猫崎半島
概 要 猫崎半島は豊岡市竹野町にある兵庫県最北端の半島で、賀島半島とも呼ばれる岬です。 遠望すると猫がうずくまったように見えることから「猫崎」と名づけられたようです。 今回は賀嶋公園から141.3m峰(賀嶋山)を越えて、先端にある猫埼灯台までの道を往復します。 かなり登り降りのある道が続きますが、途中までは石仏たちが出迎えてくれます。
起 点 豊岡市竹野町 竹野地区
終 点 豊岡市竹野町 竹野地区
竹野地区…賀嶋公園…立江地蔵尊…奥院…141.3m峰(賀嶋山)…馬の背…猫埼灯台…馬の背…141.3m峰(賀嶋山)…奥院…立江地蔵尊…賀嶋公園…竹野地区
所要時間 1時間30分
歩いて... 奥院から猫埼灯台までの道にはかなり急な登り降りがありますが、 各所にロープや柵が設置されて安全になっています。 猫埼灯台からは日本海を見渡せる眺めが広がります。
関連メモ 猫崎半島
コース紹介
竹野地区
に続く道を北西へ進んでいきます。 少し右へ曲がって、奥城崎シーサイドホテルと旅館・レストハウスいざきの間のを登っていきます。 広い鞍部に着くと駐車場があるので、ここに車を止めさせて頂きました。
ここ国立公園竹野海岸の駐車場および岩場では、
 (1)キャンプ (2)キャンプファイヤー (3)バーベキュー (4)焚き火等
の行為は一切禁止しています。
たけの観光協会
駐車場の奥には 「誕生」「誕生之浦」と刻まれたがあります。 左の山際にはが二つ並んでいて、「柴栗山睨満の碑」の標柱と解説板もあります。 駐車場の右側にあるコンクリート道が賀嶋公園への入口になります。 脇には「」があります。 先端にある猫埼灯台までの道が載っていて、賀嶋公園から50分となっています。
文化四年(1807)六月、柴栗山が風光明媚な賀嶋の地で感嘆のあまり詩を詠み、 同十四年八月、出石藩の土岐東市がこれを刻んで建立したのがこの碑である。 碑には「 文化四年六月十日幕府の儒者である讃岐生まれの栗山が播磨の高見恭、但馬の医師黒崎擇等と来遊し、 讃岐・佐渡・越前・越中・越後を肘や腋に眺め、はるか雲天の外に満州を望んでその雄大な景色に感動し、 酒を汲んで広く豊かな心持ちになった。 従う者は門人の三上順憲及び養子の允弁であった。 」と記されている。 栗山は香川県高松に生まれ、元文元年(1736)から文化四年にかけて活躍した江戸時代中末期の儒者であって、 寛政の三博士の一人である。 天明八年(1788)には、晶平坂学問所の教授となり、 寛政二年(1790)のかの有名な「異学の禁」は栗山の建議によってできたものである。 栗山は詩文筆礼に秀で、当時有数の名文家といわれた。 なお横の小碑は美濃鵜の漢学者村瀬藤城が栗山の詩を後世まで保存させることを希って詠んだ詩が刻まれている。
昭和六十三年七月 竹野町
賀嶋公園
建物へ続く小橋を見送って、擬木の手摺りが設置された所もあるを登っていきます。 右の樹間に竹野浜などを眺めながら登っていくと、道は折れ曲がっていきます。 少し先を曲がって登っていきます。 更に登っていくと、道は曲がっていきます。 樹木が減って明るい所を過ぎていくと、桜が咲く賀嶋公園に着きます。 駐車場から6分ほどの所になります。 ここが標高40mほどの【猫の尾】に当たる所になります。 正面には「賀嶋公園」のが立っていて、 右の道は「猫埼灯台1.0km」、左の道は「駐車場0.2km」(*)となっています。
*「駐車場0.2km」の矢印は左を指していますが、今登ってきたコンクリート道の意味だと思われます。
左側にはがあります。 休憩舎からはやその奥の山並みなどを眺められます。 右側には「朝日の見えるポイント」の標柱が倒れていて、方面を眺められます。 正面へ進んでいくと、「山陰海岸国立公園 竹野賀嶋公園」 「標高五七.七米 北緯三五度四〇分」の大きな標柱が立っています。 標柱の傍には「」の案内板があり、猫崎半島の先端までの道が載っていますが、 設置されてから年月が経ってかすれているので、以前に来た時の写真を載せておきます。 案内板の横から西側を眺めるとの水平線が広がります。 これから向かうも見えます。
山陰海岸国立公園 竹野賀嶋公園
朝日・夕日・漁火が見える丘
山陰海岸国立公園 京都府の網野海岸から鳥取県の鳥取砂丘まで、延長約75kmに及び海岸沿いの区域8,784haが、山陰海岸国立公園に指定されています。
猫崎半島 兵庫県の最北端に位置し、沖から見た姿が猫に似ているところから名づけられた陸繋島です。 流紋岩の柱状節理や凝灰岩の奇岩怪石、そしてタブ、モチ、ツバキなど日本海岸では珍しい温帯常緑樹林がみられます。 半島の北側一帯は国立公園の特別保護地区に指定されています。
賀嶋公園 日本海の展望が良い芝生広場です。 ここからは、海食崖の但馬海岸や白砂青松の竹野浜、遠くには丹後半島も眺められます。 また、夏は、東の海から昇る朝日、西の海に沈む夕日、そして夜の海に浮かぶ漁火の3つの光が楽しめます。
新四国霊場 竜海寺によって奉置されたもので、山中に88ヶ所の石仏があります。
立江地蔵尊
の北側へ進んでいきます。 僅かな降り坂になると、「」のがあって、 猫埼灯台までの道が載っています。 以前に来た時には見掛けませんでしたが、近年になって設置されたようです。 案内板を過ぎて、笹竹と照葉樹が続くを進んいきます。 少し進んでいくと、道端に「十三番」のが佇んでいます。 この道は賀嶋山八十八ヶ所霊場になっていて、 この先の奥院までの道々に採番されて本尊の刻まれた石仏が続いています。 「十八番」の石仏まで来ると大岩があります。 賀嶋公園(「近畿自然歩道 猫崎線」の案内板)から2分ほどの所になります。 大岩の前にはこれまでの石仏より大きながあります。 右側には一部が書けた「十?番」の石仏もあります。
近畿自然歩道 猫崎線
猫崎半島の地形  猫崎半島は兵庫県最北端に位置し、竹野川の河口から細長く日本海に突き出た岬です。 東西から見るとキューピーが仰向けに寝転んだ形に見えます(写真は東側から撮影したものです)。 近畿自然歩道 猫崎線は、賀嶋公園から猫埼灯台に至る登山道です。 道中では、この地域には珍しい原生的な照葉樹林が残り、断崖や絶壁など起伏に富んだ地形を楽しむことができます。 猫崎半島の先端には兵庫県最北端に立地する猫埼灯台がそびえています。 歩道には危険な箇所もありますので注意してお楽しみください。
の左側を進んでいきます。 左下にはが広がります。 大岩に寄り添う「二十番」の石仏を過ぎていくと、道は尾根のに続くようになります。 霊場の道ということで、一般の山道よりも少し広めでしっかりとしているように感じます。 「二十五番」までの石仏を確認しながら軽い登り坂の道を進んでいくと、「四十七番」のがあります。 ここからは石仏の番号が小さくなりながら続いています。 「四十三番」の石仏を過ぎていくと、左から来る道がしてきます。 賀嶋公園(「近畿自然歩道 猫崎線」の案内板)から6分ほどの所になります。 左の道のすぐ先には平坦地があります。 周囲には大きな石や石仏が見られますが、かつてお堂などが建っていた所でしょうか。
奥院
元の道に戻って擬木の階段が見られる道を進んでいくと、剥き出すの手前を左へ曲がっていきます。 右へ曲がりながら擬木の階段を登っていくとに出ます。 少し進んだ所から曲がりながら登っていきます。 右へ曲がりながら続く擬木の階段を登っていくと、鉄製の手摺りが設置された石段が現れます。 賀嶋公園(「近畿自然歩道 猫崎線」の案内板)から8分ほどの所になります。 手前にある踊り場のような所には、これまでよりも大きめの「奥院」と刻まれたがあります。 側面には「大正六年八月建立」と刻まれ、台座には「奉寄進」と題して多くの氏名が刻まれています。 手前にあった平坦地はこの石仏から近いので、「奥院」とされるお堂が建っていた所でしょうか。
鉄製の手摺りが設置された急なを登っていきます。 道なりに左へ曲がりながら段差の高い石段を登っていくと、なだらかなのような所に出ます。 左側には賀嶋公園竹野浜などを見下ろすが広がります。 少し右へ曲がって、トラロープが張られたを登っていきます。 程なくしてトラロープは途切れますが、石段は更に続きます。
141.3m峰 (賀嶋山)
またが張られるようになる石段を登っていきます。 トラロープが終わると、次第に傾斜が緩やかなになります。 程なくして石段が終わって、歩き易くなったを軽く登っていきます。 快調に進んでいくと、なだらかな高みに着きます。 賀嶋公園(「近畿自然歩道 猫崎線」の案内板)から15分ほどの所になります。 中ほどには、以前には見掛けなかった「賀嶋山 標高141.4m」のが立っていて、 この先の道は「猫埼灯台0.5km」、今来た道は「賀嶋公園0.5km」となっています。 脇には三等三角点「賀嶋」があるので、地形図に載っている141.3m峰になるようです。 近くの木には「賀嶋山 標高141.1m」のが取り付けられています。 【猫の背】に当たる所で、本コースの最高地点になりますが、周囲には樹木が茂っていて展望は得られません。 長い石段を登ってきて疲れたので、ひと息入れていきます。
落ち着いたところで、を回り込むように進んでいきます。 僅かなで続く尾根の右肩を進んでいきます。 少し岩が見られる緩やかなを軽く降っていきます。 数段の低い石段を過ぎて軽く登っていくと、僅かな高みに着きます。
高みを過ぎて降り始めると、が現れます。 降り傾斜が増してくると、が張られています。 狭いに続く石段を降っていきます。 岩が剥き出すようになるを更に降っていきます。 かなり段差が高くて歩き難い石段を慎重に降っていきます。
馬の背
右へ曲がる所まで来ると、太いが続くようになります。 少し先を左へ曲がって、の袂を回り込むように降っていきます。 一旦尾根の背に出ますが、すぐにを進むようになります。 左へ曲がりながら進んでいくとに出ます。 ロープ柵が終わると、馬の背のような鞍部に着きます。 141.3m峰から9分ほどの所になります。
「強風にご注意ください」の標柱が立つを、両側の金属製の手摺りに掴まりながら渡っていきます。 左側にはが広がります。 眼下は急峻な岩壁になって、小さなが見えます。 橋を渡り終えると、ロープ柵が続くを登るようになります。 以前に来た時には少し浮いている石もあって腰が引けましたが、この時には石段が補修されてしっかりとしていました。 ロープに掴まりながら石段を登っていくと、尾根の右肩に続く緩やかな道になります。
ロープ柵の傍には棘のある蔓性植物が茂っているので要注意です。 急な石段に気を取られていて棘に触れてしまい、左手の人差し指の先端を切ってしまいました。 深く切れていてなかなか血が止まらず、患部にティッシュを押し当て親指と中指で押さえながら歩きました。
石段を登るようになると、またが続くようになります。 に出て、僅かな降り坂の道を進んでいきます。 すぐに尾根のを進むようになると、ロープ柵とトラロープが続くようになります。 数段のが所々にある道を降っていきます。 【猫の頭】にあたる96m峰の東側を巻くように降っていくと、緩やかな道になります。
軽いになる道を進んでいくと、鉄製の手摺りが続くようになります。 先の方に見えてくる海へ向かって、が続く道を進んでいきます。 樹木が茂る所を抜けると、眼下にが見えてきます。 右・左と曲がりながら、が続く道を降っていきます。 程なくして、灯台が近づいてきます。
猫埼灯台
鉄製の手摺りが設置されたを曲がりながら降っていきます。 すぐに猫埼灯台に着きます。 141.3m峰から17分ほど、駐車場から43分ほどで到着しました。 正面にはがありますが、施錠されて閉ざされています。 以前に来た時には見かけなかったように思いますが、灯台の左奥へ回っていくと「猫埼灯台」と題した案内板があって、 「」と「」の写真が載っています。
正面には日本海を見渡せる眺めが広がります。
右の奥にぼんやり見える陸地はでしょうか。 眼下の岩壁にはが打ち寄せています。
猫埼灯台
初点 昭和36年10月
改築 昭和63年12月
この灯台は、船舶が安全に航行するための重要な施設です。 傷付けたり汚した場合は、法律により罰せられます。 この灯台に関してお気付きの点がございましたら、最寄りの航路標識事務所か海上保安部へ連絡をお願いします。
海上保安庁 舞鶴海上保安部
猫埼灯台
猫崎半島は、竹野川の河口から細長く日本海に突き出て兵庫県最北端に位置する半島です。 沖合から見ると猫がうずくまったような姿に見えることから、このように名付けられたと言われています。 その昔、猫崎半島は「賀嶋」と呼ばれる島でしたが、竹野川から運ばれた砂州によって陸続きとなったことで半島となったと言われています。 猫崎半島の先端に立地するこの猫埼灯台は、白塔形の塔高9.7m、光達距離7海里(約13km)の灯台で、昭和36年10月に初点灯されました。 天気の良い日には、ここから丹後半島の経ヶ岬まで望むことができます。
山陰海岸ジオパーク, 環境省
降ってきたを引き返していきます。 階段が終わって、尾根の左肩に続くが設置された道を進んでいきます。 数段のが所々にある道を登っていきます。 とトラロープが続くようになる道を進んでいきます。 程なくして尾根の背に出ますが、またすぐに左肩を進むようになります。
馬の背
尾根のに続く道を軽く登っていきます。 尾根の背に出て、が続く道を進んでいきます。 正面が開けてくるとが見えてきます。 ロープ柵が設置された急なを降っていきます。 石段を降り切ると、狭い橋が架かる馬の背のような鞍部に着きます。 猫埼灯台から8分ほどの所になります。
橋を渡って、尾根の左肩に続くロープ柵が設置されたを登っていきます。 程なくして、が張られるようになります。 段差が高くて歩き難いを登っていきます。 が広がって傾斜が緩んでくると、トラロープを見掛けなくなります。 更に続く石段を登っていくと、僅かな高みに着きます。
141.3m峰 (賀嶋山)
軽く降っていくと、尾根のに続く軽い登り坂になります。 剥き出すを登っていきます。 程なくしてが見えてきます。 樹木の左側を回り込むように登っていくと、「賀嶋山 標高141.4m」の標柱が立ち「賀嶋」がある141.3m峰に着きます。 猫埼灯台から19分ほどの所になります。
奥院
軽いになる尾根を進んでいきます。 次第に傾斜が増してくると、を降るようになります。 トラロープが張られるようになると、剥き出すの脇を降っていきます。 段差の高い岩のような石段を降って踊り場のような所に出ると、 正面に賀嶋公園竹野浜などを見下ろすが広がります。 鉄製の手摺りが設置された急なを降っていきます。 石段を降り終えると、「奥院」と刻まれた大きめの石仏がある所に着きます。 141.3m峰から7分ほどの所になります。
立江地蔵尊
擬木の階段が見られる道を降っていくと、が剥き出す所を左・右と曲がっていきます。 尾根の左肩を進んでいくと、奥院が建っていたと思われるへの道を右に分けていきます。 採番された石仏が続くようになる道を進んでいくと、僅かなになります。 尾根の背に出て、の右側を回り込んでいきます。 右側に広がる日本海のを眺めながら進んでいきます。 大岩を回り込むと、「立江地蔵尊」と刻まれた大きな石仏があります。 141.3m峰から13分ほどの所になります。
賀嶋公園
採番されたが点々と佇む道を進んでいきます。 笹竹と照葉樹が続くを進んいきます。 回廊を抜けると、「近畿自然歩道 猫崎線」の案内板がある賀嶋公園の端に戻ってきます。 141.3m峰から15分ほどの所になります。 桜が散り始めた園内を進んでいくと、「山陰海岸国立公園 竹野賀嶋公園」「標高五七.七米 北緯三五度四〇分」の大きなが立っています。 休憩舎の手前に立つ「賀嶋公園」のまで来て、 左へ戻るようにして続くコンクリート道を降っていきます。
竹野地区
コクリート道を降っていくと、折れ曲がっていきます。 少し降った所を、道なりに曲がっていきます。 少し先を曲がって、更に降っていきます。 左の樹間にを眺めながら、擬木の手摺りが設置されたコンクリート道を降っていきます。 建物へ続く小橋を見送っていくと、車を止めておいた駐車場に着きます。 賀嶋公園から6分ほど、猫埼灯台から44分ほどで戻って来られました。
右側にあるに降りて波食甌穴群を少し眺めてから家路につきました。(所要時間に含めず)
おうけつ
平磯の岩盤に生じたわずかの凹みに小石がひっかかり、 波浪の力で小石がぐるぐるまわされて凹みを大きく深くしたものです。
兵庫県