吼子尾山
概 要 吼子尾山は丹波市青垣町にある標高519.2m(点名:沼村)の山です。 城の丸とも呼ばれ、かつて芦田氏の居城である東芦田城(小室城)があった所です。 山頂の南東側が開けていて眺めが広がります。 今回は南東にある「ごりんかん」を起終点とし、岩が剥き出す尾根から山頂へ登り、 半分ほど引き返して谷筋を胎蔵寺へ降るルートを歩きます。
起 点 丹波市青垣町 東芦田地区
終 点 丹波市青垣町 東芦田地区
東芦田地区…展望岩…胎蔵寺分岐…グリーンベル分岐…吼子尾山…グリーンベル分岐…胎蔵寺分岐…林道出合…胎蔵寺跡…いぼ薬師…小社…胎蔵寺…東芦田地区
所要時間 2時間40分
歩いて... 登りルートには所々に標識が立っています。 降りルートでは標識を見かけませんが、途中から林道のような道になります。 疲労困憊するような急坂はありませんが、気温が高くて汗を拭きながらの遅い登りとなりました。 山頂付近には曲輪跡と思われる平坦地が幾つか見られますが、城跡に関する解説板などは見かけませんでした。
関連メモ 吼子尾山
コース紹介
東芦田地区
北近畿豊岡自動車道を青垣ICで降りて県道7号を南下し、東芦田口バス停があるを左折して県道109号に入っていきます。 すぐの所にある「」に載っている「ごりんかん」へ向っていきます。 東福橋を渡ってしばらく進んでいくと、「五右衛門サウナ ごりんかん」と書かれたがあります。 傍には「ごりんかん」の解説板とが立っていて、 左の道は「519m吼子尾山」「芦田(小室)城趾」となっています。 左の道に入って山際まで行くとごりんかんがあります。 手前が広い駐車場になっているので、ここに車を止めさせて頂きました。 脇には「」の解説板があります。
吼子尾山」は「くずおさん」と読むようです。
芦田の五十三次 名所・旧跡 ごりんかん
東芦田村おこしの会がログハウスを建設。 農業を中心とした都市交流を行っている。
芦田自治振興会(10)
災害に強い森づく(里山防災林整備)
〜県民緑税の活用〜
平成16年の台風被害を踏まえて、豊かな「緑」を次の世代に引き継いでいくため、 県民共有の財産である「緑」の保全・再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組む仕組みとして、 平成18年度から「県民緑税」を導入し、防災面での機能強化を目的とした「災害に強い森づくり」を進めています。
〜○〜○〜整備内容〜○〜○〜
○間伐・竹林整備  不要木等の伐採により、林の中を明るくして、森林内の植物がたくさん生育できるようにします。
○木柵工・筋工  伐採した木を利用し水平に柵をつくり、土砂の流出を抑えます。
○土留工  鋼製のカゴを設置し、土砂の流出を抑えます。
○床固工  鋼製のカゴを設置し、土砂の流出や浸食を抑えます。
○水路整備  降雨時の流水が民家などに流出しないように水路を整備しました。
○歩道整備  森林を管理していくために人が入りやすいように、歩道をつくりました。
平成22年3月 兵庫県・丹波市・(社)兵庫みどり公社
建物の右側にある石段がになります。 脇には「登山道」と「城の丸登山口」の標識があります。 石段を登り始めると、すぐの所にがあります。 横に渡された閂をずらし、小さなレバーを回せば開けられます。 防護扉を過ぎた正面には「ようこそ里山へ」と題したが倒れています。 吼子尾山(城の丸)までの道が描かれているようですが、掠れていてほとんど判読出来ません。 道なりに右へ曲がって、自然木のを登っていきます。 程なくして分岐があります。 正面には「登山道」のが立っていて、 左の道は「大岩さんへ」、右の道は「尾根道へ」となっています。 どちらへ進めば良いのか分かりませんが、「大岩さん」というのが気になるので、左の道を進んでいきます。
植林地を斜めに登っていくと、程なくして「登山道」「城の丸519m」のが立っています。 少し右へ曲がってトラロープが張られた自然木のを登り始めると、上の方に大岩が見えてきます。 の前に立つ「登山道」の標識に従って右へ曲がっていきます。 雑木林を斜面を斜めに登っていくと、また大岩があります。 駐車場から7分ほどの所になります。 前後にある大岩が標識にあった「大岩さん」かと思いますが、その旨の標識は見かけません。
左へ戻るように登っていく踏み跡も見られますが、へ続く道を進んでいきます。 大岩群の袂にある「草花は持ち帰らないで下さい」「大切にしています」のを過ぎていきます。 斜面を横切るように進んでいくとに出ます。 左へ曲がったすぐの所に「登山道」のが立っています。 右から登ってくる尾根は歩き易そうですが、手前にあった分岐から続いているようです。
展望岩
岩が目立つようになるを登っていきます。 尾根には桃テープが点々と取り付けられていてルートを示しています。 しばらく続くを登っていきます。 左の樹間に見えるを眺めながら登っていきます。 桃テープに加えて「走る栄養研究所」のも見かけます。 岩尾根を登っていくと、左側に眺めが広がりそうな岩があります。 駐車場から16分ほどの所になります。 岩の上に出てみると、街並みや山並みなどを見渡せる展望岩になっています。
桃テープを確認しながら、岩が減ったを登っていきます。 少し登っていくと、傾斜がになります。 左の樹間にを眺めながら進んでいきます。 登り傾斜が増してくると、またが剥き出すようになります。 の右脇を進んでいきます。 程なくして、「登山道」の標識が立つ所を右へ曲がっていきます。
少し登って左への曲がり角まで来ると、が二つ並んでいて、 左へ曲がっていく道は「登山道」、今来た道は「ごりんかんへ」となっています。 左から右へ曲がりながら登っていくとがあります。 駐車場から25分ほどの所になります。 左の窪んだ道には倒木があって歩き難そうなので、正面の道を進んでいきます。 左への曲がり角まで来ると、またが二つ並んでいて、 左へ曲がっていく道は「登山道」、今来た道は「ごりんかん」となっています。 左へ曲がって、少し先にある「境」のを過ぎていきます。 右の樹間に山並みが見えてきますが、方角からするとこれから向う吼子尾山でしょうか。
緩やかになった尾根を進んでいくと、また「登山道」のがあります。 「境」のを過ぎていくと、登り傾斜が少し増してきます。 右への曲がり角まで来ると、またが二つ並んでいて、 右へ曲がっていく道は「登山道」,今来た道は「ごりんかん帰路 左へ」となっています。 右へ曲がって登っていくと、小岩が剥き出しています。 駐車場から37分ほどの所になります。 ちょいと小岩の左側へ出てみますが、はあまり広がりません。
小岩を過ぎていくと、次第にになります。 左にが見えてくるので、また立ち寄っていきます。 小岩の脇からは、先ほどよりもが見易くなっています。 程なくして、に現れる踏み跡を進んでいきます。 僅かな高みの脇を過ぎると、軽い降り坂になります。 駐車場から39分ほどの所になります。
胎蔵寺分岐
軽く降ってに出ると緩やかになります。 僅かな登り坂になると、「登山道」のを過ぎていきます。 が見られるようになると、登り傾斜が増してきます。 が剥き出す尾根を登っていきます。 傾斜が緩やかになった尾根を進んでいくと分岐があります。 駐車場から45分ほどの所になります。 周囲にはが三つ立っていて、 右へ降っていく道は「胎蔵寺」、前方へ登っていく道は「城の丸登山道」、今来た道は「ごりんかん」となっています。
右の道は見送って、を登っていきます。 傾斜が緩やかな尾根に出ると、矢印だけのが樹木に取り付けられています。 右へ曲がって、を進んでいきます。 程なくしてになります。 少し窪んだ道が現れますが、右側の道を登っていきます。
グリーンベル分岐
程なくして少しになります。 小さく曲がりながらを登っていきます。 尾根のを通ったりしながら登っていきます。 尾根のを左へ曲がりながら登っていきます。 合わせて12回ほど曲がりながら登っていくと、分岐になった標高410mほどの緩やかな尾根に出ます。 胎蔵寺分岐から12分ほどの所になります。 両側にはがあって、 右へ曲がっていく道は「頂上へ」、今来た道は「ごりんかん」となっています。 少し向きが違うようですが、「グリーンベル」の板は桃テープが巻かれたを指しているようです。 駐車場からほとんど休まずに登ってきて疲れたので、リュックを降ろして水分補給しながら休憩していきます。
落ち着いたところで、右へ続くを軽く登っていきます。 しばらく登っていくと、標高430mほどのに着きます。 僅かなになる尾根を進んでいきます。 小岩が見られるようになるとになります。 傾斜が緩やかになると、左側に「危険注意 崖崩れ有り」のがあります。 グリーンベル分岐から6分ほどの所になります。 崖の手前まで出てみると、眺めが広がります。
程なくして傾斜が増してくるを登っていきます。 次第にが剥き出すようになります。 しばらく続くを登っていきます。 尾根のを通ったりしながら登っていきます。 左へ曲がりながら登って鞍部のような尾根の背に出ると、「登山道」の標識が立っています。 グリーンベル分岐から12分ほどの所になります。
鞍部を斜めに横切って、尾根のを登っていきます。 右へ曲がって尾根の背に出ると、が剥き出しています。 小岩が見られなくなるとになります。 程なくして登り坂になると、またが見られるようになります。 尾根の所々には、曲輪跡と思われる平坦地が見られます。
のような急な所を登っていきます。 すぐにに出ます。 になった尾根を軽く登っていきます。 少し登っていくと前方が明るくなって、山頂が近づいた気配がしてきます。
吼子尾山 (標高519.2m)
気を取り直して登っていくと、樹木が伐採されたに出ます。 尾根の左側には(*)が現れますが、巻き道のようなので見送っていきます。 伐採地をひと登りすると、鉄骨の骨組みだけが残されている吼子尾山の山頂に着きます。 グリーンベル分岐から17分ほどで登って来られました。 手前には三等三角点「沼村」があるので、地形図に載っている519.2m峰になるようです。 骨組みや傍の樹木には「吼子尾山 沼村 ▲519.3m」や「吼子尾山(519.2m)」のが取り付けられています。 木の階段が立て掛けられているので、かつては二階建てのになっていたのでしょうか。 何に使うのか分かりませんが、脚立も置かれています。 山頂の南東側が開けていて眺めが広がります。
お昼には早い時刻だったので昼食は下山してから摂ることにして、 テーブルの周りのに腰掛けて、水分補給をしながら休憩していきます。
*後日に尾根に左側に続く広い道を歩きました。 (「吼子尾山」を参照)
を引き返していきます。 平坦地や切岸のような所があるを降っていきます。 が剥き出す尾根を降っていきます。 尾根の右斜面を曲がりながら降っていくと、鞍部のような尾根の背に出ます。 山頂から5分ほどの所になります。
鞍部を斜めに横切って、尾根のを降っていきます。 大小の岩が剥き出す尾根のを通ったりしながら降っていきます。 尾根の背に出て、しばらく続くを降っていきます。 岩を見かけなくなると、次第にになります。 「危険注意 崖崩れ有り」の標識がある所まで来て、再度景色を眺めていきます。 山頂から10分ほどの所になります。
グリーンベル分岐
またが見られるようになる尾根を降っていきます。 僅かな登り坂になると、標高430mほどのに着きます。 高みを過ぎて、尾根のを降っていきます。 に出て降っていくと、次第に傾斜が緩やかになります。 程なくして、「頂上へ」「ごりんかん」「グリーンベル」の標識が立つ分岐に着きます。 山頂から16分ほどの所になります。 右の道も気になりますが、駐車地から遠くなってしまうので、 「ごりんかん」の標識が指す元来たを降っていきます。
尾根のを回り込むように降っていきます。 左・右と小さく曲がりながらを降っていきます。 少しを曲がりながら降っていきます。 合わせて12回ほど曲がりながら降っていくと、緩やかな尾根になります。
胎蔵寺分岐
僅かな登り坂になる尾根を進んでいくと、矢印だけのが樹木に取り付けられています。 左へ曲がって、尾根のを降っていきます。 回り込むようにして降っていきます。 尾根の背に出て降っていくと、「胎蔵寺」「城の丸登山道」「ごりんかん」の標識が立つ分岐に着きます。 山頂から27分ほどの所になります。 最初のごりんかんへ降るのは正面の道になりますが、少しでも違う道を歩くべく、 「胎蔵寺」の標識が指すを降っていきます。
林道出合
を斜めに降っていきます。 少し降っていくと、曲がりながら降るようになります。 登ってきた道には見られた標識はこちらの道では見かけませんが、所々にが巻かれています。 合わせて7回ほど曲がりながら降って緩やかになると、が茂るようになります。 少し窪んだ道を降っていくと、左右に通る林道のような道に出ます。 胎蔵寺分岐から9分ほどの所になります。 標識類は見かけずしばらく愚考しますが、胎蔵寺がある谷筋へ向ってを降っていきます。
斜面を斜めに降って谷筋へ降りると、僅かな沢に架かるを渡っていきます。 谷筋を回り込んで、緩やかになったを進んでいきます。 少し左へ曲がりながら降っていくと、沢が流れるに出ます。 右へ曲がって、に降っていきます。 程なくして、石がゴロゴロするを渡っていきます。 胎蔵寺分岐から15分ほどの所になります。
胎蔵寺跡
シダ類などが茂るを降っていきます。 程なくしてが積まれた平坦地を見かけるようになります。 『棚田跡か』と思いながら降っていくと、がゴロゴロして歩き難い道になります。 またが見られるようになる道を我慢しながら降っていきます。 しばらく降っていくと、シダ類などが茂る小広い平坦地に出ます。 胎蔵寺分岐から18分ほどの所になります。 脇には石垣もあるし、東福橋の傍にあった「東芦田案内図」に載っている胎蔵寺跡でしょうか。
いぼ薬師
の傍を降っていきます。 に沿って降っていきます。 程なくして、左を向いた小祠があります。 胎蔵寺分岐から20分ほどの所になります。 左側から見ると、東福橋の傍にあった「東芦田案内図」に載っているに似ています。 すぐ先の左側には、荒れたのような建物があります。
小社
沢沿いに続く歩き易くなった道を降っていくと、を横切っていきます。 左を流れるようになった沢に架かるを見送っていきます。 沢沿いに降って民家が見えてくるとがありますが、この時は開放されていました。 防護扉を過ぎたすぐ右側に、祠や石碑などがある小広い所があります。 胎蔵寺分岐から25分ほどの所になります。 手前にあるのはのようです。 奥にあるの名前は分かりませんでした。
胎蔵寺
竹林の脇に続くを降っていきます。 程なくしてが広がってきます。 舗装路になると、右側に胎蔵寺があります。 胎蔵寺分岐から29分ほどで降りて来られました。 砂利が敷かれた境内に入っていくと、に前には阿吽の仁王像が立っています。 謂れが書かれていると思われる板もありますが、文字が掠れていて判読出来ません。 から出て振り返ると、「薬師如来」と書かれた板が取り付けられています。
県道109号へ出た所に「胎蔵寺の薬師如来像」の解説板があります。
芦田の五十三次 名所・旧跡 胎蔵寺の薬師如来像
養老2年(718)法道仙人が登山の途中、獅子のほえる声を聞き掘ったところ、一寸八分の金銅を発見。 その後、木造薬師如来を造り、胎内に金銅仏を安置した。 現在地より200m上に旧寺社敷地がある。
(市指定文化財)
芦田自治振興会(9)
胎蔵寺の先へ続く道路を少し曲がりながら降っていくと、カーブミラーが立つがあります。 真っ直ぐ進んでいくと県道109号に出ますが、右へ曲がっての脇を進んでいきます。 墓地の脇を過ぎていくと、の建物があります。 県道109号に出て右折して華格子の前を進んでいくと、塀に「宝篋印塔」のが取り付けられています。 塀の終わる所には「石造 宝篋印塔」の解説板もあります。 駐車場の奥の斜面に宝篋印塔が見えています。 防護柵を二つ抜けて斜面をよじ登っていくとに着きますが、明瞭な道は見かけません。
(宝篋印塔への立ち寄りは所要時間に含めず)
兵庫県指定 宝篋印塔
この地は古来「五輪ヶ端」として村人に親しまれてきたが、 これはこの「宝篋印塔」を「五輪塔」と誤り伝えられたものである。 この「塔」は惜しいことに相輪の上部をかいているが、鎌倉期の古い形式をよく残しており、 各部の彫刻も深く丁寧に仕上げられている。 建立の目印を「丹波志」は「矢塚」と誌しているが、その形式や造形姿勢等を考察すれば、 信濃国芦田邑(長野県立科町)から当地に来住し、 (保元3年=1158)小室城に據り「丹波押領使」として大いに勢力を振るい、 一族は丹波・丹後・但馬・山城国に迄発展した。 芦田氏の祖芦田判官家光(満)を祀ったものであろうと思われる。 従ってその建立年代も芦田氏の全盛期(1200-1360)年代とすべきであろう。
平成11年10月1日
(「相輪の上部をかいている」の「か」は、「缶」遍に「欠」と書きます)
芦田の五十三次 名所・旧跡 石造 宝篋印塔
台座・笠石・隅飾突起などの様式から、室町時代初期のものであると思われる。
(市指定文化財)
芦田自治振興会(8)
東芦田地区
すぐに「」の標識が出る建物があります。 建物の前を過ぎると、ごりんかんへのがあります。 右の道に入って、「五右衛門サウナ ごりんかん」と書かれたを過ぎていきます。 「」の標識が出る所を過ぎていきます。 真っ直ぐ進んでごりんかんに着くと、車を止めておいた駐車場があります。 胎蔵寺から10分ほどで到着しました。