気比アルプス
概 要 気比アルプスは、豊岡市の気比の浜の傍にある標高100mに満たない稜線です。 岩尾根が続いていて、スリリングな尾根歩きを楽しめます。 今回は気比の浜のキャンプ場を起終点にして、尾根をひと巡りするコースを歩きます。
起 点 豊岡市 気比地区
終 点 豊岡市 気比地区
気比地区…登り口…小ピーク…小ピーク…89m峰…象岩…気比の浜…気比地区
所要時間 1時間20分
歩いて... ハイキング会でもあったのか、樹木に桃テープが点々と取り付けられていてルートを示していました。 地形図ではよく分かりませんが、岩尾根が現れる手前の小ピークへの斜面はかなり急傾斜になっていました。 岩尾根は背の部分にはかなり歩いた跡が残っていて滑ることもなく、比較的歩き易くなっていました。
関連メモ 気比アルプス
コース紹介
気比地区
城崎温泉から県道3号を北上していきます。 円山川に架かる港大橋を渡って県道11号を進んでいきます。 信号のある交差点を左折して真っ直ぐ進んでいくと、気比の浜キャンプ場に着きます。 砂地になった地面の固そうな所に車を止めました。
「海岸クロマツ林の保全と再生をめざして」
この松林は、砂と風から隣接する住宅、田畑を守るため、昭和初期に先人たちの努力により造られた「高フ遺産」で、保安林に指定されています。 兵庫県では平成15年度より原罪の松林を保全しながら、未来の松林を育てることを目的として、 保安林改良事業によりクロマツの苗木を植栽しています。 この「高フ遺産」を未来につなぐための保安林改良事業の実施に、ご理解とご協力をお願いします。
 (兵庫県但馬県民局 地域振興部 豊岡農林振興事務所 治山課)
登り口
を抜けて、車で来た道を引き返していきます。 気比川に架かるを渡って、 信号のあるを右折していきます。 道なりに左へ曲がりながら進んでいくと、山際に登っていく石段があります。 今回はここから登っていきます。
かなり傾斜のあるを登っていきます。 左に折れ曲がって更に登って石段が終わるとに出ます。 左側には円山川の河口付近が眺められます。 少し右へ曲がってを登っていくと、左右に通る広めの道(*)に出ます。 登ってきた石段を過ぎた所にある民家の山際から続く道になります。 ここは左へ登っていきます。
*右の道は「気比アルプス」を参照。
右への曲がり角まで来ると、気比の浜を見下ろせました。 道なりに右へ曲がって坂を登っていくと、なだらかながあります。 脇にはのようなものがありましたが、子供の水浴び用でしょうか。 振り返ると、津居山港から気比の浜にかけての眺めが広がっていました。
少し降った所からを登っていきます。 簡単なを過ぎていくと、右側が開けた尾根に出ます。 右側に広がる方面の景色を眺めながら進んでいきます。 登り坂になってくると、道がに分かれています。 右側は65m峰へ続く尾根に登っていくので、左側の森に続く踏み跡に入っていきます。
雑木林のを横切るようにして登っていきます。 右から降ってくる尾根の背に出て、左へ続くを進んでいきます。 倒木を避けたりしながら進んで少し登り坂になってくると、 樹木にが取り付けられていました。 この先にかけて点々と取り付けられていて、ルートを示しているようでした。 少し馬の背のようになってきた尾根を軽く登っていくと、岩が剥き出した所に出ました。 左側にはの集落が見えていました。
小ピーク
岩が剥き出した所はすぐに終わって、になった尾根を進むようになります。 少し降ってから登り返していくと、次第に登り傾斜が増してきます。 尾根が広がってきて、どこが道だか分からなくなりますが、 桃テープに導かれるようにして、を真っ直ぐ登っていきました。 写真ではよく分かりませんが、樹木などに掴まりながらの登りとなりました。 何とか登り終えると、緩やかになった尾根の背に出ました。 登り口から17分ほどの所になります。 地形図によると標高80mほどの小ピークの西端になるようです。 正面にはが聳えていて、樹木に隠れ気味の岩尾根も見えました。 蒸し暑い日に急斜面を登って汗が噴き出してきたので、景色を眺めながらひと休みしていきました。
落ち着いたら、左へ続く緩やかな尾根を進んでいきます。 点々と取り付けられている桃テープを確認しながら軽く登っていきます。 僅かなを過ぎて軽く降っていくと、 僅かなに着きます。 樹間から白山来日岳などを眺めながら軽く登っていくと、僅かなに着きます。 少し右へ曲がりながら軽く降っていくと岩尾根が現れます。
歩き始めの所には少しが生えていますが、 進むにつれて減ってきて、岩が剥き出した尾根になります。 左右に転落しそうな急峻な岩尾根なのかと思っていましたが、背の部分にはかなり歩いた跡があって、 それほど恐怖心に駆り立てられることもなく歩けました。 進むにつれて眺めが広がってきて、左側にはが、 右側にはが見えてきました。
正面に白山を眺めながらを進んでいきます。 少し登るようになって樹木が茂ってくると、僅かなに着きます。 高みを越えていくと、再びになります。 僅かに樹木が生える所を過ぎていくと、左右に眺めが広がってきました。
これから向かう89m峰の手前にあるもよく見えました。
次第に樹木が茂るようになるを進んでいきます。 登り坂になってくると、僅かなに着きます。 高みを越えていくと、また岩尾根になります。 これまでよりもに思えましたが、支障なく歩いていけました。 次第に登り坂になって樹木が茂ようになった辺りから振り返ると、これまで歩いてきた尾根などを見渡せました。
小ピーク
樹木が茂るようになった尾根を登っていくと小ピークに着きます。 先ほどの小ピークから12分ほどの所で、地形図では標高80mほどの高みになるようです。 正面に聳えるへと岩尾根が更に続いています。 先の方へ行くにつれて傾斜がかなり急になっているのが遠目にも分かりました。 右側の下の方にもがあって、 その先にはが見えていました。 左側にはの集落や山並みが見えました。 幾つも取り付けられたに従って、左へ折れ曲がっていく尾根を進んでいきます。
次第に樹木が少なくなってくる尾根を進んでいくとが現れます。 樹木がなくなると、本コースのハイライトとも言える尾根が波打っている馬の背ポイントに出ます。 左から右にかけての景色をぐるりと見渡せました。 歩いてきたも左の方に見えていました。
岩尾根を進んでいくと、中ほどにが少し茂る所が見えてきました。 僅かに土が被っていて、砂漠の中のオアシスといった感じで、ホッとつける所でした。 そこを過ぎていくと、89m峰へ向かっての登り坂になってきます。 振り返ると、山並みが広がっていました。
89m峰
が茂る手前まできて、 振り返ってを再度確認していきました。 の森へ入って広がってきた斜面を登っていくと、緩やかになった高みに着きます。 地形図によると、89m峰の西端になるようです。 先ほどの小ピークから9分ほどの所になります。 桃テープに従って少し左へ曲がり、緩やかになったの尾根を進んでいきます。
引き続き、点々と取り付けられているを確認しながら、緩やかな尾根を進んでいきます。 雑木林の尾根からの展望はあまり良くありませんが、樹間からが見える所もあります。 小広くて快適になったを進んでいくと、津居山港方面が見えてきました。
少しが増してきた尾根を進んでいきます。 頭を出したの脇を過ぎていくとが現れました。 背の部分が尖っていて狭く、これまでの岩尾根のようにその上を歩くのは躊躇します。 どうしたものかと思案していると、岩尾根のに桃テープが見えました。 そこへ向かって少し左へ降って岩尾根の左肩を進んでいくと、どうにか岩尾根を通過することが出来ました。
1mほどのを過ぎて、 岩が剥き出し気味のを進んでいきます。 を確認しながら降っていくと、斜面の補強用と思われるワイヤーが何本かありました。
岩が剥き出した尾根を更に進んでいくと、先の方がなってきます。 岩尾根になってきた所を降って樹木が生える尾根を抜けると、が見えてきます。 玉垣で囲まれた石塔の正面へ回っていくと、「南無妙法蓮華経 日蓮 式内海神之顕ス 日縁」と刻まれていました。 目の前には気比地区の街並みが広がっていました。
コンクリート製のを少し左へ曲がりながら降っていきます。 「豊岡市指定津波避難場所 海抜20m」の標柱を過ぎていくと、 「妙法蓮華経 八大龍王」と刻まれたがありました。 そこを過ぎて更に階段を降って岩尾根の先端に出ると、玉垣で囲まれたがありました。 石塔には「南無妙法蓮華経 日蓮 絹巻之顕ス 日縁」と刻まれていました。
象岩
石塔の前を左へ曲がって階段を降り始めると、があります。 扉を開けて階段を降っていくと、「ヤマハ音楽教室」の看板の出る民家の脇に降り立ちました。 89m峰から18分ほどで降りて来られました。 降り立った所の両側にはが立っていて、 向かって右側の石柱には「岬宝塔」「但馬道場」、左側の石柱には「今妙法」「納宝塔拾七週年建之 昭和参拾八年拾壱月吉日」と刻まれていました。 脇には「妙法蓮華経 妙法力大神納」の石塔や「南無妙法蓮華経」のもありました。 石碑には「義経公」と題した短文も載っていました。 右へ進んでいくと、すぐに車道に出ます。 振り返ると、岩尾根の先端に横穴が空いていて、象の鼻のように見えます。 一般には象岩と呼ばれていますが、正式には龍ヶ鼻というようです。 その昔にはこの辺りまでが海で、打ち寄せる荒波に削られて出来たようです。
義経公
たまの思ひを桔梗とといて 納めくだされ 十六のたま
日蓮之顕ス
(達筆過ぎて誤読している文字があるかも知れません)
車道を左へ進んでいくと、すぐの所に気比交差点があります。 その先へ進んでいくと、県道11号から県道122号が分かれていくがあります。 「気比の浜海水浴場」の標識が指す右の県道122号へ入っていきます。 気比の浜へ向かって真っ直ぐ進んでいくと、気比川中浜橋が架かっています。 には川沿いに桜並木があって、 花の季節には綺麗な眺めになる所です。
気比の浜
中浜橋を渡っていくと、が近づいきます。 右へ曲がっていく県道122号を見送って、真っ直ぐ進んでいきます。 松林を抜けていくとがあります。 その先のロータリーのような所まで出ると、目の前には気比の浜が広がっていました。
夏には海水浴客で賑わう所ですが、この時はオフシーズンでひっそりとしていました。
飛砂防備保安林
この保安林は、気比地域の飛砂の防備に役立っています。
この森林は、風が吹くたびに、海岸の砂が内陸に吹き寄せて、耕作物に被害を及ぼしたり、 家屋の中に砂が入り込む等の被害を防止するなどの役割りを果たしています。 この保安林は、これらの機能を高めるため、特に指定された保安林です。 保安林内においては、次の行為は知事の許可を受けなければなりません。
一、立木竹の伐採及び立木の損傷
二、土石の採取及び樹根の採掘
三、その他土地の形質を変更する行為
森林は国の宝です。 保護育成に努め、後世に引き継いでいきましょう。
 (平成10年度設置 兵庫県)
気比地区
左にはがあります。 松並木を挟んだそのを進んでいきます。 海辺では丸太を組む作業をしている人達がいましたが、 海水浴シーズンに備えてを造っているのでしょうか。 赤い屋根のを過ぎていくと、車を止めておいたキャンプ場に着きます。
の脇には「 気比の浜」の解説板があって、 「円山川下流域・周辺水田ラムサールエリアMAP」と題したが載っていました。
ラムサール条約宇登録湿地 円山川下流域・周辺水田 気比の浜
気比の浜は、円山川と気比川によって上流から運ばれてきた土砂が磯波によって打ち上げられ、 港東地区の通称・天神浜と呼ばれる地域に砂地形が発達したもので、白砂青松の砂浜です。 「山陰海岸国立公園」及び「山陰海岸ジオパーク」の区域内に位置し、地質学的、生物学的に重要な場所として評価されています。 年間を通してキャンプ場として利用され、夏季には海の家が建ち並び、多くの海水浴客で賑わいます。 通称「K(ケイ)ビーチ」とも呼ばれ、毎年、海の日には、海にまいた約1万個のアサリの中から、 色付きのアサリを探す「気比の浜大宝探し大会」が開催されます。 砂浜に沿って続く松林は、防風、防砂のため、気比青年団によって昭和8年に植樹されたものです。 また、浜堤背後にある気比川から絹巻にかけての運河は、昭和12年に完成しました。
なぜ円山川下流域がラムサール条約湿地に?
海水が入り込む”汽水域”の円山川下流域と氾濫原の名残を今に残す周辺水田が、 自然再生によってコウノトリの生息地としてよみがえりました。 湿地のキーワードは、一度は絶滅したコウノトリの「野生復帰」であり、特徴は「再生と創造の湿地」。 市民・団体・企業・行政などが関わりながら、失われた生態系の再生とコウノトリと共に暮らすための活動が行われており、 これらの取組みが世界に認められました。