鬼嶽稲荷神社園地
概 要 鬼嶽稲荷神社園地は千丈ヶ嶽(大江山)の南東に位置し、鬼嶽稲荷神社があります。 車でも容易に登れますが、今回は東側を通る林道新大谷線の途中から地形図に破線で載っている登山道を登っていきます。
起 点 福知山市大江町 北原地区
終 点 福知山市大江町 北原地区
北原地区…登山口…休憩地…鬼嶽稲荷神社園地…(北原地区)
所要時間 1時間20分
歩いて... 登山道の入口には標識が立ち、道々には桃テープが巻かれていてルートを示しています。 地形図に描かれているような真っ直ぐな道ではなく、かなり曲がりながら続いていて、道程は1.5kmほどあります。 疲労困憊するような急坂はなく道は明瞭ですが、折からの猛暑のため大汗を掻きました。
関連メモ 大江山連峰, 千丈ヶ嶽, 鬼の洞窟, 千丈ヶ嶽
コース紹介
北原地区
宮津市から府道9号を南下して普甲峠を越えていきます。 市境を過ぎて福知山市へ入り、二瀬川バス停まで来るとがあります。 脇には「大江山登山口」のなどが立っています。 「鬼嶽稲荷神社園地」の標識や近畿自然歩道「」の案内図もあります。 府道9号は左へ曲がっていきますが、赤鬼が指す正面から右へ曲がって登っていく町道二瀬川大江山線を進んでいきます。 坂道を登っていくと程なくしてがあります。 そこの「」に載っている鬼嶽稲荷神社へ向かっていきます。 鍋塚休憩所への道を分けて登っていくと、青鬼(平家鬼)の立つがあります。 ここで鬼嶽稲荷神社へ向う右の道から分れて、左へ続く林道新大谷線を降っていきます。 落石が目立つ林道を曲がりながら降っていくと、 地形図に実線で載っている道との分岐に着きます。 路肩が広くなっているので、端に寄せて車を止めました。
脇には「北原遺跡」のが立っています。 何処に遺跡があるのか気になりますが、今回は探索するのは止めておきます。
酒呑童子の里案内マップ
大江山の雲海とご来光  古くから鬼の伝説が残る地・大江山では、秋から冬にかけて美しい雲海とご来光を見ることができます。 絶景ポイントは、大江山(標高832m)の半ばにある鬼嶽稲荷神社(標高約640m)。 朝日が神社を輝かせる様子は、神秘的です。
鬼嶽稲荷神社  昔、神社はもっと山頂近くにあったといわれており、社殿が現在地に移されたのは19世紀中頃とされています。 この時、伏見稲荷大社の分霊を勧請し、名を鬼嶽稲荷に改めました。 神社周辺はブナの原生林が点在し雲海の絶景ポイントとしても知られています。
日本の鬼の交流博物館  「日本の鬼の交流博物館」では、大江山の鬼伝説の紹介をはじめ、 全国各地の鬼にまつわる伝統芸能、世界の鬼面などが展示され、 「鬼とは何者なのか」について考えることができます。
二瀬川渓流  大江山からの豊かな恵みをたたえ、奇岩と清流が織りなす風景の美しさは有数です。 周囲には遊歩道が整備されており、春はヤマツツジやヒョウガミズキ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々に楽しめます。
丹後天橋立大江山国定公園  「丹後天橋立大江山国定公園」は、2007年8月に全国で56番目の国定公園として誕生しました。 この国定公園は、丹後半島海岸地区、世屋高原地区、大江山連峰地区の三つの地区で構成されており、 大江山連峰地区は、福知山市、宮津市、与謝野町の市境に位置し、 大江山(標高832m)をはじめ、標高600m〜800mの山々の稜線が東西に連なっている連山地形の大江山連峰と、 福知山市の最高峰である三岳山(標高839m)周辺エリアを含みます。 大江山連峰から三岳山にかけての山々は、古くから伝説の山、信仰の山として親しまれ、美しく雄大な姿を有する名山です。 また、貴重な植物の宝庫としても知られ、秋には見事な雲海も見ることができます。
酒呑童子の里  酒呑童子の里は、昭和44年に休山した河守鉱山の社宅や寮などの跡地を利用して開発された観光・レクリエーションゾーンです。 酒呑童子の鬼伝説が残る大江山の豊かな自然に囲まれたロケーションに、「大江山グリーンロッジ」「童子荘」などの宿泊施設、 「バンガロー」、「キャンプ場」、「バーベキューハウス」などのアウトドア施設、 「テニスコート」、「グラウンド」などスポーツ施設が整備されています。
宮津街道 
鬼の足跡  「鬼の足跡」は、昔、二瀬川の対岸の見張り場所といわれる「鬼飛岩」から急を知らせるため、 岩から飛び降り着地したところについたものだと伝えられています。 鬼の足跡はマップ上紫色で記した宮津街道で見つけられます。
頼光の腰掛岩  鬼退治をした源頼光が腰をかけたといわれる巨岩です。
強羅  二瀬川渓谷周辺の森では、大きな岩の塊がまるで岩の海のように一面に広がっている様子を見ることが出来ます。 森の奥へ進めば、乗用車よりも大きな岩もたくさん見られます。 「強羅(ごうら)」とも「岩海」とも呼ばれるこの岩塊は、天然記念物に指定されているものもあり、 鬼伝説の地にふさわしく荒々しい自然の姿を見せてくれます。
環境省 京都府 福知山市
林道 新大谷線
延長2,093m 幅員3.0m
施工主体 大江町
登山口
駐車地の先へ続くを降っていきます。 右側の植林地には何段ものが見られます。 しばらく降っていくと、林道は折れ曲がっていきます。 曲がり角から、地道が右へ分れています。 駐車地から4分ほどの所になります。 入口にはが立っていて、 この先の道は「大江山登山道」、今来た道は「タタラ跡0.3km右」となっています。 今回はここから鬼嶽稲荷神社園地へ登っていきます。
登山道はすぐに曲がっていきます。 樹木には桃テープが巻かれています。 この桃テープは鬼嶽稲荷神社園地まで点々と続いていて、ルートを示しています。 左から回り込むようにしてに出て登っていきます。 しばらく登っていくと、左側にある小規模なを過ぎていきます。 少し傾斜が増してくる尾根を登っていくと、右側に石標が二つ並んでいます。 登山口から8分ほどの所になります。 右側の石標には「正一位中岡稲荷大神」、左側の石標には「正一位二本杉稲荷大神」と刻まれています。 傍には手水鉢と思われる四角く刳り抜かれた石があります。 文字が刻まれていますが、少し風化していてはっきりとは読めませんでした。
登山道は石標の所から曲がっていきます。 桃テープを辿りながら、尾根のを登っていきます。 程なくして折れ曲がっていきます。 尾根を回り込むように左へ曲がって、尾根のを登っていきます。 少し左右に傾いていて歩き難い道を登っていくと、シダ類が茂る明るい所に出ます。 登山口から17分ほどの所になります。
シダ類が茂る所を過ぎて少し左へ曲がりながら登っていくと、 浅い谷筋を挟んで右側にが現れます。 何処を進めばいいのか考えていると、登山道は折れ曲がっていきます。 斜面を横切るように登っていくと、尾根の背を回り込むように曲がっていきます。 引き続き見られる桃テープを辿りながら、尾根の左斜面を進んでいきます。
休憩地
尾根のを、少し左へ曲がりながら登っていきます。 桃テープが巻かれた樹木まで来て、折れ曲がっていきます。 少し登っていくと尾根の背に出ます。 登山口から28分ほど、道程で0.8kmほどの所で、鬼嶽稲荷神社園地までのほぼ中間地点になります。 からは歩けそうな尾根が登ってきています。 は尾根を左へ回り込むように続いていますが、 猛暑でかなり汗を掻いたので、水分補給をしながらひと息入れています。
落ち着いたところで、尾根のに続く道を進んでいきます。 程なくして折れ曲がっていきます。 小尾根を回り込むように曲がっていきます。 尾根の背も歩けそうな様子ですが、に続く道を進んでいきます。 が剥き出す所まで来ると、踏み跡が左前方へ分れています。 休憩地から7分ほどの所になります。
の手前を折れ曲がって登っていきます。 程なくしてに着いて、左へ回り込んでいきます。 を横切るように少し右へ曲がりながら進んでいきます。 右の樹間に少しが見える所を過ぎていきます。 程なくして、左へ折れ曲がっていきます。
が少し見られる斜面を登っていきます。 倒木を跨いで、の明るい所を横切っていきます。 小尾根の先端を回り込んでいきます。 程なくして分岐があります。 休憩地から19分ほどの所になります。 標識類は見かけませんが、桃テープが巻かれているを登っていきます。
階段のように張り出した根を過ぎていくと、がゴロゴロする所があります。 剥き出すの脇を過ぎていきます。 左上を振り返ると、が見えてきます。 休憩所から離れていきますが、まだ続いているを辿りながら斜面を斜めに登っていきます。 小石がゴロゴロする所まで来ると、左へ折れ曲がっていきます。
鬼嶽稲荷神社園地
小規模なの脇を登っていきます。 森を抜けると、の下にある明るい所に出ます。 右へ登っていく踏み跡もありますが、崩れそうな斜面になっているので、 休憩所の下のの脇を進んでいきます。 休憩所の下を過ぎるとが現れます。 右へ曲がりながら登っていくと、鬼嶽稲荷神社園地にある社務所大江山休憩所の間に出ます。 休憩地から30分ほど、登山口から1時間2分ほどで登って来られました。 登山道はかなり曲がりながら続いていたので、登山口からの道程は1.5kmほどになります。 社務所の外壁には「北原」の標識が取り付けられていて、今登ってきた道を指しています。
出た所にはが並んでいます。 「」と題した解説板があって、ここから見える山並みが描かれています。 福知山十景の解説板もあって、大江山連峰・ブナの原生林・雲海などが紹介されています。 正面に鬼嶽稲荷神社があります。 脇には「鬼嶽神社由緒碑」と題した石碑があります。 旧字体で書かれていて読めない文字もありますが、碑文を載せておきます。 右側にがあります。 入口には「」があって、大江山連峰のイラスト図が載っています。 の中には畳敷きの所とベンチが置かれた所があります。 壁には「ここからの眺望」と題した細長い大きな絵図が掲げられています。 手前の樹木が邪魔をしているのが残念ですが、 に山並みが見えます。 猛暑で大汗を掻いて疲れたので、水分補給をしながら休憩していきます。
鬼嶽稲荷神社
ここは大江山(千丈ヶ嶽・標高832.5m)の八合目海抜約640mのところ、頂上まであと約1.2kmです。 ここ鬼嶽稲荷の一帯はブナの原生林で多様な植生がみられ多くの昆虫や鳥獣が生息しており、まさに野性の宝庫です。 昔、神社はもっと頂上近くにあったと伝え、人々は大江山のことを御嶽と呼んでいました。 社伝では、往古、四道将軍として当地へ来た丹波道主命が父、日子坐王の旧蹟に神祠を建立したと伝えています。 又、この一帯に修験の遺跡も多く残っています。 本殿に向かって右手の小祠(はしくらさん)も、その一つです。 大江山は修験の山でもあったのです。 社殿が現在地に移されたのは、弘化年間(19世紀中頃)と思われ、 このとき伏見稲荷大社の分霊を勧請し、鬼嶽稲荷と名を改めました。 以来、当地方の主産業であった養蚕の神、稲作の神として、農民たちの篤い崇敬を受けてきました。 本殿の前の狐の石像をご覧下さい。 狐の尻尾は道祖神を思わせます。 農民達の豊穣への祈りがこめられているのでしょう。 秋の早朝、ここからの雲海の眺めは絶景です。 特に日の出の瞬間「ぎ来光」は神秘的で、美しい紅葉と共に、多くの来山者を迎えています。
福知山十景
大江山連峰・ブナの原生林・雲海  大江山は「酒呑童子」をはじめとする鬼伝説が残る神秘的な山です。 また自然の宝庫で、ハイキングにも最適の地です。 秋に8合目の鬼嶽稲荷神社から見渡す雲海は、乳白の中に山々が島のように浮かんで見えます。 ブナ林は原生林として残る貴重な森です。 平成19年8月3日に国定公園に指定されました。
福知山十景めぐり
大原神社と産屋 〜約23km〜 福知山城と福知山通り 〜約1km〜 由良川と音無瀬橋と花火大会 〜約10km〜 天寧寺 〜約25km〜 小倉の玄武岩 〜約23km〜 長安寺 〜約7km〜 三段池公園 〜約1km〜 元伊勢三社(外宮〜約3km〜内宮〜約0.4km〜天岩) 〜約5km〜 二瀬川渓流 〜約6km〜 大江山連峰・ブナの原生林・雲海
福知山市観光振興課
鬼嶽神社由緒碑
御鎮座ハ遠ク上古ニ係リ社伝ニ依レバ開化天皇之王子日子坐命崇 神天皇之朝青葉山之_賊土蜘蛛ヲ討伐之途北原ヲ経テ与謝大山御 嶽ニ登リ神籬ヲ樹テ天神地祇ヲ祭リ祈誓ヲ罩メラレ神助ヲ得テ遂 ニ妖賊ヲ亡シ皇化ヲ布カレ又其王子但波道主命四道将軍勅ヲ奉ジ テ山陰地方_撫ノ際父命之御遺跡ナル當社ニ奉幣祈願セラル爾来 御嶽之神籬ト称シ上下之尊崇殊ニ厚シ平安朝ニ降リ丹後之国司在 原棟梁屡々参向社殿ヲ建立シテ御嶽大明神ト崇メタル一絛帝ノ朝 當山ノ一部ニ悪鬼酒顛童子篭窟シ正暦元年三月源頼光勅ヲ奉ジテ 追討ニ向ヒ當社ニ祈願神勅ヲ蒙リ悪鬼ヲ誅戮セラレシヨリ朝野挙 テ崇敬シ鬼嶽大明神ト尊稱スルニ至ル爾後累代国主ノ崇敬篤ク殊 ニ宮津藩主本荘候深ク敬仰アリ神_額ヲ揮毫奉納セラル弘化五年 二月伏見稲荷神社ヨリ正一位鬼嶽稲荷大明神の神号ヲ贈ラレ上下 遠近之崇敬聚マリ昭和十一年五月村社ニ昇格崇敬信徒京阪地方ニ 千五百余ニ及ビ神徳愈々顕著也  塩見愛泉識
登り着いた所の左側には「」と「」の案内板が設置されています。 案内板の所からへ降る道(*1)があって、入口には「鬼の洞窟300m」の標識が立っています。 トイレの先に千丈ヶ嶽への(*2)があります。 右上にはが見えます。 右側の出口のすぐ先から左前方へ登っていく(*3)があって、 「鬼嶽不動尊100m」などの標識が出ています。
*1 左前方の道は「鬼の洞窟」, 「千丈ヶ嶽」を参照。
*2 千丈ヶ嶽の登山道は「大江山連峰」, 「千丈ヶ嶽」,「千丈ヶ嶽」を参照。
*3 鬼嶽不動尊へ続く道は「千丈ヶ嶽」を参照。
丹後天橋立大江山国定公園
丹後半島海岸地区  丹後天橋立大江山国定公園は丹後半島の「海岸と美しい海」、半島中央の「高原と多様な自然」、 大江山を中心とした「連峰と雄大な景観」が見られます。 丹後半島海岸地区は日本海に面し、砂丘や奇岩、砂州、島、岬など、さまざまな海岸景観が見られます。 また、浦島伝説や日本三景の天橋立、伊根の舟屋など歴史・文化景観も多様です。
世屋高原地区  世屋高原地区は丹後半島のほぼ中央に位置し、標高500m〜600mの稜線が連なる高原です。 この地区は、近畿でも有数のブナ・ミズナラ等の落葉広葉樹林や希少な動植物、渓流、湿原、 山頂から真下に海を見下ろす半島ならではの眺望景観があり、 棚田などの文化景観を含み、さまざまな自然風景を見ることが出来ます。
大江山連峰地区  大江山連峰地区は丹後半島の南に位置し、標高600m〜800mの稜線が東西に連なっている連山地形です。 連山の山頂からは360度の視界が広がるパノラマ景観や、稜線からの山間景観、鬼嶽稲荷神社から見る雲海など、 さまざまな自然風景を見ることができます。
環境省・京都府
大江山周辺案内
鬼嶽稲荷神社  昔、神社はもっと頂上近くにあったといわれており、社殿が現在地に移されたのは19世紀中頃の弘化年間とされています。 この時、伏見稲荷大社の分霊を勧請し、名を鬼嶽稲荷に改めました。 神社の周辺はブナの原生林が点在し、雲海の絶景ポイントとしても知られています。
ブナ林  大江山山頂(千丈ヶ嶽)から200m近く標高の低い鬼嶽稲荷神社周辺では、ブナ、トチノキ等の大木も多くみられ、 近畿地方において有数の貴重なブナの自然植生とともに社寺林の威厳のある景観を楽しめます。
雲海  10月下旬の早朝、雲海が広がり見ごろになります。 朝陽があたりを朱色に染めて昇りはじめると、さざ波のように広がる雲間から、 山並みがまるで島々のように白い海に浮かぶ幻想的な光景が見られます。
ヒュウガミズキ  科名:マンサク科 属名:トサミズキ属 花:3月〜4月
大江山山系で発見された植物で、明智日向光秀(みつひで)の所領だった丹波の地(京都府北部)に多く植えられたという説があります。
鬼の洞窟 ←300m
鬼の洞窟に続く下方の山道は、荒れた箇所や細く急な箇所があります。 入られる場合は自己責任で十分注意してください。
福知山市観光協会 大江支部
北原地区
落ち着いたところで、を後にして、待機させておいた自転車に乗って駐車地までワープします。 バス回転場を過ぎていくと、曲がり角に(稲荷鬼)が立っています。 風を切って颯爽と降っていくと、林道新大谷線とのに出ます。 脇には(平家鬼)が立っています。 に入って、目立つ落石に注意しながら降っていきます。 降り基調なのは良いのですが、常にブレーキをかけながらの走行なので、次第に腕が疲れてきます。 曲がりながら降っていくと、車を止めておいた駐車地に着きます。 鬼嶽稲荷神社園地から道程3kmほど、高低差280mほどのダウンヒルでした。 何度か止まって写真を撮りながら降ってきたので16分ほどかかりました。 (所要時間に含めず)