草置城跡
概 要 草置城跡は宍粟市一宮町の百千家満地区・草木地区・上岸田地区の境にある601.7m峰にあります。 山頂には双眼鏡が設置されて景色を眺められます。 峠近くには模擬櫓もあって、草置城の解説板が設置されています。 今回は東側の草木ダムの脇から622m峰に出て601.7m峰へ向い、南側にある模擬櫓へ降るルートを周回します。
起 点 宍粟市一宮町 草木地区
終 点 宍粟市一宮町 草木地区
草木地区…登山口…11番鉄塔…622m峰…10番鉄塔…9番鉄塔…8番鉄塔…7番鉄塔…601.7m峰…模擬櫓…草木越え…若宮八幡神社…草木ダム…草木地区
所要時間 1時間30分
歩いて... 草木ダムの脇から送電線の巡視路が続いていて、要所に立つ「火の用心」の標識がルートを示しています。 巡視路は傾いていたりアセビやシダ類が茂る所もありますが、歩くのに問題はありません。 7番鉄塔まで進んでから少し引き返し、尾根に出て601.7m峰へ登り、南側にある模擬櫓へ降っていきます。 山頂や尾根からは山並みを眺められます。
関連メモ 大段山, 高峰
コース紹介
草木地区
播但連絡道路を朝来ICで降りて国道429号を西進し、笠杉トンネルを抜けて宍粟市に入っていきます。 県道6号を合わせて草木発電所を過ぎていくと、道が左へ分れていくがあります。 角には「宍粟50名山 高峰・大段山・千町ヶ峰・笠杉山・杉山・岩塊流・段ヶ峰」や「雲海に建つ草置城」などのがあって、左の道を指しています。 草木越えを過ぎて草木地区に入り、草木ダムの傍まで来ると、トイレなどが設置された広い所が左側にあるので、 ここに車を止めさせて頂きました。
登山口
駐車地の脇には「三方谷八十八ヶ所第 八十二番霊場」と「三方谷八十八ヶ所 第八十三番霊場」の札が掲げられたがあります。 扉を開けて中を覗ってみると、が安置されています。 お堂の左脇から続くは見送っていきます。 沢の上を過ぎていくと道がしています。 右の作業道は見送って左へ進んで車道のすぐ傍まで来ると、支柱だけになった「火の用心」の標識があります。 支柱には「11 10」と書かれていて、曲がった矢印も描かれています。 ここから送電線の巡視路を登っていきます。
踏み跡を辿ってを登っていきます。 すぐの所に「火の用心12 11」のが立っていて、 支柱には「→11 10」「←12」と書かれています。 少し先を左へ折れ曲がって登っていくとに出ます。 右へ曲がってアセビが茂る所を登っていくと、すぐに送電線のが見えてきます。 アセビが茂る中を道なりに左へ曲がっていくと、鉄塔が近づいてきます。
11番鉄塔
斜面を横切るように進んでアセビが茂る所を過ぎると、硬質プラスチック製のが現れます。 階段が終った先の急なザレ場をズリ落ちないよう慎重に登っていくと、送電線の鉄塔「草木南小田第一線一一」に着きます。 登山口から6分ほどの所になります。 正面にはが延びていて、巡視路と思しき踏み跡も見られます。 振り返るとが見えます。 には退色して文字が消えた「火の用心」の標識があるので、 正面の踏み跡は見送って右の尾根を登っていきます。
622m峰
尾根を登り始めた所から振り返るとが広がります。
所々にが生える尾根を登っていきます。 少し登っていくと硬質プラスチック製のが現れます。 階段が途切れた先へ登っていくと、アセビが茂る緩やかな高みに着きます。 標識類は見かけませんが、ここが地形図に載っている622m峰の少し西側の尾根になるようです。 11番鉄塔から7分ほどの所になります。 周囲には樹木が茂っていて眺めは広がりません。 は僅かな登り坂で続いています。 ここは僅かな降り坂のを進んでいきます。
10番鉄塔
次第に傾斜が増してくる尾根を降っていくと、少し曲がっていきます。 程なくして硬質プラスチック製のが現れますが、 落ち葉が積もって分り難くなっています。 階段が終って緩やかになると、正面にが見えてきます。 生い茂るアセビなどをくぐっていくと、送電線の鉄塔「草木南小田第一線一〇」に出ます。 622m峰から5分ほどの所になります。 出た所には退色した「火の用心」のが立っていて、 支柱に「←9」「11→」と書かれています。 左には送電線ののような道がありますが、 11番鉄塔の正面に見られた踏み跡のように思えます。
支柱に書かれた「←9」の文字に従って、を降っていきます。 程なくして、送電線の鉄塔とが正面に見えてきます。 降り傾斜が増してくると、が茂るようになります。 シダ類の下に続く硬質プラスチック製の階段を曲がりながら降っていくと、折れ曲がっていきます。 倒木を跨いだりしながら斜面を斜めに降っていくと、僅かに水が流れる谷筋に出ます。 脇には「火の用心10 9」のが立っていて、 支柱には「9→」「10←」と書かれています。
9番鉄塔
谷筋を右へ回り込んで、を横切るように軽く登っていきます。 倒木を跨いだりしながら登っていくと、送電線のが見えてきます。 鉄塔の手前まで来ると退色した「火の用心」のが立っていて、 支柱には「←9」「10→」と書かれています。 標識を過ぎると、送電線の鉄塔「草木南小田第一線九」に着きます。 10番鉄塔から14分ほどの所になります。 右側を振り返るとが見えます。
正面に続く緩やかになったを進んでいきます。 前方から右にかけて広がるを眺めながら進んでいきます。 正面に立つ送電線の鉄塔へ続くを進んでいきます。 少しシダ類などが生える道を進んでいくと分岐があります。 脇には退色した「火の用心」の標識が立っていて、支柱に「8←」「9→」と書かれています。 9番鉄塔から3分ほどの所になります。
左の道を登っていくと、すぐに荒れた建物があるに出ます。 鞍部から尾根を登っていくと601.7m峰へ出られます。 鞍部の先へ続く広めの道を降っていくと、草木集会所の南東の車道に出られます。
(ルート図に緑色で表示)
8番鉄塔
左の道は見送って、を進んでいきます。 軽い登り坂になると、送電線のが近づいてきます。 傾斜が緩やかになると、送電線の鉄塔「草木南小田第一線八」に着きます。 9番鉄塔から5分ほどの所になります。
7番鉄塔
正面へ続くを更に進んでいきます。 程なくしてがあります。 脇には退色した「火の用心」の標識が立っていて、支柱に「6↑」「7→」「8←」と書かれています。 601.7m峰へは左の道を登っていくのですが、その前にすぐ先に見えている鉄塔まで往復してきます。 正面の道を進んでいくと、すぐに送電線の鉄塔「草木南小田第一線七」に着きます。 8番鉄塔から2分ほどの所になります。 正面には山並みが広がります。
繁盛小学校の傍にある国道429号と県道6号のも良く見えます。 送電線が続くには踏み跡が見られますが、 目指す601.7m峰から離れていくばかりなので、ここで引き返します。
手前にあったまで引き返してきます。 「火の用心」の標識「6↑」が指す右側の硬質プラスチック製のを登っていきます。 少し左へ曲がりながら登っての手前まで来ると、階段は終わりになります。 ここで道が不明瞭になりますが、植林地のを登っていきます。 少し右へ曲がりながら登っていくと、伐採木が散乱する尾根の背に出ます。 7番鉄塔から4分ほどの所になります。
右へ曲がって伐採木が散乱する尾根を登り始めると、すぐの所に「火の用心」のが立っています。 煩わしい伐採木が散乱する所を過ぎると、になります。 緩やかになった尾根を倒木を跨ぎながら進んでいくと、「界」のを見かけるようになります。 しばらく進んでいくと、が増してきます。 少し登っていくと、堀切のように窪んだ所がありますが、写真には上手く写せていません。 情報によると、この辺りから草置城跡になるようです。
601.7m峰(点名:草木)
数段の硬質プラスチック製の階段を登っていくと、右側が開けてを眺められます。
程なくして現れる硬質プラスチック製のを登っていきます。 階段を登り切ると高みに着きます。 尾根の背に出た所から8分ほど、登山口から53分ほどで登って来られました。 中ほどには「草木」があるので、地形図に載っている601.7m峰になるようです。 情報によると、この辺りは草置城跡で、この高みに主郭があったようですが、その旨の標識や案内板は見かけません。 三角点の傍にはカバーをされたがあって、景色を眺めることができます。 右側には山並みが広がりますが、手前の樹木が少し邪魔をしています。 7番鉄塔からも見えたの辺りが良く見えます。
送電線のの硬質プラスチック製の階段が北西へ降っていきます。 歩き易そうで気になりますが、今回は見送っていきます。 南へ続くが茂る所を抜けていきます。 すぐにを降るようになります。 少し曲がりながら続くを淡々と降っていきます。 傾斜が緩やかになると、「センチョウ18」「せんちょう21」の標識が取り付けられた電柱が立っています。 右側にはが少し見えます。 左側にはが少し見えます。
模擬櫓
尾根の右肩に続くを降っていきます。 程なくしての裏側に降り立ちます。 601.7m峰から7分ほどで降りて来られました。 には壊れた看板があります。 正面へ回っていくと、「草置城」の表札が掲げられています。 扉は施錠されていないので開けてへ入ってみると、 中ほどに囲炉裏があって「」の解説板もあります。 読み間違えている部分もあるかも知れませんが、解説文を載せておきます。 二階へ昇る階段もありますが、二階には特に何もありません。
この周辺急傾斜地につき足元に充分注意して下さい。 ケガ等の責任は一切負いません。
繁盛連合自治会
草置城跡
草置城は、繁盛地区百千家満から東へ坂を登りつめた草木の集落へ下る峠の北側にある山頂(600米)に築かれていました。 この城は但馬の国朝来郡田路谷からこの地に移った田路隠岐守胤純が戦国時代の天文7年にはじめて城を築き城主となりました。 登り峠から北へ尾根伝いに150米ほど、ここに木戸口があったと思われます。 30米先の山頂には広大な平坦地があります。 ここに主郭として櫓などがあり、建物が建てられ、南側と北東側には副郭と見られる平坦地や地下には深い堀切もあり、 城北周囲から上岸田方面御形神社も眼下に、全てを播磨国境に近い交通文化の要衝でもありました。
平成18年3月吉日 繁盛連合自治会
草木越え
模擬櫓の左前方に登っていくがあるので、ちょいと登ってみます。 すぐに高みに着くと、倒木に壊された様子のがあります。 石段を引き返して、尾根の右肩に続くを降っていきます。 程なくして、車道が尾根を越えていく草木越えに出ます。 出口には「草置城」と刻まれたがあります。 右へ戻るように降っていく地道もありますが、少し降った所で立入禁止になっています。 左へ曲がったすぐ先にあるには、「」と題した案内図があります。
情報によると、以前にこの辺りにあった繁盛村(はんせむら)が、 1956年に一宮町(神戸村・染河内村・下三方村が合併)・三方村と合併して新たな一宮町になり、 さらに2005年に千種町・波賀町・山崎町と合併して宍粟市となったようです。 今では「繁盛」という地方自治体はありませんが、小学校・郵便局・駐在所などの名前として今にその名前が受け継がれているようです。 今回の起点である草木地区繁盛村に含まれていたようです。
若宮八幡神社
東へ続く車道を降って草木地区へ入っていくと、 草木集会所草木集会所前バス停の手前にがあります。 左にある「若宮八幡神社」の扁額が掛かるの先に神社があるようなので、ちょいと立ち寄っていきます。 手水舎には「草置城」の解説板が掲げられています。 正面のを真っ直ぐ登っていきます。 石段を登り切った所に、拝殿と本殿から成る神社があります。 扁額や由緒書きなどは見かけませんが、これが若宮八幡神社のようです。 背後の植林地の上には、荒れた建物があるが見えます。 9番鉄塔8番鉄塔の間にある分岐から登ってきた所にある鞍部になります。 この若宮八幡神社からは明瞭な道がありませんが、あまり苦労せずに登っていくことができます。
草置城(くさぎじょう)
此の城は但馬の国朝来郡田路谷高倉城主田路大和守胤直の嫡男田路隠岐守胤純が天文7年(1538)に築城した山城である。 山頂には郭跡、堀割(薬研掘)、土塁有り。
播磨鑑 宍粟郡古城誌 日本城郭全集 朝食会
草木ダム
往復5分ほどで車道まで引き返して、に続く車道を進んでいきます。 程なくして登り坂になる車道を進んでいくとがあります。 このまま車道を進んでいくと車を止めてきた駐車地に着きますが、右の道の先にダムが見えるのでちょいと立ち寄っていきます。 舗装路を軽く降っていくと、斜面になったを水が勢いよく流れ落ちています。 これが草木ダムのようです。 左手前から続くを登っていきます。 緩やかになると右側に草木ダムの堤頂部がありますが、解説板などは見かけません。
情報によると、草木ダムは重力式コンクリートダムで、堤高24.8m、堤頂長86.4mとのことです。
草木地区
草木ダムを過ぎて、左から登ってくるに出ます。 右側にを眺めながら進んでいきます。 上流にはが広がっています。 程なくしてに出ます。 車道を横切り、最初の登山口を過ぎて右へ曲がっていくと、車を止めておいた駐車地に着きます。 草木越えから17分ほどで到着しました。