黒崎鼻
概 要 黒崎鼻は豊岡市竹野町にある半島です。 急峻な岩場の先端からは日本海や猫崎半島などを見渡せる眺めが広がります。 今回は切浜海水浴場の近くを起終点とし、はさかり岩と淀の洞門を訪ねてから黒崎鼻へ向かうルートを歩きます。
起 点 豊岡市竹野町 切濱地区
終 点 豊岡市竹野町 切濱地区
切濱地区…はさかり岩…切浜海水浴場…淀の洞門…岬入口…黒崎鼻…岬入口…大浦海岸…切濱地区
所要時間 1時間30分
歩いて... 黒崎鼻へ向かう小径は細いながらも明瞭に続いていました。 少し泥濘んでいたり笹や竹が茂る所もありましたが、総じて歩き易い道になっていました。 傾斜が急な所にはロープが張られていて助かりました。 地形図に載っている104m峰にも登る予定でしたが、道がよく分からなかったので諦めました。
関連メモ 今のところ、関連メモはありません。
コース紹介
切濱地区
竹野地区から県道11号を西進していきます。 僅かな峠を越えて降り始めると、休暇村竹野海岸方面への道が右へ分かれていきます。 その道を見送って進んでいくと、切浜川に架かる切浜橋を渡った所の路肩が広がって駐車スペースになっているので、 ここに車を止めました。 脇には近畿自然歩道のがあって、 も載っています。 この図に載っているはさかり岩淀の洞門を訪ねてから黒崎鼻へ向かいます。
近畿自然歩道 兵庫県北端猫崎半島をめぐる道(切浜バス停〜竹野浜バス停)
近畿自然歩道は、私達の生活が近代化する中で、自然の残っている地域や名所・旧跡を帯状に結び、 身近に歴史や自然とふれあえるよう整備したものです。 コースには道しるべがありますのでそれにしたがってください。
【はさかり岩】  切浜から浜須井に向かう海岸道路の下の海から突き出した2つの岩柱の間に、 直径3〜4mの丸い岩が挟まった奇観で、そのために「はさかり岩」の名で呼ばれています。
【鷹野神社】  賀島天神など複数の神を祭神として祀り、船絵馬や方角石など北前船の遺産を多く残しています。 「浜の天神さん」として親しまれています。
【北前船】  竹野は北前船の寄港により、江戸時代から明治末期にかけて海漕業の村として栄えました。 館内の北前船資料室には、各地の文化・風俗を運んだ商船、北前船の歴史を物語る貴重な資料が展示されています。
【竹野浜】  遠浅の澄んだ海と白い砂浜、山陰海岸随一の海水浴場として古くから知られています。 5月の「北前まつり」や7月の花火大会等、様々なイベントが竹野浜を中心に繰り広げられます。
コースの見どころ
【淀の洞門】  切浜の北端の岬に、日本海の海蝕作用によって造られた洞窟は高さ約19メートル。 神代の昔よりあるといわれ、スサノオノミコトの伝説が語り継がれている。
【休暇村竹野海岸・竹野スノーケルセンター・ビジターセンター】  山陰海岸国立公園内での自然観察、野外活動の拠点施設として整備されたレクリエーションエリアです。 宿泊施設、野外活動施設があり、エリア内のスノーケルセンターでは、竹野海中公園の自然を紹介する展示、 スノーケリングによる磯や海中の自然観察指導を行っています。
【猫崎半島】  兵庫県最北端にあるこの半島は、沖合からみると猫が両耳を立てた姿に似ているのでこの名がついたと言われています。 半島の西側には波食棚が発達し、棚上には直径20〜50cmの甌穴群が見られます。 また、半島内の賀嶋公園からは、勇壮な日本海を望むことができます。
環境省・兵庫県
はさかり岩
を西へ進んでいきます。 仲田光成のを過ぎていくと、 路肩が広がった所に、擬木の柵が設置されたがあります。 「天然記念物 はさかり岩」の解説板が設置されていて、が遠くに見えます。 ベンチも設置されていて、ここから岩を眺めるのがお勧めのようですが、 県道11号を更に進んでまで行くと、 路肩が広がった所からはさかり岩を間近に見ることができます。
仲田光成書碑
大海をへだてゝこゝに語らひし 美しき日よ永遠に生きよ
柳原日蓮
天然記念物 はさかり岩
但馬海岸は日本海沿岸の波蝕海岸風景を代表する景勝地であり、 その地質は新第三紀中新世(約2300万年〜500万年前)の北但層群と鮮新世(約500万年〜200万年前)の照来層群の岩石が中心である。 この「はさかり岩」は北但層群辻礫岩層に相当し、火山砕屑物が土砂と混じりレキを取り込んで堆積した凝灰角礫岩で、 下部では直径が1メートル以上のレキも含まれている。 この堆積層は、その後の地殻変動で断層により破砕され日本海の荒波によって侵食され、 上から落下した岩塊が、ちょうどカニのハサミに挟まれたような奇勝を呈している。
※この地方では「はさまる」ことを「はさかる」といいます。
豊岡市教育委員会
切浜海水浴場
海に突き出すを眺めながら県道11号を引き返してきます。 往復12分ほどでまで戻ってくると、 分かれていく道があります。 角には近畿自然歩道のが立っていて、 正面の県道は「切浜バス停03km」、戻ってきた県道は「はさかり岩0.5km・浜須井海水浴場0.9km」、 左へ分かれていく道は「切浜海水浴場・淀の洞門0.6km」となっています。 道標に従って左の道を降っていきます。 切浜川に架かる小橋を渡って公衆トイレの傍を過ぎ、数10cmの高さの堤防沿いに進んでいきます。 左に広がる海は切浜海水浴場になっているようです。
お知らせ
共同漁業権設定海域は、潜水等による魚貝藻類の不法な採取を禁じております。 違反者は罰せられますのでご注意ください。
一、 採捕禁止の貝藻類
さざえ・あわび・うに・なまこ・わかめ・もづく・てんぐさ等
一、 罰則(漁業権侵害の罰) 20万円以下の罰金
但馬漁業協同組合、香住海上保安署、(公財)海上保安協会霞支部
民宿旅館や切濱公民館などが建ち並ぶを進んでいきます。 の傍を過ぎていきます。 陸揚げされた小舟がある一角がになるようです。 公衆トイレを過ぎていくと、道は右へ曲がっていきます。 曲がり角から分かれていく道の入口には鎖が張られています。 角には近畿自然歩道のが取り付けられていて、 右へ曲がっていく道は「休暇村竹野海岸0.9km」、左に分かれていく道は「淀の洞門0.1km」、今来た道は「切浜バス停0.8km・はさかり岩1.4km」となっています。 黒崎鼻へ向かう前に、左の道の先にある淀の洞門まで往復してきます。
第1種 切浜漁港
所在地:竹野町切浜地先
管理者:竹野町産業課
所官庁:水産庁
お断り
この施設は船揚場専用斜路につき、これ以外の使用禁止する。
竹野町、切浜漁業振興協議会
お知らせ
竹野町地先の海面一帯には共同漁業権が設定されており、漁協組合員以外の者が貝藻類を採捕することは禁じられております。 また、兵庫県漁業調整規則により水中銃やスキューバ・ダイビングにより魚類等を採捕することも禁じられております。 違反者は罰せられますので、ご注意ください。
一、 採捕禁止の貝藻類
さざえ・あわび・うに・なまこ・わかめ・てんぐさ等(32種類)
一、 罰則 漁業権侵害の罰 20万円以下の罰金
竹野町、竹野浜漁業協同組合、兵庫県、香住海上保安署、城崎警察署
淀の洞門
鎖止めを跨いで、の傍を進んでいきます。 突き当たりまで来て、正面の石段を登ってを越えていきます。 コンクリート舗装された磯浜沿いのを進んでいきます。 未舗装になると、ベンチの先にが見えてきます。 「淀の洞門」の解説板を過ぎていくと、岩壁にポッカリと空いた洞門に着きます。 駐車スペースから11分ほどで着きました。 岩の上を歩いて洞門のすぐ傍まで行けますが、から入ってくる海水に阻まれて通り抜けることは出来ません。
淀の洞門
大昔、この洞門を住みかにしていた淀の大王を首領とする鬼の集団が、日々悪さをして良民を苦しめていました。 出雲に帰る途中、これを聞きつけて立ち寄ったスサノオノミコトはこの洞門の向かいに船を止めて、激戦のうえ征伐しました。 スサノオノミコトはここで船を降りて陸路を隣村の奥須井地区まで向かい、村では牛頭大王として奉られました。 乗り捨てられた船は、そのまま岩になったと伝えられています。 村人たちはその徳をしのび、切浜海水浴場西端の細長い島を「御船」、沖合の二つの岩礁を「沖の錨」と「灘の錨」、 砂浜にある島を「艫綱」と言い、奥須井に向かう陸路を「祇園」と呼び親しんでいます。
近畿自然歩道 環境省・兵庫県
淀の洞門からを引き返してきます。 堤防を越えて、の脇を過ぎていきます。 鎖止めまで来て、登っていきます。 道なりに右へ曲がりながら登っていくと、右から左へ登っていくが横切っています。 左の上には神社が見えているので、立ち寄っていきました。
石灯籠や手水舎の先に続く石段を真っ直ぐ登っていくと、 すぐにがあります。 石段を更に登っていくとがあります。 その先のなだらかな境内に着くと、左側に神社がありました。 扁額などは見かけず名前は分かりませんでしたが、切濱地区の鎮守のように思えました。 扉が開いていたので中を覗いてみると、が納められていました。
岬入口
石段を降ってに降り立ち、左へ登っていきます。 道なりに左へ曲がりながら登っていくと、作業場のようながあります。 道は建物の左側を巻くように右へ曲がっていきますが、曲がり角から左へ戻るようにして登っていく小径があります。 ここが黒崎鼻への入口になります。 淀の洞門から7分ほどで着きました。 入口には「磯釣に警告」の看板が倒れていました。
磯釣に警告
三つの基本
(1)必ずライフジャケットを着用
(2)携帯電話を携行(防水パック使用)
(3)海の事件・事故は118番へ
城崎警察署、香住海上保安署、たけの地域ふれあいの会、竹野救難所
笹が茂る小径へ入っていくと、すぐにが張られています。 ロープに掴まりながら傾斜の急なを登っていきます。 ロープが終わると緩やかになります。 少し右へ曲がって、緩やかになった小径を進んでいくと、 が咲いていたりもします。 が茂る所を抜けていくと、道幅が広がった所に出ます。
四角柱状にも見かけますが、以前には整備された道だったのでしょうか 過日からの雪や雨で少し泥濘んでいる所もあるので、足元に注意しながら進んでいきました。 次第にが混じるようになります。 短いが張られた所を過ぎていくと、 段差になった所が抉れています。 中ほどは泥濘んでいるので、竹や垂らされたロープに掴まりながら左側を登っていきました。
段差を乗り越えて、その先に続く笹の茂るを進んでいきます。 笹がなくなるとが近づいてきます。 少し右へ曲がりながらロープ沿いに登っていくと小尾根に出ます。 地形図によると、標高70mほどの高みから南南東へ延びる尾根のようです。 岬入口から5分ほどの所になります。 右から登ってくるも歩き易そうですが、 ロープが始まるを登っていきます。
下山時には尾根が真っ直ぐ続いているので、誤ってそのまま右の尾根を降ることのないよう、この場所をよく記憶しておくと良いでしょう。
広い小尾根を登って僅かな高みの手前まで来ると、短杭の所で道がに分かれています。 正面の道は踏み跡程度で妖しいので、ここは右へ曲がって斜面を横切っていくを進んでいきます。 軽く登りながら進んでいくと、再び短杭のある小尾根に出ます。 地形図によると、標高70mほどの高みから東へ延びる尾根のようです。 右から登ってくるも歩き易そうな様子でした。 左の高みへ登っていく踏み跡も見られますが、そのまま斜面を横切っていくを進んでいきます。
斜面を横切り終えると、三つ叉になった半島の東側の岬のに出ます。 少し右へ曲がって、歩き易くなったを進んでいきます。 が茂る所もありますが、歩き難くはありません。 僅かに登る所を過ぎると、軽いになります。 次第に樹木が少なくなると、開けた所に出ます。
黒崎鼻
の脇を進んでいきます。 が目立つ岬を軽く降っていきます。 左にを、右にを眺めながら進んでいきます。 樹木がなくなった所まで来ると、その先は傾斜が急な降り坂になっています。 ここが三つ叉になった黒崎鼻の東側の先端になります。 岬入口から13分ほどで着きました。 左から右にかけて、海岸線や日本海を一望できる眺めが広がります。
左側は太いロープが垂らされたになっています。 どうやらこの下に磯釣りのポイントがあるようですが、傾斜があまりにも急で降りていく勇気が湧いてこないので、ここで引き返すことにしました。
眺めを確認したところで、来たを引き返してきます。 の脇を過ぎて登っていきます。 岬のに着いて、少し左へ曲がっていきます。 斜面を横切るように進んでいくと、標高70mほどの高みから東へ延びる小尾根に出ます。
右にある標高70mほどの高みへの踏み跡を少し歩いてみました。 すぐにある幾つかのの先を少し右へ曲がって高みを越えると、 三つ叉になった半島の真ん中の岬へと続いていましたが、途中で引き返してきました。 (所要時間には含めず)
左へ降っていく尾根を見送って、を更に横切っていきます。 再び短杭のあるに出て、左へ続くを降っていきます。 が張られた小尾根を降っていきます。 ロープが途切れる所まで来ると、右へ分かれていく小径があります。 うっかりしているとこのまま正面の尾根を降ってしまいますが、登って来た時の事を思い出して、 を降っていきます。
少し左へ曲がりながら降っていくと、が張られるようになります。 笹が茂るようになった小径を降っていくとがあります。 登って来た時と同じく泥濘んだ中ほどは避けて、竹や垂らされたロープに掴まりながら右側を降っていきました。 が目立つようになった小径を進んでいきます。 短いが張られた所を降っていきます。 少し泥濘んだ所を過ぎていくと、道幅が広がった所に出ます。
岬入口
再び笹が茂るようになるを軽く降っていきます。 左側の樹木が低くなると、奥の方にが見えてきます。 左の方には少し尖った山も見えてきますが、方角からするとでしょうか。 少し左へ曲がって、ロープが張られたを降っていきます。 笹が茂る小径を降ってロープが終わると、道路の曲がり角にある岬入口に出ます。 黒崎鼻から12分ほどで戻って来られました。
車を止めてきた駐車スペースへは最初に来た道を引き返しても良いのですが、 地形図に破線で載っている東側の海岸沿いの道を歩くことにしました。 曲がり角にされた区画があります。 その右脇に、笹などが茂る中に入っていくがあります。 ここが破線で載っている道の入口になります。 笹などが茂る所を降っていくと、すぐに左へ曲がって、を横切るように進んでいきます。 少し右へ曲がると、降り傾斜が増してきます。 張られたに掴まりながら急坂を降っていきます。 急坂が終わって緩やかになった小径を進んでいくと、石がゴロゴロする大浦海岸に出ます。
には明瞭な道はありませんが、右側へ進んでいきます。 左側に広がる猫崎半島などを眺めながら進んでいきます。
の脇を過ぎていくと、 竹野スノーケルセンター・ビジターセンターの建物が近づいてきます。 岩の先に建つを過ぎていくと、右の斜面に登っていく木の階段があります。 地形図に破線で載っている道はこの階段を登っていくようです。
曲がりながら続くを登っていきます。 振り返ると、がよく見えました。 の傍を登っていくと、左右に通るに出ます。 破線の道の入口から13分ほどで出られました。 道路の少し右側から、ブロック塀に沿って続く狭い路地を降っていきます。
ブロック塀が終わって、コンクリート打ちされたに沿って降っていきます。 左右に通るに出ると、 角には「奉納大乗妙典六十六部供養塔」と刻まれたが並んでいました。 右・左と曲がって路地を進んでいくと、県道11号のすぐ下を通る道に出ます。
右へ曲がって、の道を進んでいきます。 右へ分かれていく路地を分けて、道なりに曲がりながら進んでいきます。 民宿旅館を過ぎて、左へ分かれていく道を見送った所のを左へ進んでいきます。 切浜川の傍に出ると、海への注ぎ口にが架かっています。
切濱地区
右へ戻るように曲がった所にがあります。 トイレの前を過ぎていくと、海岸沿いのに出ます。 左へ進んで切浜川に架かる小橋を渡って県道11号に出ると、車を止めておいた駐車スペースが右側にあります。 破線の道から出た所の道路から8分ほどで到着しました。
切浜海水浴場切浜漁港の先にあるを眺めてから家路につきました。