今子浦集団施設地区案内図
京都府、兵庫県、鳥取県にまたがる日本海沿岸の延長77km、面積約9,000haの区域が、昭和38年に山陰海岸国立公園に指定されました。
今子浦集団施設地区(愛称:但馬海岸ファミリーパーク)は、千畳敷や蛙岩、但馬赤壁、大引ノ鼻などの景勝地である今子浦の背後に、
この公園の利用拠点として指定され、自然体験や保護、保健ぞうしんのための施設が整備されています。
主な施設:国民宿舎、ファミリーキャンプ場、展望園地、運動広場、駐車場、探勝歩道
環境省、兵庫県、香美町
山陰海岸国立公園
京丹後市八丁浜海岸から鳥取砂丘までの約75kmに及ぶ山陰海岸国立公園は、海岸景観が特徴で、
様々な海食地形や火成岩、堆積岩など岩石の種類の多さとその学術的価値などから、
国立公園を含む一帯が世界ジオパークの1つに認定されています。
鳥取砂丘や小天橋に代表される海岸砂丘や砂洲の地形も多く見られます。
【(1)鳥取砂丘】
山のような砂丘列とアリジゴクの巣のようなスリバチが大きな起伏を生み出している。
風速5〜6mの風が乾いた砂丘を吹き抜けるときに、波状の模様が形成される「風紋」は風の強さ、風向、粒子の大きさなどでその高さ、幅、周期が異なる。
【(2)千貫松島】
今から約300年前、鳥取藩2代目藩主、池田綱清公が、「我が国にこの岩つきの松を移した者に、銀千貫を与えよう」といわれた事が名前の由来と言われている。
【(3)浦富海岸】
日本海の荒波によってできた入り組んだ海岸や、松を抱いた小島が連なる景観は、
文豪・島崎藤村が、「松島は松島、浦富は浦富」と絶賛したというエピソードが残る。
【(4)但馬御火浦】
但馬御火浦では、波に浸食された岸壁は日本列島が大陸の東端であった白亜紀から今日までの、さまざまな地層がまるでパノラマのように見える。
奇岩怪石や海食洞が多いのも特徴の一つ。
【(5)窓島】
角礫岩塊の破砕部分が浸食されてできた洞門で、洞門の高さの違いは、海水面の高さが違う時期にできたことを示している。
【(6)但馬海岸】
但馬海岸は、日本海の荒波による浸食を受けた変化に富んだ海岸美が特色。
【(7)はさかり岩】
洞門の天井部分が落下し、岩と岩との間に挟まった奇岩。
【(8)玄武洞】
160万年前の火山活動によりできた美しい柱状節理を見ることができる。
柱状節理とは、溶岩が冷え固まる時に、規則正しい割れ目を作り出し、割れ目が柱状のものをいう。
【(9)久美浜湾】
小天橋(砂州)によりせきとめられた湾で、幅約50mの大向水道で、日本海とつながっている。
カモなどの渡り鳥が訪れる。
【(10)小天橋】
久美浜湾と外海を分ける砂州で、兜山の展望台から一望できる。
【(11)夕日ヶ浦】
浜詰海岸の東端に位置し、茜色の夕日が水平線の彼方に沈みゆく風情を楽しむことができる。
環境省
今子浦 白黒2色の岩々織りなす、北前船の輝き残る美しい入り江
【今子浦の地形の特徴は白い波食棚と黒い海食崖】
今子浦はかつて北前船の風待ち港や避難港として栄えた入り江です。
黒く急な崖や島と、白くほぼ平坦な岩棚という対照的な風景が見られます。
これらの岩々は、約2000万年前〜1500万年前ころの日本海拡大期にできたもので、
白い岩々は火山の噴火で噴き出した火山灰や軽石などが流れ堆積したもの(軽石質凝灰岩)です。
黒い岩々は、後の火山活動で水中に噴出した安山岩溶岩やそれが急に冷やされ割れたもの(ハイアロクラスタイト)、
マグマが地中で冷えて固まった岩脈などです。
黒い岩々は比較的かたく、風雨や波浪による浸食に耐え、島や急な崖(海食崖)になりました。
一方で、白い岩々は比較的やわらかく、浸食がすすみ、平坦な岩棚(海食棚)になりました。
今子浦のダイナミックな地形は、日本海拡大期の異なる火山活動によって生まれた2色の岩石と、
日本海の荒波によってもたらされたものです。
【リアス海岸と北前船】
島や切り立った崖に囲まれたリアス海岸の入り江は、それらが強い風や波をさえぎり、安全な港となりました。
江戸−明治期、日本海を往復していた商船「北前船」の風待ち港や避難港として利用されました。
現在も船を係留した「めぐり」や「杭」の跡が残っています。
山陰海岸ジオパーク推進協議会
山陰海岸国立公園
京都府、兵庫県、鳥取県にまたがる日本海沿岸の延長77km、面積約9,000haの区域が、昭和38年に山陰海岸国立公園に指定されました。
この公園の兵庫県内の特徴は、小さな入江や岬が入り組んだ、変化に富む沈降海岸地形と複雑な地質です。
日本海の荒波の浸蝕を受けて、海岸には様々な断崖や洞門が見られます。
また海中の景観もすぐれています。
断崖で著名なものは、但馬赤壁、鎧の袖などで、海蝕洞門では、釣鐘洞門、孔雀洞門などがあります。
また日和山、竹野、田井の浜、海金剛には海中公園が指定されています。
県内の公園の代表的な景勝地は、玄武洞、日和山海岸、竹野海岸、香住海岸、但馬御火浦、浜坂海岸などです。
今子浦
今子浦は香住湾の東端にある景勝地で、広大な波蝕台である千畳敷、形がカエルに似ている蛙岩、
絶壁の但馬赤壁、香住海岸の眺めがすばらしい大引ノ鼻などの見どころがあります。
入江は前面にある白石島、黒島が北西の風を遮るため、波静かで、江戸時代には北前船が風待ちをした港でしたが、
現在では海水浴場として親しまれています。
この景勝地の背後に、山陰海岸国立用伝の利用拠点として、今子浦集団施設地区(愛称:但馬海岸ファミリーパーク)が指定され、
自然体験や保養、保健増進のための施設が整備されています。
主な施設:国民宿舎、ファミリーキャンプ場、展望園地、運動広場、駐車場、探勝歩道
環境省、兵庫県、香美町