扇ノ山周辺に見られる動植物について
積雪量が多く北方的な特徴が見られる動植物相。
動物では環境庁(1991)RDB絶滅危惧種や国の天然記念物に指定されているものでツキノワグマ、ヤマネ、
鳥類でイヌワシ、クマタカ、オオタカなどが生息しています。
昆虫ではギフチョウや希少種で国蝶でもあるオオムラサキなどが見られます。
これら多くの動物が生息する広大な自然林はブナ、ミズナラ、スギやハウチワカエデ、イタヤカエデなどのカエデ類などの高木から中低木まで多様な植物が見られます。
北方系のユリ科であるタケシマランは鳥取県内では扇ノ山のみに分布しています。
イヌワシ(ワシタカ目:ワシタカ科)
環境庁(1991)RDB絶滅危惧種。
国の天然記念物。
イヌワシが生息する環境は、ブナやミズナラなどの自然林がわずかに残る山地であり、
鳥取県内での生息地が限られている。
環境破壊の進むなかでイヌワシは日本の豊かな自然の象徴とも言えます。
ツキノワグマ(肉食目:クマ科)
本県での生息地は県東部の八頭郡内の氷ノ山・東山・沖ノ山山系に限られており、
東中国山地(氷ノ山)の個体群が環境庁(1991)RDBで「保護に留意すべき地域個体群」として指定を受けている。
雨滝〜扇ノ山〜三滝の紹介
このコースは氷ノ山後山那岐山国定公園の広大な自然林の中を散策する探勝路です。
この山域は県下の山地の中ではもっとも積雪量が多くなります。
したがって、動植物相ともに中国山地の中では北陸地方に近い北方的な様相を呈しています。
植物では、公園内の各所にブナ、ミズナラ、スギの原生林を見ることができます。
特に三滝周辺の原生林は中国地方三大ブナ林(大山・氷ノ山・冠山)に継ぐ規模とも言われ、
その他にも扇ノ山周辺も広大な原生林に覆われています。
ブナ林と動物
扇ノ山山域は県下でもっとも積雪量が多く、北方的名特徴をもち、
ブナ自然林、深く切り込まれた渓谷の発達などが多様で豊かな動物相を産み出しています。
山地性希少動物、環境庁(1991)RDB絶滅危惧種などの重要生息地としても知られています。
環境庁(1991)RDB絶滅危惧種や国の天然記念物に指定されているものでは
ツキノワグマ、ヤマネ、ヌワシ、クマタカ、オオタカなどが生息しています。
昆虫ではギフチョウが広く生息し、全国的にも最高地の生息地に入っています。
その他、希少種であるオオムラサキをはじめ多種のチョウ類が広域に生息し、トンボ、セミも多く見られます。
扇ノ山を国内の西限とする種がいくつか記録されています。
ギフチョウ(アゲハチョウ科)
環境庁(1991)RDB危惧種で日本の固有種。
本州だけに分布。
幼虫はカンアオイ類やウスバサイシンなどの葉を食べます。
さなぎで冬を越します。
オオムラサキ(タテハチョウ科)
環境庁(1991)RDB希少種で日本の固有種であり国蝶。
全長10〜11cm。
ムカシトンボ(ムカシヤンマ科)
日本の特産種。
からだは不均翅亜目に似、はねは均翅亜目に似るという両方の特徴を持つ特異なトンボです。
山間の谷川におり、植物組織中に産卵します。
生きた化石と呼ばれています。
ヤマネ(ゲッ歯類:ヤマネ科)
環境庁(1991)RDB希少種で日本の固有種であり国の天然記念物。
からだつきはネズミに似ていますが、尾は長毛でおおわれ、扁平です。
前後足は短く、後ろ足の第1指は非常に短い。
ほとんど樹上で生活し、果実や昆虫を食べます。
尾長4.5〜5.5cm。
(鳥取県)
沢川鳥獣保護区区域図
この区域は鳥獣の捕獲が禁止されております。
鳥獣の保護に、ご協力をお願いします。
(鳥取県)