女布権現山
概 要 女布権現山は京丹後市久美浜町にある標高348.4mの山です。 東屋と二等三角点がある山頂は北側が少し開けていて、山並みや久美浜湾などを眺めることができます。 今回は、女布地区から林道を進み、途中から尾根に続く山道に入って登っていくルートを往復します。
起 点 京丹後市久美浜町 女布地区
終 点 京丹後市久美浜町 女布地区
女布地区…売布神社…配水池…登山口…尾根の肩…西ピーク…石仏…女布権現山…石仏…西ピーク…尾根の肩…登山口…配水池…売布神社…女布地区
所要時間 2時間30分
歩いて... 山道には少し笹竹などが茂る所もありましたが、比較的明瞭に続いていました。 疲労困憊するような急坂が長く続くことはありませんでしたが、 折からの蒸し暑さで止め処もなく汗が噴き出してくるのには参りました。 周囲は「野鳥の森」になっているようで時折解説板を見かけましたが、散策路はよく分かりませんでした。
関連メモ 女布権現山, 女布権現山
コース紹介
女布地区
豊岡の市街地から国道178号を北東へ進んでいきます。 久美浜駅を過ぎて国道312号に入り、府道706号・府道669号・府道703号を見送っていくと野中交差点があります。 そこを左折して北北西へ続く府道668号を進んでいきます。 府道20号を横切っていくとがあります。 角には「式内村社 賣布神社」と刻まれたと石灯籠があります。 右へ分かれていく道には「メモリアルの森」「野鳥の森」のも立っています。 右の道へ入って女布地区の集落に続く道を登っていくと、 売布神社の手前に広い駐車スペースがあったので、ここに車を止めさせてもらいました。
売布神社
道路に出て右折すると、すぐの所にがあります。 立派な石灯籠と鳥居を過ぎていくと、狛犬が控える一段高い所に、本殿と拝殿からなる社殿がありました。 境内の右側には、「女布区公民館」と「賣布神社々務所」の木札が掛かるがあり、 左側には白壁の蔵とがありました。 考古殿の中には山車がありました。 社殿の右側にはの奥に、三座を祀ったがありました。 正面には左から「正一位秋葉神社」「神武天皇社」「正一位吉久稲荷大神」の扁額が掲げられ、 祠の中にはそれぞれ白木の社がありました。 社殿の裏側へ回ってみるとがありました。
式内村社 売布神社
祭神 豊受姫命・大屋姫命・狐津媛命
由緒 当社の創立は丹後一覧記によると、垂仁天皇(十一代)代川上麻須の勧請に係るものと云う。 伝承に依れば久美浜町谷の足洗井戸があり、祭神が始めて留りし地であり、 野中・安養寺を経て船にて女布に着き、小字舟處に上陸されたという。 この附近に幟立の小字があり、道路そばに船石がある。舟を埋めたという。 延宝三年(1676)女布村明細帳によれば、通称長船大明神と言えりとあり、 南方一七〇米の地には布杜神社があり、売布神社を大宮、布杜神社を小宮とよんでいる。 明治五年四月、氏子調査に依れば九ヶ村あったが、その後七村となり、 女布・丸山・郷・野中・安養寺・円頓寺・谷の七村を云う。 元祭は旧九月二日午の日である。 文化十年(1813)久美浜代官塩谷大四郎正義氏の奉納刀がある。
昭和五十九年三月 京丹後市教育委員会
昭和59年に京丹後市は存在しなかったはずで、「昭和五十九年三月 京丹後市教育委員会」と表記するには違和感があります。 上から書き換えられているところをみると、元は「久美浜町教育委員会」となっていたものと思われます。
売布神社を後にして、女布地区の奥へと進んでいきます。 防火水槽を過ぎて川沿いを進んでいきます。 川向うの民家や田畑へ続くを幾つか見送っていくと、 背丈のある草が茂る右側の柵の内側に「この鳥に出会いましたか」と題したが立っていましたが、 草に隠れて文字は確認できませんでした。 柵の向こう側は広くなっていて、山際にはも見えていました。 地形図ではこの辺りに「卍」記号が描かれているので、以前にお寺があった所でしょうか。 柵に沿って進んでいくとが三基並んでいました。 軽い登り坂になってきた林道を進んでいくと金網柵がありました。 売布神社から5分ほどの所になります。 幾つか設置されている看板によると、この先で土砂の流出を防ぐ工事をしているようでした。 扉は閉まっていましたが、車止めだと解釈して開けて通過しました。
配水池
金網柵を過ぎていくと、1分ほどの所に配水池がありました。 その手前には、先ほどと同様の「この鳥に出会いましたか」と題したが立っていましたが、 設置されてから年月が経つのか、文字はほとんど読めなくなっていました。 この辺りから女布権現山にかけては「野鳥の森」になっているようですが、案内図などは見かけませんでした。
配水池を過ぎていくと、道の左側にが幾つも立て掛けられていましたが、シイタケ栽培でもしているのでしょうか。 川を覗くと、すぐ傍に砂防ダムがありました。 緩やかな登り坂の林道を更に進んでいきます。 小さなのような所を過ぎていくと、川の上を過ぎた所に分岐があります。 売布神社から11分ほどの所になります。 へ少し入った所に「林道女布谷線」のが立っていました。 その袂には古くなった標柱が倒れていました。 地形図に載っている400mほどの破線の道のようでしたが、「延長974m」となっているので、もっと奥の方まで続いているようでした。 「野鳥の森」の散策路は右の道(*)かとも思いながら、左へ曲がっていくを更に進んでいきます。
*後日に右の道を歩きました。(「女布権現山」を参照)
林道女布谷線
延長L=974m 幅員W=2.5m
左から右へ曲がりながら進んでいくと正面が明るくなってきます。 小さな沢の上を過ぎていくと分岐があります。 先ほどの分岐から2分ほどの所になります。 は建設機械などの資材置場になっていました。 左の道を1分半ほど進んだ所には、地形図に載っているがあって、道はその奥へと続いていますが、 女布権現山へはコンクリート舗装されたを登っていきます。
(左の道にある池の先で、看板に書かれていた工事が行われているようでした)
登山口
露出したの脇を過ぎていくとがあります。 先ほどの分岐から1分半ほど登った所になります。 右の(*)も奥へ続いているようでしたが、ここは左の林道を進んでいきます。 を過ぎて植林地を進んでいくと、左側が広がった所がありました。 道路脇の尾根の先端から山道が始まっています。 ここが女布権現山へのになります。 池への分岐から5分ほど、売布神社から25分ほど(池への立ち寄りの5分ほども含む)の所になります。 入口には段差がありますが、その先には少し窪んだが続いていました。
このまま林道を進んでいくと、右下にはがある沢筋が続いていました。 次第に倒木が道を塞いで歩き難くなってきました。 どこまで続いているのかは分かりませんでしたが、 の辺りから更に倒木が多くなってきたので、引き返してきました。 (所要時間に含めず)
*後日に歩いたところ、右の地道の林道が「野鳥の森」の散策路になっていました。 石仏がある稜線の西側の浅い鞍部に続いていました。 (「女布権現山」を参照)
尾根の背の右側に、少し窪んだ道が続いています。 枯れ枝や落葉などはありましたが、明瞭な道になっていました。 窪んだ道と尾根の背が合流した所に大穴がありました。 登山口から8分ほど登った所になります。 何かを掘り返した跡なのか、木が倒れた跡なのかは分かりませんでした。 ここからは尾根の背を登っていきます。
植林地になったを登っていきます。 疲労困憊するほどの急坂ではありませんが、折からの蒸し暑さで止め処もなく汗が噴き出してくるので、 何度も立ち止まって汗を拭きながら、ゆっくりと登っていきました。 尾根には下草はほとんど生えていませんでした。 笹が茂る所が一部にありましたが、長くは続かず、すぐに終わりました。
尾根の肩
やがて、上の方にらしきものが見えてきます。 気を取り直して、かなり傾斜のある尾根を登っていきます。 の袂を過ぎて、見えていた高みに登り着くと、そこは山頂ではなくて尾根の肩でした。 登山口から25分ほどで登って来られました。 少し緩やかになった尾根が右へ続いていますが、オブジェのようなを眺めながら、 「町行造林界」のの傍にある短い丸太に腰を降ろして、水分補給をしながら休憩していきました。
落ち着いたところで、右へ続くを更に登っていきます。 傾斜が緩んで安心していると、程なくしてまた傾斜が増してきます。 が茂る斜面を登っていきます。 笹場を過ぎて傾斜が緩んでくると、右側が開けてが広がる所がありました。 尾根の肩から5分ほどの所になります。 これまでは展望の広がる所がなかったので、しばらく景色を眺めていきました。
西ピーク
短い笹が茂るようになったを登っていくと、 尖ったらしきものが近づいてきました。 今度こそ山頂だろうと思いながら、傾斜が増してきた尾根を汗を拭き拭き登り切ると、僅かな高みになっていました。 尾根の肩から9分ほどの所になります。 ここが女布権現山かと思ってみても、あるはずの東屋や三角点はなく、 「町行造林界」のと、何かの基礎だったと思われる四角いが二つあるばかりです。 右の方に緩やかな尾根が見えていたので、地図と磁石で確認してみると、 どうやらここは、女布権現山の西300m辺りにある標高320mほどの高みになるようでした。
ひと息入れたところで、右へ続く降り気味のを進んでいきます。 短い笹が生える僅かなから登り返していきます。 笹竹の茂る僅かなを越えて軽く降っていきます。 浅い鞍部(*)から登り返して緩やかになると、「この鳥に出会いましたか」と題したが立っていました。 西ピークから6分ほどの所になります。 解説板の文字はここでも読み難くなっていました。 右側からこの辺りに登ってくる散策路があるようですが、この時には気付きませんでした。 登山口の手前にあった右へ分かれていく地道の林道から登ってくるのでしょうか。
*後日に確認したところ、登山口の手前にある分岐から続く地道の林道を登ってくると、 解説板の手前にある浅い鞍部に出ました。 (「女布権現山」を参照)
石仏
広くて緩やかになったを進んでいきます。 僅かに登り坂になってくると、道の右側にが幾つもある所がありました。 先ほどの解説板から1分ほどの所になります。 奥の方の石垣のような前に石積みの祠があって、その中と前には石仏が佇んでいました。
女布権現山 (標高348.4m)
の左側を過ぎて、その先に続く尾根道を進んでいきます。 僅かなを過ぎて登り返していくとが近づいていきます。 左から回り込むように登っていくとに着きました。 西ピークから11分ほど、登山口から55分ほどで登って来られました。 山頂に茂る夏草の中にがあるので、 地形図に載っている348.4m峰になるようですが、 「女布権現山」と記された標識類は見かけませんでした。
(古びた柱が何本か倒れていたので、以前には標柱が立っていたのかも知れません)
草が茂る先にはがありました。 中にはがありましたが、片方のベンチは壊れていました。 正常な方のベンチに腰かけて、北側に開ける山並みなどを眺めながら休憩していきました。 かなり霞んでいましたが、北西の方には小天橋も見えていました。
東屋から南へ降る尾根は「女布権現山」, 「女布権現山」を参照。
西ピーク
女布権現山からは、登って来た道を下山していきます。 歩き始めの所から北西にも尾根が降っているので、うっかりしているとその尾根を降りてしまいそうになりますが、 左から回り込むようにして登ってきたことを思い出して、西に延びる尾根を降っていきます。 傾斜が緩やかになってくると、僅かな高みにあるを過ぎていきます。 広い尾根道を進んでいくと、山頂から3分ちょっとで、 「この鳥に出会いましたか」のが立っています。 笹竹の茂るを過ぎて僅かな高みを越えていきます。 軽く登るようになると、山頂から9分ほどで西ピークに着きました。
尾根の肩
南西に続く尾根を降っていきます。 短い笹が茂る所を降っていくと、左側が開けてを眺めることができます。 その先へ1分ほど降った所からもを眺められました。 が茂る坂を降って登り返していくと、 山頂から17分ほどで、「町行造林界」の石標のある尾根の肩に着きました。 登る時に腰を降ろして休憩したを確認して、左の尾根を降っていきます。
登山口
植林地の尾根を降っていきます。 を過ぎて、などが少し生える所を降っていきます。 尾根の背を淡々と降っていくと、尾根の肩から12分ほどで、が開いた所に着きました。 そこからは少しを降っていきます。 やがて左下に林道が見えてききます。 林道のすぐ上に出て更に降っていくと登山口に出ました。 山頂から35分ほどで降りて来られました。 初めて歩く道ということもあって、登る時には長く感じた道程ですが、降って来ると意外と短く感じました。 振り返ってを再確認してから、元来た林道を降っていきました。
配水池
植林地やを過ぎていきます。 左からのを併せて降っていくと、池への道とのに出ます。 振り返っての様子を確認してから、正面に続く道を更に降っていきます。 林道女布谷線とのの先の小さなを過ぎていくと配水池があります。
売布神社
来る時には閉めてきたはずのは開け放たれていました。 工事関係者の車でも通っていったのでしょうか。 田畑へ続く小橋の所まで来ると、田畑の奥にはが広がってきました。 川沿いを進んでを過ぎていくとに着きました。 登山口から16分ほどで到着しました。
女布地区
無事に下山できたことを神社に報告して、 社殿の手前からの左側を過ぎていくと、 愛車を止めていたに出ました。 靴を履きかえたり汗を拭いたりして少し落ち着いてから家路につきました。