林甫山
概 要 林甫山(輪峰山)は香美町香住区にある標高150mほどの山です。 訓谷地区と安木地区を結んでいたかつての峠越えの道から分かれて山頂へ登っていきます。 林甫城があったという平らな山頂からの展望はあまり良くありませんが、 少し降った所にある岩場からは、佐津の街並みなどを見渡せる眺めが広がります。
起 点 香美町香住区 佐津駅
終 点 香美町香住区 佐津駅
佐津駅…登山口…鞍部…林甫山…岩場…鞍部…沖野神社…佐津駅
所要時間 1時間30分
歩いて... 砂防ダムが建設されて迂回する所もありますが、かつての生活道路だった峠越えの道は広めになっていました。 倒木や枯れ枝などが散乱して荒れ気味ながらも、明瞭な道が続いていました。 山頂の少し下にある岩場へ続く道は急坂になっていますが、ロープが張られていて安全に降りて行かれました。
関連メモ 林甫山
コース紹介
佐津駅
佐津駅(JR山陰本線)から歩いていきます。
駅舎を出ると、左側に「」、右側に「」の看板があります。 民宿案内の図に載っている「さづっこ橋」に向かって、駅前の道を右へ進んでいきます。
登山口
佐津郵便局チコマートを過ぎていくと、車道を歩道に分かれたが架かっています。 少し脇へ出ると、これから登るが、電線などに邪魔をされずに眺められます。 山頂付近にあるもよく見えます。 左側の歩行者用の吊り橋「さづっ子はし」を渡っていきます。 佐津小学校佐津幼稚園のあるX字路まで来ると、角に「」の看板があります。 この図に載っている「輪峰山登山口」へ向かっていきます。 民宿が建ち並ぶ路地を進んで登り坂になってくるとに出ます。 右側に続く歩道を道なりに進んでいくと、 ガードレールが途切れた所の道路向かいに林甫山への登山口があります。 には「」の標識が立っています。 「佐津幼小PTA」となっているので、地元の子供達も登る山のようです。
林甫山は、「輪宝山」や「輪峰山」とも表記するようです。
小川沿いに軽く降ってから登っていくとの脇に出ます。 明瞭な道はそこで途絶えていますが、草などが茂る正面へ分け入っていくと、谷筋や小川が二股に分かれている舗装路に出ます。 左の谷には、右の谷にはがあります。 舗装路は両方のダムの手前で終わっています。 右側のコンクリート橋を渡った所にある擬木の手摺りの設置された木橋を渡って、 すぐの所から右へ続くを登っていきます。
この土地の区域内において宅地造成、家屋の新築、土採取等の行為をする場合は兵庫県知事の許可が必要ですから 兵庫県但馬県民局浜坂土木事務所にご相談下さい。
 (兵庫県)
砂防指定地 訓谷川第1堰堤
あぶない
砂防ダムに立ち入ったり、貯水池で遊んではいけません。
 (兵庫県)
通常砂防工事 訓谷川第1堰堤
竣工平成18年3月
形状H=8.0m L=35.0m V=801立方m
貯砂量V=810立方m
 (兵庫県)
砂防指定地 訓谷川第2堰堤
あぶない
砂防ダムに立ち入ったり、貯水池で遊んではいけません。
 (兵庫県)
通常砂防工事 訓谷川第2堰堤
竣工平成15年3月
形状H=7.0m L=52.0m V=1,350立方m
貯砂量V=1,240立方m
 (兵庫県)
擬木の手摺りの設置された横木の階段を登っていきます。 振り返ると、の集落や海が見えていました。 左へ曲がって更に階段を登っていくと、の脇に出ます。 擬木の手摺りが終わった道を進んでに入っていくと、僅かなを渡っていきます。 ここからは荒れ気味ながらも広めの道になります。 この道は、かつては峠を越えて訓谷地区安木地区を結ぶ生活道路として使われていたようです。 砂防ダムで寸断されるまでは登山口から小川沿いに道が続いていたものと思われますが、 現在では砂防ダムを迂回するようにして横木の階段混じりの道が設けらています。
僅かな沢に沿って谷筋を登っていきます。 を過ぎていくと、道は左へ曲がっていきます。 その角には「」の標柱が倒れていました。 1分ほど進んでいくと曲がっていきます。 その先を左・右と曲がりながら登っていくと、が道を塞いでいまいた。 倒木をくぐっていくと、道は左へ曲がっていきます。 その角には「」の標柱が倒れていました。 右側が少し開けていて、山並みを眺めることが出来ました。
鞍部
根こそぎ倒れているの脇を過ぎていきます。 その先を曲がって更に登っていくと、切通のようになった鞍部に着きます。 県道脇の登山口から17分ほどで登って来られました。 左側の大木の袂には「」の標柱が寄り掛かっていました。 峠越えの広めの道は右へ緩やかに続いていますが、大木の脇からを登っていきます。
丸い尾根の背を登っていくと、からロープが張られるようになります。 尾根の右肩に続く狭いには落ち葉が厚く積もっていました。 引き続き、谷側にロープが張られた山道を登っていきます。
林甫山
を跨いでを登っていくと、 程なくして平らになった林甫山に着きます。 植林地になった緩やかな山頂の先へ進んでいくと、 ドラム缶が幾つか設置されている所の樹木に「」の標柱が寄り掛かっていました。 「九合目」の鞍部から4分ほど、県道脇の登山口から23分ほどで登って来られました。 地形図によると、ここは標高150mほどのようです。
山頂にはかつて林甫城があったということですが、 平らになっている他には、それらしい遺構は見かけませんでした。 周囲は樹木に囲まれていて展望はあまり良くありませんが、 北側が少し開けていて、北西には佐津海水浴場の先に突き出す(223.2m峰)の山頂部が、 北東には安木浜海水浴場の沖に浮かぶなどが見えました。
岩場
山頂の左前方から降っていくがあります。 その下には眺めが広がる岩場があるということなので、降りてみることにしました。 写真では傾斜がよく分かりませんが、かなり急な坂になっています。 張られたロープに掴りながら降っていくと、次第にが剥き出してきます。 更に慎重に降っていくと大岩が剥き出す所に出ました。 山頂から3分ほどで降りて来られました。 来る時に山頂近くに見えていた岩になるようです。
大岩の正面には、佐津の街並みなどを見渡せる眺めが広がっています。 佐津小学校佐津幼稚園佐津駅をはじめ、 渡ってきたなどもよく見えました。 ロープはの中ほどまで伸びていましたが、 腰が引けるので降りていくのは止めて、頭部の辺りで我慢しておきました。
大岩からの眺めを楽しんだら、降ってきた急坂を登り返していきます。 2分半ほどでに着いて、 登ってきたをロープに掴りながら降っていきます。 尾根の背を跨いで、落葉が積もった左肩の山道を降っていくと少し窪んだ所に着きます。
鞍部
尾根の背を更に降っていくと、「九合目」の標識のある鞍部に戻ってきました。 山頂から3分ほどで降りて来られました。 正面には緩やかで広めのが続いていますが、 右の切通を過ぎていく元来た道を降っていきます。
後日に峠越えの道を歩きました。 斜面を横切るようにして左へ曲がりながら登っていくと、右へ曲がった所にがあります。 の先にも広めの道が続いています。 右・左と8回ほど曲がりながら降っていくとを過ぎていきます。 その先へ3回ほど曲がりながら降っていくと、左から道がしてきます。 その道を合わせて更に4回ほど曲がりながら降っていくと、道端にが幾つか佇んでいます。 その一つには「西 訓谷」「東 相谷」と刻まれていて、道標の役割もしていたようです。 石仏を過ぎて視界が開けてくると、 山際に「般若心経五十萬遍」「奉納 大乗妙典日本廻國供養」「六十六部供養」などと刻まれたが並んでいます。 石碑を過ぎて畑地を眺めながら降っていくとに出ます。 右側にはJR山陰本線の安木川橋梁があり、左側には安木川に架かる安木橋があります。 (ルート図に緑色で表示)
後日に改めて峠越えの道を歩きました。 (「林甫山」を参照)
左へ曲がって降っていくと、鞍部から2分半ほどでが根こそぎ倒れています。 右へ曲がって角に倒れている「」の標柱を確認し、倒木をくぐっていきます。 葉を落とした笹竹が茂る所を過ぎて曲がっていきます。 その先を右・左と曲がりながら降って谷筋に着くと、道は右へ曲がっていきます。 角には「」の標柱が倒れています。
僅かなに続く道を降っていきます。 沢を渡って山際を進んでいくとが設置されるようになります。 右側にあるを過ぎて、横木の階段を降っていきます。 右に曲がって更に階段を降っていくとが見えてきます。 横木の階段を降り切って左に架かる木橋を渡っていくと舗装路に出ます。 鞍部から14分ほどで降りて来られました。
左右にある砂防ダムを確認してから、コンクリート橋の手前から正面に続くを降っていきました。 道なりに1分半ほど降っていくと県道11号に出ました。 脇にはがあり、電波塔も立っています。 県道を右へ進んでいくと、下にはJR山陰本線が通っていて、延長714.15mのが口を開けていました。
林甫山登山道」の標識が立つを過ぎた先を左折して坂道を降り、 どこか風情のあるを進んでいきます。 白塀の民宿を過ぎていくと十字路があります。 角には「さづ海岸観光組合」の案内標識が立っていて、左の道は「五輪塔100m」「訓谷磨崖仏940m」となっています。 左折してすぐの所に神社があるようなので、立ち寄っていくことにしました。
沖野神社
程なくして左側にが立っています。 鳥居をくぐっていくと、右側に再びが立っています。 その先の石灯籠が並ぶ参道を進んでいくと、玉垣で囲まれた一段高い所に社殿がありました。 の屋根は、左右と正面の三箇所に鰹木と外削ぎの千木が聳える姿をしていました。 「三番叟」の解説板はありましたが、神社の由緒などを記したものは見かけませんでした。 境内には香美町指定の天然記念物の大けやきもありました。
香美町指定民俗文化財 訓谷三番叟
昭和44年11月3日 指定
平成19年 香美町教育委員会設置
三番叟(沖野神社)
香住町指定無形民俗文化財
十月二日の秋祭りの神事として「天下泰平、国土安穏、長久円満息災延命」等を祈願し 「踏子」と呼ばれる千歳、翁、黒木尉と謡手、鼓、笛、拍子木で構成され氏神に奉納される。 三番叟は、千歳、翁、黒木尉の三つに組まれた舞で、悪霊をしずめ、人々に祝言を述べ幸福をもたらす神であり、 五穀豊穣を祈願する内容を表現している。 三番叟は、三番猿楽という言葉で、方固めという四方へ向って大地を踏み固める悪魔払いの呪術であったようで、 室町時代より始まったとされている。 三番叟は「舞う」でなく「踏む」と言っているのは、そうした踏み鎮めの祈祷のなごりと考えられる。 また、ここで使用している三番叟面は、町の有形民俗文化財の指定を受けている。
香美町指定天然記念物 沖野神社の大けやき
昭和52年12月17日 指定
管理団体 (宗)沖野神社
平成19年 香美町教育委員会設置
佐津駅
元の道に戻ってその先へ進んでいきます。 佐津小学校佐津幼稚園のあるX字路を過ぎていくと、 佐津川橋が架かっています。 橋を渡って道なりに進んでいくと、佐津駅(JR山陰本線)に着きます。
駅前にある大衆食堂のショウウィンドウを覗いてみると、「」などが飾られていました。 それぞれに愛嬌のある可愛らしい表情をしていました。
夢はでっかく 根はふかく
みつを
日日是好日
ふっても てっても 日日是好日
泣いても わらっても きょうが一番いい日
わたしの一生の中の 大事な一日だから
みつを