久次岳
概 要 久次岳は京丹後市の久美浜町・峰山町・網野町の境界にある標高541.4m(点名:比自山)の山です。 山頂は樹木が茂って展望は良くありませんが、途中の尾根や林道からは山並みを見渡せる眺めが広がります。 今回は久次区公民館を起終点とし、不動尊を経て山頂へ登り、少し南へ降った所から東の尾根を降るルートを周回します。
起 点 京丹後市峰山町 久次地区
終 点 京丹後市峰山町 久次地区
久次地区…防護扉…林道入口…四叉路…不動尊…林道出合…尾根取付…久次岳…平坦地…林道終点…28番鉄塔…林道分岐…防護扉…久次地区
所要時間 4時間20分
歩いて... 一般的な登山ルートではないので標識類は見かけませんが、 登りルートの途中から山頂の先まで桃テープが続いています。 尾根にはシダ類が茂る所やプチ藪漕ぎする所もありますが、歩くのに概ね問題はありません。 しかし傾斜が急な所もあって、何度も立ち止まりながらの遅い登りとなりました。
関連メモ 久次岳, 大饗石
コース紹介
久次地区
京丹後市久美浜町に通る国道312号を東進していきます。 比治山トンネルを抜けて京丹後市峰山町の久次地区を進み、 がある分岐を左へ入っていきます。 宮谷川橋を渡っていくと、大きな「比沼麻奈為神社」の看板が出る分岐があります。 正面に久次区公民館があるので、ここに車を止めさせて頂きました。
右の道の先にあるを過日に訪ねましたが、今回は立ち寄るのを省略します。
比沼麻奈為神社
比沼麻奈為神社(ひぬまないじんじゃ)は「豊受大神」を主祭神としてお祀りしているお社です。 天照大神が今の伊勢内宮に御鎮座になられた後、雄略天皇の夢枕に現れ、 丹波国(現在の丹後国)の比沼真名井(ひぬまのまない)にいる神饌の神「豊受大神」を呼び寄せたいというお告げがあったため、 この地より現在の伊勢神宮外宮に遷宮されましたが、 その元のお社で御分霊をとどめてお祀りしているのがこの比沼麻奈為神社です。
防護扉
久次区公民館に続く道を進んでいきます。 少しズレた十字路を直進し右へ道を分けていくと、左への曲がり角にがあります。 右の道に入って軽く登り、農地が広がる谷筋に出ての脇を進んでいきます。 道が右へ分かれていく所まで来ると、左側に半壊したがあります。 文字は判読出来ませんでしたが、情報によると「應石1800m・不動尊1400m」と書かれているようです。 地道になった正面の農道を進み始めると、すぐの所に防護扉があります。 久次区公民館から7分ほどの所になります。 上・中・下の三箇所に設置された鉄パイプに短い鉄棒を通す形になっているので、 鉄棒をズラせば開けられますが、鉄筋が地面に刺さって扉を動かし難いので、少し苦戦しながら通過していきます。
林道入口
左へ分かれていく地道を見送って、正面のを進んでいきます。 少し右へ曲がりながら山際を進んでいくと、沢が合流する所にが架かっています。 手前で道が分岐していて、脇には「火の用心」のが立っています。 小橋を渡っていくと、すぐ先にもが架かっています。 小橋を渡って右へ曲がっていくと、昭和3年4月に建てられた「砂防記念碑」と刻まれた石柱があります。 防護扉から6分ほどの所になります。 実際にどうなのかは未確認ですが、農道はここで終って、この先は林道になるとしておきます。
軽い登り坂で続く林道を進み始めると、山際にが5体並んでいます。 右側の防護柵が遠退いていくとがあります。 左の道は小尾根を越えて隣の谷筋へ続いていますが、このまま正面の道を進んでいきます。 少し明るくなると、の脇を進んでいきます。 程なくして道が二股に分岐しています。 防護扉から10分ほどの所になります。 真ん中に立つ「お不動さん」のに従って、左の道を進んでいきます。
四叉路
右下に並行する道を眺めながら、軽トラが通れる道幅で続くを軽く登っていきます。 の脇を軽く登っていきます。 竹林が終わった道を登っていくと、山際にが2体並んでいます。 左の尾根が次第に低くなってくるのを眺めながら、軽い登り坂で続くを曲がりながら進んでいきます。 緩やかになった道を進んでいくと尾根の背に出ます。 防護扉から17分ほどの所になります。 から来る道と、左前方へ分かれていく道がある四叉路になっています。 正面には先ほどと同様の「お不動さん」のが立っていて、左前方の道を指しています。 林道は正面へ続いていますが、「お不動さん」に立ち寄るべく、左前方の道を進んでいきます。
右上に並行する林道を眺めながら、これまでの林道よりも狭いを進んでいきます。 程なくしてになった所を進んでいきます。 左下の谷筋にも階段状のなだらかな所が続いています。 今では植林地になっていますが、かつては棚田が続く谷筋だったようです。 少し右へ曲がりながら進んでいくと、飛び石を伝ってを渡っていきます。 小石がゴロゴロするの左側の道を進んでいきます。 小沢から離れて少し左へ曲がり、高みへ向かって登っていきます。
道にはが張られていますが、 掴まって登るためのロープではなくて、谷へ落ちないようにする注意目的で張られているように思われます。 傾斜が増した道を左から右へ曲がりながら登っていくと、岩が剥き出すに出ます。 程なくしてが見えてきます。 傾斜が緩やかになると小屋の前に着きます。 傍には自然石に刻んだがあります。 達筆過ぎて無学の私には読めない文字もあるので、参考のためにを載せておきます。
不動尊
を進んでいきます。 左下の沢にはがあって、心地良い水音を響かせています。 程なくして道は行き止りになります。 周囲の様子を確認しながら、ひと息入れていきます。 正面には身の丈ほどのが立っていますが、 これまでにあった石標「お不動さん」が指していた不動尊になるようです。 四叉路から9分ほど、久次区公民館から34分ほどの所になります。 正面にはが続いています。 手前の小滝の滝口には役小角と思われるがあります。
林道出合
手前にあったまで引き返してきて、左の小尾根を登っていきます。 少し登っていくとが剥き出しているので、その右側を登っていきます。 写真では良く分かりませんが思いのほか傾斜が急なので、脇の樹木に手を掛けながらを登っていきます。 頑張って登っていくとになります。 左へ曲がって、が茂る所もある尾根を軽く降っていきます。 歩き易くなった尾根を進んでいくと林道の曲がり角に出ます。 不動尊から7分ほどの所になります。
不動尊から四叉路まで引き返して林道を登ってくるルートよりも15分ほど短い時間で来られます。
尾根取付
尾根の左斜面に続くを登っていきます。 左の樹木が減ると、谷向かいのが見えてきます。 次第に低くなってくる右の尾根に沿ってを登っていきます。 少し右へ曲がりながら登っていくと、林道が尾根の背(*)を跨いでいく所に出ます。 不動尊から11分ほどの所になります。 ここから久次岳に向って左の尾根を登っていくのですが、 その前に谷向かいのを眺めたりしながら休憩していきます。
*尾根の背を跨いでいく林道は「大饗石」を参照。
落ち着いたところで、を登っていきます。 尾根を登り始めると、左右に分かれる踏み跡のようなものがありますが、正面のを登っていきます。 すぐにが増してくるので、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。 一般的な登山ルートではないので明瞭な道はなく標識類も見かけませんが、を真っ直ぐ登っていけば迷うことはありません。 倒木が目立つ尾根を登っていくと、少し傾斜が緩んだ所に出るので、立ち止まってひと息入れていきます。 尾根取付から4分ほどの所になります。
を更に登っていきます。 が少し茂る所を過ぎていきます。 振り返ると、が少し見えるようになります。 傾斜が増してくるを、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。 木の根にも掴まったりしながら登っていくと、少し傾斜が緩んだ所に出るので、ここでも立ち止まってひと息入れていきます。 尾根取付から16分ほどの所になります。
右側に谷向かいのを眺めながら尾根を登っていきます。 またが増してくるので、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。 少し傾斜がを過ぎていきます。 更に登っていくと、また少し傾斜が緩んだ所に出るので、水分補給をしながら休憩していきます。 尾根取付から26分ほどの所になります。
落ち着いたところで、更にを登っていきます。 少し登っていくとに出ます。 ホッとしながら、を進んでいきます。 程なくして、またが増してきます。 倒木を避けたりしながら登って標高350m辺りまで来ると、樹木に巻き付けられた桃テープがあります。 尾根取付から33分ほどの所になります。 この桃テープは、久次岳を過ぎた先まで適度な間隔で続いています。 急に現れるのは不自然に思えますが、北側の大饗石の辺りから登ってくるルートがあるのでしょうか。
広く根を張ったを過ぎていきます。 ドングリの実が沢山落ちている尾根を登っていくと、が剥き出すようになります。 尾根取付から37分ほどの所になります。 しばらく続くが剥き出した尾根を登っていきます。 剥き出す岩を見かけなくなると、少し傾斜がに出ます。 煩わしい樹木をプチ藪漕ぎしながら登っていくと、また緩やかな所に出ます。 尾根取付から42分ほどの所になります。 左側にはが見えます。
すぐに登り傾斜が増してくると、が茂るようになります。 振り返ってを眺めながら登っていきます。 一旦シダ類のない尾根になりますが、またすぐにが茂るようになります。 緩やかな所を過ぎて更に登っていくと、樹木が減った明るい所に出ます。 尾根取付から53分ほどの所になります。 振り返ると眺めが広がります。
水分補給をしながら休憩していきます。
落ち着いたところで、が茂る尾根を更に登っていきます。 振り返ると、特徴的な形のが頭を覗かせています。 シダ類を見かけなくなると、が増してきます。 脇の樹木に手を掛けながら登っていくと、傾斜がになります。 少し進んだ辺りで立ち止まって、ひと息入れていきます。 尾根取付から1時間6分ほどの所になります。
程なくして傾斜が増してくる尾根を登っていくと、左側の樹間にが見えます。 次第に傾斜が緩んでくるを軽く登っていきます。 軽いになる尾根を進んでいきます。 少し登っていくと、また緩やかな尾根になります。
が増してくる尾根を登っていきます。 少しが茂る所を過ぎていきます。 が見られる尾根を登っていきます。 少し傾斜が緩んだ所まで来て、また立ち止まってひと息入れていきます。 尾根取付から1時間15分ほどの所になります。
久次岳 (標高541.4m)
またが増してくるので、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。 次第に尾根が広がってくると、傾斜もになってきます。 少し左へ曲がりながら登っていくと、植林地の縁にあるの山頂に着きます。 尾根取付から1時間24分ほどで登って来られました。 周囲には樹木が茂っていて、残念ながら眺めは広がりません。 振り返ると、樹木に「久次岳541m」の標識が取り付けられています。 標識の前には「比自山」があるので、地形図に載っている541.4m峰になるようです。 三角点には素焼きの徳利がお供えされています。 この久次岳には神話時代の伝承が残っているようですが、詳細はよく分かりません。 お昼にはまだ早い時刻でしたが、倒木に腰掛けて昼食タイムにしました。
お腹が満ちたところで、南へ続くを降っていきます。 植林地と雑木林を分ける広い尾根を軽く降っていくとになります。 軽く登るようになると、僅かなを過ぎていきます。 軽く降って緩やかな所を過ぎると、またになります。 尾根が二股に分かれる所まで来ると、以前に「枯れ双木」と称しておいた枯れ木がありますが、以前よりも更に枯れて倒れていました。 久次岳から5分ほどの所になります。 ここはを降っていきます。
平坦地
かなり傾斜がを降っていきます。 傾斜が緩んだ所を過ぎていくと、またが増してきます。 少し降って緩やかになった尾根を進んでいくと、僅かなになります。 程なくして平坦地に出ます。 久次岳から16分ほどの所になります。 このまま尾根を南へ降っていくと林道を経て円頓寺へ降りていけますが、 今回はここからを降っていきます。
円頓寺へ降る道は「久次岳」を参照。
降り口ははっきりしませんが、東へ向ってを降っていきます。 写真ではよく分かりませんがかなりのなので、脇の樹木に手を掛けながら降っていきます。 次第にが明確になると傾斜が緩んできます。 登山ルートとしてはあまり使われないのか、この尾根では桃テープを見かけません。 再び傾斜が増してくるを降っていきます。 右に山並みを眺めながら降っていきます。
になる尾根を降っていきます。 太い木がするように生える所まで来ると、 右前方にが見えてきます。 少しアセビが生える所を過ぎていくと、上面が半分ほど欠けた石があります。 平坦地から13分ほどの所になります。 上側からだとはっきりしませんが、下側から眺めると何やら見覚えのある懐かしい形をしています。 ひと呼んでというようです。
傾斜が増してくるを降っていきます。 脇の樹木に手を掛けながら降っていくとになります。 が盛り上がって尾根状になってきます。 本来なら少し手前から右の尾根を降るのですが、正面の尾根の少し先から右の尾根に移れそうな気がして、このまま降っていきます。 を進んでいきます。 少し右へ曲がりながら尾根を軽く降っていきます。 倒木などもありますが、歩き難くはありません。
少しのようになる尾根を降っていきます。 次第に降り傾斜が増してきて、このままだと谷筋に降りてしまいそうになります。 右側を見ると、何やららしきものがあるので、 この踏み跡から谷を渡って右の尾根に移ることにします。 少し戻るように斜面を斜めに降っていくとに出ます。 左へ続く谷筋も歩けそうな様子で気になりながらも、それほど高低差がないに向って登っていきます。 踏み跡が見られない斜面をひと登りすると、予定していた隣の尾根に出ます。 平坦地から27分ほどの所になります。
逆向きのルートを登る場合には、今回の谷渡りのルートを選ぶことはまずないと思います。
緩やかな尾根を進んでいくと、軽いになります。 傾斜が緩んでくると、少しが見られるようになります。 緩やかになった尾根を進んでいくと僅かなに着きます。 中ほどのアセビが茂る所には「界」の赤プラ杭があります。 少し右へ曲がりながら軽く降っていくとになります。 になると、少し左へ曲がっていきます。 倒木が目立つ尾根を登って緩やかになると、中ほどに「界」の赤プラ杭がある高みに着きます。 平坦地から34分ほどの所になります。
左へ曲がって降っていくと、になります。 「界」の赤プラ杭が点々と続く尾根を進んでいくと、少し曲がっていきます。 降り傾斜が増してくると、左側にが見えてきます。 左右に谷底が見えてくる尾根を真っ直ぐ降っていくと、尾根をのようなものが見えてきます。 1m以上の段差があって真っ直ぐ降りていけないので、右側から回り込むように降っていくと、二段低い階段状の所に出ます。 平坦地から43分ほどの所になります。
林道終点
踏み跡のような所を辿って、左へ戻り気味にを横切っていきます。 少し降っていくと、僅かに水が流れる浅い沢の向こう側にが見えてきます。 沢を渡って桃テープが巻かれた木を過ぎていくと正面にが現れますが、右側の谷筋を進んでいきます。 少し進んでいくと、涸れ沢にが架かっています。 少しグラつく丸太橋を渡って右へ曲がるとが現れます。 小径を進んでいくと、程なくして道幅が広がった林道終点に出ます。 平坦地から49分ほど、久次岳から1時間5分ほどで降りて来られました。
林道の所々にはがあって軽トラでも走行出来ない状態ですが、歩く分には問題がありません。 左へ曲がっていくと、を回り込んでいきます。 右側の谷筋にはと思われる階段状の地形が見られます。 軽い登り坂になった林道を進んで左の尾根が低くなってくると緩やかな道になります。
28番鉄塔
すぐに軽いになる林道を進んでいきます。 しばらく降って左の尾根と同じ高さになるとに出ます。 緩やかになった林道を軽く降っていくと、短いが生えるようになります。 開けた所に出ると、送電線の鉄塔「峰山海部線二八」が立っています。 林道終点から14分ほどの所になります。 手前には退色した「火の用心」のがあって番号らしきものが書かれていますが、判読出来ませんでした。 左側に広がるを眺めながらひと息入れていきます。
落ち着いたところで、先へ続くを降っていきます。 尾根の右肩を降るようになると、が見られます。 に出て樹木の脇を過ぎると、少し右へ曲がっていきます。 に沿って降っていきます。 緩やかになって左へ曲がると、軽い登り坂になります。
林道分岐
右へ曲がりながら登っていくと、尾根の右肩に続くになります。 が生えるようになると、降り傾斜が増してきます。 次第に傾斜が緩やかになると、広いへ入っていきます。 軽く降っていくと、左右に通る林道に出ます。 28番鉄塔から12分ほどの所になります。 脇にはが立っていますが、 「左マストメ」などと刻まれていて道標のようです。
防護扉
左へ続くを進んでいきます。 しばらく進んでいくとがあります。 右の谷筋へ降る(*)と正面の小尾根に登る小径がありますが、いずれも見送っていきます。 左へ曲がって、を降っていきます。 切通を抜けて小橋を渡ると防護扉があります。 28番鉄塔から18分ほどの所になります。 上・中・下の三箇所に設けられた小さなレバーを回せば容易に開けられます。
*右の広めの道を降っていくと、すぐに農道へ出られます。
久次地区
十字路まで来ると、脇にあるに鯉が沢山泳いでいます。 最初に曲がっていった道とのを右前方へ進んでいきます。 左へ道を分け、その先の少しズレたを直進していきます。 道なりに進んでいくと、アンテナ付きの柱に取り付けられたが見えてきます。 スピーカーの袂から左へ入っていくと、車を止めておいた久次区公民館があります。 防護扉から7分ほどで到着しました。