概 要 |
内倉洞窟は香美町小代区にある洞窟で、標高820mほどの急な斜面にある巨岩の割れ目のような所にあります。
かつて朝倉高清が再起まで隠れていたという伝説が残っています。
峰山観音とセットで歩かれるようですが、
今回は實山地区にあるの荒御霊神社を起終点とし、谷筋から稜線に登って内倉洞窟へ至るルートを往復します。
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起 点 |
香美町小代区 實山地区
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終 点 |
香美町小代区 實山地区
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實山地区…荒御霊神社…二連滝…作業道終点…新旧道分岐…小尾根…分岐点…小峰…小峰…巨岩…内倉洞窟…小峰…小峰…分岐点…小尾根…新旧道分岐…作業道終点…二連滝…實山地区
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所要時間 |
4時間20分
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歩いて... |
作業道終点から稜線にある鞍部までは、途切れながら横木の階段が続きます。
小尾根から鞍部を経て内倉洞窟へ向かう途中にはロープが張られた急坂や岩尾根があり、アルミ梯子を降る場面もあって、かなり神経を使いました。
内倉洞窟がある巨岩の頭頂部からは山並みを見渡せる眺めが広がります。
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関連メモ |
今のところ、関連メモはありません。
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實山地区
香美町を通る国道9号の小代口交差点から国道482号を南下していきます。
の手前まで来ると、県道89号が左へ分かれていきます。
矢田川に架かる矢田川橋を渡ってすぐに右折して、矢田川の東側に続く道路を進んでいきます。
小代小学校を過ぎていくと、山際に「」があります。
その少し先のには「」の案内板があって、
今回歩くが載っています。
まで来ると、脇に「内倉洞窟峰山観音入口」のが出ています。
看板に従って実山バス停の先にある分岐を左へ曲がっていくとすぐに分岐がありますが、いずれの道でも構いません。
集落の中を登っていくと、手前で分かれて来た道が合流する所に荒御霊神社があります。
その前が少し広くなっているので、ここに車を止めさせて頂きました。
美方町案内マップ
ここは、美方町実山(字 岩月)
朝倉高清の内倉洞窟と峰山観音堂があります
伊勢神宮所蔵の「但馬にしかた日記」(1557)のよると、
「実山」はさ称やま村といわつき村の二つの村であったことが記されており、
朝倉清隆が再起まで隠れていた内倉洞窟と、これを称える峰山観音堂を村人たちは約800年にわたって大切に守り続けている。
平氏が、一ノ谷の合戦(1184)で源氏に敗れたとき、朝倉清隆は平氏に加担したため源氏に追われ、
ここ七美群小代郷(美方郡美方町)実山の内倉洞窟を隠れ家としたが、
翌年3月平氏は壇ノ浦で滅亡し、朝倉一族の将来の夢は絶たれてしまった。
しかし、10年後の1194年源氏の三浦介義村に伴われて鎌倉へ行き、
源頼朝から怪獣の白猪を射止めたことと源平合戦での武勇を認められ、但馬一円の領地を賜ることになった。
高清は、本領安堵し離散していた朝倉一族を再生させ、繁栄の道を歩むこととなった。
(「朝倉高清伝記」1471年越前朝倉氏家伝記)
高清は、1204年から2年間で城山城(美方町忠宮)を築城し、一族から次の三者を小代郷へ送り、生活を安定発展させた。
八木七郎入道見阿 宮の前遺跡を建設
田公四郎左衛門尉景典 城山城主
井上六郎(左高) 実山の帰農
朝倉高清伝説
小代の歴史 朝倉高清 800年守りつづけた歴史の遺産
●内倉洞窟・峰山観音 ●朝倉史跡保存会 ●越前一乗谷朝倉氏遺跡
小代強盗論
1581(天正9年)7月14日
小代一揆謀殺される
「先書にもうし入れの如く但州小代の一揆等悉く討ち果たし候につきて、直ちに因州表へ打ちで、鳥取の城押し詰め取り巻き候…」
秀吉より浮田直家あて書状
消え去った村 (伊勢神宮文書に見られる)
1557年・秀吉が攻めて来た20年前「但馬にしかた日記」に「いわつき村」のことが記載されている
内倉洞窟・峰山観音を愛する会
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荒御霊神社
石段を登っていくと荒御霊神社があります。
「白髭神社 荒御霊神社 八坂神社」の表札が掲げられていますが、
由緒などを記したものは見かけません。
右側にはがあります。
前にあるには神像と狐像の絵が刻まれ「稲荷大明神」の文字も見られます。
左側にはがあります。
根を張り出して苔生したもあって圧倒されます。
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石碑の脇から境内を出て、を軽く登っていきます。
曲がり角にあるやを過ぎていきます。
農道を左へ分けていくと電気柵があります。
を外せば容易に開けられます。
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小屋が近づいてくるとまたがありますが、フックを外して通過していきます。
取水用と思われるパイプがある道を軽く登っていくと、が左へ分かれていきます。
その角に生える樹木の袂には「峰山観音登山口」のが立っています。
左の道を見送って真っすぐ進んでいくとまた電気柵がありますが、フックを外して通過していきます。
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二連滝
左の石垣の上を登っていく小径を分けて、を真っ直ぐ進んでいきます。
の脇に続く作業道を進んでいきます。
滔滔と流れ落ちる水音が近づいてくると、二つ連続するような姿をした滝が現れます。
駐車地から11分ほどの所になります。
名前は分かりませんでしたが、ここでは仮に二連滝としておきます。
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道なりに右へ曲がると、沢が合流する所に架かるを渡っていきます。
植林地の斜面を進んでいくと、短いが設置された所を左へ曲がっていきます。
一段低い所に建つを過ぎると、小さく右・左と曲がっていきます。
太い鉄管工が施された小橋を渡ると、道が左右に分岐しています。
駐車地から17分ほどの所になります。
標識類は見かけませんが、左の道を進んでいきます。
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植林地の尾根を回り込むように右へ曲がりながら登っていくと、が続く谷筋に出ます。
振り返ると、おじろスキー場があるが見えます。
耕作地へ降りていく地道を幾つか見送って山沿いに進んでいくと、
を跨いで左へ曲がっていきます。
壊れた小屋の脇を過ぎていくと、道の両側に小屋が建っています。
駐車地から24分ほどの所になります。
振り返ると、稲城の向こうに少し残雪があるが見えます。
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小屋の間を過ぎて、沢沿いに続くを進んでいきます。
谷筋には何段にもなったが見られますが、かつての棚田の跡でしょうか。
太いが施された上を過ぎて、左へ曲がっていきます。
短いが設置された所を右へ曲がっていきます。
左へ曲がりながら登っていくと、桜が咲くなだらかで小広い所に出ます。
駐車地から30分ほどの所になります。
右の小岩の袂にがあって、
「峰山観音(標高760m)・内倉洞窟(標高870m)」「稜線分岐点まで約1,060m」となっています。
峰山観音(標高760m)・内倉洞窟(標高870m)
東方向の一番低い稜線をめざしてください
稜線分岐点まで約1,060m
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休耕している様子のを左に眺めながら作業道を登っていきます。
程なくして半壊したがあります。
小屋を過ぎるとが狭くなってきます。
谷筋のを流れる水が心地よい音を響かせています。
植林地になった谷筋には、棚田跡と思われる石垣が見られます。
こんな奥地まで開墾された先人の苦労が想われます。
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石がゴロゴロするようになった道を軽く登っていくと、された所が20mほど続きます。
山際に設けられたを眺めながら作業道を登っていきます。
少し左へ曲がっていくとが目立つようになります。
小さく右・左と曲がって登っていくと、凹んだ形のがある小沢を過ぎていきます。
植林地の谷筋に続く作業道を登っていくと、また凹んだ形の砂防工があります。
駐車地から43分ほどの所になります。
手前の樹木の袂には「峰山観音・内倉洞窟」のが置かれています。
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作業道終点
砂防工を渡ってまで来ると、手前を左へ曲がっていきます。
少し登って緩やかになると、また凹んだ形のがあります。
砂防工を過ぎて谷筋が二手に分かれる所まで来ると、広めに続いてきた作業道は終点になります。
駐車地から49分ほどの所になります。
正面の樹木の袂には「峰山観音・内倉洞窟」のが置かれていて、右の谷筋を指しています。
標識には簡単なルート図がマジックで描き込まれていますが、消えかかっていてよく分かりませんでした。
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新旧道分岐
右の谷筋に続くを進んでいきます。
道には横木の階段が続きますが、落ち葉が積もって分かり難い所もあります。
傾斜が緩んで途切れる所もありますが、小尾根に出るまでが続いています。
何度か曲がりながら植林地の谷筋を登っていくと、道が左右に分かれています。
作業道終点から7分ほどの所になります。
来る時に見かけた案内板に載っていた旧道と新コースの分岐になるようです。
右脇には標識のような(*)がありますが、文字は見かけません。
も気になりますが、
内倉洞窟へ向かうべくを進んでいきます。
*情報によると、以前にはこの木に文字が書かれていて、
「右 旧道 三百五十米 稜線」、「左 新道 六百米 カンノンサン」となっていたようです。
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左へのまで来ると、切り株の傍にが落ちています。
二枚に割れているので繋ぎ合わせてみると「内倉山まで1km」となっていて、
マジックで「登山三叉路まで600m段206 約です」と書き込まれています。
曲がりながら植林地を登って傾斜が増してくると、が設置された横木の階段になります。
左へ曲がって、を過ぎていきます。
近づいてくる小尾根へ向かって、急な横木の階段を曲がりながら登っていきます。
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小尾根
正面が明るくなってくると、曲がっていきます。
まだまだ続くを息を弾ませながら登っていきます。
左へ曲がって更に登っていくと、左右に延びる小尾根に着きます。
作業道終点から17分ほどの所になります。
やを眺めながら、ひと息入れていきます。
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落ち着いたところで、を進んでいきます。
すぐの所に「内倉山まで0.8km」のが取り付けられています。
標識を過ぎていくと、ロープが張られたになります。
写真ではよく分かりませんが、傾斜もかなり急です。
カメラをバッグに入れてロープに掴まりながら慎重に登っていきます。
岩にはが生えていて雨後などには滑り易そうに思えますが、この時には乾いていて大丈夫でした。
植林地まで来てロープが終わると、岩尾根も終わってホッとします。
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分岐点
左へ曲がると、また土留め柵が設置されたが現れます。
曲がりながら続くを登っていきます。
何度か曲がりながら登っていきますが、なかなかに出ません。
右へ曲がって雑木林との境を登っていくと、稜線にある浅い鞍部に着きます。
作業道終点から30分ほどの所になります。
正面の樹木には「分岐点」のが取り付けられていて、
右の尾根は「内倉洞窟(南へ580m)」、左の尾根は「峰山観音(北東へ約300m)」となっています。
正面の樹間に少し見えるを眺めたりしながら休憩していきます。
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落ち着いたところで、内倉洞窟へ向かってを進んでいきます。
すぐに傾斜が増してくる尾根を登っていくと、が張られています。
程なくしてロープが終わると、のような緩やかな所に出ます。
少し左へ曲がって登り傾斜が増してくると、またが張られています。
自然木で作った階段を登っていくと、イワカガミが見られるようになります。
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小峰
ロープが終わるとになります。
の何処かに内倉洞窟があるのだろうと思いながら進んでいきます。
尾根には15mmほどの径のが何本か見られますが、補強工事でも行ったのでしょうか。
少し登って緩やかな尾根になると、尾根の中ほどにある枯れ木の手前にが巻かれた樹木があります。
僅かな起伏で続く尾根を進んでいくと、アセビが茂る小峰に着きます。
分岐点から9分ほどの所になります。
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が茂る尾根を降っていきます。
程なくしてに着きます。
オブジェのようなを過ぎていくと登り坂になります。
登り傾斜が増してくるとまたが張られています。
ロープに掴まりながら登っていくと緩やかな尾根になります。
分岐点から19分ほどの所になります。
右脇にはが頭を出しています。
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少し左へ曲がって、を進んでいきます。
程なくして軽いになります。
右の樹間にを眺めながら進んでいきます。
緩やかな尾根になると、大きな枯れ木を過ぎていきます。
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登り坂になると、またが張られています。
ロープが終わった先へ登っていくと、僅かなに着きます。
高みの先へ降って鞍部に着くと分岐があります。
分岐点から30分ほどの所になります。
右側の斜面に続くが分かれていてロープも張られています。
覗いてみると先の方まで続いていて、内倉洞窟へ行けるかも知れないと思いましたが、見送っていきます。
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小峰
正面の尾根を登って傾斜が増してくると、またが張られています。
ロープが終わっても、しばらくが続きます。
近づいてくるへ向かって登っていきます。
引き続きイワカガミが見られる尾根を登っていくと、手前の方の小峰に着きます。
分岐点から37分ほどの所になります。
ここで尾根が分岐していますが、
には塞ぐようにロープが張られています。
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ロープに沿ってを降っていきます。
軽く登るようになると、二瘤のもう一方のに着きます。
高みを越えて、軽いの尾根を進んでいきます。
になると、尾根の中ほどに樹木が生えています。
右へ曲がって、傾斜が増してくる尾根を降っていきます。
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巨岩
張られたに掴まりながら降っていきます。
が剥き出す所を降っていきます。
左側の急斜面にが見えてきます。
傾斜が緩やかになると、の頭頂部に着きます。
分岐点から48分ほどの所になります。
傍には厚いビニール製の横断幕があります。
捩れていてまだ文字があるかも知れませんが、「「美しい村」香美町小代 村まつり」と書かれているようです。
恐る恐る巨岩の上に立って、広がる山並みを眺めていきます。
正面にはが良く見えます。
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眺めを確認したら、巨岩の手前から西側の急斜面にあるを降っていきます。
ロープも垂らされているので、掴まりながら慎重に降っていきます。
梯子を二つ降った所から、小さな木に掴まりながら左へ進んでいきます。
右へ折れ曲がっていくと巨岩にが見えます。
ここが内倉洞窟かと思いましたが、入っていくには狭過ぎるので違うようです。
更にあるをロープに掴まりながら降っていきます。
梯子を二つ降って狭いながらも緩やかな所に出ると、「内倉山洞窟」のが落ちていて、右を指しています。
振り返ると、がそそり立っています。
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内倉洞窟
右へ曲がっていくと、巨岩の下にがあります。
リュックとバッグを標識の傍に置き、カメラだけを持って割れ目に入っていきます。
屈んでも頭が閊えてしまうので膝を突いて這っていくと、が見えてきます。
這う距離は長くなくて、程なくして立ち上がれるようになると、小祠がある広い所に出ます。
ここが内倉洞窟のようですが、「洞窟」というよりも「割れ目」という雰囲気です。
巨岩の頭頂部から14分ほどもかかりました。
小祠の傍には「朝倉太郎大夫平高清入道景雲の事」と題したがあります。
旧字体で書かれていて読み誤っている箇所があるかも知れませんが、参考までに解説文を載せておきます。
朝倉高清主従八人が隠れ住んだ所とのことです。
樹木に邪魔されながらも、外側にはが広がります。
ギリギリまで出ると、岩に眺められます。
朝倉太郎大夫平高清入道景雲の事
元歴元年春源平乱ニ朝倉庄朝倉ノ居館ヲ捨テ當村
ノ山門距離凡廿丁余奥ノ深山ニ崔嵬タル嶮阻ナル
岩嶽高サ廿間余ノ岩窟山ノ上ニ凡十畳敷モアル内
倉ト稱スル大ナル洞中ニ朝倉高清主従八人匿レヌ
然ルニ建久年中関東ニ白猪ト云猪獣出テ人ヲ喰
殺ス事夥敷依テ鎌倉ヨリ白猪退治ヲ強勇ノ士ニ命
セラレシモ鉄丸或ハ弓矢等ヲ射レ共大岩ニ射ル如
クニテ一筋モ立タサレハ却テ手向フ強勇モ喰殺サ
レ依テ之ニ向ウ者無シ。依テ伊勢御宝前ニ於テ白
猪退治ノ御閻ヲヒカセラルト者曰凡中國ハ但馬辺
ノ山中ニ異相人匿居ル此士ニ仰付ケラレハ疑ヒナ
ク退治スルコト奏問セシカハ幸ヒ平家ノ残党探索
厳重ノ際ナルカ故ニ直ニ諸國ニ探索シケリ當國ニ
ハ三浦介義村ノ郎党入込ミ當村ノ入口ニテ洗濯婆
母ニ問ヒシカ此婆母竊ニ此山奥ニ如何ニモ強勇ナ
ル大将ラシキ人匿レシカ近年ハ居城ヲ構ヘ追々家
来モ参リ當時ハ大勢ニ候ト委ク語ルヲ聞テ郎党大
ニ悦ヒ當村ノ百姓両人ヲ案内者トシテ内倉ニ行シ
ニ幸ヒ高清ニ面會シ白猪退治ノ事實ヲ演ヘ此度伊
勢大神ノ御神託ヲ蒙リシ異相人ハ定メテ貴殿ナラ
ント直ニ勅書ヲ出セリ。高清領掌シテ家臣八木山
本朝倉三人ヲ従ヘ出立ス関東ノ人々五六人守護シ
上下十四人ニテ関東ニ下向ス。
三浦介義村預リ種々饗應スル内如何御貴殿ヲ見
受ルニ色黒ク毛深ク聲高ク身ノ丈七尺余ニ及ヒ且
熊皮ヲ召サレシ故ヘ實ニ為朝以来ノ強勇ト見ユル
定メテ強弓ノ達人ナラン一手所望致度ト云。高清
曰某田舎士ニテ猪猿同様ノ者ナリ弓矢一向心得ス
ト答ヘシカ三浦再三ノ所望ニテ無據承諾ス然ラハ
トテ三浦ノ家臣某五人張ノ強弓ヲ取出ス是ニテハ
彼ノ白猪ニ向テ矢立マシト云ケレハ又三人張ノ弓
ヲ出シケル高清二張ノ弓ヲ一束子ニ縊リ八人張ノ
弓ヲ以テ一寸四方ノ的ヲ射シニ九本ニ至ルマテ仇
矢ナク射通シ十本目ニ至リ的ヲモ射落シケレハ見
ル者感歎し為朝以来ノ強弓ナリト譽アエリ義村大
ニ悦ヒ翌日高清ヲ召出シ鎌倉殿に言上シケレハ頼
朝御悦ハセ玉ヒ白猪退治ヲ命セラレル。和田左右
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衛門尉義盛二階堂主計允行政達セラル高清畏リ三
七日ノ猶豫ヲ請ヒ七日間ニ帰國シ身体ヲ清潔ニシ
養父大明神ニ参詣シ此度依台命白猪退治被命候上
ハ何卒猛獣白猪ヲ可退治様奉祈ト七日七夜参籠シ
晝夜奉祈願万民之危難ヲ救ヒ被下度様御神力之及
フ丈ケハ是非奉願武運長久國家安穏ト一心不亂ニ
祈誓籠候ヘハ七日目満願ノ暁ニ至テ神前ヨリ鷲羽
ノ鏑矢一手ヲ授リヌ。高清大ニ悦ヒ彼ノ鏑矢ヲ携
帯シ再関東ニ下向シ義村ニ面會シ再鎌倉将軍ニ謁
シ宝剣ヲ賜リ五月八日白猪に向テ八人張ノ弓ニテ
彼ノ鷲羽ノ鏑矢ヲヒヤウト射放セシニ胴ヲ外サス
左ノ眼ヨリ右ノ耳迄射貫キシカハサシモノ猛獣モ
打斃レ又猶又並ノ鏑矢三手ヲ射貫キ餘人ノ矢ハ立
タサルニ高清ノ矢ニ限リ不思議ニ貫キシハ是全ク
養父大明神ノ御利益ニシテ神力ノナス処也ト高清
心ニ喜ヒ留メヲ刺セト下知シケルニ八木安太夫家
員朝倉又太郎高景山本家直飛掛リ難ナク刺殺セリ
見ル人皆之ヲ感シ誉ヌ者コソナカリケリ。
翌日召出サレ従前ノ通リ本領ハ勿論但馬國一円ニ
賜リ以来副木瓜ノ紋ニ裏紋ハ鷲羽紋ヲ用ユ可キ旨
仰出サレタリ。高清大ニ悦ヒ禮謝シ諸役人ニ回勤
シ御暇ヲ賜リ鎌倉ノ旅館ヲ発足ス。然ルニ家従郎
党ノ内入道殿ハ強将ニテ是迄一同勤向ニ困リシカハ
此上本領安堵ニテ帰國アラバ我儘更ニ多カルヘシ。
現ニ一同困難スル眼前ナリ帰国ノ途中ニテ暗討セ
ント衆議一決シテ掘畑ノ山ニ隠レ待居タリ果シテ
其ノ日ノ夕暮ニ到着シ上下百人余堀畑ニ泊リタリ
夜半ニ至リテ一味ノ悪党三十餘人高清ノ寝所ヘ忍
ヒ込シニ彼ノ鉄矢至ル處ニ光リモノトナリ飛廻リ
ケレバ悪党モ狼狽騒キテ高清ニ近寄ルコト能ハス
同士討ヲナシテ疵ヲ蒙リ這々ノ体ニテ逃失ケリ翌
日八木ニ帰城シ此度ノ武力ニ依テ大身ト成リケレ
ハ家臣ハ上下悉ク加増ヲ與ヘタリ、然両御禮トシ
テ鎌倉ヘ朝倉山椒ヲ献上セリ。是ヨリ當國の諸士
悉ク麾下トナリ或ハ家臣トナル者多ク國中諸所ニ
城ヲ築キケレハ城山ノ城モ此時築キシ所ナリト云
フ。
(七美群誌ヨリ)
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膝を突いて這いながらを引き返してきます。
「内倉山洞窟」の標識が落ちている狭いながらも緩やかな所に出てリュックとバッグを回収し、
ロープに掴まりながらを登っていきます。
梯子を二つ登って右へ少し進んでいくと左へのにアルミ梯子がありますが、
降ってきた梯子を登るべく見送っていきます。
左へ折れ曲がって、小さな木に掴まりながらを横切るように進んでいきます。
アルミ梯子を更に二つ登っていくと、巨岩の頭頂部の傍の緩やかな尾根に出て、ホッとした気持ちになります。
内倉洞窟から7分ほどで戻って来られました。
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小峰
元来た尾根を進んでいくと、が張れた所を登っていきます。
に出て、少し左へ曲がっていきます。
登り坂になると、二瘤のを過ぎていきます。
ロープが張られたを軽く降っていきます。
軽い登り坂になると、二瘤のもう一方の高みの小峰に着きます。
内倉洞窟から15分ほどの所になります。
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塞ぐようにロープが張られた右の尾根も歩けそうで気になりますが、
登ってきたを降っていきます。
次第に傾斜が増してくるとが張られています。
ロープに掴まりながら急坂を降っていくと、左の踏み跡との分岐になったに着きます。
少し登って、僅かなを越えていきます。
傾斜が増す尾根をロープに掴まりながら降っていきます。
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次第に傾斜が緩んできてロープが終わるとになります。
大きなを過ぎていくと軽い登り坂になります。
緩やかになる尾根を進んでいくと、頭を出すの手前を右へ降っていきます。
張られたロープに掴まりながらを降っていきます。
次第に傾斜が緩やかになるとロープは終わりになります。
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小峰
高みが近づいてくるとになります。
左の樹間にを眺めながら登っていきます。
ロープが張られた尾根を登るようになるとが茂るようになります。
程なくして、アセビが茂る緩やかな小峰に着きます。
内倉洞窟から35分ほどの所になります。
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左の樹間に山並みを眺めながら、イワカガミが見られるを進んでいきます。
僅かな起伏で続く尾根を進んでいくと、尾根の中ほどにがあります。
枯れ木を過ぎるとが巻かれた樹木があります。
見覚えのある15mmほどの径のを過ぎると降り傾斜が増してきます。
張られたロープに掴まりながら尾根を降っていきます。
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分岐点
自然木で作った階段を降っていくと、次第に傾斜がになります。
のような緩やかな所まで来て、ロープが張られた右の尾根を降っていきます。
鞍部が近づいてくると、は終わりになります。
緩やかになった尾根を進んで登り坂になる所まで来ると、「分岐点」「内倉洞窟(南へ580m)」「峰山観音(北東へ約300m)」の標識が取り付けられた鞍部に着きます。
内倉洞窟から42分ほどの所になります。
左前方に続く登ってきたを降っていきます。
このまま尾根を登り返していくと峰山観音があるようです。
峰山観音を訪ねてから少し引き返して、来る時に見かけた案内板に載っていた新コースを降るつもりでしたが、
急坂やアルミ梯子でかなり時間を費やした上に疲れてもいたので、訪ねるのは省略することにしました。
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小尾根
落ち葉が積もって分かり難い所もあるを降っていきます。
何度か曲がりながら降って階段が終わると、ロープが張られたが右側に現れます。
かなり傾斜があるをロープに掴まりながら降っていきます。
向こう側を向いた「内倉山まで0.8km」のを過ぎると、ロープは終わりになります。
ロープを過ぎると、すぐに谷筋から小尾根に登り着いた所に出ます。
分岐点から7分ほどの所になります。
目印になるようなものがなくて通過してしまいそうになりますが、
左にある横木の階段を降っていきます。
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新旧道分岐
曲がりながら続くを降っていきます。
土が流れ出して木がになっている階段もあります。
息を弾ませながら登ってきた階段も降る時は快調ですが、石車の乗って転んだりしないよう足元には注意が必要です。
を過ぎて、右へ曲がっていきます。
少し降った先を左へ曲がって次のまで来ると、
脇にある「内倉山まで1km」の標識を過ぎていきます。
標識のように削られた木がある所まで来ると、旧道と新コースの分岐に着きます。
分岐点から16分ほどの所になります。
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作業道終点
落ち葉が積もって分かり難い所もあるを降っていきます。
沢のようになったもありますが、長くは続きません。
正面に見えてくる明るい所に向かって、の谷筋を降っていきます。
「峰山観音・内倉洞窟」の標識を過ぎると、谷筋が合流する所にある作業道の終点に出ます。
分岐点から22分ほどで降りて来られました。
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歩き易い作業道を進んでいくと、すぐの所にある凹んだを過ぎていきます。
の傍まで来て、右へ曲がっていきます。
凹んだを渡って、「峰山観音・内倉洞窟」の標識を過ぎていきます。
左へ曲がって降っていくと、また凹んだがあります。
小さく右・左と曲がりながら降っていくと、大小の岩が目立つようになります。
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された所を20mほど降っていきます。
次第にしっかりとしてくるに沿って降っていきます。
開けた谷筋に出ると、半壊したを過ぎていきます。
左への曲がり角にある小広い所まで来ると、左の小岩の袂に「峰山観音(標高760m)・内倉洞窟(標高870m)」「稜線分岐点まで約1,060m」のがあります。
作業道終点から14分ほどの所になります。
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小刻みに左・右と曲がって短いガードレールがある曲がり角まで来ると、正面にが広がってきます。
左へ曲がって降っていくと、太いが施された上を過ぎていきます。
何段にもなった石垣を眺めながら降って正面に山並みが見えてくると、道の両側にが建つ所を過ぎていきます。
壊れた小屋の脇を過ぎて僅かな水切工を跨いで山際を降っていくと、おじろスキー場などがあるが広がってきます。
植林地の尾根を回り込むように左へ曲がりながら降って谷筋に着くと、作業道の分岐があります。
作業道終点から25分ほどの所になります。
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二連滝
右に架かる太い鉄管工が施されたを渡っていきます。
小さく右・左と曲がっていくと、一段低い所に建つを過ぎていきます。
短いが設置された所を右へ曲がっていきます。
沢が合流する所に架かるを渡っていきます。
道なりに左へ曲がると、滔滔と流れ落ちる水音を響かせる二連滝があります。
作業道終点から31分ほどの所になります。
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山際を進んでいくとがあります。
柵を過ぎたすぐ先に「峰山観音登山口」の標識が向こう側を向いて立っていて、が右へ分かれていきます。
ちょいと農道へ出てみるとが広がります。
登山道に戻って降っていくと、またが右へ分かれていきますが、見送っていきます。
取水用と思われるパイプがある道を降っていくと小屋が建っています。
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實山地区
小屋のすぐ先にあるを過ぎると綺麗な舗装路になります。
またあるを過ぎていきます。
右へ分かれていく農道を見送って、宝篋印塔や小祠がある所を曲がっていきます。
の杜を正面に眺めながら降っていきます。
道なりに左へ曲がりながら降っていくと、車を止めておいた駐車地があります。
作業道終点から43分ほどで到着しました。
この時は早めに昼食を摂ってから登り始めたので、途中での食事休憩はしませんでした。
しかしお昼をかなり過ぎて小腹が空いたので、車中で軽く食事をしてから家路につきました。
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