西ヶ丸ふれあいの森
概 要 西ヶ丸ふれあいの森は、新温泉町の海上地区と岸田地区に跨がる森です。 1015m峰の西ヶ丸の南西側に歩道が続いています。 今回は上山高原の避難小屋を起終点として、西ヶ丸ふれあいの森を巡ります。
起 点 新温泉町 海上地区
終 点 新温泉町 海上地区
海上地区…避難小屋…左馬殿道…入口…西ヶ丸ふれあいの森…大木…出口…海上林道…駐車スペース…上山…小広場…海上地区
所要時間 2時間00分
歩いて... 道標類は少ないものの、西ヶ丸ふれあいの森には歩道が設けられています。 紅色や黄色に色付いた樹木が陽光を浴びて綺麗な森でした。 途中で道を間違えたりもしましたが、何とか予定したルートを歩けました。 時間に余裕があったので、すぐ近くにある上山に登って展望を楽しみました。
関連メモ 上山高原, 上山高原
コース紹介
海上地区
国道9号の蒲生トンネルの少し東側から県道262号が分かれています。 角にあるおもしろ昆虫化石館の前には「」があります。 この図に載っている草色の道を上山高原まで行きます。 がある所から右へ戻るようにして分かれていく道へ入っていきます。 手前には「上山高原へはここを右折です」の標識が出ています。 海上地区に入ってを過ぎていきます。 シワガラの滝への道を見送って海上林道を登っていきます。 尾根の上に出てを進んでいきます。 旧牛道を合わせた先の上山への登り口がある小広場を過ぎていくと、 避難小屋の右側に広い駐車スペースがあるので、ここに車を止めました。
海上(うみがみ)UMiGAMi
山の中ですが「海の上」と書いて”うみがみ”と呼びます。 二方民談記によると『 往古は池内村と云しことは土人語りつたふ、 昔時、牛ヶ峰山ぬけして谷へ打ち込み水を関留めし故、この所一面の泥海となる。 是故に悪蛇の栖となり人民をなやますこと久し、 時に牛ヶ峰中興長慶正僧是を退治させ給ひ残る悪つかつとも此れの院を崩し七日七夜振動して 終りに嘉元年戌辰閏六月十日卯の刻に天地振動して大海に出づ。 依って是の日を以って枯れの蛇神を祭ると云う 』とあります。 確かに地形的に見て、牛ヶ峰山に山崩れを物語る「蛇抜け」があり、 その下部の石と同種の石が海上地域に堆積していることから小又川をせき止めたと考えられます。 地名にも小嶋、湊、池成、津江田、高田、浮田、上山など海や池に因んだものが多く、 また、木の葉は勿論のこと 500万年昔のチビクワガタやセミ、スズメバチ、アリ、アブ、カゲロウ、カエル、サワガニなど沢山の昆虫化石が発掘されています。 このことは、昭和38年8月13日に女子高校生の自由研究で小又川より発掘されたことに端を発して 日本古生物学会・日本地学研究会会員の井上繁広氏により発掘されて「おもしろ昆虫化石館」で立証されています。 さらに、土中には根木という神代杉の大木が数多くあります。 しかし、村の発祥時期は明らかでない。 現在50戸あり約30haの棚田に清流シワガラの滝米・コシヒカリ・”うみゃーなぁー”と薬草豊富な野草と愛情飼育の但馬牛生産の農山村です。 標高340m〜370mの高地に位置し、夏は涼しく、冷たい水の味は格別です。
金烏山牛峰寺・蔵王大権現様  天台宗。 蔵王権現像は町指定有形文化財で山陰の三大のあらたかな大権現様。
児嶋神社と大銀杏  牛ヶ峰神社に次ぐ旧社。 児嶋権現として海上村の発展を守る。 八坂神社、天照皇大神宮も祀る大杉や椿の鎮守の森。 大イチョウ樹齢約300年は神秘的で壮観。
海上傘踊り  雨乞いの踊り。 フランスを始めシンガポール、台湾、中国海南省、広東省など遠征。 小学1年生より伝承。
小又川渓谷  県指定名勝地。 僧侶修行伝説の神秘的な洞くつ『シワガラの滝』のほかに魚止の滝、五滝、桂の滝、布滝、尾の谷滝など清流の渓谷。
芝桜公園  集落から約1.5km上山高原方面の丘。 国定公園の山並みパノラマが素晴らしい。 芝桜を基調にした多種の花園約1haを夢ふる里会が管理している。
避難小屋
駐車スペースの道路向かいの避難小屋の前には「」と題した案内板があって、 行程6kmほどの「基本コース」と行程2kmほどの「ショートコース」などが紹介されています。 「上山高原エコミュージアム インフォメーション」と題した案内板もありますが、地図はかなり剥がれてほとんど見えなくなっていました。 も立っていて、正面の道は「避難小屋」、左の道は「上山山頂0.7km」となっています。 の入口は裏側にあって、中にはトイレや板の間などがあります。
上山高原コース
四季を通じて様々な表情を見せる美しい上山高原は、山地に溶岩が広がることでできました。 ススキ草原が広がる高原、多くの野生動物を育むブナ林など、豊かな自然に触れ合うことができます。
上山高原エコミュージアム拠点施設「上山高原ふるさと館」
上山高原エコミュージアムでは、自然観察会などの野外活動や各種体験活動を行なうとともに、 ブナ林やススキ草原、野生動物のモニタリングや保全活動を行っています。
上山高原でみることができる季節ごとの主な動植物
<通年> (動物,鳥)イヌワシ、クマタカ、コゲラ、ヤマガラ、ウグイス、アオバト、イワナなど
(植物)ブナ、カツラ、トチノキ、ユキザサ、ススキなど
<春> (花)ショウジョウバカマ、ウワミズサクラ、フタリシズカなど
<夏> (動物,鳥)オオルリなど
(昆虫)イチモンジチョウ、アサギマダラ、ヒョウモンチョウ類など
(花)カキラン、ヒメモチ、サンカヨウ、タケシマラン、タジマタムラソウ、イワタバコなど
<秋> (花)リンドウ、オミナエシ、アジウスギ、ジンジソウ、ダイモンジソウなど
上山はどうやってできたの? 〜溶岩でできている上山高原とスコリア丘「上山」〜
(1) 上山高原周辺を溶岩が覆った
扇ノ山周辺で火山活動が起きました。 たくさんの溶岩が上山高原一帯まで流れ、やがて冷えて固まりました。 こうして、上山高原一帯は厚い溶岩で覆われました。
(2) 溶岩の上にスコリア丘ができた
上山がある場所で噴火が始まりました。 飛び散ったマグマが冷えて固まった”スコリア”が火口の周りに降り積もり、スコリアでできた丘”上山”を作りました。 上山から流れ出た溶岩もまた周辺を覆いました。
(3) 地面が風雨などにより削られた
風雨などで地面が削られ、現在の地形ができあがりました。 川は大地を削り、渓谷や滝ができました。
山陰海岸ジオパーク推進協議会
上山高原エコミュージアム インフォメーション
上山高原には、自然性の高いブナ林と人の営みの中で育まれてきたススキ草原があり、 イヌワシやツキノワグマ等貴重で多様な生態系が生まれてきました。 「上山高原エコミュージアム」は、扇ノ山山麓に広がる上山高原や、麓の集落などをフィールドとして、 自然環境の保全や、環境と共生した暮らしを学び実践する取り組みを、 地域住民をはじめ、多様な主体の参画と協働により進めています。
上山高原の自然の保護・復元作業
背後に広がるスギ林は、最終的に落葉広葉樹林へとなるよう育林作業を行っています。
北側に広がる草原ゾーンでは、ササや灌木の密生地をススキ草原に戻す作業を行っています。
上山高原のブナ林
上山高原には、かつて広大なブナの森が広がっていました。 昭和10年頃から40年代にかけて、開拓や造林事業のために多くのブナやトチノキが伐採され、トロッコで運び出されました。 このブナ林を復元させるためには、スギ人工林の間伐と広葉樹の植栽を進める必要があります。 まずは、スギ人工林とブナの林との混交林化を図り、段階を追って全面積をブナの林へと変えていきます。 ブナ林を復元させることで、ツキノワグマなどに代表される冷温帯動物の生息地になります。
※ブナの苗は、地元産の種子をホームステイで育成しています。
上山高原
左馬殿道
避難小屋の左側を進んでいくと、林の中へ降っていくがあります。 草などが茂る小径を真っ直ぐ降っていくと、すぐに左右に通る(*)に出ます。 右へ続くを進んでいきます。 森に入っていくと「危険」のが立っています。 標識によるとこの近くに滝があるようですが、そこへ至る道はよく分かりませんでした。 標識を過ぎていくと、僅かな沢に丸太橋が架かっています。 避難小屋から4分ほどの所になります。
左馬殿道は、若桜町にあった若桜鬼ヶ城の城主である山崎左馬允家盛に因んで名付けられた道で、 新温泉町にあった配下の馬場ノ平城との往来に使われたルートのようです。
危険
この先、滝方向では断崖絶壁のため滑落事故が多く発生しています。 山道からそれる場合は充分注意してください。
温泉町
丸太橋を渡って左へ曲がり、に続く道を進んでいきます。 両側に樹木が茂るを進んでいきます。 樹木が減ってを過ぎていきます。 傾斜が増してきた道を降っていくと、倒れ掛かった「(5)法谷頭」のがあります。 避難小屋から9分ほどの所になります。 頂部にはここから網付場へ至るが載っています。 標識には「網付場・雪崩の尾」と書かれていて左を指していますが、その方向に道らしきものは見掛けません。
標識を過ぎて降っていくと、が横切っています。 丸太橋の上を注意しながら渡っていきます。 軽く登っていくと、少し窪んだになります。 道幅が狭くなった所を過ぎると、軽いになります。 僅かに降るようになる道を進んでいくと、左右に通る未舗装の林道に出ます。 避難小屋から13分ほどの所になります。 脇には「左馬殿道」のが立っていて、 左の道は「畑ヶ平高原」、今来た道は「上山高原」となっています。 右の道は車を止めてきた駐車スペースがある海上林道の曲がり角の辺りへ出られますが、 西ヶ丸ふれあいの森へはを進んでいきます。
入口
僅かに登り坂になったを進んでいきます。 4分ほど進んでいくと、林道は鋭角に曲がっていきます。 標識類は見掛けませんが、正面に続く狭くなった道を進んでいきます。 森へ入っていくと少しになります。 降り傾斜が更に増し始める所まで来ると分岐があります。 避難小屋から19分ほどの所になります。 角には「西ヶ丸ふれあいの森」のが立っています。 ここが西ヶ丸ふれあいの森入口になります。 左馬殿道は正面へ降っていきますが、右へ曲がっていく緩やかな歩道を進んでいきます。
西ヶ丸ふれあいの森
斜面を横切るように続く緩やかなを進んでいきます。 次第に紅色や黄色に色付いたが多くなってきます。 谷筋を回り込むようになると、を跨いでいきます。 少しを左から右へ曲がりながら進んでいきます。 正面の尾根が低くなってくると、「西ヶ丸ふれあいの森」のが立っています。 西ヶ丸ふれあいの森入口から6分ほどの所になります。 明瞭な道は左へ曲がっていきますが、出口へ向かう道は不明瞭ながら標柱の背後の尾根に続いています。
大木
先ずは、標柱の手前を左へ曲がっていく明瞭な道を進んでいきます。 これまでと同様のが続いています。 標柱から4分ほど進んでいくと、沢が流れるに出ます。 大きな倒木を乗り越えて沢を渡り、左へ続く道を進んでいきます。 色付いたを見上げたりしながら、緩やかな道を進んでいきます。 根元が曲がった樹木などの傍を過ぎていくとがあります。 笹などが茂る正面の踏み跡(*)には桃テープが取り付けられていますが、左へ曲がっていく明瞭な道を降っていきます。 急坂を真っ直ぐ降っていくと、沢の少し上にあるに出ます。 標柱が立つ所から9分ほどの所になります。 正面には大木が生えていますが、標識類は見掛けませんでした。 左右に道のようなものはなく沢の対岸にも渡れずに行き止まりのようなので、引き返すことにしました。
*桃テープに誘われて笹などが茂る正面の踏み跡を進んでいきましたが、少し先で不明瞭になりました。 植林地へ入る枝道もあって、歩かれていない道のようでした。 (所要時間に含めず)
往復20分ほどで標柱の所まで引き返してきて、の尾根に登っていきます。 道がはっきりしない尾根を登っていくと、すぐに分かり易いになります。 の脇を過ぎていくと道が分からなくなりました。 左右を覗っていると、左側に広めの道がありました。 入口の木には黄テープが取り付けられていました。
少し降っていくと、すぐにになります。 倒木もあったりしますが、標柱までの道と同様に明瞭に続いています。 斜面を横切るように続くを進んでいきます。 頭上を見上げるとが陽光を浴びて綺麗でした。 両側に熊笹が茂るようになって少し傾斜が増した道を登っていくと、大きながありました。 少し左へ曲がって緩やかになると、地面を這うように根元が曲がった樹木が目立つようになりますが、積雪の影響でしょうか。
の脇を過ぎたりしながら、登り基調で続く道を進んでいきます。 引き続き、を眺めながら進んでいきます。 両側に熊笹が茂るようになると、軽いになります。 道なりに左へ曲がって、になった道を進んでいきます。 再び降り坂になってくると、左後方から登って来て右前方へ続く広い道に出ます。 標柱から13分ほどの所になります。 標識類はなくてどちらへ行けば良いのか迷う所です。 左へ戻るように降っていく道も気になりますが、へ続く道を登っていきました。
色付いた樹木を眺めながら、斜面に続くを登っていきます。 傾斜が緩やかになると、曲がっていきます。 になった道を進んでいきます。 傾斜が緩やかになってくると、大きな倒木が道を塞いでいます。 標柱から17分ほどの所になります。 乗り越えることもくぐることも出来ません。 どうしたものかと愚考した末、を高巻いていくことにしました。 かなり傾斜が急なので、脇の笹などに掴まりながら登っていきました。 まで登って右へ回り込んで降っていくと、 2分ほどかけて倒木の向こう側に出られました。
出口
少しを左へ曲がっていきます。 道の中ほどは靴が沈み込んでしまうので、端の方を歩いていきます。 倒木が横たわる所まで来ると、道は曲がっていきます。 になって泥濘みがなくなった道を進んでいきます。 正面が明るくなってくると、海上林道の曲がり角の辺りに出ます。 標柱から22分ほど、大木への立ち寄りも含めて、西ヶ丸ふれあいの森入口から48分ほどで歩いて来られました。 振り返ると、樹木にが取り付けられているばかりで、標識類は見掛けません。
海上林道
正面にを眺めながら海上林道を右へ進んでいきます。 曲がり角にが立っていますが、文字などは消えていて判読できませんでした。 路肩が広がった車2・3台分のを過ぎていきます。 左側にへ続く稜線を眺めながら進んでいきます。 軽い登り坂になった林道を進んで右への曲がり角まで来ると、「ショーブ池」のが立っています。 西ヶ丸ふれあいの森出口から5分ほどの所になります。 傍には「氷ノ山・後山・那岐山国定公園 ショウブ池」のもあって左を指しています。 左下の谷間にはショーブ池らしいものが見えますが、過日の台風の影響なのか水はかなり濁っていました。
海上林道を淡々と進んでいきます。 所々の路肩が広がって車1台分のがあったりもしますが、 狭い林道なので車の交換場所なのかも知れません。 降り坂になった林道を進んで僅かな谷筋に差し掛かると、道端にコンクリート製のがあります。 水利設備を過ぎていくとが広がってきます。 車を止めてきた広いを眺めながら降っていきます。 左へ曲がり始める手前まで来ると、左のススキ原へ延びる僅かな踏み跡があります。 西ヶ丸ふれあいの森出口から17分ほどの所になります。 地形図に破線で載っている道に続くように思えたので、あわよくばショーブ池へ降りられるかも知れないと期待しながら入っていきました。
駐車スペース
ススキを刈り込んだようなはしばらく続いています。 『これは良いぞ』と思いながら進んでいくと次第にきます。 降り傾斜が増し始める辺りまで来ると、踏み跡は少し曲がって登っていきます。 地形図に載っている破線の道は正面のへ続くように描かれていますが、谷筋へ降りる道はよく分からなくなります。 仕方がないのでショーブ池に降りるのは諦めて右の踏み跡を登っていくと、程なくしてに出ます。 右側すぐの所には車を止めておいた広い駐車スペースがあります。 踏み跡に入ってから4分ほどで着きました。 避難小屋を出発してから1時間30分ほどで戻って来られました。
時間的に余裕があったので、すぐ近くにある上山へ登ることにしました。 「上山山頂0.7km」の標識に従って、案内板などがある所から続くに入っていきます。 幾つか並んだの脇を過ぎていきます。 右へ曲がりながら進んでいくと分岐があります。 角にはが立っていて、 正面の道は「上山三角点0.2km」、右の道は「扇ノ山4.6km・畑ヶ原高原3.4km」、今来た道は「避難小屋」となっています。 左側は「海上・石橋5.2km」となっていますが、それらしい道は確認できません。 頂部にこの付近のがあって、 左へ道が続くように描かれているので、以前には道があったようです。 畑ヶ平林道へ続く左馬殿道になりますが、上山へ向かって真っ直ぐ登っていきます。
上山 (標高946.1m)
軽いになった道を進んでいきます。 緩やかな所を過ぎていくとが増してきます。 左側に広がるを眺めながら登っていきます。 が生える所まで来ると、傾斜が緩んできます。 緩やかで広くなった尾根を登っていくと上山の山頂に着きます。 駐車スペースから8分ほどで登って来られました。 中ほどには「上山三角点943m」のが立っています。 傍には地面に埋まりかけた三等三角点「東丸」があるので、地形図に載っている946.1m峰になるようです。
標識の先には木組みの展望台があります。 架けられている階段を登って上に立つと、四方の山並みをぐるりと見渡せる眺めが広がります。
南南西の方角には小ヅッコから扇ノ山へ続くが見えます。 北北西の方角にはの沿岸も少し見えます。
小広場
標識まで引き返して、北西に続くを降っていきます。 降り始めるとすぐにが続くようになります。 最初は階段がススキに埋もれて分かり難くなっていますが、すぐにはっきりとしてきます。 正面に広がるを眺めながら、次第に傾斜が増してくる階段を降っていきます。 少し右へ曲がりながら降っていくとになります。 再び降り坂になる木の階段を降っていくと、海上林道の脇にあるテーブル・ベンチが設置された小広場に出ます。 上山から8分ほどで降りて来られました。
脇にはが立っていて、 右の道は「海上4.8km・青下3.0km」、今来た道は「上山三角点0.25km」となっています。 以前に来た時には左の道を指す「避難小屋0.5km、畑ヶ平高原3.7km」も書かれていたのですが、この時には読めなくなっていました。 傍には「上山高原のススキ草原には、どんな生き物がすんでいるの?」と題した解説板もあります。 道路向かいには車数台分の広さの駐車スペースがあり、ブロック造りのトイレもあります。 脇には「氷ノ山・後山・那岐山国定公園 上山高原山岳案内図」と題したがあります。 今回歩いた西ヶ丸ふれあいの森は載っていませんが、 この付近にある高みが北丸991m・西丸1016m・東丸937m・上山946mとして載っています。
上山高原のススキ草原には、どんな生き物がすんでいるの?
ススキ草原には草原の環境に適した生き物が生息しています。 かつて生息していたけれども今はもう生息していない種類もあります。 草原が復元されると戻ってくる可能性もあります。
イヌワシ(タカ目タカ科)】  羽を広げると2mにもなる大型猛禽類。 森林にすみ草原で狩りを行います。 断崖や岩棚に営巣します。 ピーウとかポイヨーという鳴き声をします。 国天然記念物。
ウスイロヒョウモンモドキ(タテハチョウ科)】  草原に生息する。 アザミやオカトラノオなどの蜜を吸う。 7月上旬から8月にかけて見られる。
リンドウ(リンドウ科)】  秋の山を代表する20〜100cmの多年草。 葉は対生し、9〜11月にかけて青紫色の鐘形の花を咲かせます。 根茎は漢方薬(健胃薬)として使われます。
センブリ(リンドウ科)】  日当たりのよい山野に生える2年草。 古くから根茎や漢方薬(健胃薬)として知られています。 苦みが強く千回振り出してもまだ苦いことからこの名がついたとされています。
オミナエシ(オミナエシ科)】  日当たりのよい山野の草地などに生える多年草。 高さ60〜100cm。 8〜10月にかけて黄色の小さい花を散房状に咲かせます。
上山高原
海上地区
車を止めてきた駐車スペースに向かって、を左へ進んでいきます。 軽く登っていくと、道の脇に「上山高原の火入れ」のがあります。 傾斜が緩やかになった林道を進んでいくと、左側にが立っていて、 正面の道は「避難小屋0.2km」、左側は「畑ヶ平林道・畑ヶ平高原3.5km」となっています。 左側に道はありませんが、上山へ登る途中にあった左馬殿道への分岐に立つ標識「扇ノ山4.6km・畑ヶ原高原3.4km」と併せて考えると、以前にはここからその分岐へ続く道があったようです。 再び軽い登り坂になる林道を進んでいくと、小広場から5分ほどで、車を止めておいた広い駐車スペースに着きます。 上山へ向かってから26分ほどで戻って来られました。
上山高原の火入れ
上山高原では、かつて牛の放牧のための牧草を維持するため、火入れを行ってきました。 火入れによって、古いススキが焼かれ、新しい芽吹きにつながります。 この火入れも草原の維持管理手法の1つとして利用できます。 早春の雪解け直後に火入れを行います。 火が延焼しないように周囲をあらかじめ刈り取っておき、風向きに気をつけながら火をつけます。
火入れは、全面積を一気に行うと生息している生き物を根絶やしにしてしまう可能性があるため、 順番に行い、生き物が避難出来る経路を確保しておきます。
保安林内では火入れは禁止されています。
上山高原