城ヶ山
概 要 城ヶ山は新温泉町の春来地区にある標高562.4mの山です。 かつて春来城があったという山頂は樹木に囲まれていますが、 途中にある展望地や地蔵堂からは、春来の山並みなどを眺めることが出来ます。 今回は春来地区から城ヶ山までの道を往復します。 途中にロープが張られた急傾斜の所もありますが、山頂まで明瞭な道が続いています。
起 点 新温泉町 春来地区
終 点 新温泉町 春来地区
春来地区…登山口…展望地…地蔵堂…城ヶ山…地蔵堂…展望地…登山口…春来地区
所要時間 1時間30分
歩いて... 傾斜が急な所には横木の階段が設置されていましたが、かなり老朽化して朽ち果てそうになっていました。 地蔵堂を過ぎると、広くて歩きやすい道になりました。 城ヶ山の山頂は青葉が茂り始めた樹木で囲まれていて眺めは良くありませんでしたが、樹間から僅かに山並みが見えました。
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コース紹介
春来地区
豊岡の市街地から国道312号を南下した所にある祢布交差点を右折して国道482号を西進していきます。 蘇武トンネルを抜けて国道9号を北進し、和田交差点から県道561号(旧山陰道)に入っていきます。 右へ分かれていく長楽寺(但馬大仏)への道を見送って、クネクネと曲がりながら続く道を登っていくと、 春来峠を越えた所にハス池があります。 その脇の分岐の角が少し広くなった駐車スペースになっていたので、ここに車を止めさせていただきました。
新温泉町指定文化財(天然記念物) ホンコウホネの群生
コウホネ(河骨)とはスイレン科の多年草で、草高は50cm〜1mの5〜10月に黄色い小さな花を咲かせる植物です。 全国的に分布している植物ですが、兵庫県では南部の加古川・武庫川水系に確認されているのみで、但馬地方では確認されていません。 また兵庫県版レッドデーターブック(絶滅危惧種)でもCランクに位置づけられている植物で、 自然のまま群生している天で春来区の群生地は貴重な文化財です。
 (新温泉町教育委員会)
ハス池の道路向かいに立つ電柱の傍には手製のがあって、この先の道は「至・湯村温泉」、 左の道は「元祖 手打 十割そば処 てっぺん」、車で来た道は「至・但馬大仏」となっています。 標識の先にはがあり、その傍にがあります。 バス停を過ぎたすぐの所から右へ戻るようにして続くを降っていきます。
次第に狭まってくるを進んでいくと左右に通る道に出ます。 左折して集落の中の道を進んでいくと、少しずれたがあります。 正面には墓地がありました。 そこを戻るようにして右折して坂道を降っていきます。 田んぼの向こうに、これから登るを眺めながら進んでいくと、道が二股に分かれています。 標識類は見かけませんが、右側の道を進んでいきます。
が並ぶ所を過ぎていくと、小屋の先から未舗装路になります。 植林地に入って進んでいき、降り坂になってくると再び舗装路になります。 坂道を降り始めると分岐があります。 の入口には、 「城ヶ山公園 これより遊歩道約900m」と「城ヶ山入口(頂上まで約900m)」の標識が立っています。 ここは標識に従って左の道を進んでいきます。
に続く軽い登り坂になった道を進んでいきます。 左へ曲がる所まで来ると、「城ヶ山登山道」のが立っていて、正面に分かれていく小径を指しています。
登山口
草が茂り始めた植林地の縁に続く小径を降っていくと、右側が開けてが見えてきます。 『これから城ヶ山へ登ろうというのに降り坂で良いのか』と不安になりながらも降っていきました。 ちょっとしたを過ぎて植林地ののような所に着くと、 「城ヶ山登山口」の標識が立っていて、正面の尾根に登っていく道を指していました。 駐車スペースから16分ほどの所になります。 やっと登り坂が現れて、正しい道であることが分かって安心したのでした。
植林地の尾根を登っていくと、雑木林と植林地を分けるになってきます。 広めでしっかりとした道が続いています。 傾斜が増した所にはが設置されていますが、かなり老朽化して朽ち果てそうになっていました。 傾斜が緩んで僅かな降りもあるを進んでいくと、 登山口から6分ほどで、僅かな高みに着きました。 地形図によると、標高400mほどの南へ延びる尾根の途中のようです。
高みを越えて、軽いになった尾根を進んでいきます。 坂を降り切って登り坂になった道を進んでいくと、少しはしっかりとしたが現れます。 1分もせずに階段が終わってその先へ少し登っていくと、緩やかで歩きやすい尾根になります。
展望地
快適になって安心していると、すぐに傾斜が増してきます。 朽ち果てそうなを慎重に登っていくと、 途中からが現れます。 念のためロープに掴まりながら登っていくと、右側が開けた展望地に着きました。 登山口から12分ほど登った所になります。 地形図によると、標高450mほどの尾根の肩になるようです。 右側にはを見わたせる眺めが広がっていました。 には高そうな山が頭を覗かせていましたが、名前は分かりませんでした。 眼下の谷間にはが見えましたが、水を張った田んぼでしょうか。
眺めを確認したら、展望地の先へ登っていきます。 になった尾根には引き続き太いロープが張られていますが、すぐに終わりになります。 少し左へ曲がって、傾斜が緩んで歩きやすくなった尾根を登っていきます。
地蔵堂
が目立つようになった尾根を進んでいくと、が増してきます。 朽ち果てそうな横木の階段を登っていくと、尾根の肩にある地蔵堂に着きました。 先ほどの展望地から9分ほどで登って来られました。 地形図によると、標高530mほどの所になるようです。
振り返ると、春来地区の山並みやを眺めることが出来ました。 脇には「城ヶ山のご案内」と題した解説板が設置され、往時のの案内図も載っていました。 景色を眺めながら、ここでひと休みしていきました。
城ヶ山のご案内
城ヶ山
所在 温泉町春来城ヶ山
標高 562.4m
集落との比高約160m、山麓との比高約190m
地蔵尊
台座に地主の内室の「清光院殿城山妙見大姉」と彫刻されており、裏面に仁和二年三月落城と彫られている。 この地蔵尊は幾多の逸話を残しているが、聖天像と共に子授け地蔵として愛称され、 子授けを願う人達から信仰され、近郷にも名声が広がっている。
聖天像
密教には複雑怪奇な像が多いが、そのなかでも特筆すべきなのは二天の抱擁した聖天の像であろう。 ほとんどの仏像が端正な姿をしているのに、淫猥そうな神が仏教にとり入れられた理由は、 おおらかな性欲を肯定し、相対の世界を調和する生命力を顕示するためであろう。 ほかの宗教では人間の欲望を抑圧することにより、幸福が得られ、悟りがひらかれると説くが、 密教ではむしろ積極的に欲望を認めることによって幸福が得られ、悟りに導かれると説いている。
春木(来)城跡
この城は鎌倉から南北朝期にかけて築城され、交通の要地を支配する中でかなりの勢力を有していたと考えられている。 又この城は、集落背後の丘陵には存在せず、集落よりかなり離れた位置に存在している。 これは射添荘(村岡町)と温泉荘(温泉町)との境界に位置する事から、 温泉荘を守るために築城された「境目の城」ではなかろうかと考えられている。
城域 東西170m、南北170m
落ち着いたところで、地蔵堂の左から正面へ続く緩やかでを快適に進んでいきます。 1分ほど進んでいくと僅かにがありましたが、 先ほどの案内図に載っていた堀切の跡でしょうか。 引き続き緩やかで広い道を登っていきます。
城ヶ山 (標高562.4m)
程なくして近づいてくるへ向かって少し傾斜が増した道を登っていくと、城ヶ山の山頂に着きました。 地蔵堂から4分ほど、駐車スペースから45分ほどで登って来られました。 正面にはがあるので、地形図に載っている562.4m峰になるようです。 設置されてそれほど年月が経っていないのか、まだ新しい様子でした。 傍には「城ヶ山562.4m」と書かれたが落ちていました。
かつて春来城があったというは小広くなっていました。 周囲には樹木が茂っていて展望は良くありません。 北側の樹間から僅かに山並みが見える程度でしたが、木々が葉を落とす季節ではもう少し眺めが良いのかも知れません。
地蔵堂
山頂からは、登ってきた道を引き返していきます。 広い道を緩やかに降っての跡を過ぎていくと地蔵堂に着きます。 正面に見えるを眺めてから、傾斜が増した道を降っていきます。
展望地
傾斜が緩んで快適になったを降っていきます。 次第に傾斜が増してきてが張られた所を降っていくと、左側が開けた展望地に着きます。 山頂から11分ほどで降りて来られました。 広がるを確認して、太いロープが垂らされている急な横木の階段を降っていきます。
階段が終わって歩きやすくなったを降っていきます。 傾斜が増した所のを降っていきます。 階段が終わって軽い登りになった道を椿の花を愛でながら進んでいくと、僅かな高みに着きます。
登山口
高みを越えて、植林地と雑木林を分ける僅かな起伏のあるを進んでいきます。 に入っていくと少し降り傾斜が増してきます。 朽ち果てそうな横木の階段を降っていくと、歩きやすい尾根になってきます。 に入って朽ち果てそうな横木の階段を降っていくと、 「城ヶ山登山口」の標識の立つ鞍部に着きました。 山頂から24分ほどで降りて来られました。
鞍部の先の僅かなを登っていきます。 植林地の縁に続く小径を登っていくと、左側が開けた所に出ます。 などを眺めてから過ぎていくと、 「城ヶ山登山道」の標識が立つに出ます。 快適になった道を進んでいくと、「城ヶ山公園 これより遊歩道約900m」と「城ヶ山入口(頂上まで約900m)」の標識の立つ分岐に出ます。
右へ続く坂を登って緩やかになった道を進んでいくと、右側に春来地区が広がってきます。 の先に並ぶ石碑や墓石などを過ぎていきます。 を併せて道なりに右へ曲がりながら坂道を登っていくと、少しずれた十字路に出ます。
春来地区
十字路を左折していき、民家と畑の間に続くへ入っていきます。 道なりに右へ曲がりながら坂を登っていくとに出ます。 左折したすぐの所にある春来上バス停を過ぎていくと、車を止めておいた駐車スペースがあります。 登山口から16分ほどで到着しました。
お昼にはまだ少し時間がありましたが、右側の道のすぐの所にあるそば処 春来「てっぺん」で食事をしていきました。 に入ると、郷愁を誘うハーモニカの曲が流れていました。 を食べながら、心地よいひとときを過ごしていきました。 店の外には「春来峠散策」と題したが貼り出してあり、 今回登った城ヶ山も載っていました。 各所の簡単な解説も書かれていましたが、今回の散策に関連する所だけを載せておきます。
春来
春来神社の森に椿の井戸という名泉があり、付近の椿原一帯を切り開いて村を作ったので、椿村とも呼ばれ、椿の字を2字にした春木とした。 冬になると2メートルから3メートルの雪が積り厳しい冬を耐えて、春が来るのを待ち焦がれた村人達の切なる思いから春来になったと言われる。 古代より山陰街道として京から因幡や出雲に向う人々は必ず越さねばならない峠で、 「牛の背に 我も乗せずや 草刈り女 春来三里は あふ人もなし」と詠われている名高い春来峠も冬の厳しさはもちろん旅人泣かせの峠であった。 地区に中には、旅人の馬を休ませる馬場という地名もある。 国道9号線が集落の中を東西に走っていたが、昭和50年に春来トンネルが完成して路線変更された。 この自然や歴史の通り春来峠は、春夏秋冬に富んだ里である。
兵庫県美方郡温泉町春来
温泉町と村岡町の境界
旧国道春来峠 総延長13km
鳥取市に40km
日本海山陰海岸に17km
人と自然の歴史にふれる…春来のんびり散策
城ヶ山 標高562m。春来の象徴的な存在であり、山頂からは周囲が一望できる。城跡と子授り地蔵がある。
地蔵尊 城ヶ山山頂下広場 年代不詳。清光院殿城山妙見大姉(仁和3年3月落城) 平安時代。
水性植物 ホンコウホネ 温泉町天然記念物(平成4年4月12日指定)。兵庫県の貴重な自然でCランクに記載されている。県南部では、希少の分布はあるが、但馬地方ではここだけである。
そば処 春来 てっぺん 昔からの地元産のそばを原料に挽き立て、打ちたて、茹がきたての「三たて」。つなぎを一切使用しない、こだわりの10割そばです。