久次岳
概 要 久次岳は京丹後市の久美浜町・峰山町・網野町の境界にある標高541.4mの山です。 山頂は樹木が茂って展望は良くありませんが、途中の林道や尾根からは山並みを見渡せる眺めが広がります。 今回は久美浜町の円頓寺地区から林道を登り、途中から尾根に取り付いて山頂へ向かうルートを往復します。
起 点 京丹後市久美浜町 円頓寺地区
終 点 京丹後市久美浜町 円頓寺地区
円頓寺地区…円頓寺…大滝林道起点…林道分岐…円頓寺川起点…切通…林道分岐…尾根取付点…平坦地…枯れ双木…久次岳…枯れ双木…平坦地…尾根取付点…林道分岐…切通…円頓寺川起点…林道分岐…大滝林道起点…円頓寺地区
所要時間 2時間50分
歩いて... 円頓寺川起点を過ぎると倒木があったり路面が荒れてくるので、車で入れるのはその手前までのようでした。 脹脛が痛くなるほど傾斜が急な所もありました。 林道の分岐で道を間違えましたが、それほど時間を無駄にすることなく尾根の取付点に着きました。 植林地と雑木林を分ける尾根には傾斜が急な所もありましたが、分かり易くなっていました。
関連メモ 久次岳
コース紹介
円頓寺地区
豊岡の市街地から国道178号を北東へ進んでいきます。 久美浜駅を過ぎて国道312号を進んでいくと野中交差点があります。 そこを左折していくと佐濃谷川に架かる出合橋があります。 橋を渡ってすぐに右折して郷地区の集落を過ぎていくとがあります。 角には「重文 日光菩薩 薬師如来 月光菩薩 円頓寺」のが立っていて、右へ分かれていく道を指しています。 分岐を右折して「土地改良総合整備事業 記念碑」を過ぎて円頓寺地区の集落に入っていくとがあります。 右側にはがあって、 「四国霊場 お砂踏之塔 八十八ヶ所」の石碑、「大師堂」の標識、「四国霊場八十八ヶ所お砂踏之場」の標柱がありました。 手前から両側に分かれる道を進んだ先を石垣沿いに左折していくと、円頓寺の前の駐車スペースに着きます。 ここに車を止めさせてもらいました。
円頓寺
久次岳へ向かう前に、正面にある円頓寺を訪ねました。 円頓寺川に架かるコンクリート橋を渡っていくと、短い石段の先にがありました。 左には庫裡と思われる建物があり、 が並ぶ右の道の先にはがありました。
円頓寺(えんどんじ)
寺伝によると、用明天皇の皇子(一説に麻呂子親王、金麿親王といわれる)が当地において鬼退治をし、 その後七ヶ寺を建立、薬師如来を安置したことに始まるという。 丹後・丹波には同様の所伝を伝え、薬師如来を本尊とする寺院が点在している。 往時は三十六坊を数える伽藍を誇ったが数度の火災により衰微し、 わずかに残った一坊が現在の円頓寺であると伝えられている。 現在の本堂は万治年間(1658〜1661)に温泉寺(豊岡市城崎町)から移築したものという。 重要文化財に指定されている本尊薬師如来坐像と脇侍の日光・月光菩薩像はともに平安時代末期の作で、 穏やかで優美な作風に特色がある。 その他にも、熊野十二社権現懸仏、丹後地域最古の銘を有する銅製経筒、三条西実降が記した円頓寺惣門再興勧進状、多くの寺宝が伝えられている。
木造薬師如来及び両脇侍像平安時代 国指定重要文化財昭和16年度
熊野十二社権現懸仏鎌倉時代 京都府指定文化財昭和58年指定
銅経筒嘉応2年(1170) 京都府指定文化財昭和63年指定
円頓寺惣門再興勧進状文亀元年(1501) 京都府指定文化財平成3年指定
円頓寺本堂 京丹後市指定文化財平成3年指定
円頓寺仁王門 京丹後市指定文化財平成3年指定
 (京丹後市教育委員会)
大滝林道起点
円頓寺を後にして、円頓寺川沿いの道を進んでいくと、短いが架かっています。 橋を渡ったすぐの所から右へ分かれていく道があります。 が広がっていて、「ビオトープ」の標識が立っています。 右側の道を見送ったすぐ先の山際に分岐があります。 角には「大滝林道 起点」のが立っています。 どちらの道が「大滝林道」なのかは分かりませんでしたが、標柱の立つ向きからすると正面の道のように思えました。 左の谷筋へ分かれていく道は見送って、山際に続く正面の道を進んでいきます。
大滝林道 起点
延長950m 幅員3.0m
谷筋に続く田んぼなどを眺めながらを進んでいきます。 工事用の三角コーンを過ぎていくと、左へ戻るようにしてが分かれていきますが、見送っていきます。 左にある僅かな谷筋の所まで来ると、二つのがその奥へと分かれていきます。 それらの道をを見送っていくと、少し水が溜まって湿地のようになった小さながあります。 その奥へ分かれていく広めの道を見送っていくと、 すぐの所の路肩が少し広がっていて、車を置いておけそうな所になっていました。
林道分岐
これまで続いてきた田んぼからに変って、 狭まってきた谷筋を進んでいくと、円頓寺川の支沢が流れる谷が現れます。 ここで、左の谷の沢沿いにが分かれていきます。 円頓寺から11分ほどの所になります。 道標類は見かけませんでしたが、久次岳へは支沢を渡って正面に続く林道を進んでいきます。 ここまでは舗装された道でしたが、ここから先は未舗装路になります。 支沢を渡ったすぐの所のが広がっていて、車を置いておけそうな所になっていました。
植林地になった谷筋に続く林道を進んでいきます。 川を渡って右側を進んでいくと、円筒形のが幾つか放置されていました。 いずれも苔生していて、放置されてから年月が経っているようでした。 土管の先で川を渡り返して、川の左側に続くようになった林道を進んでいきます。 二股に分かれた川を渡っていくと、広くなった所に出ました。 先ほどの林道分岐から7分ほどの所になります。 車を数台は止めておけそうな広さがありました。 ここまでなら何とか車で入って来られる道が続いていました。 これまで歩いてきた道が大滝林道だとすると、 「延長950m」ということなので、この辺りがその終点になるように思えました。 ここでが右へ分かれていて沢沿いの道もあるようでしたが、 に続く道を進んでいきます。
円頓寺川起点
左に流れる川の水音を聞きながら林道を1分半ほど登っていくと、倒木が道を塞いでいました。 その手前には「二級河川 円頓寺川 起点」のが立っていました。 円頓寺から20分ほどの所になります。 この先は路面が荒れ気味で傾斜も増し、倒木などが道を塞いでいる所もあって、車での通行は難しくなりますが、 歩いていくのに問題はありません。
標識の辺りから暫く舗装された道が続きますが、かなり傾斜があるので、次第に脹脛が痛くなってきました。 真っ直ぐに2分ほど登っていくと、道は急なに右へ曲がっていきます。 未舗装路になった道を左へ曲がり、に続く林道を登っていきます。 次第に倒木が多くなってきて、遂には何本かの倒木が道を塞いでいました。 くぐったり跨いだりしながら通過していきました。
切通
谷側が少ししている所を過ぎていくと、太いに巻きつかれた木がありました。 それを過ぎていくと、道に大規模なが出来ていました。 右下からは谷が始まっていました。 車では通過できそうにもありませんが、歩く分には支障がありません。 左へ曲がりながら登っていくと、すぐの所に切通がありました。 「円頓寺川起点」の標識から9分ほどの所になります。
切通を過ぎていくとが見えるようになります。 少し右へ曲がり、傾斜が緩んだを進んでいくと、 眺められるの角度が少しずつ変わってきます。 削り取った跡ののような所を過ぎていくと、左前方に尖った山が見えてきます。 方角からすると、久次岳の南に伸びる尾根の肩でしょうか。 その背後に僅かに見えているのが山頂のように思えました。
道は次第に右へ曲がって、南へ進むようになります。 土管が埋設されたを過ぎていくと、 切通を過ぎた辺りから見えていたが綺麗に見える所がありました。 そこを過ぎて大きく曲がっていきます。 次第に低くなってくる右側の尾根に沿って登っていくと、林道は尾根を斜めに緩やかに横切っていきます。 尾根の背も歩けそうな様子でしたが、右肩に続く林道を進んでいきます。
林道分岐
尾根の右肩に続く林道を進んでいくと、左側にが現れます。 ここで、正面に続く道と切通を抜けていく道に分岐しています。 先ほどの切通から15分ほどの所になります。 道標類は見かけず迷う所です。 取り敢えず正面の道を進んでみると、すぐに右側が開けてきてを見渡せました。 その先へ進んで僅かな切通を過ぎると、少し右へ曲がって降り坂になっていました。 何だか違う所へ続いているように思えたので、往復5分ほどで手前の分岐まで引き返してきて、 右(登ってきた向きでは左)にある切通を抜けていきました。
緩やかになったを進んでいきます。 次第に右側の尾根が低くなってくると、先ほど来のが見える所がありました。 山側が少しして石がゴロゴロしている所を過ぎていくと、 正面にが見えてきます。 見える角度が少し違いますが、先ほども見えていた久次岳の南に伸びる尾根の肩でしょうか。 そこを過ぎていくと、左側が開けて山並みを見渡せる所がありました。 西南西の奥にはが見えていましたが、 方角からすると、三川山から蘇武岳にかけての山並みでしょうか。
尾根取付点
眺めを確認してその先へ進んでいくと右側の尾根が次第に低くなってきて、遂には高低差が1.5mほどになります。 林道はこの先へと続いていますが、今回はここからを登っていきます。 先ほどの林道分岐から11分ほど、「円頓寺川起点」の標識から40分ほどで到着しました。 これからの尾根登りに備えて、左に広がるを眺めながらひと休みしていきました。
落ち着いたところで、戻るようにして続くを登っていくと、すぐに尾根に出ます。 そこから北へ続くを登っていきます。 次第に傾斜が増してくるを4分ほど登っていくと尾根の肩に着きます。 左には植林地が広がっていて、尾根もそちらへ続いているようでしたが、 少し右へ曲がり、傾斜が少し弛んで歩き易くなったを登っていきます。 尾根は植林地と雑木林を分けるように山頂まで続いていました。 明瞭な道はありませんが、下草は生えておらず、分かり易くなっていました。
程なくして、正面に僅かなが近づいてきます。 苔生したを過ぎて、傾斜が増した尾根を登っていきます。 登り着いた所は尾根の肩でした。 ここで尾根は少し左へ曲がって、その先へと続いています。
平坦地
右側に続く雑木林の樹間からは、の山並みが僅かに見えていましたが、 青葉が茂る季節になると見えなくなりそうでした。 広めで歩き易いを、僅かに左へ曲がりながら登っていきます。 次第に傾斜が弛んで広がってくるを進んでいくと、 右側の雑木林が広がった平坦地に着きました。 尾根取付点から14分ほど登った所になります。 地形図では、尾根が東へ分かれていく辺りになるようです。 樹木を整理すると、かなり広くて快適な場所になるように思えました。 手前の樹木が少し邪魔をしてはいますが、の眺めが広がっていました。
後日にこの辺りから東へ延びる尾根を歩きました。 (「久次岳」を参照)
右側の平坦地には入っていかず、左側のを登っていきます。 次第に登り傾斜が増してくるを登っていきます。 樹木に邪魔されながらも広がる山並みを右側に眺めながら登っていきます。 傾斜が更に増す辺りまで来ると、樹木に邪魔されずに眺められる所がありました。
枯れ双木
眺めが広がる所を過ぎると、傾斜が一段と増してきます。 念のため木の根などに掴まりながら登っていくと、が二つ並んでいました。 尾根取付点から27分ほど登った所になります。 この辺りが尾根の肩になっていて、左の植林地からも尾根が登ってきていたので、 降って来る時にルートを間違えることのないよう、しっかりと記憶に留めておきました。 枯れ双木を過ぎて右へ曲がっていくと、傾斜が弛んで歩き易いになります。
久次岳 (標高541.4m)
幅が広がって傾斜も緩やかになったを快適に進んでいきます。 そろそろ山頂かと思いながら、植林地と雑木林の境界を進んでいくと、僅かな登り坂になってきます。 に着くと、 明るい雑木林の中にがありました。 ここが地形図に載っている541.4m峰久次岳になるようですが、その旨の標識類は見かけませんでした。 尾根取付点から33分ほどで登って来られました。 地図によると、ここは京丹後市の久美浜町・峰山町・網野町の境界になっているようです。 山頂は植林地と雑木林になっていて展望は良くなく、冬枯れの雑木林の樹間から僅かに山並みが見える程度でした。 お昼にはまだまだ早い時刻でしたが、手頃な倒木に腰かけて、持参した物でお腹を満たしていきました。 三角点の前には白い徳利がお供えされていましたが御神酒でしょうか。 この久次岳には神話時代の伝承が残っているようですが、詳細はよく分かりません。
後日に山頂から東へ延びる尾根を歩きました。 (「久次岳」を参照)
枯れ双木
お腹も満ちたところで、登ってきたを引き返していきます。 少し降り傾斜が増してくると、植林地の尾根になってきます。 『ルートはあくまでも植林地と雑木林の境界のはずだが』と思いながら周囲を見回すと、 左側に見覚えのある枯れ双木がありました。 ここから登ってきたことを思い出して、その左側に続くを降っていきました。
平坦地
念のために木の根などに掴まりながら、急な尾根を慎重に降っていきます。 傾斜が少しまで降りてくると、 登ってきた時と同様に、左側が開けてなどを見渡すことが出来ました。 次第に傾斜が緩やかになってくるを更に降っていくと、 左側の雑木林が緩やかで広くなった平坦地に着きました。 久次岳の山頂から12分ほど降った所になります。
尾根取付点
引き続き快適なを緩やかに降っていきます。 丸まったまで来ると、 少し右へ曲がって傾斜が増したを降っていきます。 傾斜が弛んでくると、苔生したを過ぎていきます。 少し左へ曲がって、傾斜が増したを降っていくと、 林道の尾根取付点に降り立ちました。 久次岳の山頂から25分ほどで降りて来られました。
林道分岐
ひと息入れてから、元来た林道を降っていきます。 右側に広がるなどを眺めながら進んでいきます。 山側がして石がゴロゴロしている所を過ぎていきます。 右側にを眺めながら、緩やかな林道を進んでいくと、 切通を過ぎた所に林道分岐があります。 尾根取付点から6分ほどで着きました。
切通
切通を過ぎて、右へ続くを降っていきます。 尾根をに横切っていきます。 次第に傾斜が増してくる林道を北へ進んだ先で、尾根を回り込んで南へ降っていきます。 程なくしてが見える所を過ぎていくと、土管が埋設された沢筋を回り込んでいきます。 大きく左へ曲がりながら降るようになると切通があります。 林道分岐から9分ほどで着きました。
円頓寺川起点
切通を過ぎて降っていくと、道に大規模なが出来た所を過ぎていきます。 太い蔓性植物に巻きつかれた木を過ぎていきます。 谷側が少ししている所を過ぎていくとが道を塞いでいますが、 くぐったり跨いだりしながら通過していきます。 大きくS字形に曲がってされた道を降っていくと、 「二級河川 円頓寺川 起点」の標識が立っています。 先ほどの切通から8分ほど、尾根取付点から24分ほどで降りて来られました。
林道分岐
標識を過ぎて未舗装路になった林道を降っていくと、大滝林道の終点だと思われるに出ます。 右側を流れるを流れる水が心地よい音を響かせていました。 川を渡って、正面に続く林道を降っていきます。 これまでよりも緩やかになった林道を降って川を渡り返すと、 道端に放置された苔生したを過ぎていきます。 また川を渡って降っていくと、左側の植林地ではが行われていました。 そこを過ぎて右の谷筋を流れる支沢まで来ると、林道の分岐があります。 円頓寺川起点から9分ほどで着きました。
右の林道は見送って、正面に続く舗装路になった林道を降っていきます。 植林地を抜けて正面が開けてくると、が少し広がった所があります。 そのすぐ先から、湿地のようになった小さな谷筋へ続くが分かれています。 その道を見送って林道を降っていくと、右の僅かな谷筋にが二つ分かれていきます。 それらの道を見送って、左側の浅い谷筋に広がるを眺めながら降っていきます。 工事用の三角コーンの手前まで来ると、広めの道が右へ分かれていきます。 地形図ではこの上に神社の記号が描かれていて気になりましたが、見送っていきました。
後日に右の道を歩きました。 斜めに続く道を登って尾根の先端に着くと小屋が建っていました。 そこから鋭角に右へ曲がって更に登っていくと、少し左へ曲がった所にがありました。 ここから5分ほどで着きました。 広場にはが建っていて、 円頓寺地区の集落やその奥に広がるなどを見渡すことが出来ました。 山際にはがあって、白木の社が安置されていました。 地形図に載っている神社のようですが、名前などは分かりませんでした。 広場の周囲には檜皮葺きや萱葺きののようなものが沢山ありましたが、何なのかはよく分かりませんでした。
円頓寺地区
右へ分かれていく道を見送っていくと、「大滝林道 起点」の標柱が立つがあります。 右の谷筋へ続く道は見送って、円頓寺川に架かるを渡っていきます。 円頓寺の前に架かるコンクリート橋まで来ると、車を止めておいた駐車スペースが左側にあります。 円頓寺川起点の標識から20分ほどで到着しました。