宝引山
概 要 宝引山は養父市の中瀬地区と関宮地区の境にある標高803.6mの山です。 三柱神社の脇から谷筋を登るルートが一般的なようですが、 今回は中瀬地区の大日寺から山頂へ登り、526.6m峰を経て足坂地区へ降る周回ルートを歩きます。 全体的に眺めが広がる所は少ないものの、山頂や途中の尾根からは少し山並みが見えます。
起 点 養父市 中瀬地区
終 点 養父市 中瀬地区
中瀬地区…大日寺…登山口…小峰A…鞍部…小峰B…稜線…展望地…稜線…宝引山…小峰C…526.6m峰…耕作地跡…足坂集会所…中瀬地区
所要時間 4時間30分
歩いて... 明瞭な道や窪んだ道が一部にありますが、標識類は見掛けません。 大部分は境界杭の場所を示す桃テープを辿りながらの登りとなりました。 樹木は密生しておらず、藪漕ぎするような所はなくて助かりますが、 小岩が剥き出したりザレた急坂がかなりあります。 この日は気温が高くて、止めどもなく噴き出す汗を拭きながらの遅い登りとなりました。
関連メモ 今のところ、関連メモはありません。
コース紹介
中瀬地区
養父市を通る国道9号の関神社前交差点から県道87号を西進していきます。 中瀬金山関所(*)や中瀬簡易郵便局を過ぎていくと、上白岩橋を渡っていく左の道を見送った先の曲がり角の路肩が広がっていて、 車2・3台分ほどの場所があるので、ここに車を止めさせて頂きました。
*中瀬金山関所には「」があって、 今回登る宝引山の名前も見られますが、登山道は載っていません。
車道を引き返して、すぐの所にある左のに入っていきます。 自然石を敷いた広い石段を登っていくと、が並んでいます。 左へ曲がって、石畳になったを登っていきます。 少し右へ曲がって登っていくと、「中瀬鉱山」の解説板が立っています。
中瀬鉱山 (日本精鉱株式会社中瀬精錬所)
は、昭和20年代中期の中瀬鉱山(日本精鉱株式会社中瀬精錬所)の全景です。 上部には坑道「白岩間歩」があり、坑内は石間歩杭・大切杭へと分岐します。 鉱床は東西約1km、南北約33.3kmに及び、写真の場所から約500m西にある石間歩抗口(海抜約250m)を基準として、 地下270mまで掘り下げました。 このため坑道の最下点は、海抜下20mになります。 記録に残る昭和13年から昭和44年までの採鉱出量は、計約1,111,963トン(8トントラック約3万9千台)になります。 その内、金は約7.3トン、銀は約38.9トン、アンチモンは約6,041トンでした。 金の平均品位は、1トンあたり6.5gです。 また、金約7.3トンの内、特上鉱である自然金は764kgでした。 坑内人員は昭和26年に175人で最多となっています。
昭和30年3月 中瀬金山会・中瀬区・養父市
大日寺
石段を登っていくと、すぐに大日寺の境内に着きます。 駐車地から4分ほどの所になります。 手前には「高瀬山 大日寺」の解説板が立っています。 境内の左には庫裡/寺務所、真ん中には本堂、右には小堂があります。 には解説板に記されている牛の石像が奉られています。 本堂と小堂の間から奥へ進んでいくとに出ます。 左下の谷筋には沢が流れていて、が心地良い水音を響かせています。
高瀬山 大日寺
宗 派 真言宗 和歌山県高野山 正智院末
創 建 但馬を遍歴した行基が天平13年(741)に創建したとも伝えられ、 本尊は、その時に春弘法師が大日如来像を彫ったものと伝わっています。 中瀬では最古の寺院で参道の石畳が歴史を感じさせます。
本 尊 大日如来像
胎蔵界大日如来像は、平安時代の作と伝わる木製の仏像です。 33年に一度ご開帳されます。
経 緯 創建当初は、北側に続く谷の上方にあったと言われています。 現在の本堂は妻入り瓦葺で、寛政10年(1798)の建築です。
牛石像 境内の小堂には、蛇紋岩で彫った牛の石像が奉られています。 昔から大日如来は牛の守り本尊といわれ、牛馬飼育者の信仰が厚く、 毎年3月末の”大日祭り”は、但馬三大祭りというほど賑わいました。
寺 宝 牛皮曼荼羅、牛掛図
現在は高野山に収蔵され国の重要文化財に指定されている牛皮曼荼羅は鎌倉時代に当寺で作られたと言われます。 また牛掛図は狩野牧心斎の筆で、明暦2年(1656)第5代生野奉行・中野吉兵衛の奉納と伝えられています。
昭和30年3月 中瀬金山会・中瀬区・養父市
登山口
右へ曲がって、を進んでいきます。 並ぶの前を横切っていきます。 すぐに墓地が終わって尾根の先端まで来ると、樹木に桃テープが巻かれています。 駐車地から8分ほどの所になります。 標識類は見掛けませんが、ここが今回の登山口になります。
倒木に沿って左へ曲がりながら登っていくと、すぐにに出ます。 尾根には「地籍図根」や「国土調査」のが点々と続きます。 小岩が剥き出すを、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。 右側に僅かにを眺めながら登っていきます。 振り返ると八木川が見えます。
小峰A
小岩が剥き出すを更に登っていきます。 左側には二段になったが見られますが、 耕作地か小屋が建っていた跡でしょうか。 この日は気温が高くて止め処もなく汗が噴き出してくるので、 何度も立ち止まって拭いながらをゆっくり登っていきます。 次第に傾斜が緩やかになる尾根を登っていくと、標高400mほどの小峰Aに着きます。 登山口から22分ほどの所になります。 周囲には樹木が茂っていて眺めは広がりません。 左前方にも尾根が見られますが、を降っていきます。
少し降って緩やかな所を過ぎるとになります。 左へ曲がりながら尾根を登っていくと、が剥き出しています。 岩が剥き出すを登っていきます。 息を弾ませながら登っていくと、傾斜が弛んだのような所に出ます。 少し右へ曲がっていくとまた傾斜が増してくるので、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。
程なくしての脇を過ぎていきます。 少し左へ曲がって、傾斜が増してくるを登っていきます。 松の木が見られる所を登っていくと、僅かな高みに着きます。 小峰Aから15分ほどの所になります。 高みを過ぎて、になる尾根を進んでいきます。
鞍部
岩が剥き出すを軽く降っていきます。 傾斜が緩やかになると、少し窪んだ道が尾根を横切る鞍部に着きます。 小峰Aから19分ほどの所になります。 リュックを降ろして水分補給しながら、周囲の状況を確認していきます。 右側には桃テープが巻かれた道が二つあります。 には倒木があって歩き難そうです。 は、地形図に破線で載っている道でしょうか。 にも桃テープが見られます。
落ち着いたところで左前方の道を進み始めると、すぐの所にあるの先に桃テープが取り付けられていて、右の尾根に導いています。 地形図に破線で載っている明瞭な道は正面へ続いていて気になりますが、 桃テープを辿ってを登っていきます。 すぐに右から登ってくるに出ます。 何処から来る道なのか気になりながらも窪んだ道の脇を登っていくと、すぐに左斜面に続くになります。 樹木が減った谷筋に出て、左へ曲がりながら登っていきます。
左へ曲がりながら斜面を斜めに登っていくと、が道を塞いでいます。 倒木を過ぎて右へ曲がると、尾根の背に続くを登るようになります。 点々と取り付けられているを確認しながら尾根を登っていきます。 次第に傾斜が増してくるので脇の樹木に手を掛けながら登っていくと藤の花が咲いていました。
小峰B
根本付近がの脇を登っていきます。 息を弾ませ、脇の樹木に手を掛けながらを登っていきます。 次第にが深くなって歩き難くなるので、脇を歩いたりしながら登っていきます。 窪んだ道に横たわるを跨いだりしながら登っていきます。 広がってくる尾根に続くを登っていくと、次第に傾斜が緩んできます。 やがて標高610mほどの小峰Bに着きます。 鞍部から33分ほどの所になります。 周囲には樹木が茂っていて眺めは広がりませんが、急坂もある尾根を登ってきて疲れたので、 ここでもリュックを降ろして水分補給しながら休憩していきます。
地形図に載っている破線の道よりも東側を登ってきたようなので、 破線の道はないかと左側を探してみますが、桃テープやそれらしい道は見掛けませんでした。
落ち着いたところで、両側にアセビが見られるを軽く降っていきます。 右側に植林地が現れるとになります。 すぐにの尾根を登るようになります。 植林地が終わると倒れかかったが道を塞いでいるので、左側を迂回していきます。 少し左へ曲がっていくと、次第に登り傾斜が増してきます。
点々と続く桃テープを辿りながら、を登っていきます。 左へ曲がりながら登り始めると引っかかれた樹木がありますが、 でしょうか。 小峰Bから10分ほどの所になります。 もう冬眠から覚めている季節だろうし、熊に遭遇しないことを祈るばかりです。 次第に傾斜が増してくるを、脇の樹木に手を掛けながら登っていきます。 右へ曲がりながら続く少しを登っていきます。 標高690m辺りまで来ると弛んだ尾根になります。
快調に進んでいくと、またが増してきます。 少し左へ曲がりながら登っていくと、右から登ってくるに出ます。 小峰Bから26分ほどの所になります。 かなりになっていて、何処から登ってくるのか気になります。 少し傾斜が緩んでくるを登っていきます。 程なくして傾斜が増してくる尾根を登っていくと、雷に打たれたような黒焦げの樹木があります。 小峰Bから33分ほどの所になります。
稜線
次第に広がってくるを登っていくと、前方の樹間に稜線が見えてきます。 気を取り直して登っていくと、が幾つか見られる所を過ぎていきます。 傾斜が緩やかになると、広くなった稜線に出ます。 小峰Bから37分ほど、登山口から1時間57分ほどで登って来られました。 宝引山へはを進んでいくのですが、 情報によるとの先に眺めの広がる所があるようなので、ちょいと立ち寄っていきます。
情報によると、以前にはこの辺り一面に熊笹が茂っていたようですが、 すべて枯れてしまったのか、この時にはその痕跡も見られませんでした。
展望地
軽く降っていくと緩になります。 軽く登っていくと、標高770mほどのを越えていきます。 僅かな起伏がある尾根を降って傾斜が増し始めると展望地に着きます。 稜線に出た所から7分ほどの所になります。 左側にはが見えますが、方角からすると妙見山でしょうか。 少し右へ曲がって降り始める所からもが見えます。 奥に連なる山は、方角からすると西床尾山東床尾山でしょうか。
稜線
眺めを確認したら、を引き返していきます。 僅かな起伏がある尾根を軽く登っていくと、標高770mほどのを越えていきます。 僅かにを進んでいきます。 軽い登り坂になると、稜線に登り着いた所に出ます。 往復18分ほどで戻って来られました。 宝引山へ向かう前に、ここでもリュックを降ろして水分補給しながら休憩していきます。
宝引山 (標高803.6m)
落ち着いたところで、北西へ続くを進んでいきます。 程なくしてになりますが、樹木に手を掛けるほどではありません。 次第に傾斜が緩やかになると、広くなったに着きます。 『ここが山頂か』と思って三角点を探しますが見当たりません。 少し左へ曲がって、を進んでいきます。 程なくして、樹木が伐採された宝引山の山頂に着きます。 稜線に出た所から6分ほど、展望地への往復も含めて登山口から2時間23分ほどで登って来られました。 中ほどには「寶引」があるので、地形図に載っている803.6m峰になるようです。 山頂の周りには樹木が茂っていて眺めは良くありませんが、 北東の方角にと思われる山が見えます。 お昼にはまだ早い時刻でしたが、この先は下山するだけなので、 腰掛け易いを選んで昼食タイムにしました。
三角点
基本測量
大切にしましょう三角点
国土地理院
お腹が満ちたところで、を進んでいきます。 植林地の手前まで来ると尾根が二股に分かれていますが、 北へ続く右の尾根は見送って、西へ続くを降っていきます。 植林地と雑木林を分ける尾根を降っていくと、程なくしてになります。 左側にはが見えますが、方角からすると藤無山でしょうか。 少し左へ曲がって、傾斜が増してくる植林地を降っていきます。
小峰C
少し右へ曲がりながら降っていくとになります。 程なくして登り坂になる植林地を進んでいくと、四角柱の石標のようなが幾つか落ちています。 オブジェのようなの脇を登っていきます。 傾斜が緩やかになると、標高770mほどの小峰Cに着きます。 宝引山から8分ほどの所になります。 中ほどには「293 Q3 国土調査」の短杭があります。 右前方にも尾根が続いていますが、桃テープが見られる南へ続くを降っていきます。
急なを降っていきます。 この尾根にも「地籍図根」や「国土調査」の短杭が続いています。 次第に傾斜が緩んできて、歩き易いになります。 雑木林になって傾斜が増してくると、尾根のを降っていきます。 すぐに尾根の背に復帰すると、少しが現れます。 不明瞭になる所があるものの、この窪んだ道は526.6m峰の先まで続きます。 窪みがなくなって尾根の中央が盛り上がってくると、少し左へ曲がっていきます。 小峰Cから10分ほどの所になります。
左へ曲がりながら進んでいくと、緩やかなになります。 が少し見られる所もありますが、歩くのに支障はありません。 緩やかになった尾根を進んでいくと、アセビが生える所から尾根のを降るようになります。 小峰Cから15分ほどの所になります。 すぐに現れるを少し左へ曲がりながら降っていきます。 程なくして尾根の背に復帰すると窪んだ道は不明瞭になりますが、そのまま尾根の背を降っていきます。
また現れるを降っていきます。 緩やかになった所を過ぎて松の木が見られるようになると、沢山落ちているを踏み締めながら降っていきます。 傾斜が増してくるを降っていきます。 窪みが少なくなるとになります。 程なくして、明るくなった所に出ます。 小峰Cから27分ほどの所になります。 右側の奥には避難小屋が建つ山が見えますが、 方角からするとでしょうか。
526.6m峰
少し左へ曲がって、を降っていきます。 緩やかな所を過ぎて、が見られる尾根を降っていきます。 鞍部に着くとがあります。 左脇を過ぎて登り返していくと、僅かな高みのを過ぎていきます。 少し左へ曲がって緩やかになった尾根を登っていくと伐採地に出ます。 中ほどには「堂ヶ谷山」があるので、地形図に載っている526.6m峰になるようです。 小峰Cから37分ほどの所になります。 周囲には樹木が茂っていて眺めは良くありませんが、リュックを降ろして水分補給をしながら休憩していきます。
三角点
基本測量
大切にしましょう三角点
国土地理院
四等三角点
基本 No.112532
この測量標はすべての測量の基準です。 三角点を大切にしましょう。
国土地理院
落ち着いたところで、先へ続くを降っていきます。 少しが剥き出す所を降っていきます。 傾斜が緩やかになると、左側にが見えてきます。 電波塔が立つ山は、方角からすると二等三角点「夏梅」がある710.9m峰でしょうか。 少し小岩が剥き出すを進んでいきます。 程なくして少し降り傾斜が増してきます。
左の樹間に中瀬地区のを眺めながら降っていきます。 また明瞭になってくるを降っていきます。 少し降って標高480m辺りまで来ると、緩斜地に出ます。 526.6m峰から8分ほどの所になります。 は左へ曲がりながら降っていきます。 洞ヶ谷橋の辺りへ降りて行けそうで気になりますが、今回は見送っていきます。 足坂地区へ向かって、を降っていきます。
初めは広い斜面ですが、小岩が剥き出すようになると、次第にがはっきりしてきます。 やがて右側(西側)にが現れますが、そのまま正面の尾根を降っていきます。 次第にが剥き出すようになります。 写真では良く分かりませんがかなり急傾斜なので、脇の樹木に手を掛け足元に注意しながらゆっくり降っていきます。 左前方にを眺めながら降っていきます。 小岩が減ると、少し歩き易い尾根になります。
耕作地跡
右前方にを眺めながら降っていきます。 次第に小岩が剥き出すになります。 足元に注意しながら慎重に降っていくと、右側にが見えてきます。 ザレた急尾根を更に降っていくと、正面にが見えてきます。 森を抜けると、耕作地跡のような所に出ます。 526.6m峰から40分ほどの所になります。 距離は長くないものの、ザレた急尾根を慎重に降ってきたので、思いのほか長い時間を要しました。
足坂集会所
石段のような所もあるを探しながら、耕作地跡を降っていきます。 曲がりながら降っていくと大きく右へ曲がって、崩れかけたの脇を進んでいきます。 石段を降り始めて民家が近づいてくるとが道を塞いでいます。 網を持ち上げて通過して民家の前に降り立ち、左へ曲がって狭いを進んでいきます。 短い階段を降って舗装路に出ると、指定緊急避難場所になっている足坂集会所が道路向かいにあります。 526.6m峰から44分ほど、宝引山から1時間32分ほどで降りて来られました。
中瀬地区
舗装路を降っていくと、八木川沿いに通るに出ます。 の水音を聞きながら県道87号を進んでいきます。 谷川に架かるを過ぎていきます。 山際にあるや「南無阿弥陀佛」の石碑を過ぎると、車を止めておいた駐車地に着きます。 足坂集会所から7分ほどで到着しました。