但馬松島
概 要 但馬松島は香美町香住区にある海岸です。 様々な奇岩や小島が見られ、日本三景の松島のような景観であることから名付けられたようです。 近畿自然歩道「但馬松島をめぐるみち」のうち、地蔵鼻から三田浜園地までの区間を歩き、 海際にある標高70mほどの小山に続く地形図に破線で載っている道も歩きます。
起 点 香美町香住区 下浜地区
終 点 香美町香住区 下浜地区
下浜地区…管理棟…登山口…展望地…展望所…登山口…管理棟…下浜地区
所要時間 1時間50分
歩いて... 山道を歩くのは20分ほどで、それ以外は車道や広い地道などを歩きます。 車道や展望所などからは海に浮かぶ奇岩や小島などを見渡せます。 桜並木もあって、花の季節には綺麗な眺めになりそうです。
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コース紹介
下浜地区
香美町香住区の市街地にある香住小学校前交差点から県道4号(*)を西進していきます。 矢田橋を渡った先にある分岐から、右側の海沿いの道に入っていきます。 ヲメ川に架かる下濱橋を渡って左からの道を合わせていくと、 岬を回り込む所の道幅が広がって車数台分の駐車スペースになっているので、ここに車を止めさせて頂きました。
*県道4号は以前は国道178号でしたが、山陰近畿自動車道(鳥取豊岡宮津自動車道)の余部道路の開通に伴い、 2016年に県に移管されて県道となったようです。
脇には東屋が建ち、近畿自然歩道「」や 「」の案内板があります。 この岬の名前は載っていませんが地蔵鼻というようです。 手摺りの先にロープが張られたがあるので、ちょいと降ってみることにします。 すぐに剥き出すに出ます。 少し先から振り返るとがあります。 これが「地蔵鼻」という名前の由来でしょうか。 岩の上にはのようなものがありますが、文字は確認出来ません。 目の前に広がる海を眺めていきます。
近畿自然歩道 但馬松島をめぐるみち(応挙寺バス停〜下の浜バス停) 5.5(8.3)km
近畿自然歩道は、私達の生活が近代化する中で、自然の残っている地域や名所・旧跡を帯状に結び、 身近に歴史や自然とふれあえるよう整備したものです。 コースには道しるべがありますのでそれにしたがってお歩きください。
ここから三田浜へ続く道は、弁天島、松島を眺めながら歩く入り組んだ海岸線となります。 またその先も鉄砲島、兄弟赤島と続き、鎧の袖付近もさまざまな奇岩や小島が見られます。 その景観は日本三景の松島のごとく素晴らしく、国指定の名勝香住海岸の景勝地です。
但馬松島と弁天島  沿岸に並んで見える小島は三陸海岸の松島を思わせます。 弁天島の裏手には鳥居があり、弁天様が祀られています。
鎧の袖  香住海岸の西部に位置する「鎧の袖」は、国指定の天然記念物であり、 粗面の柱状節理の大絶壁で、その名のとおり鎧の草ずりを思わせます。
鷹の巣島  鎧の袖の岩床が侵食されてできた奇岩で、羽飾りを付けたアメリカ原住民の横顔にそっくりです。
三田浜園地  数多くの海水浴場を持った但馬海岸の中でも三田浜園地は、浅い湾内に入った静かな浜辺が魅力的です。
山陰海岸ジオパーク 但馬松島〜三田浜海岸
三田浜一帯には、おもに日本海ができる前の湖や河川に堆積した地層や、その頃の火山活動でできた火山岩が広く分布しています。 地層に貫入した岩脈からなる小島には、無数の柱状の節理が見られます。
香美町立ジオパークと海の文化館、山陰海岸ジオパーク推進協議会
道路まで引き返してくると、東屋のすぐ先に「希望の道」と題したがあります。 傍には「下浜の流痕」と題した解説板があります。 道路向かいの金網柵の先には、解説板に載っている写真と同じような(*)があります。 車道の脇に設置されたを進んでいきます。 手摺りが設置された海沿いの歩道を進んでいくと、案内板に載っている写真と同じようにが見えてきます。 弁天島松島の手前に小島が連なっている眺めが、日本三景の松島に似ているようです。 更に進んでいくと、連なる小島の傍を過ぎていきます。 弁天島にはが見えますが、 案内板によるとその奥に弁天様が祀られているようです。
希望の道
顧みるに三田浜海水浴場へ進入するこの道路は往古よ り久津居三田谷栃三田神引等農耕に或いは林作業に従 事するには海路舟に頼るか山坂二つを越える山道時に はトンネルを利用するなどあらゆる不便さを余儀なく されてきたが昭和二十二年当時の区長石田由松氏の発 議により新道路建設に着工、断崖絶壁の海岸を発破と 人力あらゆる困難を克服するは言語に絶するものあり 庶民永年の悲願は地元の暖かいご理解とご協力により 巾三米五十延長千五百六十余米の林道が昭和二十九年 八月に完成した。平成七年度より一部がマイロード事 業に依り改良工事が施され現況に至る
ここにその偉業を記念し碑を建立後世に伝える
平成13年7月 発起品建立者 宿院義和
県指定 名勝天然記念物 下浜の流痕
指定年月日 昭和43年3月29日(追加指定及び名称変更 平成27年2月19日)
所有者・管理者 香美町下浜財団法人、香美町
下浜の流痕は水流によって溝状に削られた堆積物表面の構造が地層中に残されたもので、溝状流痕と呼ばれる。 流痕がみられる地層は、新生代新第三紀の北但層群に属し、日本海形成初期(約2,000万年前から1,700万年前)の低地に堆積したものと考えられる。 層理面に認められる線構造の形状解析調査の結果から、河川の流路に発達した流痕であることが確認された。 当時この周辺が河川であったことが確認できる学術的に貴重な流痕である。
平成27年7月 香美町教育委員会
*以前には「漣痕化石」と呼ばれていたようですが、 近年の地質研究によって、水の流れに対して直交する方向にできる「漣痕」ではなくて、水の流れに平行にできる「流痕」であることが分かったため、 「下浜の流痕」という名称に変更されたようです。
岬を回り込むように進んでいくと、海岸へ降りていくが分かれています。 手前にはロープや鎖が張られていて、「漁業関係者以外は立入禁止」の旨の看板が出ています。 入江の向かい側に建つを眺めながら進んでいきます。 程なくしてが続くようになります。 を眺めながら回り込むように進んでいきます。 軽い登り坂になると、海辺の漁師宿「三田浜荘」があります。 「かにすき・活魚料理」と書かれた看板や「入り江の一軒家」と書かれた暖簾が出されていて、営業されている様子でした。
管理棟
見える範囲が変わってくるを眺めながら軽く登っていきます。 岬を回り込むようになると、小さなを過ぎていきます。 左へ曲がりながら進んでいくと、また海が広がってきます。
近づいてくるを眺めながら進んでいきます。 入江に流れ込む小川の上を過ぎて右へ曲がると、三田浜園地管理棟の先に広い駐車場があります。 地蔵鼻から21分ほどの所になります。 ここまで車で来ることが出来ます。 管理棟にはバーベキュー料金やキャンプ料金などが張り出されていますが、「今年の営業は終了です」の貼り紙が出ていて、係員は見掛けませんでした。 左側の谷戸にはが広がっていて、稲刈りの作業が行われていました。
キャンプ場・駐車場 管理棟
受付時間…AM8:00〜PM5:00
※時間外のご利用は、後でお申し出ください。
下浜区
駐車場の端まで進んでいくとがあります。 角には「三田浜海水浴場」のが立っていて、 簡単な解説文と付近のが載っています。 右の道を進み始めるとがありますが、 「今年の営業は終了です」「200m先の公衆トイレをご利用下さい」の貼り紙が出ています。 トレイの先へ進んでいくと三田浜甘露水があります。 営業期間だけ水が流れるのか、この時は流れていませんでした。
三田浜海水浴場
山陰海岸国立公園の中心に位置し、入江になっちるため波も穏やかで、遠浅の海岸は海水も大変澄んでいます。 また、砂浜以外に岩場もあり、磯遊びや釣りも楽しんでいただけます。
緑色のを過ぎていきます。 テントの屋根が並ぶ先には青色の防護壁のようなものがあって、 山陰海岸ジオパークのが描かれています。 まで来ると二つの入江を見渡せます。
岬を回り込んでいくと、隣の浜に出ます。 壁のない建物の先にはがあります。 先ほどの貼り紙に書かれていた「200m先の公衆トイレ」のようです。 こちらのトレイは使用可能でした。
登山口
トイレの前を過ぎていくとがあります。 角には「三田浜園地」のが立っていて左の道を指しています。 傍には案内板だった木枠があります。 以前に来た時には「とちみたキャンプ場」の案内図やお願い事項などが載っていましたが、この時にはなくなっていました。 標識に従ってを進んでいきます。 パンパスグラスの脇に建つ小屋まで来ると、地形図に破線で載っている道の入口があります。 管理棟から10分ほどの所になります。 ここから標高70mほどの小山へ登っていきます。
には夏草が茂っていますが、森へ入るとなくなります。 すぐに右へ曲がって、を横切るように登っていきます。 少し登っていくと、曲がっていきます。 道は広めで明瞭ですが、思いのほか傾斜があります。 木の階段は設置されておらず、崩れやすい土が覆っていて歩き難い道が続きます。 滑って転ばないよう注意しながら登っていくと曲がっていきます。 少し先を曲がって更に登っていきます。 小さく右・左と曲がって登っていくと尾根の背に出ます。
展望地
広くて歩き易いツバキの回廊になったを登っていきます。 笹竹が見られるようになるとになります。 を快調に進んでいくと、右側が明るくなってきます。 右下にはベンチやテーブルが設置された所があります。 登山口から7分ほどの所になります。 柵の手前まで行くと、眺めが広がるになっています。 の半島の手前に浮かぶ島は白石島でしょうか。 奥には嶋山と思われる山が頭を覗かせています。 景色を眺めながらひと息入れていきます。
尾根道に戻って、軽いになる尾根を進んでいきます。 傾斜が緩やかになるとに着きますが、 標識類は見掛けず展望も広がりません。 降り坂が始まる所まで来ると、道は折れ曲がっていきます。 曲がり角にはがあります。 左へ曲がって、ツバキが茂る斜面を降っていきます。
少し降った先を曲がっていきます。 次第に低くなってくる右の尾根に沿ってを降っていきます。 左への曲がり角まで来ると、正面の樹間に海が見えてきます。 手前の樹木が少し邪魔をしていますが、眼下に見えるのはのようです。
左へ曲がって、に続く道を更に降っていきます。 程なくして曲がっていきます。 右の尾根が低くなってくると、夏草や笹が生える明るい所に出ます。 左前方には三等三角点「三田」がある急峻な岩峰になったが聳えています。 右下には先ほどのが見えます。
展望所
左へ曲がって、のトンネルを降っていきます。 曲がっていくと、大小の石がゴロゴロするようになります。 明るくなってくる正面へ向かって降っていくと、コンクリート打ちされた展望所に着きます。 登山口から19分ほどの所になります。 右側には鉄砲島などが浮かぶ海が広がります。
石段を降りた右側にはがあって、「この先・危険」の看板が出ています。 鉄格子で閉ざされている先にはが続いていて、以前には歩けたように思われます。 その先には磯辺へ降りるロープやアルミ梯子が見えますが、磯釣りをする人達が利用するのでしょうか。 周囲の様子を確認しながら、ひと息入れていきます。
この先・危険
・柵の外は危険です。乗り越えないでください。
・付近は焚き火厳禁です。
・ごみは必ず持ち帰ってください。
・周辺の施設を壊したり、落書きをしないでください。
この休憩所はみんなの物です。 迷惑な行為はやめましょう。 美しい日本の海岸を後世に残していくため自己責任で行動してください。
環境省・兵庫県、近畿自然歩道
登山口
眺めを確認したら、展望所沿いに降っていきます。 石垣が終わった先へ降っていくと、道の脇にある車1台分のを過ぎていきます。 程なくして、畑地が広がるに出ます。 人の気配がなくて営業している様子のない民宿旅館「」の横を過ぎていきます。 パンパスグラスの脇に建つ小屋まで来ると、先ほど登っていった登山口に着きます。 展望所から4分ほどの所になります。
登山口を過ぎると、「三田浜園地」の標柱が立つに出ます。 元来たのは右の道ですが、も気になるのでちょいと立ち寄っていきます。 キャンプ場の建物を過ぎていくと、のクラブハウスがあります。 建物を過ぎるとで閉ざされていて「危険 立入り禁止」の看板が出ています。 右には小さながありますが、この時は満潮で波が洗っていました。 濡れるのはイヤなので脇の岩場を少し歩いていくと、手前の金網柵の先にある広場のような所の下に出ます。 以前には眺めが広がる広場で憩えたように思えますが、何が危険なのかよく分かりませんでした。 右側に広がる海岸線を眺めていきます。
管理棟
往復5分ほどでまで引き返してきて、元来た道を進んでいきます。 三田浜園地公衆トイレを過ぎて、を回り込んでいきます。 ジオンくんが描かれた防護壁やを過ぎていきます。 の前を過ぎていきます。 小さな橋を渡っていくと、左側の広い駐車場の先に管理棟があります。 突堤への立ち寄りも含めて、展望所から16分ほどの所になります。
入江に流れ込むの上を過ぎていきます。 対岸にある先ほどのなどを眺めながら車道を引き返していきます。 小さながある岬を回り込んでいきます。 などが浮かぶ海を眺めながら進んでいきます。 海辺に石垣が見えてくると、三田浜荘を過ぎていきます。
下浜地区
入江を回り込んで桜並木を過ぎ、釣り竿を持ってに乗っている人達を眺めたりしながら、車道を軽く登っていきます。 左へ戻るように分かれていく舗装路の下にあるを眺めながら進んでいきます。 が近くに浮かぶ岬を回り込んでいきます。 を遠望しながら、車道の脇に設置された歩道を進んでいきます。 東屋が建つ地蔵鼻まで来ると、車を止めておいた駐車スペースがあります。 管理棟から26分ほどで到着しました。
連なるや遠くに浮かぶなどを眺めながら休憩してから家路につきます。