概 要 |
香良城跡は丹波市氷上町の香良地区にあります。
岩瀧寺の北側の標高330m〜340mほどの双耳の岩山に広がっています。
近くまで林道が続いていますが、今回は南にある毘沙門天祠洞を訪ねてから、稜線に出て山頂へ向います。
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起 点 |
丹波市氷上町 香良地区
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終 点 |
丹波市氷上町 香良地区
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香良地区…毘沙門天祠洞…山の神…香良城跡…山の神…林道出合…谷筋…保守路終点…香良地区
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所要時間 |
2時間10分
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歩いて... |
毘沙門天祠洞から先に明瞭な道はなく、大岩が剥き出す尾根が続くので、岩を避けながら登りました。
山頂の西側にある岩場からは山並みを眺められます。
今回は標高340mほどの東峰だけに登り、双耳の片方の標高330mほどの西峰まで行くの省略しました。
下山は稜線まで登ってきている林道を降ったので楽勝でした。
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関連メモ |
五台山,
鷹取山
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香良地区
丹波市を通る県道7号を南下していきます。
香良谷川に架かる松橋を過ぎていくと、が左へ分かれていきます。
脇には「岩瀧寺・独鈷の滝2km」などのがあって、左の道を指しています。
標識に従って左の県道283号を進んでいくと、香良病院を過ぎた所に駐車場があるので、ここに車を止めさせて頂きました。
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駐車場の端には「中央分水界 五台の径縦走路」が立っていますが、今回登る香良城跡の名前は見られません。
傍には「五台山頂まで2.7km」のもあります。
駐車場のすぐ先の両側には大きなが立っていて、
右の柱には「不動山 岩瀧寺」、左の柱には「名勝 独鈷の滝」の表札が取り付けられています。
手前には「独鈷の滝・不二の滝周辺案内図」と題したがあります。
美和峠や五台山までの道も描かれていますが、詳細までは分かりません。
門柱を過ぎたすぐ左側に「白玉大明神」の扁額が掲げられたがあるので、ちょいと立ち寄っていきます。
鳥居をくぐっていくと、すぐ右側に神社が建っています。
中にあるの柱には「白玉大明神」「心願得通力」の紙が貼り付けられています。
白蛇の置物もあるので蛇の神様のようです。
注意
香良区及び岩瀧寺山内の樹木・植物・山野草等 一切の採取、持ち出しを厳禁する。
香良区・岩瀧寺
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道路に戻って進んでいくと、今では使われていない様子のがあります。
小屋を過ぎたすぐ先に広場があって、とが建っています。
東屋の中に入ってみると「香良川慕情」の歌詞が掲示されています。
砂防ダムの脇まで来ると、「岩瀧寺渓谷の植生」と題した解説板などがあります。
傍には「兵庫50名山 五台山」や「美和峠」のが立っています。
岩滝寺渓谷 香良川慕情
作詞 西脇真由美 作曲 西村俊夫 唄 香坂かおり
一. |
五台の山に日は暮ちて 里のあかりが目にしみる ゆれる小窓を見つめる様な 滝は独鈷の香良川
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二. |
白いコブシの花が咲く 五台の山の岩間不動 手杓のばしたか細い肩に 滝は独鈷の香良香川
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三. |
川のさ霧に身をまかせ 流れにしずむ花ひとつ 好きと云えずに淋音で泣いた 滝は独鈷の香良香川
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四. |
こぼれる雪を手にうけて 重ねあわせた手のぬくみ 山の岩肌雪時雨の滝に 鐘はいつ鳴る岩滝寺
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市指定文化財 岩瀧寺渓谷の植生
指定年月日 昭和49年7月9日
所有者 岩瀧寺
岩瀧寺渓谷内(岩瀧寺境内1157坪および岩瀧寺所有山林4町9段)は杉の大木が多く、この樹下に陰地植物が豊富で、
特にバイカオウレン・ニシノヤマクワガタ・アズマガヤ・サンショウソオウ・シロバナネコノメ・ハイチゴザサ等がある。
またシダ類は種類が多く60種以上に達し、小面積の地域にこのように多種類を見ることは珍しい。
その中には、カラクサイヌワラビ・ウスメヒワラビ・ミヤマノコゴリシダ・シシラン・ウチワゴケ等もある。
岩上植生としては、ヒトツバ・カタヒバ・イワヒバ・ヌリトラノオ・カミガモシダ等のシダがあり、
セッコク・マメツダラン等のラン類やシャクナゲ等が生じ、湿った岩にはシシラン・ホソバコケシノブ・ウチワゴケ等が見られる。
さらに谷に沿うところは暖地性植物の限界に近く、
ホソバタブ・ヤブニッケイ・シロダモ・リンポクおよびシイ林・カシ林もある。
特にコジキイチゴ・ナガバジュズネノキは県下でも珍しい。
このような植生は霊地として森林環境が保護されたために残ったものであるので、今後も大切に守る必要がある。
平成24年3月 丹波市教育委員会
優良保全林
氷上郡氷上町香良字成山イリズミ98他 2.7ha
この山は、県内の林地を開発した方々の協力金により、公益林整備事業で造成したものです。
みんなで大切に育てましょう。
植栽樹種 |
やまざくら・たにうつぎ・しゃくなげ・やまぶき・たかおかえで・おおもみじ・やまつづじ・べにどうだん
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実施年度 昭和62年度
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兵庫県・氷上町・兵庫県造林緑化公社
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瀧庵と岩瀧寺橋(*1)の間に続くを進んでいきます。
程なくして、で囲まれた一角があります。
取り付けられた標識によると「岩瀧寺オオムラサキゲージ」というようです。
すぐ先のの右側を進んでいきます。
駐車場の出口まで来ると、脇にが並んでいます。
大きめの石像もありますが毘沙門天でしょうか。
石仏群を過ぎると、左側に「毘沙門天祠洞 是ヨリ一丁」の石柱が立っています。
駐車場から7分ほどの所になります。
舗装路(*2)は正面へ続いていますが、ここから毘沙門天祠洞へ向って、左の小径を登っていきます。
*1 岩瀧寺橋を渡った先へ続く道は「 五台山」を参照。
*2 正面の道は「 五台山」「 鷹取山」を参照。
岩瀧寺オオムラサキゲージ
オオムラサキについて・・
オオムラサキ(大紫,Sasakia charonda)は、チョウ目(鱗翅目)、タテハチョウ科に分類される蝶の一種。
日本の国蝶。
日本に分布する広義のタテハチョウ科の中では最大級の種類。
生態や幼虫、蛹の形態は同じコムラサキ亜科のゴマダラチョウによく似る。
成虫は前翅長50-55mmほどで、オスの翅の表面は光沢のある青紫色で美しい。
メスはオスよりひと回り大きいが、翅に青紫色の光沢はなくこげ茶色をしている。
【形態】
日本での地理的変異はやや顕著。
北海道から東北地方の個体は翅表の明色斑が白色に近く、かつ裏面が淡い緑色個体も多い。
九州産は翅表明色斑が縮小し、一見して黒っぽい印象を与える。
成虫は年に一回だけ6-7月に発生し、8月にも生き残った成虫を見かける。
クヌギ、コナラ、ニレ、クワ、ヤナギなどの樹液に集まったり、クリ、クサギなどの花で吸蜜する。
ときに腐果や獣糞などの汚物に来ることもある。
【生態】
餌場での生態は勇ましく、スズメバチなど他の昆虫を羽で蹴散らしながら樹液を吸う姿をよく見かける。
また、飛翔能力が高く、近くに居る時にはその音が聞こえる程、鳥のように力強く、はばたいて、あるいは滑空しながら雄大に飛ぶ。
縄張り飛翔は午後におこなわれることが多く、西日を浴びて高い樹冠を活発に飛び回る姿を見かける。
雄は樹液の周囲に縄張りを作る。
幼虫の食樹はエノキやエゾエノキ。
卵から孵った幼虫は、夏から秋にかけてエキノの葉を食べて成長する。
冬は地面に降りて、食樹の根際や空洞内に溜まった落ち葉の中で越冬する。
春に休眠から覚めると再び食樹に登って、葉を食い、更に成長を続け、蛹になる。
外敵から身を守る為、蛹の状態でも体を震わせることができる。
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小径に入っていくと、「極楽坊谷古跡」「毘沙門天洞」のが倒れています。
正面に防護柵を眺めながら、を右前方へ登っていきます。
すぐ先を左へ曲がっていくとがあります。
上下に設置された小さなレバーを回せば容易に開けられます。
扉を抜けて右へ曲がり、に沿って登っていきます。
道が不明瞭になった先にある段差を登ると、小広い平坦地に出ます。
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毘沙門天祠洞
大小の岩が剥き出す荒れたになって道が不明瞭になりますが、
歩けそうな所を探しながら登っていきます。
程なくして、正面に崩れたが見えてきます。
左右を覗いながら登っていくと、谷筋の左側にが現れます。
石段を登っていくと、左側の平坦地にがあります。
手前には古びたが倒れています。
文字は長年の風雨で掠れてほとんど読めませんが、何とか「香良城址」の文字は確認できました。
ここから香良城跡へ登るルートがあるようです。
小祠の脇には「毘沙門天拝殿寄進者」と刻まれた石柱が立っているので、ここが毘沙門天祠洞になるようです。
舗装路から8分ほどの所になります。
格子戸から中を覗ってみると洞窟の中にがありますが、これが毘沙門天でしょうか。
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左側にを眺めながら、浅い谷筋を横切るように進んでいきます。
小岩がゴロゴロしたで明瞭な道はなく、歩けそうな所を選びながら進んでいきます。
しばらく登っていくと、先の方にが見えてきます。
谷筋を斜めに横切って、まで来ます。
このまま谷筋を登っても良さそうですが、右側に眺めが広がりそうな尾根があるので、登っていくことにします。
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戻るように進んでいきます。
すぐにに出て、左へ曲がっていきます。
剥き出すを登っていきます。
小岩が剥き出すを更に登っていきます。
程なくして傾斜が少し弛むと、松の幼木が見られる歩き易い尾根に出ます。
毘沙門天祠洞から9分ほどの所になります。
左を振り返ると、樹間からが見えます。
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左側に目指す香良城跡のと思われる高みを眺めながら登っていきます。
程なくしてが尾根を塞いでいますが、
を進んでいきます。
少し右へ曲がりながら登って尾根の背に復帰すると、また大岩が尾根を塞いでいます。
毘沙門天祠洞から14分ほどの所になります。
どうしたものかと左右を覗っていると、が何とか歩けそうなので進んでいきます。
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を軽く降っていきます。
次第に小岩が散乱するを登るようになります。
またあるの脇を過ぎたりしながら登っていきます。
次第にが近づいてきます。
このまま真っ直ぐ登っても尾根の背に出られそうですが、左側に眺めが広がりそうな所が見えるので向っていきます。
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左へ戻るように軽く登っていくと、岩が剥き出すに出ます。
右へ曲がって、剥き出すを進んでいきます。
左側にはが広がります。
毘沙門天祠洞から23分ほどの所になります。
岩を過ぎると、僅かなになります。
程なくして緩やかな尾根になります。
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すぐに尾根の幅が広がったになります。
次第にになる尾根を登っていきます。
少し左へ曲がりながら登っていくとになります。
軽い登り坂になると、左側に広いが現れます。
窪んだ道の終わり辺りまで行くと、左下の浅い谷筋に明るい崩落地が見えてきます。
毘沙門天祠洞から33分ほどの所になります。
そろそろ香良城跡に向って左へ進まないといけないし、歩けそうな様子もあるので、降りていくことにします。
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斜面をひと降りして浅い谷筋のに出ると、正面に続く踏み跡があるので進んでいきます。
斜面を横切るように続く緩やかなを進んでいきます。
剥き出す小岩群から解放されて歩き易い道を少し曲がりながら進んでいくと、が次第に低くなってきます。
軽い登り坂になるとがあります。
左側の道の方がしっかりしていますが、はやく尾根の背に出たくて右側の道を登ることにします。
斜面を斜めに登っていくと、程なくして尾根の背に出ます。
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山の神
右側のすぐ先にはが見えているので、
下山時に歩くことにして見送っていきます。
を左へ進んでいきます。
などが茂る所を進んでいきます。
すぐの所に「山の神」の標識が立っています。
崩落地から6分ほど、毘沙門天祠洞から40分ほどで登って来られました。
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降り坂になる尾根を進み始めると、すぐにのように窪んだ所に出ます。
左からはが登ってきますが、手前にあった分岐へ続いているようです。
堀切を過ぎていくと、またのように窪んだ所があります。
堀切を過ぎて緩やかになると、正面に急峻な岩山が聳えています。
香良城跡の東峰のようですが、私の体力では直登は無理な様子です。
どうしたものかと左右を覗っていると、に歩けそうな所があるので進んでいきます。
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香良城跡
大岩の脇を過ぎて、を斜めに登っていきます。
少し進んだ所をに左へ曲がって登っていきます。
写真ではよく分かりませんが、かなり急傾斜です。
脇の樹木や小岩に掴まりながら、を斜めに登っていきます。
ズリ落ちないよう注意しながら登ってに出て右へ曲がると歩き易くなります。
少し登っていくと、なだらかな標高340mほどの高みに着きます。
標識類は見かけませんが、ここが双耳の香良城跡の東峰になるようです。
山の神から8分ほどで登って来られました。
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小広い山頂には一段低いなだらかな所もあって、かつて山城があった様子は窺えますが、石垣などの遺構は見かけません。
西側にが剥き出す所があるので向っていきます。
岩の間を抜けて少し降りていくと、眺めが広がるになっています。
西峰の奥の方にはが見えます。
南の方に出た所からも、少しが見えます。
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眺めを確認したら、登ってきたを引き返していきます。
すぐに左へ曲がって、を脇の樹木や小岩に掴まりながら降っていきます。
登り時にに曲がった辺りまで来て、右へ曲がって降っていきます。
道のようになったに向って降りていきます。
大岩の脇を過ぎていくと、岩山の袂に戻ってきます。
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山の神
左へ曲がって、歩き易くなったを降っていきます。
少し降っていくと、のように窪んだ所を過ぎていきます。
すぐ先でまたのように窪んだ所があります。
右前方に明瞭な道が分かれていきますが、このまま尾根を登っていきます。
尾根をひと登りすると、「山の神」の標識が立っています。
山頂から8分ほどの所になります。
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林道出合
などが茂る所を過ぎていきます。
崩落地の谷筋から登り着いた所を過ぎていくと、斜めに通る林道に出ます。
山の神から1分ほどの所になります。
左へ曲がって、を降っていきます。
右へ曲がりながら降っていくと、左側にが広がってきます。
程なくして、急にのようになります。
どうしたものかと思っていると、踏み跡が続いているので、があった所のようです。
林道に出た所から2分ほどの所になります。
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土砂崩れした所は10mほどで終って、また広いになります。
を眺めながら、緩やかな降り基調の林道を進んでいきます。
林道にはもあって、車での走行は難しい状態です。
が見られるようになる林道を降っていきます。
右へ曲がって、林道を淡々と降っていきます。
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谷筋
松の幼木が見られなくなると、右へ曲がってへ入っていきます。
少し左へ曲がりながら続くを緩やかに降っていきます。
次第にへ向って降っていきます。
谷筋にあるガレた沢の手前まで来ると、林道は行き止りのようになっています。
林道に出た所から10分ほどの所になります。
左へ戻るように林道が続いているので、曲がり角が土砂崩れしているようです。
1mほどのを飛び降りていきます。
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左へ曲がって、小石がゴロゴロするを降っていきます。
谷にはが流れていて、心地良い水音を響かせています。
程なくしてになります。
少し降って右へ曲がると、土砂が道を塞ぐ沢に出ます。
谷筋に降り立った所から3分ほどの所になります。
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僅かに水が流れる沢を渡っていくと、コンクリート道からになります。
水が流れた跡なのか、程なくして窪んだになります。
石がゴロゴロするを降っていきます。
再びコンクリート道になって左へ曲がると、また沢に出ます。
谷筋に降り立った所から7分ほどの所になります。
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保守路終点
僅かに水が流れる沢を渡っていくと、コンクリート道からになります。
程なくして砂防ダムが見えてくると、ダムのの終点に出ます。
谷筋に降り立った所から8分ほどの所になります。
歩き易くなった保守路を降っての手前まで来るとコンクリート道になります。
少し降っていくと、二つ目のの脇を過ぎていきます。
山際にある「石船」の標識を過ぎていくと、三つ目の砂防ダムの脇を過ぎていきます。
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曲がりながら続くを降っていきます。
正面にが幾つか立つ山を眺めながら降っていきます。
傾斜が緩やかになると、小川に架かるを渡っていきます。
左へ曲がっていくと、すぐの所に防護扉があります。
保守路終点から9分ほどの所になります。
小さな回転レバーや横に渡す閂もありますが、用を成さない状態です。
上下をで括られているだけなので、容易に開けることができます。
開放禁止
香良区
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注意
当香良区山林のサカキ・シキビ・盆栽・山野草等一切の産物の採集を厳禁する。
香良区
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香良地区
に沿って続く道を進んでいきます。
程なくして、左右に通るに出ます。
左折して小橋を渡っていくと、の前を進んでいきます。
香良病院を過ぎると、車で来たに出ます。
香良城跡の西峰のを左上に眺めながら県道283号を進んでいきます。
観光バス用の駐車場を過ぎていくと、車を止めておいた駐車場があります。
防護扉から8分ほどで到着しました。
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