小城越
概 要 小城越は、香美町村岡区と豊岡市日高町の境にある峠です。 往時には人の往来があった両地区を結ぶ峠越えの道は、今では歩かれなくなったようです。 今回は三川林道の小城分岐駅から鞍部を経て小城越へ向かい、そこから831.0m峰に登ります。 831.0m峰からは鞍部を経て三川林道の「三峰」の碑駅へ降るルートを歩きます。
起 点 香美町村岡区 小城分岐駅
終 点 香美町村岡区 小城分岐駅
小城分岐駅…鞍部…小城越…831.0m峰…鞍部…707m峰…「三峰」の碑駅…小城分岐駅…(サナの滝)
所要時間 2時間10分
歩いて... 小城分岐駅から鞍部までは僅かな踏み跡があります。 鞍部から小城越までは作業道のような緩やかな道が続いています。 小城越から831.0m峰までには明瞭な道はありませんが、上を目指して登っていきました。 831.0m峰から鞍部までは尾根の背を外れないように降れば大丈夫です。 鞍部から「三峰」の碑駅までは作業道のような道が続いています。
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コース紹介
小城分岐駅
香美町村岡区を通る国道9号の入江トンネル東交差点から県道266号を北上していきます。 県道4号に出て更に北上していくと、どんぐり保育園を過ぎた所にがあります。 角には「射添渓谷」の看板が出ていて、右に分かれていく道を指しています。 「8.2km小城」「1.3km和佐父」の道路標識も立っていて右の道を指しています。 右の道を登っていくと、橋を渡った所に「」があります。 この図に載っている「小城」へ向かっていきます。 斜面にある和佐父地区の集落を過ぎて、曲がりながら続く1車線の道路を登っていくと、 架け替えられた様なを渡っていきます。 切り出した木材が積まれたを過ぎると降り坂になります。 正面が開けてくると、数軒の建物を過ぎていきます。 を渡っていくと、 「サナの滝」の標柱を過ぎた所にがあります。 脇にはが立っています。 左の道には「この先幅員狭小 急勾配急カーブ 車両通行困難」の標識が立っています。 「小城0.7km」に従って右の道を登っていきます。 曲がりながら登っていくと(*1)の集落に着きます。 この時には釣り鐘状の花(*2)が一面に咲いていて綺麗な眺めでした。 集落を過ぎて三川林道に出ると小城分岐駅があります。 その脇の道幅が広がっているので、端に寄せて車を止めさせて頂きました。
*1 情報によると、小城地区は昭和59年に村全体が和田地区へ集団移転し、夏の間だけ田畑の耕作のためにここに戻ってきて過ごされるのだそうです。
*2 この釣り鐘状の花はオオバコ科のジギタリスで、和名はキツネノテブクロ(狐の手袋)と言うようです。
振り返っての標柱を確認していきます。 脇の白い標柱によると、三川林道に出る手前は普通林道小城線というようですが、延長は僅か90mしかありません。 手前の曲がり角までがその林道になるようです。 道路向かいに、金網で包まれたがあります。 「ブナの原生林 ここから1.5km」のが寄り掛かっています。 石積みの左側から続く踏み跡を登っていきます。
小城分岐駅
起点から5.9km 終点まで23.6km
石積みの上に出て、その先を曲がっていきます。 右へ曲がりながら、僅かなを抜けていきます。 かなり傾斜があるの斜面を右・左と曲がりながら登っていきます。 地形図に破線で載っている道のようですが、広めながらもあまり明瞭ではありません。 人の往来があった往時には、明瞭な道だったのだろうと思われます。 適度な間隔で設置されているを辿りながら登っていきます。 三川林道から9分ほど登っていくと、傾斜が少し緩やかになってきます。
を越えていくと少し左へ曲がって、 の斜面を斜めに登るようになります。 植林地を抜けていくと、樹間から僅かにが見える所を過ぎていきます。 次第に明瞭になってくる道を登っていくと、「図根多角」のも見掛けるようになります。 しばらく左斜面を登っていくと、道は右へ曲がっていきます。
鞍部
引き続き設置されている赤頭短杭を確認しながら登っていくと、が次第に低くなってきます。 道なりに左へ曲がって登っていくと、尾根の背にある鞍部に着きます。 小城分岐駅から24分ほどで登って来られました。 中ほどにはが二つ並んでいます。 脇の樹木の袂には「ブナの原生林 ここから500m」のが倒れていました。 を登っていくと831.0m峰のすぐ先には707m峰があります。 周囲の様子を確認しながら、ひと息入れていきました。
落ち着いたところで、小城越へ向かっての植林地に続く緩やかな道を進んでいきます。 この道も地形図に破線で載っている道のようですが、 これまでの踏み跡程度の道に比べて、重機で削ったようなしっかりとしたが続きます。 幅も広めになっていて、作業道として使われているように思えました。 この道にも「地籍調査」の赤頭短杭や「図根多角」の黄頭短杭が点々と設置されています。 鞍部から5分ほど進んでいくと、石がゴロゴロする明るい崩落地に出ます。 左側にはが聳えていました。 にある電波塔群もよく見えました。
崩落地を過ぎて、斜面に続くを更に進んでいきます。 僅かなを避けたりしながら進んでいきます。 鞍部から11分ほど進んでいくと、再びに出ます。 左側には、先ほどの崩落地からと同じように三川山が見えました。
小城越
白ペンキで「8」と書かれたを過ぎていきます。 三川山から北へ続くを左側の樹間から眺めながら進んでいきます。 白ペンキで「9」と書かれたを過ぎていきます。 僅かに左へ曲がって、白ペンキで「13」と書かれたを過ぎていくとに着きます。 鞍部から15分ほどで着きました。 中ほどには頂部に「+」と刻まれ、表に「山」、裏に「四一」と刻まれたがあるばかりで、 名前を記したものは見掛けませんが、ここが地形図にも載っている小城越になるようです。 地形図では、破線の道は日高側のへ続くように描かれていますが、道ははっきりしませんでした。
ひと息入れてから、831.0m峰へ向かってを登っていきます。 軽く登っていくと僅かなに着きます。 中ほどには「地籍調査」の白頭短杭がありました。 明瞭な道はありませんが、この尾根は香美町と豊岡市の境界になっているので、 杭を辿っていけば山頂に着くはずだと信じて登っていきます。 軽く降っていくと、僅かなに着きます。 「地籍調査」の杭を確認しながら、を登り返していきます。 ブナの大木を眺めたりしながら登っていきます。
登るにつれて次第に尾根が広がってきます。 「0103 B20 121」の鋲が打たれた「地籍調査」のを過ぎると、道が分からなくなりました。 杭が何処かにあるはずだと思って左右を探しますが見つかりません。 それでも上を目指して行けば山頂に着くはずなので、 歩き易そうなを進んだりしながら登っていきました。 あまり左へ行くと山頂から遠ざかるので、適当な所で曲がったりしながら登っていきます。 傾斜も増して滑りやすくなり、とても道のようには思えませんが、下草が生えていなくて樹木も密生していないのは助かります。 歩き易そうな所を探して曲がりながら斜面を登っていくと、次第に傾斜が緩やかになってきます。 山頂は近いと分かって、気持ちにも余裕が出てきました。
831.0m峰
登るにつれて更に歩き易くなってくるを少し左へ曲がりながら進んでいきます。 ゆるやかになった広い尾根を進んでいくと、「0507 B20 121」の鋲が打たれた「地籍調査」のがありました。 その先へ進んでいくと、正面がなってきます。 森を抜けると、伐採されて明るくなった山頂に出ます。 中ほどに「小城」があるので、地形図に載っている831.0m峰になるようです。 小城越から22分ほどで登って来られました。 山頂の周囲には樹木が茂っていて展望は得られません。
山頂の様子を確認したら、707m峰の傍にあった鞍部へ向かって、 を引き返していきます。 少し進んだ所を僅かに左へ曲がり、磁石で方角を確認しながら北を指して尾根のを降っていきます。 の間を過ぎていきます。 右前方の樹間から僅かにが見える所を過ぎていきます。 831.0m峰から7分ほど降っていくと、傾斜が緩やかになった所に着きます。
尾根には「地籍調査」のが点々と設置されています。 明瞭な道はないものの、下草は生えておらず藪漕ぎも必要ありません。 樹間からを僅かに眺めながら尾根の背を降っていきます。 少し傾斜が増してくる尾根を降っていくと、も見られるようになります。 831.0m峰から12分ほど降っていくと、右の樹間から三川山が見えました。
鞍部
引き続き設置されている「地籍調査」のを確認しながら、尾根の背を降っていきます。 程なくしてになります。 少し左へ曲がっていくと、が増してきます。 先の方に白い標識が見えてくるを真っ直ぐ降っていきます。 傾斜が緩やかなると、「ブナの原生林 ここから500m」の標識が倒れている鞍部に着きます。 831.0m峰から17分ほどで降りて来られました。 登ってきた左の道をこのまま降っても良いのですが、正面の707m峰が気になるので、ちょいと立ち寄っていきます。
707m峰
を真っ直ぐ登っていきます。 1分弱登っていくと、明るくなった高みに着きます。 左側にはが生えるばかりで標識類は見掛けませんが、 ここが地形図に載っている707m峰になるようです。 少し先には赤頭短杭と「地籍調査」のが並んで設置されています。 その先にはのような広い道が降っています。 小城越から続く作業道の続きの道のようです。 三川林道まで続いているだろうと思って、このまま正面の作業道を降ることにしました。
赤頭短杭と青頭短杭の組がしばらく続くを降っていきます。 鞍部から小城越までの道は石がゴロゴロする所もありましたが、この尾根はとても歩き易くなっています。 3分ほど降っていくと傾斜がになってきます。 が増してくると、左・右・左と少し曲がりながら降るようになります。 程なくして、再び傾斜が緩やかになります。 707m峰から4分ほどの所になります。
少し傾斜が増してくると、左・右と小さく曲がりながら尾根の背の僅かにを降るようになります。 尾根の背に出て降り傾斜が増してくると、少しに出ます。 右の樹間からはが少し見えました。 引き続き設置されている赤頭短杭と青頭短杭の組を確認しながら、右・左と曲がりながらを降っていきます。 少し明るい所に着くと、樹間から僅かに山並みが見えました。
小さく右・左と曲がりながらを降っていきます。 程なくして、右側や左側の樹間からが見えてきます。 切通になった林道の曲がり角の手前まで来ると、道は曲がっていきます。 正面に見えるへ向かって真っ直ぐ降っていきます。 森から出ると三川林道に降り立ちます。 707m峰から14分ほどで降りて来られました。
「三峰」の碑駅
右の先に見える標柱へ向かってを進んでいきます。 まで来ると「三峰」の碑駅があります。 背後には砂利が敷かれた広場があります。 奥の方へ進んでいくと「三峰」と刻まれたがあります。 傍には「森林基幹道「三川線」の概要」と題した案内板があります。 目の前には、手前の樹木に邪魔されながらも山並みを見渡せる眺めが広がります。
丁度昼時になったので、景色を眺めながら昼食タイムにしました。
「三峰」の碑駅
起点から6.4km 終点まで23.1km
三川線の概要
延長29,490m
利用区域面積2,484ha
事業期間昭和47年度から平成20年度
事業費59億円
題字経五県知事 井戸敏三 書
森林基幹度「三川線」の概要
「三川線」は、豊岡市日高町万劫を起点として三川山(標高約888m)の西側山麓を北上して、 香美町香住区隼人に至る29.5kmの森林基幹道で、豊岡市日高町万劫で森林基幹道「妙見・蘇武線」とつながっており、 二つの森林基幹度を合わせると約54kmの骨格林道となり但馬の森林地帯を南北に結ぶ大動脈であります。 この三川線周辺では、水源かん養上重要な保安林のうち、無立木地など機能が低下している森林で水源林造成事業が集中的に実施されており、 水源林としての機能を高度に発揮させるため当該森林基幹道を活用し下刈り、間伐等の森林整備が効率的かつ適正に実施されています。 また、毎年9月ごろ当該森林基幹道を活用し「村岡ダブルフルウルトラランニング」が開催されており、 回を重ねる毎に知名度もあがり多くのランナーが但馬を訪れ、地域住民との交流が図られています。 このように、三川線は沿線に広がる水源林の機能を高度に発揮させるための間伐など森林整備の効率化、 山村地域における地域振興など重要な役割を果たしています。
森林基幹道は、兵庫県が実施している「森林管理100%作戦」(間伐)、 県民緑税を活用した「針葉樹林と広葉樹林の混交林整備」などの森林整備を効率的に実施する役割、 「資源循環型林業」を確率するため木材生産コストを低減させる役割など重要な役割を果たしています。
兵庫県
小城分岐駅
お腹が満ちたところで、車を止めてきた小城分岐駅へ向かって、緩やかな降り基調のを南下していきます。 道なりに右・左と曲がりながら3分ほど進んでいくと、左から降ってくるがあります。 707m峰から降って来た道の途中から分かれてきた道でしょうか。 小城地区の集落で見掛けたのと同じを眺めながら林道を進んでいきます。 「通行止」の看板が出るを過ぎていくと、 車を止めておいた小城分岐駅に着きます。 「三峰」の碑駅から9分ほどで到着しました。
「三峰」の碑駅から小城分岐駅までの範囲には、「通行止」にしなければならないような所は見掛けませんでした。
サナの滝
来た時と同じ道を通って家路につきましたが、途中でサナの滝に立ち寄りました。 小城地区の集落を過ぎていくと、道路標識が立つ分岐のすぐ先に「サナの滝」の標柱が立っています。 その手前から谷筋へ降っていくがあります。 少し右へ曲がっての間を通って谷筋に降りると、 上流に落差が10mほどのサナの滝があります。 車道から1分ほどで降りられます。 解説板などは見掛けず「サナ」という名前の由来は分かりませんでしたが、情報によると、 来る時に見掛けた「射添渓谷案内図」に載っている小城四十八滝のひとつで、その中で一番美しい滝とのことです。
(所要時間に含めず)