シワガラの滝
概 要 シワガラの滝は新温泉町の海上地区の小又川渓谷にある滝です。 海上林道にある入口から谷に降りて尾根を越え、隣の谷へ降りて沢を遡上した所の洞窟の中にあります。 洞窟の外からは滝があることは分かりません。
起 点 新温泉町 海上地区
終 点 新温泉町 海上地区
海上地区…峠…突出地…シワガラの滝…突出地…峠…海上地区
所要時間 1時間30分
歩いて... 滝がある谷に降りるまでの道は明瞭ですが、鎖やロープが張られた急坂があるので注意が必要です。 沢が流れる谷には大きな岩がゴロゴロしていて明瞭な道はなく、 水の中を歩いたり岩の上を歩いたり崖を登ったりしながら遡上します。 水量が多い所もあるので、深い長靴か濡れても良い短靴などで出かけるのが良さそうです。
関連メモ シワガラの滝, 桂の滝
コース紹介
海上地区
新温泉町を通る国道9号線の蒲生トンネルの少し東側のおもしろ昆虫化石館があるから県道262号を南下していきます。 まで来て、右へ戻るようにして分れていく道に入っていきます。 手前には「シワガラの滝 6km」の標識が出ています。 海上地区の集落に入ってまで来ると、西山農道や小又川渓谷への道を右に分けていきます。 集落を過ぎて海上林道を登っていきます。 芝桜公園布滝尾の谷滝への入口を過ぎて登っていくとが広がってきて、 眼下に芝桜公園いっぷく亭や田んぼなどが見えます。 更に登っていくと、シワガラの滝桂の滝(*)があって、 車数台を止められる場所があります。 入口を見送った少し先に「小又川渓谷 シワガラの滝 桂の滝 入口」の標識が出る駐車場があるので、 ここに車を止めさせて頂きます。(
駐車場には「」と題した案内板があって、 今回歩くまでの道が載っています。 詳細は分かりませんが、滝までは1.2kmとなっています。
*手前の入口からの道は「シワガラの滝」, 「桂の滝」を参照。
海上(うみがみ)UMiGAMi
山の中ですが「海の上」と書いて”うみがみ”と呼びます。 二方民談記によると『 往古は池内村と云しことは土人語りつたふ、 昔時、牛ヶ峰山ぬけして谷へ打ち込み水を関留めし故、この所一面の泥海となる。 是故に悪蛇の栖となり人民をなやますこと久し、 時に牛ヶ峰中興長慶正僧是を退治させ給ひ残る悪つかつとも此れの院を崩し七日七夜振動して 終りに嘉元年戌辰閏六月十日卯の刻に天地振動して大海に出づ。 依って是の日を以って枯れの蛇神を祭ると云う 』とあります。 確かに地形的に見て、牛ヶ峰山に山崩れを物語る「蛇抜け」があり、 その下部の石と同種の石が海上地域に堆積していることから小又川をせき止めたと考えられます。 地名にも小嶋、湊、池成、津江田、高田、浮田、上山など海や池に因んだものが多く、 また、木の葉は勿論のこと 500万年昔のチビクワガタやセミ、スズメバチ、アリ、アブ、カゲロウ、カエル、サワガニなど沢山の昆虫化石が発掘されています。 このことは、昭和38年8月13日に女子高校生の自由研究で小又川より発掘されたことに端を発して 日本古生物学会・日本地学研究会会員の井上繁広氏により発掘されて「おもしろ昆虫化石館」で立証されています。 さらに、土中には根木という神代杉の大木が数多くあります。 しかし、村の発祥時期は明らかでない。 現在50戸あり約30haの棚田に清流シワガラの滝米・コシヒカリ・”うみゃーなぁー”と薬草豊富な野草と愛情飼育の但馬牛生産の農山村です。 標高340m〜370mの高地に位置し、夏は涼しく、冷たい水の味は格別です。
金烏山牛峰寺・蔵王大権現様  天台宗。 蔵王権現像は町指定有形文化財で山陰の三大のあらたかな大権現様。
児嶋神社と大銀杏  牛ヶ峰神社に次ぐ旧社。 児嶋権現として海上村の発展を守る。 八坂神社、天照皇大神宮も祀る大杉や椿の鎮守の森。 大イチョウ樹齢約300年は神秘的で壮観。
海上傘踊り  雨乞いの踊り。 フランスを始めシンガポール、台湾、中国海南省、広東省など遠征。 小学1年生より伝承。
小又川渓谷  県指定名勝地。 僧侶修行伝説の神秘的な洞くつ『シワガラの滝』のほかに魚止の滝、五滝、桂の滝、布滝、尾の谷滝など清流の渓谷。
芝桜公園  集落から約1.5km上山高原方面の丘。 国定公園の山並みパノラマが素晴らしい。 芝桜を基調にした多種の花園約1haを夢ふる里会が管理している。
上山高原エコミュージアム(シワガラの滝入口駐車場)
シワガラの滝  女人禁制で修験者が修行したといわれ、洞窟の中に落下口があるので遠くからは滝があることは分かりません。 水しぶき飛ぶ洞窟の中から見る滝は夏でも寒いくらいです。
布滝  落差7m。 滝を横から眺めるとオーバーハングした岩壁から二条に分かれ落ちるユニークな景観です。 名は、布を広げたように見えることからと、言われます。
小又川渓谷  数々の急峻な断崖からなっており、兵庫県の名勝に指定されています。 その風貌は人々を寄せ付けがたい厳しさを感じます。
駐車場についてのご注意
○この駐車場は、国定公園(小又川渓谷)を利用される方の駐車場です。
○当駐車場内での事故及び盗難等の責任は一切負いません。
○当駐車場内の南側駐車枠はマイクロバス優先とします。
新温泉町・上山高原エコミュージアム
案内板の横から続くを降っていきます。 段差の高い石段を真っ直ぐ降っていくと、左右に通るに出ます。 左前方にある「シワガラの滝・桂の滝」のに従って左へ進んでいきます。 沢沿いに進んでいくと、木板製の小橋が架かっています。 駐車場から2分ほどの所になります。
警告!! 滑落事故多発!!
!軽装厳禁!! (マムシ・ヘビ・岩場・石ゴロ道・草場・急傾斜道・流木・危険木等)
※登山道危険
・滑落、死亡事故につながる!
・未整備箇所あり!・橋流れる!
・チェーン、ロープの強度を確認して活用。
・歩きは山側に体重のせ、小股で歩く。
・特に雨模様は「滑りやすい!滑る!」
・両手使える準備
・沼地、水辺、落石注意!
■ツキノワ熊が生息 (音を出しながら散策。クマ鈴、ラジオ等)
■初心者は安全ガイド・事前調査が必要 (上山エコミュージアムには事前相談)
■午後3時以降の入山は禁止 (携帯通信不可!捜索困難!ゆとりをもって歩く)
■事故・ケガ等は「自己責任」です
■入山前にもう一度、チェック!! (長袖・長ズボン・登山靴・長靴・帽子手袋・飲料など)
■動植物を大切に。ゴミは出さない!
小橋を渡って、を進んでいきます。 道なりに右へ曲がって沢から離れ、の斜面を斜めに登っていきます。 少し登っていくと折れ曲がっていきます。 しばらく進んだ所を曲がりながら登っていきます。 少し右へ曲っていくと尾根にあるに出ます。 駐車場から7分ほどの所になります。 脇にはが立っていて、 尾根を越えていく道は「シワガラの滝 800m」、左の尾根(*)は「桂の滝 1700m」となっています。 「上山高原」の標柱も立っていて、注意書きが書かれています。
*左の尾根は「桂の滝」を参照。
シワガラの滝 800m
この先、危険箇所もあるため両手が使えるようにしてください。
雨では突然増水となり、通行できないことがあります。
天候が良くないときなどは、早く帰りましょう。
危険な箇所、落石、ハチなど十分注意を。
ツキノワグマの生息区域ですので、クマ鈴等の装備を。もし目撃した場合は、刺激せず直ちに後退、退避してください。
マムシの生息区域ですので、サンダル等では危険です。
安全な服装、履物等でお願いします。
桂の滝 1600m
この先、危険箇所もあるため両手が使えるようにしてください。
天候が良くないときなどは、早く帰りましょう。
危険な箇所、落石、ハチなど十分注意を。
ツキノワグマの生息区域ですので、クマ鈴等の装備を。もし目撃した場合は、刺激せず直ちに後退、退避してください。
安全な服装、履物等でお願いします。
へ続く道を降っていきます。 傾斜が緩やかになって正面が明るくなると、(*)が建つ開けた所に出ます。 辺りには耕作されなくなった様子の田んぼが見られますが、これまでのしっかりとした道はかつては農道だったのでしょうか。 右側にはを眺められます。 小屋の左側を過ぎていくと、再びになります。 程なくして傾斜が増してくると、短いトラロープが張られた岩が剥き出す所を降っていきます。
*以前に来た時には小屋は二軒ありましたが、ひとつは取り壊されたようです。
トラロープはすぐに終わって、先へ続くを降っていきます。 階段が終わった道を降っていくと、僅かなを回り込んでいきます。 斜面を横切るように進んでいくと、注意書き付きのシワガラの滝 500m」があります。 すぐ先で踏み跡が左へ分かれていくようですが、入口には「立入禁止」の標識が出ています。 標識を過ぎて、雑木林のを小刻みに曲がりながら降っていきます。 何度か曲がりながら降って「この先、危険箇所」の標識を過ぎていくと、鎖とトラロープが張られた急坂になります。 駐車場から17分ほどの所になります。 注意を促す標識が続く急坂を、鎖やロープに掴まりながら降っていきます。
シワガラの滝 500m
この先、河川が有ります。
この先、危険箇所もあるため、両手が使えるようにしてください。
雨では突然増水となり、通行できないことがあります。
危険な箇所、落石、ハチなど十分注意を。
マムシの生息区域ですので、サンダル等では危険です。(長靴推奨)
この先 立入禁止
○ここは遊歩道ではありません。
急斜面を慎重に降っていくと、程なくして曲がっていきます。 切り立ったの脇を降っていきます。 傾斜がくると鎖やトラロープが途切れます。 再びトラロープが張られるようになるを降っていきます。 曲がりながら更に降っていくと、横木の階段を降るようになります。
突出地
鎖やトラロープが終わって歩き易くなった小径を進んでいくと、僅かなを跨いでいきます。 右・左と曲がりながら降っていくと、急なの手前を右へ曲っていきます。 またある僅かなを跨いでいきます。 左へ曲がって、岩が剥き出すようになるを降っていきます。 程なくして現れる横木の階段を曲がりながら降っていくと、渓谷の突出地に降り立ちます。 駐車場から27分ほどの所になります。 正面には注意書き付きの「シワガラの滝 70m」の標識が立っていて、左を指しています。
シワガラの滝 70m
この先、危険箇所もあるため、両手が使えるようにしてください。
雨では突然増水となり、通行できないことがあります。
天候が良くないときなどは、早く帰りましょう。
危険な箇所、落石、ハチなど十分注意を。
標識に従って左へ降っていくとすぐにに出ます。 左側に鎖が続いていますが水かさが多くて歩けないので、沢を渡って右側を進んでいきます。 を乗り越えて遡上していきます。 程なくして右側が歩き難くなるので、沢を渡ってに出ます。 を慎重に進んでいきます。 小岩がゴロゴロする沢を遡上していくと、大岩の左側にが現れます。 崖には鎖やトラロープが垂らされていて、コンクリート製の足掛かりも幾つか取り付けられているので、それ程苦労することもなく登っていけます。
狭いを抜けていきます。 崖を登り切って少し降ると、再び小岩がゴロゴロするに出ます。 左側にはがあって、滝のように水が流れ落ちています。 小岩の上を通ったりしながら、を更に遡上していきます。 高い岩壁の前まで来ると、谷筋は行き止まりのようになります。 駐車場から35分ほどの所になります。 岩壁には洞窟があって、この中にシワガラの滝があるのですが、まだ姿は見えません。
シワガラの滝
水が流れるへ入っていきます。 滝が少し見えてくると、手前にがあります。 前回に来た時には水量が多くて岩の所までで諦めたのですが、今回は水量が少な目だったので、岩の右側を進んでいきます。 足元に注意しながら進んでいくと、すぐに洞窟のに着きます。 駐車場から40分ほどで到着しました。 右側には岩壁の間を流れ落ちるシワガラの滝があります。 引きがなくて横位置では全体を上手く写せないので、にして何とか写しておきます。 辺りには飛沫が満ちてヒンヤリとした空気に包まれていて癒やされます。
滝を愛でて落ち着いたところで、から出ていきます。 丸い岩の左側を過ぎて岩壁の間を進んでいくと、に出ます。 そそり立つの袂を過ぎていきます。 が剥き出す所を登っていきます。 岩の間を過ぎていくと、来た時に登った急な崖があります。 垂らされた鎖やトラロープに掴まり、コンクリート製の足掛かりに足を乗せながら慎重に降っていきます。
突出地
沢を渡ってを歩いたりしながら進んでいきます。 大きなを跨いだりしながら谷筋を降っていきます。 突出地が近づいてくると、沢を渡り返してに出ます。 軽く登っていくと、「シワガラの滝 70m」の標識が立つ突出地に戻ってきます。 シワガラの滝から10分ほどの所になります。 来る時には気が付きませんでしたが、標識には「遊歩道入口 1.1km」の板も取り付けられています。
右の斜面に曲がりながら続くを登っていきます。 階段が終わった先を右へ曲りながら登っていくと、僅かなを跨いでいきます。 鎖が張られた所を過ぎていくと、急なの所を左へ曲がっていきます。 右・左と曲がりながら登って、またある僅かなを跨いでいきます。 程なくして傾斜が増してくると、横木の階段を登るようになります。
鎖やトラロープが張られた急なを登っていきます。 右へ曲って横木の階段が途切れた小径を登っていくと、の手前を左へ曲がっていきます。 右へ曲がって傾斜がくると、鎖やトラロープが途切れます。 左へ曲がって、切り立ったの脇に続く鎖やトラロープが張られた小径を登っていきます。 右へ曲っていくと、傾斜が益々急になってきます。 息が切れて汗も噴き出してくるので、何度も立ち止まって呼吸を整えながら登っていきます。
鎖やトラロープに掴まりながら登って急坂をクリアすると、傾斜がきます。 に出て、道なりに右へ曲って登っていきます。 少し先を左・右と曲がりながらを登っていきます。 鎖やトラロープが終わったを更に登っていきます。 曲がりながら更に登って傾斜が緩やかになると、 右へ分かれていく踏み跡の入口に「立入禁止」の標識が立ち、 すぐ先に注意書き付きの「シワガラの滝 500m」が立っています。 シワガラの滝から27分ほどの所になります。
緩やかになった道を進んでいくと、僅かなを回り込んでいきます。 両側からシダ類が迫ってくるを軽く登っていきます。 傾斜が増してくると、を登るようになります。 大汗を掻きながら階段を登っていくと、短いトラロープが張られたが剥き出す所があります。 岩が剥き出す所を過ぎて緩やかな道になると、作業小屋が見えてきます。
の脇を過ぎていきます。 左に広がるを眺めながら進んでいきます。 植林地に入っていくとになります。 次第に傾斜が増してくるを息を弾ませながら登っていきます。 傾斜が緩やかになると、尾根にあるに着きます。 シワガラの滝から38分ほどの所になります。 「シワガラの滝 800m」などのを再度眺めていきます。
尾根を越えて、へ降っていきます。 すぐに右・左と曲がって、を更に降っていきます。 しばらく降った所を道なりに曲っていきます。 谷筋に向かって、大きく回り込むように降っていきます。 少しが剥き出す所まで来ると小橋が見えてきます。 沢の傍まで降りてくると、木板製の小橋に出ます。 シワガラの滝から45分ほどの所になります。
海上地区
小橋を眺めていきます。 の奥には小滝が見えています。 小橋を渡って「シワガラの滝・桂の滝」の標識まで来ると、右へ続くが現れます。 以前の入口へ続く正面の(*)は見送っていきます。 右の急なを登っていきます。 段差の高い石段を息を弾ませながら登って海上林道に出ると、車を止めておいた駐車場に着きます。 シワガラの滝から48分ほどで戻って来られました。
*正面の遊歩道は「シワガラの滝」, 「桂の滝」を参照。
帰路の途中で海上バス停の傍にあるに立ち寄ると、 前に「」と題した大きな案内板があって、 の地図が載っています。 以前には児島神社・昆虫化石・牛ヶ峰山・但馬牛・芝桜公園・小又川渓谷・海上傘踊り・祇園祭・うら盆行事などを紹介する紙も貼り出してあったのですが、 今回は見かけませんでした。 近くにはうみがみ元気村がありますが、 以前の水・土・日曜日の営業から、当面は土曜日だけ営業する旨のが出されていました。
兵庫県美方郡新温泉町海上
海上(うみがみ)一口メモ
海抜340m〜380m、50戸、人口143人(男67人女76人)
産業 水稲25ヘクタール、但馬牛8戸、但馬杜氏7人
農産物 白ねぎ、大根、イモ類、山椒、人参、大納言小豆、ピーマン、等が美味い。
指定文化財 蔵王権現像、海上傘踊り、小又川渓谷
史跡 昆虫化石、神代杉、たたらば跡、蛇抜け、浮田井手隧道、雪崩犠牲者供養塔
名勝 シワガラの滝、桂の滝、五滝、魚止めの滝、茂平谷滝、尾の谷滝、布滝、芝桜公園