概 要 |
元普甲道は福知山市大江町の毛原地区から宮津市金山地区へ通じる峠越えの道で、
江戸時代に今普甲道(宮津街道)が整備されるまで、大江山越えの主要街道でした。
今回はその中の辛皮地区から茶屋ヶ成までのルートを歩きます。
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起 点 |
宮津市 小田地区
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終 点 |
宮津市 小田地区
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ルート図 |
小田地区…山神神社…枝道入口…弁財天…普賢堂…枝道再入…道出合…茶屋ヶ成…道出合…本道出口…小田地区
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所要時間 |
2時間30分
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歩いて... |
要所には標柱が立ち、桃テープも点々と巻き付けられてルートを示しています。
谷筋を登るルートになっていて、途中での眺めは広がりません。
石畳の跡も見られますが、崩れたり分り難くなっている所が多くなっています。
折からの蒸し暑さで止め処もなく汗が噴き出してくるので、何度も立ち止まりながらゆっくり登っていきました。
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関連メモ |
宇野ヶ岳,
元普甲道,
普甲山
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小田地区
山陰近畿自動車道を宮津天橋立ICで降りて、府道9号を南下していきます。
普甲峠まで来て辛皮駅へ続く道へ入っていきます。
桧川に架かる仁王橋まで来ると、道幅が広がった所があるので、ここに車を止めさせて頂きました。
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車で来た道を引き返していくと、京都丹後鉄道の普甲トンネルの出入口の脇を過ぎていきます。
トンネルを越えてくる左からの道が合流する所を過ぎていきます。
山際に案内板が見えてくると分岐があります。
駐車地から5分ほどの所になります。
「千年の古道「元普甲道」案内板」を確認すると、右の道の先に山神神社があるようなので、ちょいと立ち寄っていきます。
右側に立つ「山神神社」の標柱の所から、
短い夏草が茂る地道を軽く降っていきます。
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山神神社
少し降って緩やかになると、「山神神社」の扁額が掛かる鳥居があります。
社務所のような建物が見えてくると、鉄板橋が架かっています。
心地良い水音を響かせる桧川を眺めながら橋を渡っていきます。
橋を渡ると、一段高い所に山神神社があります。
駐車地から8分ほどの所になります。
中には檜皮葺き屋根の小社が納められていますが、由緒を記したものは見掛けませんでした。
手前には「山久紀念碑」があって文字が刻まれていますが、神社の由緒書きではないようです。
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枝道入口
往復6分ほどで分岐まで引き返してきます。
右側のすぐ先に見える案内板へ向かっていきます。
案内板まで来ると、傍に「辛皮」の標柱が立っていて、
脇から続く道は「普甲寺跡0.7km」となっています。
この道は元普甲道の枝道のようですが、本道は帰りに歩くことにして、先ずは枝道を進んでいきます。
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枝道に入っていくと、U字波形の導水路がしばらく並行しています。
荒れ気味の道を登っていくと、涸れ沢に丸太橋が架かっています。
何とも頼りなくて渡れそうにないので、手前から沢に降りて渡っていきます。
道に標識類は見掛けませんが、代わりとして桃テープが適度な間隔で巻き付けられています。
尾根などでよく見掛ける「地籍調査」の文字は書かれていないので、ルートを示すためのテープのようです。
少し左へ曲がって、苔生した小岩が幾つもある斜面を登っていきます。
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しばらく続く小岩が剥き出した斜面を登っていきます。
小岩が減ってくると、右・左・右・左と曲がりながら斜面を登っていきます。
少しシダ類が茂る所を過ぎていきます。
右へ曲がって少し登って緩やかになると、桃テープと黄テープが巻かれた所に分岐があります。
右前方へ続く緩やかな道も歩けそうで気になりますが、
桃テープが見られる左へ曲がっていく道を登っていきます。
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少し登っていくと、僅かな水の流れを跨いでいきます。
傾斜が増してくる道を少し右へ曲がりながら登っていくと車道に出ます。
枝道入口から14分ほどの所になります。
手前には「元普甲道」の標識が倒れていて、
この先の道は「寺屋敷」、今来た道は「辛皮」となっています。
車道に出た左側には、手前にあったの同様の「元普甲道」の標識が並んでいます。
左側の標識には右へ曲がるように矢印が描かれています。
左側の標識の背後の斜面には広めの踏み跡(*)があって気になります。
どうしたものかとしばらく愚考した末、
明瞭に思える右側の道を登っていきます。
*左側の標識の背後の斜面にある広めの踏み跡は、すぐに右へ曲がって右側の道と合流します。
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斜面を斜めに登っていきます。
程なくして道が怪しくなるので、左へ登っていくと広めの道に出ます。
先ほどの左側の標識の背後から続く道になります。
右へ曲がって登っていくと、すぐに道が三叉に分かれています。
標識やテープ類は見掛けませんが、左側の道を登っていきます。
左へ曲がりながら登っていくと大木があります。
大木の左側を過ぎて右へ曲がると、夏草が茂る農地に出ます。
電気柵が設置されていますが、夏草が生い茂るばかりで耕作されている様子はありません。
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夏草が茂る小径を登って草丈が低くなると、竹林が見えてきます。
右側には水溜めがありますが、大きな苔のようなものが生えています。
すぐに竹林が終ると民家の脇に出ます。
民家の右側に続くコンクリート道を登っていくと車道に出ます。
車道を横切って、コンクリート道を右へ曲がりながら登っていくと、また車道に出ます。
枝道入口から25分ほどの所になります。
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弁財天
車道を左へ登っていくと、公民館のような建物を過ぎていきます。
左側の畑地の先には山並みが広がってきます。
京都縦貫自動車道の栃葉トンネルの出入口の手前には、京都丹後鉄道の辛皮駅が少し見えます。
右へ幾つか道を分けながら車道を進んでいくと、鳥居が見えてきます。
「辨財天」の扁額が掛かる鳥居の先の石橋を渡ると弁財天があります。
枝道入口から30分ほどの所になります。
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普賢堂
鳥居の所から右へ分かれていく舗装路があります。
入口には、近畿自然歩道の標識に加えて「寺屋敷」の標柱が立っていて、
右の道は「普甲寺跡50m」、今来た道は「辛皮駅3.1km(車道)」となっています。
右の舗装路に入って軽く登っていくと、程なくして小広い所に出ます。
標識類は見掛けませんが、ここが普甲寺跡のようです。
左側の石段を登った所にはお堂が建っています。
扁額などは見掛けませんが、引き戸に「普賢尊 御詠歌」の札が掛けられているので、
ここが普賢堂のようです。
達筆のため無学の私には誤読している文字もあろうかと思いますが、文面を載せておきます。
普賢尊 御詠歌
よるもひも やまじをこゑる もろ人の 只無事なれと 祈るなりけり
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枝道再入
先へ続く舗装路を降っていくと、水利施設の前を過ぎていきます。
狭くなる道を右へ曲がりながら降っていくと、土蔵が見えてきます。
土蔵の脇を降っていくと車道に出ます。
車道を左へ降ってコンクリート道から出た所を過ぎていくと、山際に地蔵堂があります。
すぐ先の右への曲がり角まで来ると、 地形図に破線で載っている地道の入口があります。
枝道入口から40分ほどの所になります。
脇には「元普甲道」の標柱が立っていて、
正面の地道は「茶屋ヶ成1.0km」、右へ曲がっていく道は「辛皮駅2.9km(車道)」、今来た道は「大江山スキー場1.1km(車道)」となっています。
ここから、正面に続く元普甲道の枝道に再び入っていきます。
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地形図に破線で載っている道に入ると、すぐに廃屋が何軒かある所を過ぎていきます。
大きな岩の脇を過ぎていくと軽い登り坂になります。
桃テープが巻かれた樹木が点々と続いて、ルートを示しています。
緩やかになった道を進んでいくと分岐がありますが、左正面の道を進んでいきます。
右下の耕作地跡のような平坦地が近づいてくると、また分岐があります。
正面の道は平坦地へ向かっていきますが、
苔生した岩の先に桃テープが見える左前方の道を登っていきます。
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桃テープを辿りながら、植林地の斜面を横切るように登っていきます。
程なくして、雑木林と植林地の境界の斜面を進むようになります。
緩やかになった道を進んでいくと、烏帽子のような形をした尖岩などが幾つかある所に出ます。
地形図に載っている破線の道は正面の小尾根を左へ登っていくようですが、明瞭な道は見掛けません。
ここで破線の道のルートと分かれて、右前方へと斜面を横切っていきます。
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小尾根を回り込むように左へ曲がりながら進んでいきます。
斜面を横切るように進んでいきます。
また、小尾根を回り込むように左へ曲がりながら進んでいきます。
正面が明るくなってくると、太いワイヤーを幾つか見掛けるようになります。
明るい所に出ると崩落地になっています。
枝道再入から12分ほどの所になります。
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崩落地を横切って森へ入っていくと、倒木の先に桃テープが巻かれた木があります。
テープが正面の小尾根へ導いているようにも思えますが、
道は手前を右へ曲がって、小尾根を回り込んでいきます。
斜面を横切るように続く緩やかな道を進んでいきます。
僅かな水の流れを跨いだりしながら進んでいきます。
岩が少し目立つようになると、また僅かな水の流れを跨いでいきます。
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道出合
苔生した岩が目立つ所を軽く登っていきます。
緩やかな道になると、少し水が流れる小さな沢が合流している所に出ます。
沢を横切って、岩が剥き出す斜面を進んでいきます。
程なくして、左右に続く石畳の道に出ます。
枝道再入から22分ほどの所になります。
出た所には半壊した「元普甲道」の標柱が立っていて、
左の道は「茶屋ヶ成0.3km」、右の道は「辛皮駅2.1km」、今来た道は「普甲寺跡・寺屋敷1.1km」となっています。
左右に続く道は元普甲道の本道のようです。
標柱の袂には茶屋が成・辛皮・寺屋敷を指す標識もあります。
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左に続く石畳の道を登っていきます。
雨後などで石が濡れていると滑り易いので要注意です。
しばらく続く石畳を慎重に登っていきます。
石畳が途切れて、少し水が流れる所もあります。
剥き出す岩の脇を曲がりながら登っていきます。
しばらく石畳が見られない道を登っていきます。
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茶屋ヶ成
はっきりしてくる石畳を登っていきます。
しばらく登っていくと、石畳が見られない道になります。
また現れる石畳の道を登っていきます。
岩の脇を過ぎていくと、正面に峠が見えてきます。
程なくして、なだらかな広い峠に着きます。
道出合から11分ほどで登って来られました。
中ほどには「茶屋ヶ成」の標識が立っています。
傍には「茶屋ヶ成」の標識もあって、
正面の道は「金山バス停80分」、右の道は「杉山210分」、左の道は「普甲峠30分」、今来た道は「辛皮駅55分」となっています。
右の道(*1)は杉山へ続いています。
左の道(*2)は普甲山を経て普甲峠へ続いています。
振り返ると、手前の樹木に少し邪魔されながらも山並みが広がります。
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正面の一段低い所には杉山林道(*1)が通っています。
林道の脇には「茶屋ヶ成亭」の看板が掲げられた東屋があって、幾つかベンチも設置されています。
手前には「千年の古道」の標柱が立っています。
傍には「杉山林道」の標柱もあって、左の道は「林道入口1.2km」、右の道は「林道終点3.2km」、正面の道は「喜多駅4.6km」、今来た道は「辛皮駅2.4km」となっています。
正面には「元普甲道」の標柱が立っていて、その脇から古道(*2)が降っています。
標柱の背後には、宮津湾や天橋立を眺められる景色が広がります。
ベンチに腰掛けて、景色を眺めながらしばらく休憩していきます。
*1 左右に続く 杉山林道は「 宇野ヶ岳」を参照。
*2 正面の道は「 元普甲道」を参照。
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道出合
落ち着いたところで、来た道を引き返していきます。
岩の脇を過ぎて、石畳の道を降っていきます。
樹木が低くなった所から広がる山並みを眺めながら降っていきます。
石畳が途切れた所を過ぎていくと、また石畳が続くようになります。
滑って転ばないよう足元に注意しながら降っていくと、「元普甲道」の標柱が立つ枝道との分岐に戻ってきます。
茶屋ヶ成から10分ほどの所になります。
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正面に続く本道の石畳を降っていきます。
右・左と曲がりながら降っていくと、石畳が次第に荒れてきます。
水が流れて土砂が流出したのか、次第に石畳がガレ沢のようになってきて歩き難くなります。
少し脇を歩いたりしながら、石畳からあまり離れないよう気を配りながら植林地の斜面を降っていきます。
やがて広めの道のようなものが現れるので、そこを辿って降っていきます。
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少し明るい所を右・左と曲がって、広めの道を降っていきます。
やがて苔生した石畳が現れます。
道なりに右へ曲がって降っていくと、またガレ沢のようになります。
荒れた石畳の脇を歩いたりしながら降っていくと小岩が見えてきます。
小岩の脇を過ぎて僅かに水が流れる小さな沢に出ると丸太橋が架かっています。
茶屋ヶ成から24分ほどの所になります。
この橋も何とも頼りなくて、渡ると折れてしまいそうなので、右から沢に降りて渡っていきます。
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沢から上がって、植林地の斜面を横切るように進んでいきます。
程なくして、左側の樹間に車道が見えてきます。
真っ直ぐ進んでいくと、正面に車道が見えてきます。
植林地から出た所には、向こう側を向いた「元普甲道」の標柱が立っています。
標柱を過ぎると、車道に降り立ちます。
茶屋ヶ成から29分ほどの所になります。
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本道出口
車道を左へ降っても良いのですが、
車道を斜め右に横切った先に元普甲道が続いているので降っていきます。
車道からは少し見え難いですが、入口に「元普甲道」の標柱が立っています。
夏草が少し茂っていて心許ないように思えますが、すぐに歩き易い道になります。
斜面を横切るように軽く降っていくと、僅かな谷筋に出ます。
左へ曲がっていくと次第に道が不明瞭になりますが、沢のようになった所を降っていきます。
足元に注意しながら降っていくと、再び車道に出ます。
茶屋ヶ成から39分ほどで降りて来られました。
脇には「元普甲道」の標柱が立っていて、右の道は「辛皮駅1.4km(車道)」、左の道は「普甲寺跡・寺屋敷1.7km(車道)」、今来た道は「茶屋ヶ成0.9km」となっていますが、
笹などが茂って道も荒れていて、こちらから入っていくのは勇気が要りそうです。
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小田地区
右に続く車道を降っていくと、左から登ってくる道が合流してきますが、入口には車止め柵が設置されています。
更に降っていくと、最初に登っていった元普甲道の枝道の入口を過ぎていきます。
すぐにある斜めに横切る地道を見送って、真っ直ぐ降っていきます。
京都丹後鉄道の普甲トンネルを越えていく道との分岐を直進していきます。
線路沿いに降って仁王橋の手前まで来ると、車を止めておいた駐車地に着きます。
本道出口から11分ほどで到着しました。
帰る準備をしていると、京都丹後鉄道の 列車が通過していきました。
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