大引の鼻
概 要 大引の鼻は香美町香住区の今子浦にある岬です。 先端には大引の鼻展望台があります。 近くにはカエル島・千畳敷・但馬赤壁などの景勝地があります。 今回は今子浦の駐車場を起終点として、千畳敷やカエル島を訪ねてから大引の鼻展望台へ向かい、 但馬赤壁の尾根を少し歩いてから舗装路へ降るルートを巡ります。
起 点 香美町香住区 今子浦
終 点 香美町香住区 今子浦
今子浦…千畳敷…大引の鼻展望台…但馬赤壁…今子浦
所要時間 1時間10分
歩いて... 但馬赤壁の尾根には明瞭な道がありません。 西側は断崖になっているので、少し東側を慎重に歩いていきます。 アンテナ残骸のある高みまで進み、少し引き返して東側の斜面を降りました。
関連メモ 但馬今子浦
コース紹介
沖浦地区
山陰近畿自動車道を香住ICで降りて、県道11号を北上していきます。 矢谷トンネル・月岡トンネル・JR山陰本線の境隧道を過ぎていくと、 今子トンネルを抜けた所にがあります。 辺り一帯は但馬海岸ファミリーパークになっています。 左右に駐車場がありますが、今回は右側の櫂のVILLAの前にある駐車場に車を止めさせて頂きます。 (
駐車場の脇には「」があって、今回訪ねる所が載っています。
十字路まで引き返して左へ進んでいくと、すぐに近畿自然歩道「」のがあります。 行き交う車に注意しながら道路を渡っていくと、ヨットが展示されたがあります。 縁にはカエルの絵が乗った柱が三本立っていて、「かえる島」のがあります。 正面には今子浦海水浴場になっている海岸を見下ろすことが出来ます。 解説板で紹介されている(*)も良く見えます。
*解説板などには「かえる島」と「カエル島」の表記が見られますが、 解説板などの内容を除いて、本文では「カエル島」で統一することにします。
近畿自然歩道 但馬今子浦ユウスゲのみち
柴山駅〜今子浦トンネルバス停 6.0km
近畿自然歩道は、私達の生活が近代化する中で、自然の残っている地域や名所・旧跡を帯状に結び、 身近に歴史や自然とふれあえるよう整備したものです。 コースには道しるべがありますのでそれにしたがってお歩きください。
【黄金の松】  葉の色が黄色味を帯びて黄金色に見えるため、このように呼ばれています。 また、近くにはかつて金の鉱山があって、金の積み出しに使用した桟橋が今も残っています。
【ケーソン防波堤】  柴山港を静穏な港とするため、港の入口の大島の隣に円筒型の二重ケーソンが設置されています。 コース上から見ることができます。
【但馬赤壁】  今子の千畳敷の東に、高さ約50m、幅約100mにわたり屏風のような断層が続いています。 太古の昔、陸地が隆起してできたもので岩の色が赤いため、このように呼ばれています。
【ユウスゲ】  この花は夕方咲き始め、真夜中に満開となり、翌朝にはしぼんでしまいます。 レモンイエローでユリに似た花で、大引の鼻一帯で6月下旬から7月下旬まで楽しむことができます。
【大引の鼻展望台】  今子浦園地から遊歩道に沿って北へ進むと、日本海を一望できる大引の鼻(岬の先端の意味)展望台です。 眼下にはコバルトブルーの海が広がり、周辺の島々や遠くには御崎の灯台を望むことができます。
【今子の千畳敷】  今子浦海水浴場の隣の磯は平床で、文字どおり広大な石畳が広がっています。 岩場では磯の動植物の観察や魚釣りを楽しむことができます。 また、近くにはキャンプ場や宿泊施設が整備されています。
【カエル島(カエル岩)】  今子浦にあるこの島は、カエルの形に見えることからこのように呼ばれています。 また、この島は祈願島として知られており、 その昔、北前船で航海に出かけた男たちが無事に帰ってくることを祈願したことが始まりとされています。
環境省、兵庫県
奇勝 かえる島
香美町今子浦にある「かえる島」はご覧の通りカエルの形をしていることから、この岩を「カエル島」と呼び、 古くから多くの人々に親しまれています。 このかえる島は昔から祈願岩として様々な願いを叶えてきました。 昔、北前船で航海に出た男達が無事、香住に帰える(カエル)ことを祈願したのが始まりと言われています。 それからは、「何かが、かえる」といった願いがある時は、この「かえる島」に祈願するようになりました。 例えば、無くしたものが手元に「返る」や自分の性格を「変える」など、いろいろな”かえる”を叶えてくれるのです。 あなたが今何か「かえる」ものがあればかえる島にお願いしてみてはどうですか。
香美町・香住町香住観光協会
から北へ降り始めると、小屋の横に「」があります。 正面の山際には山陰海岸国立公園の標識が立っていて、左の道は「海水浴場・キャンプ場・大引の鼻展望台」、右の道は「第2駐車場」となっています。 右側には「」の案内板があります。 左の道を進んでいくと、すぐにがあります。 入口には「今子浦キャンプ場」の看板があって、裏面には先ほど見かけたのと同様の「」があり、 横には「山陰海岸国立公園」と「今子浦」の解説が書かれています。 今子浦キャンプ場を見送って道なりに降っていくと、民宿の専用駐車場の前にある十字路に出ます。 駐車場から9分ほどの所になります。 角には近畿自然歩道のが立っていて、右の道は「大引の鼻展望台0.3km・大山灯台1.8km・柴山港2.6km」、 左の道は「今子トンネルバス停0.1km」、今来た道は「キャンプ場・第2駐車場」となっています。 正面にはが広がり、沖には黒島カエル島が見えます。
今子浦集団施設地区案内図
京都府、兵庫県、鳥取県にまたがる日本海沿岸の延長77km、面積約9,000haの区域が、昭和38年に山陰海岸国立公園に指定されました。 今子浦集団施設地区(愛称:但馬海岸ファミリーパーク)は、千畳敷や蛙岩、但馬赤壁、大引ノ鼻などの景勝地である今子浦の背後に、 この公園の利用拠点として指定され、自然体験や保護、保健ぞうしんのための施設が整備されています。
主な施設:国民宿舎、ファミリーキャンプ場、展望園地、運動広場、駐車場、探勝歩道
環境省、兵庫県、香美町
山陰海岸国立公園
京丹後市八丁浜海岸から鳥取砂丘までの約75kmに及ぶ山陰海岸国立公園は、海岸景観が特徴で、 様々な海食地形や火成岩、堆積岩など岩石の種類の多さとその学術的価値などから、 国立公園を含む一帯が世界ジオパークの1つに認定されています。 鳥取砂丘や小天橋に代表される海岸砂丘や砂洲の地形も多く見られます。
【(1)鳥取砂丘】  山のような砂丘列とアリジゴクの巣のようなスリバチが大きな起伏を生み出している。 風速5〜6mの風が乾いた砂丘を吹き抜けるときに、波状の模様が形成される「風紋」は風の強さ、風向、粒子の大きさなどでその高さ、幅、周期が異なる。
【(2)千貫松島】  今から約300年前、鳥取藩2代目藩主、池田綱清公が、「我が国にこの岩つきの松を移した者に、銀千貫を与えよう」といわれた事が名前の由来と言われている。
【(3)浦富海岸】  日本海の荒波によってできた入り組んだ海岸や、松を抱いた小島が連なる景観は、 文豪・島崎藤村が、「松島は松島、浦富は浦富」と絶賛したというエピソードが残る。
【(4)但馬御火浦】  但馬御火浦では、波に浸食された岸壁は日本列島が大陸の東端であった白亜紀から今日までの、さまざまな地層がまるでパノラマのように見える。 奇岩怪石や海食洞が多いのも特徴の一つ。
【(5)窓島】  角礫岩塊の破砕部分が浸食されてできた洞門で、洞門の高さの違いは、海水面の高さが違う時期にできたことを示している。
【(6)但馬海岸】  但馬海岸は、日本海の荒波による浸食を受けた変化に富んだ海岸美が特色。
【(7)はさかり岩】  洞門の天井部分が落下し、岩と岩との間に挟まった奇岩。
【(8)玄武洞】  160万年前の火山活動によりできた美しい柱状節理を見ることができる。 柱状節理とは、溶岩が冷え固まる時に、規則正しい割れ目を作り出し、割れ目が柱状のものをいう。
【(9)久美浜湾】  小天橋(砂州)によりせきとめられた湾で、幅約50mの大向水道で、日本海とつながっている。 カモなどの渡り鳥が訪れる。
【(10)小天橋】  久美浜湾と外海を分ける砂州で、兜山の展望台から一望できる。
【(11)夕日ヶ浦】  浜詰海岸の東端に位置し、茜色の夕日が水平線の彼方に沈みゆく風情を楽しむことができる。
環境省
今子浦 白黒2色の岩々織りなす、北前船の輝き残る美しい入り江
【今子浦の地形の特徴は白い波食棚と黒い海食崖】   今子浦はかつて北前船の風待ち港や避難港として栄えた入り江です。 黒く急な崖や島と、白くほぼ平坦な岩棚という対照的な風景が見られます。 これらの岩々は、約2000万年前〜1500万年前ころの日本海拡大期にできたもので、 白い岩々は火山の噴火で噴き出した火山灰や軽石などが流れ堆積したもの(軽石質凝灰岩)です。 黒い岩々は、後の火山活動で水中に噴出した安山岩溶岩やそれが急に冷やされ割れたもの(ハイアロクラスタイト)、 マグマが地中で冷えて固まった岩脈などです。 黒い岩々は比較的かたく、風雨や波浪による浸食に耐え、島や急な崖(海食崖)になりました。 一方で、白い岩々は比較的やわらかく、浸食がすすみ、平坦な岩棚(海食棚)になりました。 今子浦のダイナミックな地形は、日本海拡大期の異なる火山活動によって生まれた2色の岩石と、 日本海の荒波によってもたらされたものです。
【リアス海岸と北前船】   島や切り立った崖に囲まれたリアス海岸の入り江は、それらが強い風や波をさえぎり、安全な港となりました。 江戸−明治期、日本海を往復していた商船「北前船」の風待ち港や避難港として利用されました。 現在も船を係留した「めぐり」や「杭」の跡が残っています。
山陰海岸ジオパーク推進協議会
山陰海岸国立公園
京都府、兵庫県、鳥取県にまたがる日本海沿岸の延長77km、面積約9,000haの区域が、昭和38年に山陰海岸国立公園に指定されました。 この公園の兵庫県内の特徴は、小さな入江や岬が入り組んだ、変化に富む沈降海岸地形と複雑な地質です。 日本海の荒波の浸蝕を受けて、海岸には様々な断崖や洞門が見られます。 また海中の景観もすぐれています。 断崖で著名なものは、但馬赤壁、鎧の袖などで、海蝕洞門では、釣鐘洞門、孔雀洞門などがあります。 また日和山、竹野、田井の浜、海金剛には海中公園が指定されています。 県内の公園の代表的な景勝地は、玄武洞、日和山海岸、竹野海岸、香住海岸、但馬御火浦、浜坂海岸などです。
今子浦
今子浦は香住湾の東端にある景勝地で、広大な波蝕台である千畳敷、形がカエルに似ている蛙岩、 絶壁の但馬赤壁、香住海岸の眺めがすばらしい大引ノ鼻などの見どころがあります。 入江は前面にある白石島、黒島が北西の風を遮るため、波静かで、江戸時代には北前船が風待ちをした港でしたが、 現在では海水浴場として親しまれています。 この景勝地の背後に、山陰海岸国立用伝の利用拠点として、今子浦集団施設地区(愛称:但馬海岸ファミリーパーク)が指定され、 自然体験や保養、保健増進のための施設が整備されています。
主な施設:国民宿舎、ファミリーキャンプ場、展望園地、運動広場、駐車場、探勝歩道
環境省、兵庫県、香美町
千畳敷
に降りて右へ進んでいきます。 小山のようなまで来ると砂浜は終わりになります。 波打際を濡れないよう注意しながら進んでいきくと、広くなった岩棚に出ます。 標識類は見かけませんが、この辺りの岩棚が千畳敷になるようです。 駐車場から13分ほどの所になります。 この時は干潮の少し前でしたが、岩棚にはまだ少し水が被っていました。 正面にはがあります。 左側には方面が見えます。 右側にはの岩壁がそそり立っています。
千畳敷は満潮時には水が被って歩けないので、干潮の時間を確認して出かけるのが良さそうです。
を引き返していきます。 岩棚が終わって砂浜から左側へ上がると、標識が立つに出ます。 往復11分ほどで戻って来られました。 曲がって、 「大引の鼻展望台」の解説板が指す山際に続く舗装路を軽く登っていきます。 民宿などの裏側を過ぎていくと、右へ登っていく山道があります。 登り口には近畿自然歩道のが立っていて、 右の道は「大山灯台1.8km・柴山港2.6km」、正面の道は「大引の鼻展望台0.2km」、今来た道は「今子トンネルバス停0.1km・便所50m」となっています。 右の道(*)は近畿自然歩道の「但馬今子浦ユウスゲのみち」になりますが、今回は見送っていきます。
*右の道は「但馬今子浦」を参照。
大引の鼻展望台
香住湾の東端に位置すること展望台からは、今子浦・白石島・黒島等が眺望でき、 但馬海岸を従にながめる絶好の場所である。 270°大海原の日本海を足下にし、切り立った崖の上に立つとき、自然の荒々しさが肌に感じられます。
香美町、山陰海岸国立公園但馬地域環境整備促進協議会
大引の鼻展望台
次第に登り傾斜が増し始めるを進んでいきます。 程なくして、右側に落ち込むが現れます。 道の上に伸びて門のようになったをくぐっていきます。 崖の際を登っていくとが見えてきます。 傾斜が緩やかになると、木製デッキの上に建てられた六角形の東屋に着きます。 標識は見かけませんが、ここが大引の鼻展望台になるようです。 千畳敷の手前の十字路から7分ほどで到着しました。
デッキには「」と題した解説板があって、西側に見える景色などが載っています。 解説板と似たような角度で写したを載せておきます。 北側にはの先端部があります。 ロープが垂らされているので、海辺まで降りて釣りをする人達がいるのでしょうか。 には切り立った岩壁の海岸線が続いています。 探検してみたくなるも見えます。
山陰海岸国立公園
ここ大引の鼻展望台は、日本海のパノラマが楽しめます。 特に西方向には、点々と浮かぶ島々から、遠く御崎の集落と灯台が見え、絶好の眺望ポイントです。 灯台の横には隣接コース「但馬御火浦漁火のみち」の展望所がありますので、こちら側からの眺望と見比べてみて下さい。
【ユウスゲ】  この花の名前は、夕方咲き始め、真夜中に満開となり、翌朝にはしぼむことに由来しているようです。 レモンイエローのユリに似た花で、大引の鼻一帯で6月下旬から7月下旬まで楽しむことができます。
近畿自然歩道 環境省、兵庫県
但馬赤壁
振り返ると、の尾根があります。 僅かな踏み跡らしきものが見られるので、ちょいと登ってみることにします。 踏み跡はすぐに不明瞭になりますが、小岩が剥き出す所を登っていくと切り立ったに出ます。 右になどを眺めながら軽く登っていきます。 程なくして傾斜がになります。 また傾斜が増してくるを登っていきます。 右側は断崖になっていて危ないので、少し左側を慎重に登っていきます。 傾斜が緩やかになると、岩が剥き出す高みに着きます。 右側にはなどが見えます。
軽いになる尾根を進んでいきます。 尾根の左側に現れる僅かなを通ったりしながら降っていきます。 軽い登り坂になると、僅かなを過ぎていきます。 少し降っていくとになります。 香住漁港黒島に加えてカエル島などを眺めながら進んでいきます。
また尾根の左側に現れる僅かなを慎重に降っていきます。 程なくしてになります。 近づいてくるへ向かって登っていきます。 程なくして、アンテナ残骸が見られる高みに着きます。 この先は降り坂になりますが、今回はここで引き返すことにします。 振り返ると、歩いてきたの尾根が見えます。
少し引き返した所から右側のを降っていきます。 明瞭な道はありませんが、適度に生えている樹木に掴まりながらを降っていきます。 傾斜が緩やかになると、歩いてきたが見えてきます。 程なくして舗装路に降り立ちます。 大引の鼻展望台から25分ほどで降りて来られました。
右へ続くを軽く降っていきます。 程なくして、の入口を過ぎていきます。 民宿などの裏側を過ぎていくと十字路に出ます。 最初に来たのは「キャンプ場・第2駐車場」の標識が指すになります。 左の道を引き返しても良いのですが、少しでも違う道を歩くべく、 「今子トンネルバス停0.1km」の標識が指すを進んでいきます。
公衆トイレを過ぎていくと、沢の上に架かるを渡っていきます。 少し登っていくと、正面にが現れます。 道は右へ曲がっていきますが、石段を登っていきます。 石段が終わって県道11号に出ると、左脇に今子バス停があります。 標識に書かれていた「今子トンネルバス停」はここだと思われます。 但馬赤壁から舗装路に降り立った所から6分ほどの所になります。 左へ進んでいくと車を止めてきた駐車場に戻りますが、 に分かれていく道が気になるので、少し歩いてみることにします。
軽く登って右から来る坂道と合流すると、などを見下ろせます。 軽いで続く道を進んでいきます。 右へ曲がり始めるとが広がってきます。 少し進んで次の曲がり角の辺りまで行くと、手前の樹木が減ってが見え易くなります。 道は県道11号まで続いているようですが、ここで引き返すことにします。
沖浦地区
往復9分ほどで、のある県道11号まで戻ってきます。 行き交う車に注意しながらを斜めに横切って歩道へ向かっていきます。 「近畿自然歩道」のを過ぎていきます。 車道に出て右へ登っていくと、車を止めておいた駐車場に着きます。