床尾の三滝
概 要 床尾の三滝は朝来市和田山町の糸井渓谷にある滝です。 糸井川の支沢に、手前から順に一ノ滝・二ノ滝・三ノ滝と三つの滝があります。 沢沿いには遊歩道が設置されて、滝の前には標識が立ち、分かり易くなっています。 一番奥の三ノ滝までは、入口から30分もかからずに行くことが出来ます。
起 点 朝来市和田山町 竹ノ内地区
終 点 朝来市和田山町 竹ノ内地区
竹ノ内地区…森林総合利用管理施設…遊歩道入口…一ノ滝…二ノ滝…三ノ滝…二ノ滝…一ノ滝…遊歩道入口…森林総合利用管理施設…竹ノ内地区
所要時間 0時間50分
歩いて... 遊歩道の途中からはクサリ柵が設置された石段になりますが、落石などが覆っていて荒れ気味でした。 夏草などが茂っている所もありましたが、道が分からなくなるほどではありませんでした。 流れ落ちる水の傍までいくと、ヒンヤリとした空気が漂っていました。 最後の三ノ滝は、大きな岩がある沢を少し遡上しないと見えませんでした。
関連メモ 床尾の三滝
コース紹介
竹ノ内地区
県道104号の糸井橋交差点から県道10号に入っていきます。 県道274号を右に分け、途中で県道10号から分かれて和田地区竹ノ内地区を進んでいきます。 集落が終わる所に架かる奥村橋の手前に「竹ノ内隕石落下之地」に標識が出ていて、 脇へ50mほど入った所にがあります。 を渡った所が小広くなっていて、 近畿自然歩道「」や「林道 床尾線(起点)」の解説板が出ています。 今回訪ねる床尾の三滝は「トテの三滝」として名前が載っています。 そこから1車線の林道床尾線を5分ほど進んでいくと、川向こうに建物が見えてきます。
「東床尾山 但馬眺望のみち」の解説板に載っている「現在地」は誤った所に書かれています。 正しくは、「竹ノ内隕石落下地点」と「森林浴場」との間になります。
竹ノ内隕石落下之地
隕石の由来
明治13年(1880)2月18日午前5時30分頃、大きな火の玉が尾を引きながら南から北に向けて飛び来い、 大音響とともに落下した。 この光芒は兵庫・大阪・京都の三府県でも観測された。 落下地点の字名により竹ノ内隕石と命名され、重さは78.7グラムあった。 国立科学博物館村山定男氏の調査の結果、本地に於て落下日時・場所・標本が確認され、 化学分析等の科学的研究が行われた最初の隕石である。 このことは日本の科学史上貴重な資料であるといえる。 ここに落下百年を記念し、現地に碑を建立して後世に伝える。
題字 村山定男博士
林道 床尾線(起点)
この道は林道です。 林道は木材を運び出したり、森林を守り育てるために設置された道路です。 以下のことを承諾・厳守されたうえで利用願います。
一般道(公共交通に寄与することを目的とする国道等)に比べ次のことが異なります。 注意して走行してください。
・道幅が狭く、急カーブが多い。
・落石・倒木の危険が多い。
・ガードレール・カーブミラーが少ない。
・急勾配が多い。
・街灯はなく、夜間の走行は危険。
次の期間は通行しないで下さい。
・豪雨・強風時 → 土砂崩れ・倒木の恐れがあります。
・降雪・凍結時 → 除雪は行いません。
次のことは行わないで下さい。
・暴走行為・通行の妨げになる行為。
・林道施設・周辺の自然を損傷・汚染する行為。
・火気の取扱。
走行速度は20km/h以下を心がけましょう。
ゴミ等の不法投棄は法律で罰せられます。 絶対に捨てないでください。
許可なく林道を占有することは禁止しています。
近畿自然歩道 東床尾山但馬眺望のみち(竹ノ内バス停〜下寺坂バス停) 11.1km
近畿自然歩道は、私たちの生活が近代化する中で、自然の残っている地域や名所・旧跡を帯状に結び、 身近に歴史や自然とふれあえるよう整備したものです。 コースには道しるべがありますのでそれにしたがってお歩きください。
【コースの見どころ】
東床尾山  東床尾山は標高839m、山頂は出石町・和田山町・但東町の3町に接しています。 イノシシやシカなどの野生動物がたくさん見られる自然豊かな山です。 谷が深いため、一度迷ったら出て来れない山として古くから地元に人々に恐れられ、 シカとまちがえるほどの大きなアリが出たという民話も残されています。
糸井の大カツラ  推定樹齢2000年ともいわれるカツラの雄株で、高さ約35m・幹回り約18mの巨木です。 主幹は朽ち、大小50余りのひこばえがその周囲から発生し、 旧主幹部を保護するような形で林立しています。(国指定天然記念物)
糸井渓谷  糸井川の源流部、東・西床尾山、鉄鈷山に挟まれた渓谷で、両側は荒い岩肌と広葉樹林が囲み、 たくさんの貴重な植物がはぐくまれています。 長さ2kmあまりの渓谷の中には数々の名滝があり荘厳な雰囲気を醸し出しています。
環境省・兵庫県
森林総合利用管理施設
橋を渡っていくと、左右に建つ建物の間が駐車場になっているので、ここに車を止めさせてもらいました。 右側には「森林総合利用管理施設」の表札が架かるがあり、トイレも設置されていました。 鍵は掛かっていなかったのでちょいと中へ入ってみると、前後の二部屋になっていて、 には薪を燃やす所があるばかりでした。 左側にもがありますが、周囲は柵で囲まれ、入口の扉は紐で閉ざされていました。 窓にはカーテンが取り付けられていて民家風でもあるので、個人所有の別荘でしょうか。 正面の山際には「」の看板が出ていました。 管理施設の建物の右側には「」があって、 今回歩く床尾の三滝が載っています。
森林総合利用管理施設
誰でも利用できます。
ゴミは必ず持ち帰り、気持ち良く使いましょう。
ひょうご森林浴場50選 糸井渓谷
昭和59年10月16日指定
 (兵庫県)
山火事注意!
ひろげよう 森への感謝と 防火の輪
 (兵庫県和田山町)
遊歩道入口
看板の脇にあるを降って管理施設の裏側へ回ると、糸井川の支沢に出ます。 ここに「」の標識が立っていて、そこから沢沿いに小径が続いています。 標識の脇にはがありました。
標識の先に続くを登っていきます。 岩盤になったを眺めながら登っていくと、すぐに石がゴロゴロする沢を渡っていきます。 沢にはコンクリート製の飛び石が設置されていますが、少し傾いているのもありました。
沢を渡って、その先に続くを登っていきます。 夏木が伸びていましたが、歩くのに支障はありませんでした。 階段が終わってを進んでいくと、沢に架かる木橋が架かっています。 丸太を束ねたには少し穴も開いているので、踏み入れたりしないよう注意しながら渡っていきました。
引き続き、小さな滝が心地よい水音をたてる沢沿いのを登っていきます。 がゴロゴロする所を過ぎていくと、 コンクリート補強された岩の先の両側に大きな岩があります。
沢沿いに続くを更に登っていきます。 夏草が茂る所を抜けて、の縁を進んでいきます。 大きなが道を塞いでいましたが、滑らないようにとの配慮なのか、一部が平らに削られていました。 コンクリート護岸された沢沿いに登っていくと、先の方に大きな滝が見えてきます。
一ノ滝
一本生えた大木の袂までいくと、「」の標識が立っていました。 目の前すぐの所にある黒い岩壁を流れ落ちる滝が一ノ滝のようです。 遊歩道入口から8分ほどで着きました。 滝の下には岩盤が続いていて、「滝壺」と言えるほどの深い窪みはありませんでした。
遊歩道は一ノ滝の手前から左へ曲がって、クサリ柵が設置されたを登るようになります。 石段にはかなり土石が積もっていて、登り始めの所は石段があることが分からなくなっていました。 すぐに右へ曲がっていくと、などが茂っていました。 石段を登り切ると、一ノ滝の上部に出ます。 腕を目一杯伸ばして、流れ落ちる辺りを写しました。
二ノ滝
生い茂る夏草がなくなった石段を更に登っていくと、クサリ柵の外側に「」の標識が立っています。 その先にはが見えています。 標識の手前のクサリ柵が途切れていて、そこから沢に降りて行けるがあったので、慎重に降りていきました。 大きな石がゴロゴロするに降りて上流へ進んでいくと二ノ滝の前に出ました。 一ノ滝から4分ほどで着きました。 この滝もはあまり発達していませんでした。
元のまで引き返して、その先へ登っていきます。 土石が積もっていて、石段なのか坂道なのか分からないを登っていきます。 が終わった先へ進んでいくと、沢の傍に出ます。 岩の脇に「」の標識が立っていますが、ここから滝は見えません。
三ノ滝
大きな岩があるへ降りて上流へ向かっていきました。 岩は苔生しているので、滑らないよう慎重に進んでいくと、先の方にが見えてきます。 そこへ向かって岩の上を伝って更に登っていくと三ノ滝の前に出ました。 二ノ滝の標識から5分ほど、遊歩道入口から22分ほどで着きました。 二段になって流れ落ちる滝ですが、上段の滝壺までは行けませんでした。 狭まった谷筋に、流れ落ちる水音だけが響き、ヒンヤリとした空気が満ちていました。
ニノ滝
滝を愛でたところで、沢沿いのまで戻り、 を引き返していきます。 ニノ滝を眺めながら、土石の積もったを降っていきます。
一ノ滝
ニノ滝へのを分けて更に降っていきます。 夏草が茂るを降って左へ曲がっていくと、一ノ滝に戻ってきました。
遊歩道入口
の間を抜けて、がゴロゴロする所を降っていきます。 を渡って降っていき、 コンクリート製のを渡って横木の階段を降っていくと、 「遊歩道」の標識が立つ入口に着きました。 三ノ滝の標識から16分ほどで戻って来られました。
森林総合利用管理施設
右にはがあります。 管理施設の建物の左側を過ぎてを登ると、車を止めておいた駐車場に出ます。
竹ノ内地区
糸井川に架かる橋を渡って、林道床尾線を引き返していきます。
家路につく前に、上流にある糸井の大カツラを訪ねていきました。 を過ぎて狭い林道を登っていくとがあります。 東屋風のベンチの脇に車を止めて、 角に立つ「糸井の大カツラ600m」の標識や道標に従って、川沿いに続く未舗装の広めの道を進んでいくと、 木柵やロープ柵で囲まれた所にがありました。 柵の左側に沿って進んだ所にあるを確認してから、林道まで引き返しました。
糸井の大カツラ
糸井渓谷の最奥部に立地するカツラの雄株で、高さ35m、枝張り、東西30m、南北31m。 主幹は朽ち大小約80本の「ひこばえ」がその周囲から発生し、旧主幹を保護するような形で林立している。 主幹の朽ちた内径は東西4.4m、南北3.0m。 地上約6mでリョウブ・オオズミの2本がくいこみ、キヅタ・イワガラミ・ツタウルシ・ツタなどが巻きつきコタニワタリが着生している。 カツラの巨木としては全国にまれに見るものである。 昔、この地方の「おお日照り」に際し名僧を招き雨乞いをしたところ、 この木に法衣をかけて祈願し干害を救ったと伝えられているところから、 土地の人はこの木を「衣木」または「大木さん」と称して尊んでいる。
昭和26年6月9日 国天然記念物に指定。
 (和田山町)
御願い
大カツラの保護のため、柵内の立ち入りはご遠慮ください。
 (朝来市教育委員会)
東床尾山(839.1m)登山口
但馬空港、但馬ドームをはじめ、豊岡市・出石町・但東町の市街、氷ノ山・蘇武岳粟鹿山等の但馬の山々、 また遠くは丹後の宮津湾(天橋立)まで望む事が出来る。 約50分の行程、山頂より西床尾山までは約70分。