した法面の所を道なりに右へ曲がっていくと、先ほどのに出ます。
作業道出合から12分ほどの所になります。
曲がり角が広くなっていて、中ほどにがあります。
何かが祀られているように思えますが、扉は施錠されていて確認出来ませんでした。
山際にはがあります。
作業道は谷筋を回り込むように左へ曲がっていきますが、周囲の様子を確認しながらひと休みしていきました。
酒呑童子の供養碑
「酒呑童子断迷開悟」(酒呑童子迷いを断って悟りを開け)と刻まれています。
この天座には、酒呑童子の命日八月十日に、鎌など刃物を一切使わないで、仕事を休み、
この碑の前で大般若経をあげ、酒呑童子の霊を慰める「鎌止め」の風習がありました。
酒呑童子は恐い鬼だったが、天座には何も被害をしなかった。
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登山道出合
落ち着いたところで、小屋と供養碑の間からを登っていきます。
二股に分かれている谷筋の何れを登っても尾根に出られますが、今回は左の谷筋(*1)を登っていきました。
浅い谷筋を登っていくと、支尾根にあるに着きます。
正面へ降っていく道も見られますが、を登っていきます。
程なくして左右に通る登山道(*2)に出ます。
酒呑童子の供養碑から5分ほどの所になります。
周囲に標識類は見掛けませんが、「大江山連峰トイレイルクラブ」などのが巻き付けられた樹木が幾つかあります。
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右の尾根に続く広い道を登り始めると、を進むようになります。
樹木に寄り掛かる「千丈ヶ嶽300m」のを過ぎていきます。
傾斜が緩やかになると分岐があります。
登山道出合から4分ほどの所になります。
手前の樹木には「赤石ヶ岳」のが取り付けられていて、今来た道を指しています。
角にはが設置され、脇には標識が二つ立っています。
左側のには、
今来た道は「双峰・天座1.2km」、正面の道は「千丈ヶ嶽0.3km」、右の道は「鬼嶽稲荷神社0.8km」となっています。
右側の近畿自然歩道「大江山伝説のみち・鬼の山コース」のには、
正面の道は「千丈ヶ嶽0.3km」、右の道は「鬼嶽稲荷神社0.8km」となっています。
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千丈ヶ嶽 (標高832.4m)
緩やかな所を過ぎていくと、軽いになります。
緩やかになった所を過ぎてその先へ登っていくと、を進むようになります。
森を抜けて少し小石がゴロゴロするを登っていくと、広くなった千丈ヶ嶽の山頂に着きます。
登山道出合から11分ほど、登山口から48分ほどで登って来られました。
中ほどには「大江山山頂」「千丈ヶ嶽832m」のが設置されています。
傍には「千丈ヶ岳」があるので、地形図に載っている832.4m峰になるようです。
「」と題した案内板もあります。
丹後天橋立大江山国定公園
「丹後天橋立大江山国定公園」は、2007年8月に全国で56番目の国定公園として誕生しました。
当地区は、丹後半島の南に位置し、標高600m〜800mの稜線が東西に連なっている連山地形です。
三岳山から大江山連峰にかけての山々は、古くからの伝説の山、信仰の山として親しまれてきた美しく雄大な姿を有する名山です。
また、貴重な植物の宝庫として知られ、秋には、見事な雲海も見ることができます。
大江山連峰地区
大江山連峰は丹後半島の南に位置し、標高600m〜800mの稜線が東西に連なっている連山地形です。
連山の山頂からは360度の視界が広がるパノラマ景観や、稜線からの山麓景観、鬼嶽稲荷神社から見る雲海など、
さまざまな自然風景を見ることができます。
鬼嶽稲荷神社
昔、神社はもっと山頂近くにあったといわれており、社殿が現在地に移されたのは19世紀中頃の弘化年間とされています。
この時、伏見稲荷大社の分霊を勧請し、名を鬼嶽稲荷に改めました。
神社の周辺にはブナの原生林が点在し、雲海の絶景ポイントとしても知られています。
ブナ林
大江山(千丈ヶ嶽・832.5m)の8合目にある鬼嶽稲荷神社周辺では、ブナ、トチノキ等の大木も多く見られ、
貴重なブナの自然植生とともに社寺林の威厳ある景観が楽しめます。
雲海
10月下旬の早朝、雲海が広がり見ごろになります。
朝陽があたり朱色に染めて昇りはじめると、さざ波のように広がる雲間から、
山並みがまるで島々のように白い海に幻想的な光景が見られます。
キュウガミズキ
大江山山系で初めて発見されたミズキの種類で、
この地方を領地としていた明智日向守光秀にちなんで名付けられたという説があります。
毛原の棚田(京都府選定文化的景観)
毛原集落は大江山南麓の山間にある小さな集落で、日本の棚田百選に認定された約600枚の棚田が広がっています。
平安時代の「今昔物語」等には、この地方にある元普(不)甲道を舞台として物語も伝わっており、
伝説と里山風景を楽しむことができます。
二瀬川渓流
浸食作用によってできた奇岩と清流が織りなす風景は四季折々の美しさを楽しめますが、特に秋の紅葉は見事です。
また、渓流沿いには遊歩道が整備されており、この渓流を跨ぐように吊り橋「新童子橋」が設けられています。
環境省・京都府・福知山市
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山頂には「大江山連峰」と題したモニュメントがあって、
「赤石ヶ岳736m・千丈ヶ嶽833m・鳩ヶ峰746m・鍋塚763m」となっています。
山頂の南西側が開けていて山並みを見渡せますが、この時は霞んでいて遠くの山がはっきりと見えないのが残念でした。
やにも少し山並みが見えます。
ひと休みしていくのに良いもあります。
奥の方にはを見掛けました。
お昼にはまだ早い時刻だったので昼食は下山してから摂ることにして、水分補給などをしながら広がる景色を愛でていきました。
大江山で見られる植物
ヒュウガミズキ マンサク科 |
蛇紋岩地等の痩せ山に生える落葉低木。
高さ2〜3m。
葉の下面は多少白色を帯び、側脈5〜7対。
鋸歯の先はやや芒状に突出する。
花期は3〜4月。
花は葉に先立つ。
花弁は黄色。
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マルバマンサク マンサク科 |
葉は倒卵状または倒卵円状となって先が円くなり、成葉は殆ど無毛。
花は黄色。
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タンゴグミ グミ科 |
大江山の蛇紋岩地に生える落葉低木。
葉は倒卵状楕円形で先は急に尖って鈍端。
基部はやや円形となり長さ3〜6cm、幅1.5〜4cm。
やや厚く、上面にはやや密に宿存性赤褐色の鱗片があり、下面は銀色の鱗片に赤褐色の鱗片が混生する。
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タニウツギ スイカズラ科 |
新しく崩れた土地等にもよく生える。
高さ2〜5m。
若枝は紫褐色で、毛を散生。
ずいはやや大きく白い。
葉は先が鋭尖頭、小鋸歯縁で、表面には短毛が密生し、裏面も毛を密生、長さ4〜11cm。
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ブナ ブナ科 |
温帯の山地の肥沃な土壌にしばしば群生する。
高さ30m。
樹皮は灰白色または暗白色で割れ目がない。
若枝は暗紫色。
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イタヤカエデ カエデ科 |
高さ20m。
若枝は無毛。
葉はやや小形で5〜7中裂、若いときは基部近くまで深裂。
基部は円〜浅心形。
葉の裂片は殆ど全縁で鋭突頭。
無毛で裏面基部脈肢だけに毛がある。
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タムシバ モクレン科 |
山地に生え、樹幹は直立して分枝する。
枝はやや細く無毛。
葉芽は小さく無毛、花芽は大きく密に白毛がある。
葉は広披針形〜卵状長楕円形で無毛、下面は白色を帯びる。
長さ6〜14cm。
噛むと甘みがあり佳香がある。
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ミヤマカタバミ カタバミ科 |
山の木陰に生える多年草。
地下茎は太く、密に葉柄基部に包まれる。
小葉は幅2.5〜4cm、かどはやや尖った円頭。
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ヒゴスミレ スミレ科 |
山地に生える多年草。
葉は5全裂。
各小葉は更に分裂する。
花期は4〜5月。
白色で紫条があり、多少香気がある。
がくの付属体は長く、時に歯牙がある。
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マムシグサ サトイモ科 |
山中に生える多年草。
地下茎は半球形。
鱗葉は2〜3枚、葉は2個。
小葉は鳥趾状に5〜13枚つき、鋭尖頭、全縁または不揃いな鋸歯があり中央裂片が最大。
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環境省・京都府・福知山市
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落ち着いたところで、来た道を引き返していきます。
小石がゴロゴロする坂道を過ぎて、を降っていきます。
緩やかになった先へ続くを軽く降っていきます。
傾斜が緩やかになると、ベンチが設置された分岐に着きます。
山頂から5分ほどの所になります。
来た道は右前方へ続いていますが、標識「鬼嶽稲荷神社0.8km」が指すを軽く登っていきます。
角の樹木や少し進んだ所の樹木には「鬼嶽稲荷」のが取り付けられています。
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815m峰
広い道を軽く登っていくと向こう側を向いたがありますが、文字は消えて判読出来ませんでした。
植林地と雑木林を分ける広い尾根に続く道を進んでいくと軽いになります。
程なくして登り坂になった道を進んでいくとになります。
快適な道を進んでいくと、僅かな高みを右から巻くようになります。
標石類は見掛けませんが、この辺りが地形図に載っている815峰でしょうか。
山頂から10分ほどの所になります。
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展望地
815峰のを巻くように進んでいきます。
巻き終えて雑木林になった尾根の背に出るとになります。
明るい所へ向かって降っていくと、ベンチが設置された所に出ます。
山頂から12分ほどの所になります。
手前にはが立っていて、今来た道は「千丈ヶ嶽まで500m」となっています。
右側の樹木が伐採されていて展望地ということでしょうが、
は僅かの範囲しか見えません。
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雑木林のに続く道を軽く降っていきます。
僅かに曲がりながら降っていくとになります。
再び降り坂になるとが現れますが、
段差が低くて歩き難くはありません。
程なくして階段が終わると、緩やかな尾根になります。
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植林地の縁まで来ると、石が剥き出すを降っていきます。
石がなくなった尾根を降っていくと再びが現れますが、ここも段差が低くて歩き難くはありません。
階段が途切れると、が設置された所を左へ曲がっていきます。
また段差の低い木の階段を降るようになると、名前を書いたが取り付けられた樹木を幾つか見掛けるようになります。
少し曲がりながら続く階段を降っていくと、作業道へ続く小径が分かれる曲がり角に着きます。
山頂から25分ほどの所になります。
角には「千丈ヶ嶽 山頂990m」の標識が立っていて、今降って来た道を指しています。
ハクウンボク | エゴノキ科 |
白雲木。落葉高木で初夏に開花。花は白色で下垂。種子を鳥が食べます。
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ウリハダカエデ | カエデ科 |
瓜肌楓。縦縞模様の樹皮が特徴。落葉高木。葉は浅く3-5裂します。
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リョウブ | リョウブ科 |
令法。樹皮の美しい落葉高木。あくを抜いた若葉で令法飯を作ります。
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登山口
左へ曲がっていくを降っていきます。
階段が途切れた先を道なりに右・左と曲がっていくと、擬木の手摺りが設置されたを降るようになります。
これまでとは違って段差が少し高くて歩き難くなっています。
を回り込むように降っていきます。
道なりに曲がって、更に続く木の階段を降っていきます。
左へ曲がりながら降っていくと、「大江山登山道」などの標柱が立つ登山口に降り立ちます。
山頂から32分ほどで降りて来られました。
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鬼嶽稲荷神社園地
トイレを過ぎて、にある鬼嶽稲荷神社や社務所へ向かっていきます。
鬼の洞窟への道を見送って、大江山休憩所の脇からを再度眺めていきますが、
最初と同様に霞んでいました。
車止めを過ぎて、鬼嶽稲荷神社園地を後にします。
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北原地区
町道二瀬川大江山線を軽く降っていくと、コンクリート補強されたを回り込んでいきます。
「大型車回転場」の看板が出るを過ぎていきます。
道端に頭を出すを過ぎていきます。
左への曲がり角まで来ると、車を止めておいた駐車スペースがあります。
登山口から9分ほどで到着しました。
お昼には少し早い時刻でしたが、車の中で昼食を摂ってから家路につきました。
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