五色浜園地
概 要 五色浜園地は京丹後市網野町の五色浜の傍にあります。 遊歩道や休憩舎や広場があって、よく整備された園地です。 海辺には広い岩畳になったヒロイソが広がっていて、干潮時にはその上を歩くことができます。 今回は五色浜園地を散策してから、塩江地区の集落へ続く海岸沿いの近畿自然歩道を通って半島をひと巡りします。
起 点 京丹後市網野町 塩江地区
終 点 京丹後市網野町 塩江地区
塩江地区…五色浜園地…近畿自然歩道…不動明王…五色地蔵…塩江地区
所要時間 1時間10分
歩いて... この時は潮が満ちてくる前の時間帯だったので、ヒロイソの上を歩くことができました。 地名の起源になっている「五色石」はよく分かりませんでした。 磯釣りをしている人達も何人か見かけました。 近畿自然歩道には所々に階段もありますが、全体として広めで歩き易い道が続いていました。
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コース紹介
塩江地区
久美浜湾から北東へ延びる国道178号を進み、浜詰地区で府道665号に入って北上していきます。 塩江地区の集落を過ぎて正面に小山が近づいてくると、その手前に分岐があります。 角に立つ標柱「五色浜園地」に従って左へ分かれていく道を降っていくと、 五色浜園地の駐車場に着きます。 芝生駐車場と砂利敷き駐車場がありますが、今回は砂利敷き駐車場(*)を利用しました。
駐車場の入口には「五色浜園地」のや「五色浜」の解説板がありました。 今回は園内マップに載っている茶色の遊歩道を歩いてから、近畿自然歩道へ向かっていきます。
*駐車場の入口には段差があるので、注意しないと車の腹を擦ってしまいます。 最低地上高の低い車は芝生駐車場を利用した方が良さそうに思えます。
五色浜
五色浜に見られる波食棚(波の力によってつくられた平坦な岩場)は規模が大きく、 幾重にも重なった地層や波で洗われた奇岩、地名の由来ともなったカラフルな礫が特徴的です。 五色浜は、山陰海岸国立公園のなかでも特に優れた海域景観として、海域公園の指定も受けています。 この浜には昭和2年(1927)の北丹後地震時に約50センチ隆起した波食棚やノッチ(波食窪)も残っており、 自身による地殻変動の大切な記録者ともいえます。
ジオパーク
ユネスコが支援する、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園のこと。 現在、鳥取県から京都府北部にまでわたる山陰海岸をジオパークとしようとする取り組みが行われており、 平成20年12月に「山陰海岸ジオパーク」が「日本ジオパーク」に認定され、 平成22年10月に「世界ジオパークネットワーク」の加盟地域に認定されました。
 (京丹後市観光協会)
五色浜園地
駐車場の奥にあるトイレの脇に「山陰海岸国立公園・五色浜園地」のがあります。 その正面には展望広場休憩舎があり、奥には日本海が広がっていました。
解説板の右脇から遊歩道が降っていて、入口にはが立っています。 板の向きが少し変ですが、広場へ真っ直ぐ降っていく階段は「海岸園路(階段)」、 左から折り返すように続く坂道は「海岸園路(スロープ)」となっています。 はかなり遠回りになるので、階段を降っていきました。
山陰海岸国立公園・五色浜園地
<五色浜の由来>
宮津藩の儒者小林玄章・之保・之原の三代の著である「丹哥府志」(天保12年、1841年発行)に、 「浜の広さ僅かに四五間、其上に大なる岩ありて覆ふが如し、 其下に李実程なる小石の浜があり、其石或は青、或は黄、或は白、或は赤、或は黒、或は一石に二色三色五色を帯びたるものあり、 俗に五色浜と云。」と書かれており、 湾奥部の狭い海岸から海底にかけて、小豆大からそら豆大の美しく磨かれたチャートの小石が存在し、 これが五色浜の地名の起源になっている。
<五色石の由来>
五色の石の大部分は秩父古生層のひとつの構成メンバーであるチャートの礫が、何回も何回も流水や海の波浪で磨かれ、 堆積しては風化浸食されて流されては堆積し、それが五色流紋岩質の噴出に伴う火砕流に巻き込まれて、 ヒロイソなどを作っている五色流紋岩質各礫凝灰岩層を作った。 そしてこの凝灰岩が風化分解して、五色浜の背後の谷の上流部から流れ出されたものである。 このチャートは風化に強いので、このように何回も何回も堆積し、 岩石化した風化、浸食、運搬、堆積、岩石化の作用を繰り返し、小さくなってよく磨かれた状態で残っている。
階段をひと降りすると、展望広場の端にがあります。 誰かが暖でも取ったのか、中には薪の燃え残りのようなものがありました。 脇にはが立っていて、 休憩舎の右から海岸方向へ続く道は「海岸園路」、今来た道は「駐車場・トイレ」となっています。 道標に従って、海岸へ向かうを降っていくと、 程なくして左へ曲がっていく階段が現れます。
道なりに左の階段を降って、その先に続く緩やかになったを進んでいきます。 右側に広がる磯浜を眺めながら進んでいきます。
登り階段が始まる手前まで来ると分岐があります。 角にはが立っていて、右へ分かれて行く階段は「ヒロイソ」、 今来た道は「駐車場・トイレ」となっています。
道標に従って右の階段を降っていくと、すぐに岩場に出ます。 園内マップによると、この周囲一帯の岩場がヒロイソというようです。 この時は潮が満ちてくる前の時間帯とあって、かなり広くなった岩畳を歩くことができました。 岩の上には青々としたもあるので、満潮時にはこの岩畳は波に洗われるようでした。 少し先の方まで歩いたりしながら、磯浜を味わっていきました。
磯に降りてきたまで引き返して遊歩道に出て、 右にあるを登っていきます。 階段はすぐに終わって、緩やかになった道を進んでいくと分岐があります。 角には道標が立っていて、右の道は「ヒロイソ」、今来た道は「海岸園路」となっています。 左の道には何も示されていませんが、園内マップによると、展望広場を掠めて駐車場へ続いているようです。 ここでもヒロイソへ向かってを進んでいきました。
階段を降ってその先へ進んでいくと、すぐに岩場に出ます。 ここも、先ほどの場所から続くヒロイソで、広い岩畳が広がっていました。 左側には入り江があり、磯釣りをする人を見かけました。
手前のまで引き返して、右の道を進んでいきます。 短い階段を登っていくと、左側にが広がっていきます。 左側を指す道標「展望広場」を過ぎていくとが始まります。 駐車場へ向かって階段を登っていくと、途中から右へ分かれていく道があります。 角には道標が立っていて、右の道は「展望デッキ」、今来た道は「展望広場・ヒロイソ」となっています。 階段を真っ直ぐ登っていけばすぐに駐車場に出ますが、を進んでいきました。
階段を降っていくとすぐに芝生広場に出ます。 端にあるを右から回り込むように続くを進んでいきます。 小広くなった所から右前方へ続く階段を降ってその先へ進んでいくと展望デッキに着きます。 ここからも海岸線の眺めが広がっていました。
園内マップによると、正面に広がる岩場はカマヤというようです。 左の奥には、京丹後市久美浜町から豊岡市竹野町にかけての海岸線が広がっていました。 先端に突き出ている岬はで、 山並みの背後に聳えているのはでしょうか。 左奥に続く海岸は箱石浜から小天橋にかけてののようです。 景色を眺めながらひと休みしていきました。
近畿自然歩道
展望デッキから引き返してを登っていくと、右へ分かれていく道があります。 左側には先ほどのがあります。 角には近畿自然歩道の道標が立っています。 文字は消えていて判読できませんでしたが、 京丹後市網野町の浅茂川地区から浜詰地区へ続く「五色浜と夕日ヶ浦をめぐるみち」というようです。 駐車場はすぐそこですが、右に続くを歩いていくことにしました。
広くて歩き易いを進んでいきます。 所々にがあって多少の登り降りもありますが、ほぼ等高線に沿うようにして緩やかに続いています。 たまにがあったりもしますが、総じて歩き易い道が続いていました。 階段の脇の山際の管からが流れ落ちている所を過ぎていくと、右前方に平らな岩礁が見えてきます。 地形図に載っている逆L字形の島でしょうか。
階段を登って、などが茂る所を進んでいきくと、 が目立つようになりました。 少し長めに続くを登っていきます。 階段を登り切り、少し右へ曲がって階段を降っていくと、笹竹などが茂る緩やかな所に出ました。
長く続くを登るようになると、 再びが目立つようになります。 階段を登っていくと、右前方に浜詰漁港(塩江泊地)が見えてきます。 階段を登り切って、緩やかになったを進んでいきます。 程なくして正面が明るくなると、長い階段を降るようになります。 正面の谷筋の向こう側には府道665号が見えてきます。
右下に見える(塩江泊地)を眺めながら、 を降っていきます。 谷筋まで降っていくと、が架かっています。 漁港へ流れ込むを渡って、その先の階段を登り返していくと府道665号に出ます。 五色浜園地近畿自然歩道の入口から18分ほどで歩いて来られました。 出た所には近畿自然歩道の道標が立っていますが、ここでも文字は消えていて判読できませんでした。 右下には(塩江泊地)を見下ろせました。 右へ進んでいくとすぐに塩江地区の集落になりますが、 車を止めてきた駐車場へ向かって、左へ続くを進んでいきます。
不動明王
右から左へS字形に曲がりながら進んでいくと、 「さわやかボランティア・ロード」のが立っています。 そこを過ぎて、道路の下を小川が流れる所まで来ると、左下にが見えたので、立ち寄っていくことにしました。 小川を過ぎた所から左へ続くを降っていきます。 岩壁の上を進んでいくと、谷側を向いた石碑があり、両脇には石灯籠が立っていました。 石碑には「南無大聖不動明王」と刻まれていて、「大正十四年七月廿三日」の日付も見られました。
さわやかボランティア・ロード
この付近の道路は、私たちがボランティアできれいにしています。
 (しおえ七竜会)
五色地蔵
府道665号に戻って、その先へ進んでいきます。 僅かにS字形に曲がりながら緩やかに登って、正面に小山が近づいてくるとがあります。 角には標柱「五色浜園地」が立っていて、左に分かれていく道を指しています。 傍には「引原権助と五色地蔵」と「五色浜」の解説板があります。 近畿自然歩道の道標もありますが、ここでも文字は消えていて判読できませんでした。 正面のを登っていくと、祠に納められた大きなお地蔵さんがあって、小銭がお供えされていました。 これが五色地蔵というようです。 祠の脇には前掛けをしたお地蔵さんが並んでいました。
網野ふるさと自慢百選 51.引原権助と五色地蔵
網野・木津間の引原峠は、大木が茂った、昼間でも暗い山道でした。 言い伝えによると、峠には引原権助という古狸がいて、よく人を化かしました。 困った近所の人々は、狸の悪さを封じるため石地蔵を造り、僧にお経を読んでもらったところ、狸は塩江の五色の山へ移りました。 しかし狸は、五色の山でも悪さを始め、嵐の夜になると浜辺で火を燃やし、沖を通る船をおびき寄せ難破させたそうです。 そこで、塩江の人々は相談し、大きな石地蔵を造り、僧にお経を読んでもらった所、狸は但馬の方へ移ったとのことです。
 (京丹後市教育委員会)
京丹後市指定文化財 網野ふるさと自慢百選 19.五色浜
五色浜の名前は、波でチャートがよく磨かれ、様々な色と形をした小石が、五色の光を放つことに由来しています。 浜には砂はなく、平らな岩場が広がっています。 岩場には、凹みの中の小礫が波によってまわりを削った甌穴が見られます。 このほか、波がつくった自然の岩の造形が美しい景観を見せ、 潮だまりでは様々な海の生物が観察できるなど、海の自然観察の絶好の場所です。
石段を引き返して府道665号から分かれていく道に入り、斜面に続くを降っていきます。 右下に見える入り江がになるようですが、浜へ降りて行く小径は見かけませんでした。 少しずつ見える範囲が変わってくるを眺めながら一車線道路を降っていくと、 正面に平らになった岩畳が見えてきます。 駐車場で見かけた園内マップによると田尻というようです。
注意!
この付近の海岸で岩ノリを採取する事を禁止します。 違反者からは罰金を徴収します。
 (塩江漁師組合)
海で遊ぶ皆さんへ!!
「アワビ・サザエ等」をとらないで下さい。
アクアラング及び水中銃・鉄砲ヤス等発射装置を有するものを使用して水産動植物をとることは禁止されています。
違反すると法令により罰せられます。
(例:20万円以下の罰金(漁業侵害権に該当)など)
 (京都府漁業協同組合、京都府漁業協同組合連合会、京都府水産事務所、舞鶴海上保安部、京都府京丹後警察署)
塩江地区
更に降っていくと、田尻からニシマネタキを経て北東へ続くが見えてきます。 正面が開けてくると、左側には芝生駐車場、右側には砂利敷き駐車場があります。 「京丹後市指定文化財 五色浜」のの所を右へ曲がると、車を止めておいた駐車場があります。 府道665号に出た所から25分ほどで到着しました。 眼の前に広がるの眺めを再度確認してから家路につきました。