但馬今子浦
概 要 但馬今子浦は香美町香住区にある海岸です。 今子浦には千畳敷やカエル岩があり、近くには山陰海岸を眺められる大引の鼻展望台もあります。 今回はこれらを訪ねてから、近畿自然歩道「但馬今子浦ユウスゲのみち」を歩いていきます。 途中で近畿自然歩道と分かれて、沖浦地区の集落へ向かっていきます。
起 点 香美町香住区 沖浦地区
終 点 香美町香住区 沖浦地区
沖浦地区…今子浦キャンプ場…今子浦海水浴場…大引の鼻展望台…山道入口…鞍部…灯台分岐…柴山港灯台…169m峰…大日堂…大放神社…沖浦地区
所要時間 3時間20分
歩いて... 近畿自然歩道はアップダウンがかなりあって、気温が高めだったこともあって、この季節にしては珍しく汗をかきました。 道標では「大山灯台」となっていましたが、現地の灯台には「柴山港灯台」の銘板が取り付けられていました。 当初は近畿自然歩道を柴山港まで歩く予定でしたが、途中が崩落していたので、沖浦地区の集落へ降る道を歩いていきました。
関連メモ 沖浦169m峰
コース紹介
沖浦地区
豊岡の市街地から国道178号を西進していきます。 佐津ICから香住道路に入って香住ICで降り、県道11号を北進していきます。 トンネルを2つ過ぎてJR山陰本線の高架下をくぐっていくと、今子トンネルを抜けた所にがあります。 辺り一帯は「今子浦ファミリーパーク」になっていて、 角には板の少しずれた「」と 近畿自然歩道」の解説板があります。 十字路の右には第1駐車場、左には第2駐車場があります。 どちらもかなり広い駐車場ですが、今回は第1駐車場に車を止めさせてもらいました。
近畿自然歩道 但馬今子浦ユウスゲのみち
柴山駅〜今子浦トンネルバス停 6.0km
近畿自然歩道は、私達の生活が近代化する中で、自然の残っている地域や名所・旧跡を帯状に結び、 身近に歴史や自然とふれあえるよう整備したものです。 コースには道しるべがありますのでそれにしたがってお歩きください。
【黄金の松】  葉の色が黄色味を帯びて黄金色に見えるため、このように呼ばれています。 また、近くにはかつて金の鉱山があって、金の積み出しに使用した桟橋が今も残っています。
【ケーソン防波堤】  柴山港を静穏な港とするため、港の入口の大島の隣に円筒型の二重ケーソンが設置されています。 コース上から見ることができます。
【但馬赤壁】  今子の千畳敷の東に、高さ約50m、幅約100mにわたり屏風のような断層が続いています。 太古の昔、陸地が隆起してできたもので岩の色が赤いため、このように呼ばれています。
【ユウスゲ】  この花は夕方咲き始め、真夜中に満開となり、翌朝にはしぼんでしまいます。 レモンイエローでユリに似た花で、大引の鼻一帯で6月下旬から7月下旬まで楽しむことができます。
【大引の鼻展望台】  今子浦園地から遊歩道に沿って北へ進むと、日本海を一望できる大引の鼻(岬の先端の意味)展望台です。 眼下にはコバルトブルーの海が広がり、周辺の島々や遠くには御崎の灯台を望むことができます。
【今子の千畳敷】  今子浦海水浴場の隣の磯は平床で、文字どおり広大な石畳が広がっています。 岩場では磯の動植物の観察や魚釣りを楽しむことができます。 また、近くにはキャンプ場や宿泊施設が整備されています。
【カエル島(カエル岩)】  今子浦にあるこの島は、カエルの形に見えることからこのように呼ばれています。 また、この島は祈願島として知られており、 その昔、北前船で航海に出かけた男たちが無事に帰ってくることを祈願したことが始まりとされています。
 (環境省、兵庫県)
十字路の脇にはヨットが展示されたがあります。 縁にはカエルの絵が乗った柱が三本立っていて、「かえる島」のもあります。 正面には今子浦海水浴場を見下ろすことが出来ました。 解説板の「」もよく見えます。
奇勝 かえる島
香住町今子浦にある「かえる島」はご覧の通りカエルの形をしていることから、この岩を「カエル島」と呼び、 古くから多くの人々に親しまれています。 このかえる島は昔から祈願岩として様々な願いを叶えてきました。 昔、北前船で航海に出た男達が無事、香住に帰える(カエル)ことを祈願したのが始まりと言われています。 それからは、「何かが、かえる」といった願いがある時は、この「かえる島」に祈願するようになりました。 例えば、無くしたものが手元に「返る」や自分の性格を「変える」など、いろいろな”かえる”を叶えてくれるのです。 あなたが今何か「かえる」ものがあればかえる島にお願いしてみてはどうですか。
 (香美町、香住観光協会)
十字路を左へ降っていくと第2駐車場があります。 入口には「」として、この付近の地図が載っています。 山際には「山陰海岸国立公園」と題した案内板があります。
今子浦集団施設地区案内図
京都府、兵庫県、鳥取県にまたがる日本海沿岸の延長77km、面積約9,000haの区域が、昭和38年に山陰海岸国立公園に指定されました。 今子浦集団施設地区(愛称:但馬海岸ファミリーパーク)は、千畳敷や蛙岩、但馬赤壁、大引ノ鼻などの景勝地である今子浦の背後に、 この公園の利用拠点として指定され、自然体験や保護、保健ぞうしんのための施設が整備されています。
主な施設:国民宿舎、ファミリーキャンプ場、展望園地、運動広場、駐車場、探勝歩道
 (環境省、兵庫県、香美町)
山陰海岸国立公園
京丹後市八丁浜海岸から鳥取砂丘までの約75kmに及ぶ山陰海岸国立公園は、海岸景観が特徴で、 様々な海食地形や火成岩、堆積岩など岩石の種類の多さとその学術的価値などから、 国立公園を含む一帯が日本ジオパークの1つに認定されています。 一方、鳥取砂丘や小天橋に代表される海岸砂丘や砂洲の地形も多く見られ、国立公園内には6か所の海域公園地区があります。
【兵庫県北東部】  兵庫県北西部同様、変化に富んだ海岸線や岩石の造形が特色で、 内陸部の円山川ほとりには、柱状節理が大規模に発達した玄武洞などの景勝地があります。 山陰海岸国立公園の竹野海域公園には、竹野スノーケルセンター・ビジターセンターがあります。 春〜秋期は、海中の様子がライブカメラで見られます。
 (環境省)
今子浦キャンプ場
山際には山陰海岸国立公園の道標が立っていて、左の道は「海水浴場・キャンプ場・大引の鼻展望台」となっています。 道標に従って左へ降っていくと、右の浅い谷筋への道が分かれています。 入口には「但馬海岸ファミリーパーク 今子浦キャンプ場」の看板が設置されています。 看板の裏側には先ほどと同様の「」や、 「山陰海岸国立公園」や「今子浦」の解説文が載っています。 また、今子浦キャンプ場の道標が立っていて、右の道は「管理センター(受付)」、 正面の道は「海水浴場・大引の鼻展望台」となっています。
山陰海岸国立公園
京都府、兵庫県、鳥取県にまたがる日本海沿岸の延長77km、面積約9,000haの区域が、昭和38年に山陰海岸国立公園に指定されました。 この公園の兵庫県内の特徴は、小さな入江や岬が入り組んだ、変化に富む沈降海岸地形と複雑な地質です。 日本海の荒波の浸蝕を受けて、海岸には様々な断崖や洞門が見られます。 また海中の景観もすぐれています。 断崖で著名なものは、但馬赤壁、鎧の袖などで、海蝕洞門では、釣鐘洞門、孔雀洞門などがあります。 また日和山、竹野、田井の浜、海金剛には海中公園が指定されています。 県内の公園の代表的な景勝地は、玄武洞、日和山海岸、竹野海岸、香住海岸、但馬御火浦、浜坂海岸などです。
今子浦
今子浦は香住湾の東端にある景勝地で、広大な波蝕台である千畳敷、形がカエルに似ている蛙岩、 絶壁の但馬赤壁、香住海岸の眺めがすばらしい大引ノ鼻などの見どころがあります。 入江は前面にある白石島、黒島が北西の風を遮るため、波静かで、江戸時代には北前船が風待ちをした港でしたが、 現在では海水浴場として親しまれています。 この景勝地の背後に、山陰海岸国立用伝の利用拠点として、今子浦集団施設地区(愛称:但馬海岸ファミリーパーク)が指定され、 自然体験や保養、保健増進のための施設が整備されています。
主な施設:国民宿舎、ファミリーキャンプ場、展望園地、運動広場、駐車場、探勝歩道
 (環境省、兵庫県、香美町)
今子浦海水浴場
今子浦キャンプ場を見送って道なりに降っていくと、民宿のの前に出ます。 その手前から右へ狭い舗装路が分かれています。 角には近畿自然歩道の道標が立っていて、右の道は「大引の鼻展望台0.3km・大山灯台1.8km・柴山港2.6km」となっています。 は後で歩くとして、先ずは正面に広がる今子浦海水浴場に出てみます。 浜辺の右へ進んでいくと、平らな岩場になったが広がっています。 も間近に見えます。 右の奥にはがそそり立っています。
浜辺から引き返してきて、民宿などの裏手に続く舗装路を進んでいきます。 建物が途切れる辺りまで来ると、右へ登っていく山道があります。 入口には近畿自然歩道の道標が立っていて、右の道は「大山灯台1.8km・柴山港2.6km」、 正面の道は「大引の鼻展望台0.2km」、今来た道は「今子トンネルバス停0.1km・便所50m」となっています。 近畿自然歩道は右の山道を登っていくのですが、その前に大引の鼻展望台まで往復してきます。
大引の鼻展望台
軽い登り坂になった舗装路を進んでいくと、右側に落ち込むが現れます。 道の上に伸びて門のようになったをくぐっていくと、 石垣で囲まれた大引の鼻展望台に着きます。 中ほどには六角形の東屋が建っていて、ベンチも幾つか設置されています。 と素晴らしい眺めが広がっています。 脇には「」と題した解説板があって、西側に見える景色などが載っています。 参考までに、解説板と似たような角度で写したも載せておきます。
大引の鼻展望台
香住湾の東端に位置するこの展望台からは今子浦・白石島・黒島等が眺望でき、但馬海岸を従にながめる絶好の場所である。 270°大海原の日本海を足下にし、切立った崖の上に立つとき、自然の荒々しさが肌に感じられます。
 (香美町、山陰海岸国立公園但馬地域環境整備促進協議会)
山陰海岸国立公園
ここ大引の鼻展望台は、日本海のパノラマが楽しめます。 特に西方向には、点々と浮かぶ島々から、遠く御崎の集落と灯台が見え、絶好の眺望ポイントです。 灯台の横には隣接コース「但馬御火浦漁火のみち」の展望所がありますので、こちら側からの眺望と見比べてみて下さい。
【ユウスゲ】  この花の名前は、夕方咲き始め、真夜中に満開となり、翌朝にはしぼむことに由来しているようです。 レモンイエローのユリに似た花で、大引の鼻一帯で6月下旬から7月下旬まで楽しむことができます。
 (近畿自然歩道 環境省、兵庫県)
山道入口
大引の鼻展望台からの眺めの楽しんだら、断崖に続くを引き返してきます。 建物が見えてくると、来る時に確認しておいた山道入口に着きます。 角に立つ道標「大山灯台・柴山港」に従って、両側に笹竹や萱などが茂る荒れた様子のを登っていきます。
階段状の所を曲がりながら登っていくと、すぐに滑りやすい坂道になります。 周りの笹竹などに掴りながら何とか登っていきます。 道なりに左へ曲がっていくと、道の脇へ5mほど入った所にが見えますが、 刻まれている文字などを確認するのは省略しました。 両側に笹竹が茂る道を曲がりながら2分ほど登っていくと、傾斜が少し緩やかになったを進むようになります。 道端の笹竹の中に立つ小振りのを過ぎていくと、 大きな樹木を過ぎた所に近畿自然歩道が立っています。 山道入口から6分ほどの所になります。 行先を示す板は付いていませんが、自然歩道の道である旨の矢印が書かれています。
曲がりながら尾根を登っていくと、道端に双体のが佇んでいます。 山道入口から8分ほどの所になります。 台座には「十八番 薬師如来 阿波国 恩山寺」などの文字が刻まれています。 同様の石仏はこの先にかけて幾つか見かけますが、以前にはよく歩かれていた道なのでしょうか。
石仏を過ぎて尾根を更に登っていくと、緩やかになったに着きます。 山道入口から12分ほどの所になります。 高みを少し進んだ所から振り返ると、樹木に邪魔されながらも、先ほど訪ねたが見えます。 緩やかな尾根を進んでになってくると、左側にが広がってきます。 幅が広がった道を登っていくと僅かな高みに着きます。 山道入口から18分ほどの所になります。 振り返ると、今子浦海水浴場の沖合いにあるなどが見えます。
緩やかな高みを進んでいくと、程なくして正面の視界が開けてきて、が見えてきます。 両側にを進んでいきます。 少し降るようになると、近畿自然歩道が立っています。 山道入口から21分ほどの所になります。 行先を示す板は付いていませんが、自然歩道の道である旨の矢印が書かれていました。 左にはトラロープが張られたが分かれていましたが、 標識に従ってを進んでいきます。
笹竹が終わって雑木林を軽く登っていくと、道端にが佇んでいました。 山道入口から23分ほどの所になります。 台座には「十九番 地蔵大士 阿波国 立江寺」などの文字が刻まれています。 石仏を過ぎて広くて緩やかになった道を進んでいきます。 地形図によると、この緩やかな高みは標高80mほどの高さになるようです。 高みを進んで降り坂が始まる所にもが佇んでいました。 山道入口から26分ほどの所になります。 台座には「二十番 地蔵大士 阿波国 寉林寺」などの文字が刻まれています。 巡礼する人がいるようで、小銭が沢山お供えされていました。 文字が書かれていたと思われる小さな立札もありますが、文字は確認できません。
雑木林を降って左へ曲がると、トラロープが張られたになります。 樹木が途切れて少し右へ曲がると、正面にはが聳えています。 左下に見える波の打ち寄せる海岸を眺めたりしながら進んでいくと、 左右に降っていくが分かれていましたが、見送っていきます。
鞍部
尾根の少し右側を進んでいくと、ベンチが設置された開けた緩やかな鞍部に着きます。 山道入口から33分ほどの所になります。 波が打ち寄せる左手から後ろの方を眺めると、などが見えます。 右側にはが広がっていました。 ベンチを過ぎた先に近畿自然歩道が立っていて、 正面に登っていく道は「大山灯台1.4km・柴山港2.2km」、今来た道は「今子の千畳敷0.4km・カエル島0.4km・大引の鼻展望台0.7km」となっています。 道標の脇から左へ分かれていく小径もありますが、道標には何も示されてはいません。 先ほどの小径とは違って、細いながらもしっかりとしていたので、行く末を確かめてみようと、歩いてみることにします。
道標では今子の千畳敷カエル島までは0.4kmとなっていますが、 地形図によると、ここから1km以上はあるように思えます。 (以降で見かける道標も同様に距離が不自然です)
急な崖を横切るようにして続く笹竹などが茂るを進んでいきます。 高所恐怖症の私ですが、海側にも笹竹などが茂っているので、恐怖心は湧いてきません。 雑木林に入るとトラロープが張られるようになります。 尾根を回り込むようにして軽く登っていくと、道は左へ曲がってします。 張られているトラロープに掴まりながら慎重に降っていくと、分岐から7分ほどで岩場に出ます。 西側には白石島などのがよく見えます。 トラロープは更に下へと続いていて、海面の近くまで降りて行かれるようでしたが、ここで引き返すことにします。 磯釣りをする人が通る道なのでしょうか。
往復17分ほどで鞍部にあった分岐まで引き返してきて、 道標「大山灯台・柴山港」の指すを登っていきます。 2分ほど登って傾斜が緩んだ所から振り返ると、これまで歩いてきたなどを見渡すことができます。 更に登っていくと雑木林のに出ます。 次第に尾根の背から右肩を進むようになると、岩を過ぎた先の道端にが佇んでいます。 鞍部から7分ほどの所になります。 台座には「廿一番 弥勒菩薩 阿波国 大龍寺」などの文字が刻まれています。
に続く登り坂になった道を進んでいきます。 少し尾根の背に向かってから再び右肩を軽く登っていくと高みに着きます。 鞍部から13分ほどの所になります。 地形図によると、標高120mほどの細長い高みの西端になるようです。 高みにはが佇んでいて、 台座には「廿二番 薬師如来 阿波国 平等寺」などの文字が刻まれています。 周囲の樹木に邪魔されながらも、僅かにを眺められます。
緩やかな高みを進んで少し降るようになるとが佇んでいます。 鞍部から15分ほどの所になります。 台座には「廿三番 ・・・ 阿波国 薬・寺」などの文字が刻まれています。 ここで道が不明瞭になります。 『正面の尾根は歩き難そうだし』と暫く考えた末、右へ続くを降っていきます。
斜面を斜めに2分ほど降って笹竹の茂るに降り立つと、道は明瞭になります。 笹竹の茂る道を左へ曲がりながら進んでいくと、程なくして降り坂になってきます。 などが樹間から見えてきます。 少し右へ曲がって、正面にを眺めながら、笹竹の茂る斜面を降っていきます。 傾斜が緩やかになってくると、正面の高みへ続くが見えるようになります。 海に突き出したを眺めながら、緩やかになった道を進んでいきます。
尾根の右肩に続く道を進んでいきます。 岩が頭を出している所を過ぎていくとが見える所があります。 小尾根を跨いでを進んでいきます。 登り坂になってきた尾根の背を進んでいくと、脇の高みに石仏が佇んでいます。 鞍部から29分ほどの所になります。 台座には「廿四番 虚空蔵大士 阿波国 東寺」などの文字が刻まれています。
左下のを眺めてから、雑木林のを登っていきます。 植林地の縁に入って少し降っていくと、谷筋に近畿自然歩道の道標が立っていて、 左へ登っていく道は「大山灯台0.5km・柴山港1.3km」、 今来た道は「今子の千畳敷1.3km・カエル島1.3km・大引の鼻展望台1.6km」となっています。 道には黄テープが張られています。 そのテープに導かれるようにして左へ登っていきます。
灯台分岐
雑木林の斜面を曲がりながら登っていきます。 少し明るくなった所を右に曲がって、黄テープに導かれながらを登っていきます。 黄テープが終わった所にが佇んでいます。 鞍部から36分ほどの所になります。 台座には「廿五番 ・・・ 土佐国 ・寺」などの文字が刻まれています。 石仏を過ぎていくと分岐があります。 鞍部から37分ほどの所になります。 角には近畿自然歩道が立っていて、 右の道は「柴山港1.1km」、正面の道は「大山灯台0.3km」、 今来た道は「今子の千畳敷1.5km・カエル島1.5km・大引の鼻展望台1.8km」となっています。 大山灯台はそれほど遠くなさそうなので、立ち寄っていくことにします。
正面の道を歩き始めるとすぐに幅が狭まって、これまでの道に比べて歩き難くなります。 もあります。 張られているトラロープに掴りながら何とか通過して、 引き続きを横切るようにして続くトラロープが張られた道を進んでいきます。 6分ほど進んでいくと、左側の樹木が途切れてを眺められる所があります。 景色を確認してから更に進んでいくと、枯れた大木を過ぎた先で尾根に出ます。 灯台分岐から8分半ほどかかりました。 尾根に出た所には赤テープが取り付けられています。 右の先にはコンクリート製のが見えています。 道標類は見かけませんでしたが、左へ続く尾根を進んでいきます。
歩き易くなったを進んでいきます。 程なくして登り坂になると、が頭を出した所にトラロープが張られていますが、 先ほどの崖地とは違って、登るのは苦になりません。 そこを過ぎて更に登って大きな岩がある高みに着くと、電柱が2本並んで立っています。 尾根に出た所から2分半ほどの所になります。 片方の柱には「15号柱」の標識が取り付けられています。
柴山港灯台
電柱を過ぎてがある高みを進んでいくと、程なくして降り坂になります。 尾根にはコンクリート製のが続いています。 板の間の土が流れ出していて少し歩き難い思いをしながら降っていきます。 トラロープも張られていますが、それほど危険な様子はありません。 電柱を過ぎて2分ほど降っていくと僅かにになります。 坂を登り切ると、正面の下に灯台が見えてきます。 正面に続く縦板の階段を降っていきます。 階段が終わって金属製のを降ると灯台の袂に降り立ちました。 尾根に出た所から7分ほど、灯台分岐から16分ほどで着きました。 壁に取り付けられたによると、大山灯台ではなくて柴山港灯台というようです。
柴山港燈台
初点 昭和八年四月
改設 昭和四十三年十一月
この灯台は、船舶が安全に航行するための重要な施設です。 傷付けたり汚した場合は、法律により罰せられます。 <この灯台に関してお気付きの点がございましたら> 最寄りの航路標識事務所か海上保安部へ連絡をお願いします。
 (海上保安庁)
灯台の前には日本海が広がっています。 には白波が打ち寄せ、少し沖には連なった円筒形のものがあります。 最初の駐車場の傍にあった解説板によるとというようです。 樹木に邪魔されながらも、右には臼ヶ浦島から東へ続くが見えます。 竹野町にあるも奥の方に見えます。
ケーソンとはフランス語で「大きな箱」という意味で、 鉄筋コンクリート製で、波を防ぐ防波堤や船を止めるための岸壁として使用されるようです。
灯台から引き返してきます。 を登ってもいいのですが、 その左側にトラロープが張られたがあったので、そこから登っていきます。 すぐに尾根に出て、を登っていきます。 大きな岩が剥き出したに登って、2本の電柱の間を抜けていきます。 トラロープが張られた所を降ってその先へ進んでいくと、灯台分岐から崖地を横切ってきた所に着きます。 崖地を引き返してもいいのですが、ここは正面に続くコンクリート製の縦板の階段を登っていきます。
縦板の階段を1分半ほど登っていくと、が2本立っています。 片方の柱には「14号柱」の標識が取り付けられています。 更に階段を登って地道になってくると、「13号柱」の標識が取り付けらたが立っています。 広くて歩き易くなった道を登っていくと、「12号柱」の標識が取り付けらた電柱の立つ所に分岐があります。 柴山港灯台から12分ほどの所になります。 角には近畿自然歩道が立っていて、正面の道は「柴山港0.9km」、 右の道(*)は「今子の千畳敷1.7km・カエル島1.7km・大引の鼻展望台2.0km」、今来た道は「大山灯台0.2km」となっています。 大山灯台柴山港灯台は別のものかとも思いましたが、どうやら同じ灯台を指しているようです。
*後日に右の道を歩きました。 (「沖浦169m峰」を参照)
169m峰
分岐を見送って、正面に続く広めのを2分半ほど登っていくと、小広くなった高みに着きます。 地形図に載っている169m峰になるようです。 柴山港灯台から15分ほどの所になります。 高みにはがふたつ並んでいます。 向かって右側の石仏には「廿六番 薬師如来 土佐国 西土寺」、 左側の石仏には「廿七番 十一面観音 土佐国 神峰寺」などと刻まれています。 地形図にはこの辺りに灯台の記号が描かれていますが、それらしいものは見かけません。
高みの先の尾根に続くを降っていきます。 尾根の左肩を降っていくと、植林地に入っていきます。 一旦雑木林になって再びを降っていくと、 右から(*)らしきものが合流してきます。 道標類は見かけませんが、ここは正面へ降っていきます。 正面が明るくなってくると、笹竹が茂る所に出ました。 169m峰から7分ほど降った所になります。 笹竹の奥にはが広がります。
*後日に右の道を歩きました。 (「沖浦169m峰」を参照)
両側に笹竹が茂るを2分半ほど降っていくと分岐があります。 169m峰から10分ほど降った所になります。 角には近畿自然歩道が立っていて、左の道は「柴山港0.8km」、 今降ってきた道は「大山灯台0.3km・今子の千畳敷1.8km・カエル島1.8km」となっています。 169m峰の手前にあった道標から400mほどは歩いたように思えますが、道標に書かれている距離は100mしか変わっていません。 どうやら、このコースの道標に書かれている距離はかなり怪しいようです。 正面の道もしっかりとしていますが、道標には何も示されていないので、道標の指す左の道を進んでいきます。
左の尾根を30秒ほど進んでいくと、尾根が大きく崩落していました。 が左に出来ていますが、 鎖が張られていて「危険個所につき立入禁止」の貼り紙が出ています。 下を覗いてみると、かなり大規模なになっています。 迂回路も何だか頼りなさそうな様子だったので、手前のまで引き返して、 道標の指していない左の道(降ってきた方角からは正面の道)を降っていきます。
後日に崩落地から先の道(ルート図に緑色の線で表示)を歩いてみました。 迂回路を過ぎていくと、横木の階段混じりの道が続いていました。 落ち葉が積もって階段が分かり難くなっていましたが、要所には道標も立っていて、迷うことなく降りていけました。 崩落地から20分ほどで、柴山港の脇に降り立ちました。 降り立った所にも道標が立っていて、その先の道は「船改め所跡0.1km・柴山駅2.7km」、 降っていった道は「大山灯台1.1km・今子の千畳敷2.6km・カエル島2.6km」となっていました。
(「沖浦169m峰」を参照)
道には落ち葉が積もり枯れ枝も散乱気味ですが、が植林地に続いています。 少し左へ曲がっていくと、上空に電線が通るに出ます。 電線に沿って続くを右へ曲がりながら降っていきます。 次第に正面が開けてくると、分岐から5分ほどで広めの所に出ます。
大日堂
道なりに左へ曲がっていくとになってきます。 右・左と曲がりながら降っていくと、の傍に出ます。 何処へ出るのか不安をかかえながら降ってきましたが、その先には集落が見えていたので安心したのでした。 畑の縁に続く道を降っていくと、に変わる所の右側に瓦屋根の建物があります。 先ほどの分岐から9分半ほどで降りて来られました。 これで山道は終わりになります。 玄関口の上には「金龍院 大日堂」の扁額が掲げられ、鰐口や釣鐘も下げられています。 狭いには、六地蔵や石仏などもあります。
大日堂の先に続く水路沿いのを降っていきます。 水利設備と思われる「沖水」「上田工」と書かれたコンクリート製の囲いの先から左へ戻るようにして登っていく階段は、 上にある畑地へ続く道になります。 階段を見送っていくと沖浦地区の集落になります。 が並べられた建物の右側を進んでいくと、小広くなった所に分岐があります。 水路を渡って、右前方へ続く路地を進んでいきます。
大放神社
突き当たりを右折し、左からの道を合わせて集落を進んでいくと、 右側の石段の上にが立っています。 その上の方には社殿も見えるので、ちょいと立ち寄っていきます。 「大放神社」の扁額が掲げられた鳥居を過ぎて左へ続く石段を登っていくとに分かれています。 手摺が付いた左側の石段を登っていくと社殿があります。 中には小振りのが安置されていて、周囲には色鮮やかな絵などが掲げられています。 社殿の右側には、三寶荒神社・稲荷神社・厳島神社・恵比須神社・愛宕神社を納めたがあります。 石段の途中には「沖浦三番叟」の標柱が立っていますが、神社の由緒を記したものは見かけません。
香美町指定民俗文化財 沖浦三番叟
昭和44年11月3日指定
管理団体 沖浦三番叟保存会
平成19年香美町教育委員会設置
神社から戻ってその先へ進んでいくとT字路があります。 角には赤い前掛けをしたや石仏や墓石などが並んでいます。 石仏の台座には「卅四番 薬師如来 土佐国 種間寺」などの文字が刻まれています。 左右どちらの道を進んでも良いのですが、今回は右へ進んでいきます。 大きく左へ曲がりながら集落を進んでいきます。 左へ分かれて降っていく道を見送って白いガードレールが設置された道を進んでいくと県道11号に出ます。
沖の浦地区急傾斜地崩壊危険区域
(注意)この区域内で土地の形質変更をする場合は知事の許可が必要ですから浜坂土木事務所管理課にご相談下さい。
沖浦地区
登り坂になった車道を右へ進んでいきます。 道なりに左へ曲がっていくと、道端に真新しいがあります。 中には「修行大師」の像が安置されていました。 祠の先にあるを過ぎて降っていくとがあります。 角には「香美町 今子浦運動場」の看板が出ています。 左の道は見送って、を右に眺めながら進んでいくと、 今子トンネルの手前にがあります。 そこを左折していくと、車を止めておいた第1駐車場があります。 大師堂から25分ほどで到着しました。
修行大師
ありがたや 高野山の岩かげに 大師わ今におわします