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大山地区
生野峠を越えて、神河町を通る国道312号を南下していきます。
大山バス停を過ぎていくと、左を流れる猪篠川にが架かっています。
傍には「七宝寺」のがあって、橋を渡っていく道を指しています。
右にはがあります。
標識に従って七宝寺橋を渡り、かなり傾斜が急な坂道を登っていくと、
七宝寺の手前の左右に駐車場があるので、ここに車を止めさせて頂きました。
左の駐車場には「薬師山やすらぎの森」と題したがあります。
今回は森の外周に設けられている薬師道と遍路道を反時計回りに巡っていきます。
「揺り込み堂」の由来
いつの頃からか、一人の虚無僧が一人の村人に一夜の宿を乞うと、
その村人は「もう少し行くと、お堂があるからそこで泊めてもらいなさい」と教えてくれました。
言われたとおりそのお堂に泊まり、囲炉裏で火を焚いてあたっていました。
夜中に戸をとんとんと叩く者があったので、『今ごろ誰だろう。お参りの人かな』と思いながら戸を開けると、
歳の頃は二・八(16)か二・九(18)のそれはきれいな娘さんが立っていました。
着物は鱗の模様が入っていましたが、よく見るとずぶ濡れでした。
あわてて中へ入れて、囲炉裏の火を強くして暖かくしてやりました。
わけを聞くと、「私は蛇ですが、あまり月が綺麗なので川の中へ出て来て月をながめていたのです」と言いました。
その内に着物も乾いたので帰っていきましたが、
その時「私が現れたことは一切他言をしないで下さい」と言ったので、「決して他言はしません」と約束をしました。
翌朝、虚無僧は旅立つ支度をしようとして、起き上がりかけましたが、熱があって起き上がれません。
蛇が現れたと言うことでびっくりしたのでしょう。
近くの人が介抱してくれました。
わけを聞かれ、つい昨夜のことを話してしまいました。
すると、一天にわかにかき曇り、ものすごい音とともに大地が割れ、その虚無僧は堂もろとも割れ目に落ち込んでしまいました。
すぐにその上が埋められ、大地は元の通りに静まり返りました。
伝えによると、「
第九十六代後醍醐天皇の元亨年間(1321〜1324)に猪篠・大山の辺りの山岳に集中豪雨があり、
山が崩壊、池や沼が決壊したため大洪水となり、そのために川の流れが大きく変わり、人畜の被害や損害は数限りなく、
後世、これを俗に大山洪水という
」とあり、「揺り込み堂」の由来はこの洪水にまつわるものであると言われております。
平成30年(2018)1月 大山区
神崎郡神河町大山 薬師山やすらぎの森
七宝寺の裏山は、古来より薬師山とよばれ、親しまれてきました。
少し前までは山に入り、木を伐り、炭を焼くなど、地域の人と山とが深い関係を持っていました。
しかしながら近年は、人が山にはいることは、めっきり減ってきました。
そこで、「薬師山やすらぎの森」では、薬師山を舞台に、再び人と生きもの、人と森とがともに暮らし、
やすらげる森となるよう整備を始めました。
花木やカエル、小鳥たち。
気をつけて見ると、薬師山には、たくさんの生きものが息づいています。
そんな生きものたちとの出会いに山に登ってみませんか?
そしてもっと楽しめる、やすらぎの山にしてみませんか?
平成16年3月
・決められて場所以外でのたき火、たばこの吸いがらやゴミの投げ捨てはやめましょう。
・ゴミは持ち帰りましょう。
・樹木や草花は大切にしましょう。
「新ひょうごの森づくり」に基づく里山林再生事業、兵庫県・神河町・(社)兵庫みどり公社
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七宝寺の右に続くを登っていきます。
白壁沿いに登って、並行するように左から来るへ入っていきます。
植え込みの間を登っていくとがありますが、正面に続く道を進んでいきます。
真っすぐ登っていくとまた分岐があります。
角にはが立っていて、
左の道は「やすらぎ広場へ」、正面の道は「護摩道場へ」となっています。
やすらぎ広場への道は見送って、正面の道を進んでいきます。
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墓地の脇を登っていくと、へ入っていきます。
程なくして、石祠に安置された双体のがあります。
石祠には「第八十七番 長尾寺」「本尊 正観世音」と刻まれていて、
この道は案内板に載っている八十八ヶ所を巡る遍路道になっているようです。
石仏を過ぎていくと防護扉があります。
駐車場から4分ほどの所になります。
閂がされた両開きの扉の右側に「出入口」と書かれた扉があります。
上下の回転レバーを回して通過していくと、すぐに分岐があります。
は正面へ続いていますが、
角に立つ「ツガ平・狐の踊石へ」の標識が指す右のを登っていきます。
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ツガ平
植林地の斜面に続くを登っていきます。
案内板によると、この道は薬師道というようです。
程なくして階段が終わった道を登っていくと、雑木が混じるに出ます。
道なりに左へ曲がって、何度も尾根の背を跨ぐように曲がりながら続くを登っていきます。
樹木には点々と桃テープが取り付けられていて、ルートを示しています。
右・左と何度も曲がりながら登っていくと、次第に傾斜がになってきます。
歩き易くなった尾根の背を進んでいくと、丸太を半分にした形のベンチがあります。
駐車場から16分ほどの所になります。
標識類は見かけませんが、案内板によるとツガ平という所のようです。
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狐の踊石
少し登り坂になってくる尾根を進んでいくと、尾根のを進むようになります。
雑木林になって、傾斜が増してくるを左・右と曲がりながら登っていきます。
傾斜が少し緩んできたを進んでいきます。
やがて尾根の背にが現れます。
手前の樹木には白ペンキで「キツネおどり石」と書かれています。
名前が書かれていたと思われる小板が取り付けられた樹木もありますが、文字は消えていて判読できませんでした。
これが案内板に載っている狐の踊石になるようです。
駐車場から25分ほどの所になります。
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狐の踊石のに続く道を降っていきます。
少し左へ曲がりながら降って緩やかになると分岐があります。
角にはが立っていて、
軽い登り坂の正面の道は「薬師樫へ」、
軽い降り坂の左前方の道は「護摩道場へ」、今来た道は「狐の踊石・ツガ平へ」となっています。
案内板によると、は最初にあった防護扉から登ってくる山伏道(*)のようですが、
このままを進んでいきます。
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軽い登り坂の道を進んでいくと、僅かなになります。
軽く降って緩やかになると分岐があります。
駐車場から28分ほどの所になります。
正面には「障子岩」の標識が立っていて、右前方へ登っていく道を指しています。
左・右と曲がって降っていく道は、案内板に載っている薬師道になります。
ここで薬師山やすらぎの森から分かれて、障子岩へ向かって右前方の道を登っていきます。
標識を過ぎていくと、すぐの所のに白ペンキで「岩→」と書かれています。
傍には「障子岩」の標識が立っていて、支柱には「あと1060メートル」と書かれています。
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植林地と雑木林を分けるを登っていきます。
これまでのような明瞭な道ではありませんが、桃テープや白ペンキの「岩→」などのがルートを示しています。
「地籍調査」の赤頭短杭を過ぎていくと、緩やかなのような所に着きます。
地形図によると標高450mほどの所になるようです。
になった尾根を進んでいきます。
少し登り坂になってくると、樹木の袂に「障子岩」のが倒れていました。
薬師山やすらぎの森から分かれて11分ほどの所になります。
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標識を過ぎていくと、尾根にが頭を出してきます。
に着くと、
「地籍多角」の黄短杭や「地籍調査」の赤頭短杭があります。
脇の樹木には白ペンキで「公」の文字が書かれています。
僅かな降り坂になった尾根を進んでいくと、に着きます。
道の中ほどには「地籍調査」の赤頭短杭があります。
鞍部から登り返していくと、オブジェのような枯れ木を過ぎていきます。
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薬師山
引き続き、桃テープや白ペンキのマーキングを確認しながらを登っていきます。
次第に傾斜がになってくる植林地を進んでいきます。
程なくして、標高510mほどの高みに着きます。
薬師山やすらぎの森から分かれて17分ほどで登って来られました。
正面には「障子岩」の標識があって右へ続く尾根を指しています。
袂には「地籍多角」の黄短杭や「地籍調査」の赤頭短杭があります。
樹木に白ペンキで「岩→」と書かれた文字も見かけます。
それ以外のも見かけますが、判読出来ませんでした。
ここが薬師山になるようですが、三角点はここから少し左へ降った所にあります。
障子岩(*)へはを進んでいくようですが、
時折小雪が舞う生憎の天候になったので行くのは諦めて、三角点まで往復することにしました。
*後日に 障子岩までの道を歩きました。(「 障子岩」を参照)
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左へ続くを軽く降っていきます。
程なくして、樹木が伐採されたに出ます。
中ほどに生えるアセビの傍に「宮ノ谷」があるので、
地形図に載っている510.3m峰になるようです。
周囲は樹木に囲まれていて展望は良くありません。
三角点
基本測量
大切にしましょう三角点
国土地理院
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往復6分ほどでまで引き返してきて、
元来たを、
桃テープや白ペンキの「岩→」などのマーキングを確認しながら降っていきます。
オブジェのような枯れ木を過ぎていくと、道の中ほどに「地籍調査」の赤頭短杭があるに着きます。
その先へ軽く登っていくと、白ペンキで「公」の文字が書かれた樹木や「地籍多角」の黄短杭や「地籍調査」の赤頭短杭があるに着きます。
更に植林地を降っていくと、尾根に頭を出す大きな岩を過ぎていきます。
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袂に「障子岩」の標識が倒れている樹木を過ぎていくと、が増してきます。
次第に傾斜が緩やかになると、のような所に着きます。
再び傾斜が増してくる尾根を降っていくと、「障子岩」のが見えてきます。
少し左へ曲がりながら降っていくと、薬師山やすらぎの森の薬師道に降り立ちます。
分岐になった薬師山から14分ほどで降りて来られました。
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分岐に標識はありませんが、斜面を横切るように続く道を降っていきます。
に出て、
桃テープや白ペンキのマーキングを確認しながら降っていきます。
広くて歩き易い尾根を降って傾斜が緩やかになると、に着きます。
鞍部から軽く登り返していくと、僅かな高みの左肩を越えていきます。
薬師山への分岐から6分ほどの所になります。
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薬師樫
尾根のを降っていきます。
少し右へ曲がりながら降っていくと、浅い鞍部のようになったに出ます。
緩やかになった尾根を進み始めると、「筆界基準」のがあります。
右の尾根の背に桃テープが見えますが、尾根の左斜面に続く道を進んでいきます。
軽い登り坂になった尾根を進んでいくと、根元から幹が何本も分かれている大きな樹木があります。
薬師山への分岐から9分ほどの所になります。
名前が書かれていたと思われるが根元付近に取り付けられています。
文字は消えていて判読できませんが、これが案内板に載っている薬師樫のようです。
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尾根のを進んでいくと降り坂になります。
少し降っていくと、「人工林と雑木林」と題した解説板を過ぎたすぐの所に分岐があります。
薬師山への分岐から11分ほどの所になります。
角にはが立っていて、
右の道は「遍路道へ」、左の道は「護摩道場へ」、今来た道は「薬師樫・狐の踊石へ」「障子岩」となっています。
案内板によると、は最初にあった防護扉から登ってくる精進道(*)のようですが、
右に続くを降っていきます。
人工林と雑木林
このあたりに、人工林と雑木林(コナラ等)の境があります。
人工林は家を建てるためなど木材を育てる目的のため、人が常緑樹のヒノキ等を植えた林、
雑木林は人が炭を焼き、薪を採るなどいろいろと利用してきた林です。
このふたつの林の様子をよく見てください。
高木の種類が違い、林の中の明るさや表面の土、生えている低木や草の違いなど、ずいぶんと違っているでしょう。
目的、利用によって生じる林の違いについてよく観察してみましょう。
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丸太を半分にした形のベンチを過ぎて植林地の尾根を降っていくと、になってきます。
緩やかで歩き易い尾根を進んでいくと、丸太を半分にした形のがあります。
ベンチを過ぎると、と曲がって降っていきます。
尾根の背に出ると緩やかになります。
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降り傾斜が増してくると、少し曲がっていきます。
程なくして、左から来て正面へ続く道に出ます。
薬師山への分岐から19分ほどの所になります。
脇にはが立っていて、
正面の道は「卍広場へ」、左から来る道は「護摩道場へ」、今来た道は「薬師道から薬師樫へ」となっています。
案内板によると、左から来て正面へ続く道は八十八ヶ所を巡る遍路道で、最初にあった防護扉から続いているようです。
脇にある「第四十六番 澤瑠璃寺」「本尊 薬師如来」と刻まれたには、双体の石仏が安置されています。
には同様の石祠が点々と佇んでいます。
最初の防護扉から続いてきた薬師道はここで終わって、正面に続くを進んでいきます。
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卍広場
少し曲がりながら尾根の背に続く歩き易いを緩やかに降っていきます。
点々と佇む石祠を辿りながら降っていくと、正面にが見えてきます。
東屋へ向かって降っていくとに着きます。
薬師山への分岐から27分ほどの所になります。
小広くなった広場にはベンチが幾つか設置され、中ほどには「卍(まんじ)広場」と題した解説板があります。
東屋からは山並みや大山地区の街並みを見渡せる眺めが広がります。
伐採地になった正面の山は、方角からすると462.4m峰でしょうか。
眼下にはゆりこみ地蔵堂も見えますが、渡ってきた七宝寺橋は樹木に隠れていてよく見えません。
卍(まんじ)広場
ここは「薬師山やすらぎの森」の中でも一番眺めのいい場所。
目の前に広がる風景もすてきですが、すぐ近くに見えるコナラの林にも注目してください。
春の芽吹き、夏の緑、秋の紅葉、冬枯れの様子と四季折々の姿を見ることができます。
「卍」は良いこと、おめでたいことを表すしるし。
ここから見える風景は、みんなを幸せな気分にしてくれることでしょう。
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卍広場の先に続くを降っていきます。
道なりに左へ曲がっていくと、すぐの所に分岐があります。
角にはが立っていて、
正面の道は「七宝寺へ」、右の道は「庚申堂へ」、今来た道は「卍広場・遍路道へ」となっています。
右の道を降っていくと庚申堂があるようですが、今回は訪ねるのを省略して、
七宝寺へ向かって正面の道を進んでいきます。
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大山地区
雑木林のを横切るように降っていきます。
傾斜が緩やかになるとがあります。
横に渡された閂をずらして、回転レバーを回して通過していきます。
僅かな植林地を抜けるとに出ます。
小屋の前を過ぎた先で、七宝寺への道がしています。
右前方の道を進んでいくと、程なくして車を止めておいた駐車場に着きます。
卍広場から7分ほど、分岐になった薬師山から50分ほどで降りて来られました。
お知らせとお願い
本日は、『薬師山やすらぎの森』にお越しいただきまして、有難うございます。
この遊歩道には、鹿や猪よけの柵を設置しておりますので、
誠にお手数ですが、扉を開けられましたら、必ず閉めていただきますようお願い申し上げます。
大山区長
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七宝寺
家路につく前に、傍にある七宝寺に立ち寄っていきました。
車道の脇にある石灯籠が続くを登っていきます。
「ぼけ封じ 三十三観音 第九番霊場 七寶寺」の石柱を過ぎていくとがあります。
大きなまで来て左のをくぐると、
本堂・瑠璃光殿・庫裡・鐘楼などがある七宝寺の境内になります。
お寺の謂れなどを記したものは見かけませんでした。
(所要時間に含めず)
ぼけ封じ近畿十楽観音霊場めぐり
第一番 | 新郡智山 | 今熊野観音寺 | 京都市東山区 |
第二番 | 瑞應山千本釈迦堂 | 大報恩寺 | 京都市上京区 |
第三番 | 恵解山 | 勝龍寺 | 長岡京市 |
第四番 | 岩間山 | 正法寺 | 大津市 |
第五番 | 秋葉山 | 玉桂寺 | 滋賀県信楽町 |
第六番 | 補陀洛山 | 総持寺 | 茨木市 |
第七番 | 桂木山 | 太融寺 | 大阪市北区 |
第八番 | 再度山 | 大龍寺 | 神戸市中央区 |
第九番 | 日蔵山 | 七寶寺 | 兵庫県神崎町 |
第十番 | 愛宕山 | 常瀧寺 | 兵庫県青垣町 |
ふるさと民話誌所載 からんころんの石
今は昔 村の居酒屋に 夜な夜な酒を購いに来る美しき娘ありき
その下駄の音 雨の日にも「からんころん」と聞ゆるも不思議なれ
さて 娘の来たりし夜に限りて 売上げの中に 美しき木の葉一枚まざりおり
これを怪しみ 亭主あとをつけるに 寺橋の東あたりにて 娘の姿かき消ゆ
亭主加勢を頼み 得物をもて打つこと暫し
翌日 恐る恐る窺うに 無数に疵つきし大石 そこに横たわりおれりと
のちに里人 これ娘に変化せし石なりと称し 「からんころん」の石と名付け 今に残す
かって寺橋の東詰にありしも その所を失いしに依り 今の地に運び 祖先の伝承口説を残す
昭和五十九甲子_如月 録之
ぼけ封じ観音さまの御真言
おんあろりきゃそわか
ご本尊 お薬師さまご真言
おんころころ せんだり まとうぎ そわか
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